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印刷2011/03/03 00:00

プレイレポート

魅力はキャラクター追加だけじゃない!「DISSIDIA 012[duodecim] FINAL FANTASY」は,大幅に進化したシステムとやり込み要素にも注目だ

 スクウェア・エニックスは本日(3月3日),PSP用ドラマチックプログレッシブアクション「DISSIDIA 012[duodecim] FINAL FANTASY」(ディシディア デュオデシム ファイナルファンタジー 以下,DDFF)を発売する。

画像集#034のサムネイル/魅力はキャラクター追加だけじゃない!「DISSIDIA 012[duodecim] FINAL FANTASY」は,大幅に進化したシステムとやり込み要素にも注目だ

 本作は2008年12月18日に発売され,全世界累計出荷本数180万本の大ヒットを記録したPSP「DISSIDIA FINAL FANTASY」(以下,ディシディア)の続編で,使用キャラクターの大幅追加,アシストシステム,フィールドマップの搭載など,1作目から大幅な進化を遂げているのが特徴だ。
 ディシディアでは,調和を司る神コスモスと,混沌を司る神カオスの13回目の戦いを描いていたが,今作ではその一つ前となる12回目の戦いが展開されていく。FFキャラオールスターということで,お祭り要素の強い本作だが,ストーリーにもかなり力を入れて作られており,シリーズファンには見逃せない要素だ。
 本稿では,これまでに出てきた情報やDDFFの新要素を,筆者が実際にプレイした感想を交えて紹介していこう。

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「DISSIDIA 012[duodecim] FINAL FANTASY」公式サイト



大幅に追加されたキャラクター

 
 DDFFの新要素でまず触れておきたいのは,やはりキャラクターの追加だ。新キャラクターは以下のとおり。

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FFIV:カイン
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FFV:ギルガメッシュ
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FFVII:ティファ
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FFVIII:ラグナ
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FFX:ユウナ
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FFXI:プリッシュ
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FFXII:ヴァン
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FFXIII:ライトニング

 この8人が追加されたことにより,使用キャラクターは総勢30人となったDDFF。前作ではキャラクター育成も魅力の一つだったが,今回キャラクターが増えたことにより,育成の楽しみがさらに広がったと言えるだろう。
 筆者は,新キャラクターを一通り使ってみたのだが,個人的にはライトニングとティファが使いやすいと感じた。同席していたスタッフのアドバイスを受けながらのプレイだったが,数回プレイすればだいたいのコツは掴める感じだ。もちろん,プレイヤーの相性もあるので一概にはいえないが,前作を未プレイの人でも操作面で苦労するようなことは少ないだろう。
 
 またこれはディシディアにも言えることなのだが,キャラクターのバトルコンセプトをシリーズ作品の特徴から引っ張ってきていることが本作の面白さに繋がっている。召喚獣を呼び出して攻撃させるユウナのサモンマスター,ほかのキャラクターの技をものまねして戦うバッツのアレンジプレイヤーなどがそれだ。
 本作でいえば,「アタッカー」「ブラスター」「ヒーラー」の3つのロールを切り替えながら戦う,ライトニングのオプティマコマンダーなどは,FFXIIIをプレイした人であれば思わずニヤリとしてしまう要素だ。
 作品としてはもちろん,各キャラクターの人気も高いFFシリーズだけに,このようなネタが数多く盛り込まれているのは,ファンには嬉しいところ。
 ちなみにDDFFのストーリーは新キャラクターがメインになっているが,当然前作のキャラクターも登場するので,ほかのキャラクターに思い入れがあるという人も安心してほしい。

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戦術の幅が広がるアシストモード


 本作から新たに加わった「アシストモード」は,バトルの戦局を左右する重要な要素だ。
 アシストモードとは,バトル中にアシストキャラクターとしてセットした,ほかのキャラクターを呼び出して,援護してもらうシステムのこと。アシストキャラクターを呼び出すには,相手に攻撃をヒットさせることで上昇していく(空振りでも微量ながら上昇)アシストゲージを使用する。ちなみにゲージは,同じような連続技ばかりを使うより,バリエーション豊かな攻撃を繰り出すほうが溜まりやすい。なお,何も攻撃しないでいると,ゲージはどんどん減少していくので注意したいところだ。ゲージは2本あり,1本溜まった状態でL+○を押すと「アシストブレイブ攻撃」,2本溜まった状態でL+□を押すと「アシストHP攻撃」となる。

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 ここで,「ブレイブ攻撃」と「HP攻撃」について簡単に説明しておこう。ディシディアと同様に本作では,プレイヤーキャラクターのHPバーに上に,“ブレイブ”という数値が表示されている。このブレイブは,自キャラクターの攻撃力を示しており,“ブレイブ攻撃”を行うことで上昇する。そして,“HP攻撃”でブレイブ分の敵HPを削るといったシステムになっている。なお,ブレイブは敵のHPを削った時点でゼロになる。プレイヤーは,ブレイブを溜めて一撃必殺を狙ったり,小まめにHP攻撃を挟んで地道にHPを削っていったりと,自分好みの戦い方が楽しめる。
 話を戻して,つまりアシスト攻撃は,こうしたブレイブ攻撃,HP攻撃をほかのキャラクターに任せるというものになるわけだ。なお,アシストHP攻撃は自キャラクターのブレイブが攻撃力となる。

