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印刷2011/02/14 16:29

連載

海外ゲーム四天王 / 第77回:「Magicka」

海外ゲーム四天王 〜戦うおじさん〜
第77回:今週のアブラカタブラ:「Magicka」
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 スウェーデンのParadox Interactiveから2011年1月にリリースされた「Magicka」は,多彩な魔法を使ってモンスターと戦う斜め見下ろし型視点のアクションゲーム。もともと,学生のプロジェクトとしてスタートし,ゲームコンテストで最優秀賞を受賞したのちに商品化されたという経緯を持っており,「魔法攻撃を楽しむ」という一点に特化して作られたシンプルな作品だ。
 そんな本作を,「魔法は存在する」と信じる,少年のようなピュアなマインドを持ったライター,朝倉哲也氏が紹介する。

モンスターの攻撃を受けている世界を救え たった1人で立ち上がった見習い魔法使いの冒険物語

 

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 先週2月7日に紹介した「Dead Space 2」の宇宙ホラーから一転,今週の「海外ゲーム四天王」では,魔法が息づく世界"Midgard"を舞台に,プレイヤーが炎や氷,雷といったさまざまな魔法を駆使して戦う,ファンタジーアクション「Magicka」を紹介したい。  Midgardの首都Havindrは,相次ぐモンスターの攻撃を受け壊滅の危機に瀕していた。プレイヤーはまだ未熟な魔法使いなのだが,そんな苦境を救うべく城を飛び出し,たった1人で無数のモンスターと戦い,自らの魔法の力を強化して世界を救わねばならないのだった。

 

「Magicka」公式サイト

 

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 Magickaを開発したのは,スウェーデンの独立系ゲームデベロッパ,Arrowhead Game Studioだ。同社の第一弾タイトルとなるこのMagickaは,2008年にスウェーデンで開催されたゲームコンテスト,「Swedish Game Awards 2008」に出品すべく,数名の学生によって開発がスタートしたという。そして,見事にGame of the Yearを獲得したあと,学生達はMagickaを商品化するためにArrowhead Game Studiosを設立し,2010年にはパブリッシャのParadox Interactiveと契約,2011年1月25日にダウンロード専用ゲームとして発売されることになったのだ。

 

 ゲームは,斜め上からの見下ろし視点で進むが,画面のズームやカメラの回転といった視点変更はできない。操作方法は,地面をクリックすればそこへ移動し,敵をクリックすれば攻撃,アイテムをクリックすれば拾ってくれるなど,アクションRPGとしては一般的なスタイルを踏襲している。

 

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 魔法(Magic)を思わせるタイトルから分かるように,メインになる攻撃方法は魔法だ。本作に登場する魔法はとても多彩で,プレイヤーの好みによって魔法の強さを加減したりもできる。魔法にはWater,Fire,Earth,Cold,Lightning,Shield,Arcane,そしてLifeという8種類が用意されており,これらを組み合わせて戦うと効果的だったりなど,魔法にこだわった作りになっているのが本作の特徴だ。

 

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 例えば,Waterの魔法で濡らしたターゲットにLightningを続けて撃ちこむと威力が増したり,同じく濡らした敵にColdの魔法をかけて凍らせ,相手の動きを一定時間止めたりなど,魔法を組み合わせて,さまざまな攻撃方法を考えられるところが楽しい。ちなみに,川に落ちるなどして自分が濡れているときにLightningの魔法を詠唱すると,逆に自分が感電してしまったりするあたり,ちょっと変わっている(自分が濡れた場合,自らに炎の魔法をかけることで乾かせる)。

 

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 キャラクターは,アニメや漫画のようにデフォルメされたコミカルなタッチで描かれている。プレイヤーキャラクターは,頭から足元まですっぽりとフードに覆われた,4頭身程度のキャラクターで,面白いのは,こいつの顔が描かれていないところだ。顔の部分は影になっており真っ黒で,年齢や性別すら分からないのだ。キャラクターの顔は,プレイヤーが自由に想像してくださいね,ということなのだろう。

 

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 シングルプレイのゲームモードとしては,Midgardを救うという物語に沿って冒険していく「Adventure」と,波状攻撃をかけてくるモンスターの大群をどれだけ倒せるかに挑む「Challenge」の2種類があり,この2つを最大4人のプレイヤーが協力してプレイできるオンラインマルチプレイモードも用意されている。なお,たとえ協力プレイであっても,自分の魔法が別のプレイヤーに当たるとダメージを与えてしまい,プレイヤーの魔法に当たると自分もダメージを受けてしまうという「同士討ちあり」の仕様になっているので,乱戦時などはかなりの注意が必要だ。シングルプレイで十分に魔法の使い方に慣れてからプレイしたほうが,ほかのプレイヤーに迷惑をかけないですむだろう。

 

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 魔法の種類が豊富で,その組み合せをいろいろと試行錯誤できるのが楽しい本作。もっとも,そのためゲームプレイがやや煩雑になってしまっている点も否めない。なにしろ,8種類の魔法は8つのキーにアサインされ,さらにマウスの右クリックと,キーボードのShiftキーやSpaceキーと組み合わせて詠唱しなければならないなど,使いこなすにはそれなりの慣れが必要だ。
 魔法の組み合わせによる種類もとても多いので,そのすべてを覚えるのもまた大変だ。ただ,いくぶんもっさりとした,ちょっとスピード感に欠けるゲームプレイなので,落ち着いて操作すれば問題はないだろう。自分にとって使いやすいと思える魔法の組み合わせをいくつか覚えてしまえば,それだけでもゲームを進めていけるので,よほど極めようと思わない限り,普通にプレイできる。
 Steamで本作のデモ版が公開されているので,興味のある人はダウンロードしてみよう。

 

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■■朝倉哲也(ライター/四天王)■■
 アクションゲームからMMORPG,アドベンチャーからストラテジーまで,なんでもプレイする雑色系ライター。年季の入ったPCゲーマーでもあったが,最近はコンシューマ機のゲームもプレイするようになったので,そのオールラウンダーぶりをますます強くしている。
  • 関連タイトル:

    Magicka

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