ホビボックスは,PSP用ノベルゲーム「
ナルキッソス〜もしも明日があるなら〜Portable」を,5月27日に発売する。
本作は,ゲーム制作サークル「ステージなな」が2005年に公開した,PCゲーム
「ナルキッソス」を,PSPに移植した作品だ。原作は,2007年に発表された
「ナルキッソス2」と合わせて,累計ダウンロード数100万回を数えるヒット作となっている。
そんなナルキッソスは,ある病院の“7F”にある末期ケア病棟・ホスピスを舞台に男女が織り成すせつない物語。プレイヤーに「死」とは何か,「命」とは何か,そして「生」きるとはどういうことかを問いかける。
PSP版は,PC用に配信されたナルキッソス,ナルキッソス2に,シリーズ完結編となる新章を加えた,3章で構成され,章を進むごとに,時代は過去へと遡っていく。
最終章では,1章,2章をとおして語られる,
ナルキッソスの根幹“7Fのルール”が作られた理由が明らかにされるとのこと。シリーズの終わりであり,始まりである物語を,ファンの人は見逃さないように。
上述のとおり,PSP版には1章と2章の内容も収められているので,本シリーズ未体験の人も,心配せずにプレイしてみよう。
またPSP版では,
CGが約100枚追加されるほか,キャラクターボイスに豪華声優陣を起用するなど,演出面にも力を入れているとのことなので,こういった部分にも注目してほしい。
以下に,各章の物語と登場人物を,実際のゲーム画像を交えて簡単に紹介しておく。本作の世界観が持つ淡く儚い雰囲気を,動画と合わせてぜひ確認していただきたい。
<第一章>
『命の出会いと別れの2人』
幼い頃から入退院を繰り返してきたヒロインのセツミ。
ある日、告知を受けホスピスへ向う身となっても驚きも落胆も薄かった。十年という月日が、彼女から現実感を薄くしてしまっていたからだった。そんな彼女が自分と同じように7Fで知り合ったのは、主人公の阿東。彼もまた、突然身に起こった出来事に、どこか現実感が伴っていなかった。
そんな主人公はある日、父親の車でセツミと共に7Fを飛び出すことに。元々、目的もなかった二人だが、なんとなくから、1月の花、水仙を見に行くことを決め一路淡路島へと向う。
旅路の途中で、親切な人と出会ったり、身を案じて病院から追いかけてきた者達との交流も経て、少しずつ意識も、前向きへと変わってくる二人の物語。
<第二章>
『死ぬまでにやっておきたい10のこと』
一章よりも6年前の夏、セツミは通院する日々を送っていた。
そんなある日、セツミは7Fに入院している姫子と出会う。
車好きで、地図をよく見ていた姫子・・・。
彼女は以前7Fのヘルパーをしていた事があり、ある少女を担当して以来ヘルパーを辞している過去をもっていた。姫子が少女と過ごした7Fでの日々は、後に彼女が起こす行動の基本的な理念のひとつとなっていた。
ある日、セツミはそんな姫子の持つ「死ぬまでにやってみたい10のこと」を知る。
年の離れた友達をつくること。
パイナップルの真実をつきとめること。
・・・そして・・・
セツミは姫子と共に、「10の事をやり遂げる日々」を始めるのであった。
<最終章>
『ルールは誰のために』
舞台は2章よりさかのぼる事、二十数年前・・・
14歳の博史は、家業の老人ホームの手伝いを理由に学校休みがちであったため留年をしてしまう。
そんな時、病気のため同じく留年をした元クラスメートの陽子と出会う。
陽子は入院生活が長かったため、人見知りしがちで、博史にも初めはうまく話せないでいた。留年組のため、うまくクラスになじめない2人・・・
そんな境遇が近いこともあり、お互い徐々に距離を縮め、惹かれ合っていくのであった。
