ヘルシンキ時間2010年5月24日,Futuremarkは,次世代の3Dグラフィックスベンチマークソフトが
「3DMark 11」 になるとアナウンスした。一部の海外ニュースサイトが,グラフィックスカードベンダーのスライドを引く形で,その存在を報じていたが,それを公式に認めた格好となる。
3DMark 11のキーイメージ
2010年第3四半期のリリースに向けて開発が進んでいる3DMark 11は,DirectX 11世代のベンチマークソフトであり,
動作にはDirectX 11世代に対応したOSおよびGPUが必須 とのこと。
下にUpしたムービーは,3DMark 11のアーリービルドから撮られたものとされる
「Deep Sea」 テックデモだ。
※ムービーファイルへのリンク
テッセレーションの効果は,海底の岩や珊瑚,人工物で確認できる。カメラの手前側に見えるこれらオブジェクトのリアリティに注目してほしい
被写界深度のポストエフェクトは,テックデモ内で,カメラのフォーカスを切り替えるのに用いられる。「手前にピントがあっている状態から,奥のオブジェクトにピントが移っていく」などといった効果は,ムービー内のそこかしこで確認可能だ
光線の視覚化を行うボリュームライティングも,Deep Seaのテックデモでは極めて頻繁に見られるポストエフェクトだ。レンダリングに必要なパラメータを事前に計算してバッファリングしておくディファードレンダリング(Deferred Rendering)を採用することで,複数の光源処理を実現しつつ,パフォーマンスの低下を避けられたという
DirectComputeによるポストエフェクトは,レンズフレア,ストリーク,ブルームといった,これまでもあった処理の置き換えに用いられている。DirectComputeに,品質・速度の両面でも効果が得られるようになったとのこと
なお,Futuremarkによると,3DMark 11では,トレイラーでもそのロゴが見えるMSIから広告費が得られたことを受け,
無料版でも複数回のテスト実行が可能 になっているそうだ。「3DMark Vantage」の無料版だと,1回しか実行できず,けっこう不便だったが,この点では大きな改善を見せることになる(※「3DMark06」以前のように回数無制限かどうかは明らかになっていない)。
現地時間6月1日に開幕するCOMPUTEX TAIPEI 2010では,MSIブースにおいて,Deep Seaシークエンスの実機デモが行われる予定だという。
果たして“DirectX 11世代のキラータイトル”は,どんなものに仕上がるのか。続報を楽しみに待ちたい。
報道関係者向けのダウンロードページには,何の説明もなく,このスクリーンショットも置かれていた。頂点関連のテストを行うFeature Testのものだろうか