高校生になり、2人は恋人同士になっていた。陽子もホームを手伝うようになり、ホームを良くするためのルールづくりを交換日記を通して行うのであった。そして陽子は、ホームで医師として働くことを目標に持つようになる。
高校3年の夏、陽子が体調を崩し休みがちになってしまう。
そのため医師になる目標も難しくなり、その目標は博史に受け継がれることになる。
その後、博史は東京の大学に合格し、離ればなれの生活が始まる。
一人暮らしをはじめて1週間後、突然、陽子と連絡がとれなくなる。
心配をし帰郷をしようとしていた主人公の元に小包が届く、そこには2人の思い出がつまった交換日記と共に『探さないで』のメッセージが・・・
7Fの「ルール」が作られたの真実がいよいよ明らかとなる、
ナルキッソス始まりの、そして終わりの物語----
■キャラクター紹介
<<第一章>>
<佐倉 瀬津美>さくら せつみ cv:江上リノ
主人公が入る以前からホスピスにいる女性。
見た目は中学生にしか見えないが、主人公よりも年上の22歳。
見た目によらず様々なことを知っており、ナルキッソスや地理、自動車についてとても詳しい。幼い頃から入退院を繰り返すうちに、ホスピスに入った頃には現実感は薄れ、望みや憧れを持つことを諦め、心を閉ざしてしまった。そのため、何事にも無関心で、あまり感情を表情に出さない。
死ぬ場所が病院か自宅になることは嫌で、主人公と一緒に病院を抜け出す。抜け出した後も、主人公の問いに「別に」とだけ答え、遠くを見ていることが多い。だが、主人公と旅を続けるうちに時折照れたような顔や笑ったような顔をみせ、
望みや憧れを語る。
<阿東 優>あとう ゆう(主人公)cv:中村圭佑
2004年の夏に自動車の運転免許を取得した翌日、胸の痛みで病院を受診し、循環器系の病と分かり入院する。2005年の1月にホスピス(7階)に入りセツミと出会う。
病院か自宅で死を待つことに耐えられず、セツミと共に薬とわずかな金を持ち、病院を抜け出す。行く当てなど無かったが、セツミが興味を示したナルキッソス(水仙)が咲く淡路島を目的地に決め、セツミのガイドで淡路島を目指す。
<<第二章>>
<篠原 姫子>しのはら ひめこ cv:柳瀬なつみ
明るくカラっとした性格で根はとても真面目で優しい。動かなくなっていた自動車を自力で修理してしまうほど車が好きな23歳。
病院でセツミに声をかけ、友達になる。普段は明るいが、時たま淋しそうな厳しい顔を見せ、セツミの問いに秘密と答えることも多い・・・
7Fのヘルパーをしていた頃もあるが、ある少女を担当して以来ヘルパーを辞している。
<篠原 千尋>しのはら ちひろ cv:後藤邑子
姫子の妹で、21歳の大学生。誰にでも優しく健気なタイプ。ボランティア活動に積極的で、ホスピスのヘルパーも行っている。姉の姫子は千尋に冷たく接するが、それに対して寂しく思っている。
<昭島 優花>あきしま ゆか cv:岩居由希子
姫子とは古くからの友達で、親友と言える仲。素直じゃないが、姫子が入院した時は毎日お見舞いに向かうなど、本当は姫子のことを大切に思っている。姫子に、「もし7Fに入った時には病院には来ないでほしい」と拒絶され、皆勤賞は止まってしまう。
<<最終章>>
<日下 陽子>くさか ようこ cv:友永朱音
病気のせいで人見知りがちだが、本当の性格は明るく、ノリが良いおちゃめなキャラ。博史の前では本来のキャラを出せる。趣味はテレビを見ること。
<蒔絵 博美>まきえ ひろみ cv:森村なみ
主人公の一つ下の妹。趣味は音楽鑑賞と、服のデザイン。
性格は陽気で行動的。時に、兄や陽子を振り回すこともある。
<蒔絵 博史>まきえ ひろし(主人公) cv:原口馨
14歳。育った環境からかどこか冷めていて中学校もさぼりがち。
趣味はギターとペンキ塗装。