 さらに,アシストの利点はこうした援護だけではない。うまく利用すれば,敵のコンボから脱出したり,アシストキャラと連携してコンボを繋げたりと,使い方次第でバトルをひっくり返せるほどのポテンシャルを持っており,戦術の幅がかなり広がる要素だ。慣れてきたら積極的に使ってみてほしい。

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ストーリーはフィールドマップ上で進行


 前作では,キャラクターの選択後に表示されるマス上を,プレイヤーピースを動かして攻略していたが,本作のストーリーモードには,いわゆるRPG風のフィールドマップが登場する。このマップ,知っている人が見ればすぐ分かる(かもしれない)と思うのだが,FF1のマップがベースになっている。

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 このフィールドでは,仲間達から目的地に関する情報を得たり,敵シンボルに接触することでバトルがスタートしたりと,RPGのような雰囲気が感じ取れるはずだ。

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 フィールドマップ上を進んでいくと,赤い紋章が描き込まれた「赤いひずみ」があり,そこからダンジョンに移動できる。このダンジョンはディシディアと同様に,プレイヤーキャラクターを操作しながらゴールを目指すものになっている。前作経験者であれば何の違和感もなくプレイできるはずだ。なお,このダンジョンを攻略すると,赤いひずみは消滅し,ストーリーが進行していく。
 また赤いひずみとは別に,「青いひずみ」というのも存在する。こちらはストーリーに関係なく何度でも挑戦できるので,キャラクターを成長させたい時などに利用するのが良いだろう。

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 このほか,フィールドマップ上には,「遺志の力」という光の球が点在している。これを破壊すると「遺志の力」が入手できるのだが,遺志の力を4つ集めることで,「ストレートチェイン」「クロスチェイン」というものや,FFシリーズでおなじみの回復魔法「ケアル」といったさまざまなスキルが得られる。
 ちなみに,チェインとは,前作にも存在する,敵に接触したとき,同時に接触しているほかの敵と連続で戦闘になるという仕組みのことだ。この連続の戦闘に勝利すればより多く利益が得られるようになっている。
 「ストレートスチェイン」というスキルは,このチェインを能動的に起こせるというもので,このスキルの場合は自分を中心に,十字のマスすべての敵をチェインに絡めることができるのだ。詳細は後述するが,当然このチェイン数が多いほど,多くの報酬(KP)が得られるようになっている。

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 フィールド上にはほかにも,さまざまなアイテムが購入できる「モーグリショップ」が存在する。お店を利用する方法は,マップ上にいるモーグリに話しかけるだけだが,ストーリーの進行度合いによっては,利用できないモーグリも。
 なお,ここでアイテムを購入するためには,ダンジョンで貯めたKP(クポ)が必要になる。KPは,ダンジョンで敵を倒した数,そしてチェイン数によって増加していく。つまり,前作はいかに“少ない手で次のステージに進むか”がポイントだったが,本作ではいかに“多くの敵をチェインを繋いでうまく倒すか”がポイントになっている点に注目だ。

 このようにフィールドマップでは,RPG特有の探索する楽しみを味わえる。筆者はプレイ中,PS〜PS2のFFを連想してしまい,「やっぱりフィールドっていいなあ」なんて思っていた。
 DDFFはアクション要素をメインにしている作品なので,フィールドマップがゲーム性に直接影響を与えることはない少ない。しかし,フィールドが追加されたことで,過去にFFを遊んでいたプレイヤーの胸に,何かしら刺さるものがあるのではないだろうか。

本作では,さまざまなキャラクターとパーティを組んで戦える,フリーバトルのパーティ戦も登場
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デュエルコロシアムが大幅に進化した“ラビリンスモード”


 最後に,本作から加わった新要素「ラビリンス」を取り上げておきたい。実は,このモードは前作のデュエルコロシアムがベースになっている。あえてここで新要素と言ったのは,ランダムに登場するカードを選んで,延々と戦っていく前作のデュエルコロシアムと比べて,本作のラビリンスは,よりやり込みたくなる,攻略性の高い要素を持つ,“別物”になっていたと感じられたからだ。

見た目は,デュエルコロシアムとほとんど同じだが……?
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 ラビリンスは,並べられたカードから1枚を選び進めていくのは,デュエルコロシアムと同じだが,カードのなかには“扉”カードがあり,その扉カードを選ぶことで次の階層へと進んでいくようになっている。ラビリンス内は凄まじい深さとなっており,踏破するのはかなり困難だ。しかも,ルートが枝分かれのように分岐していくため,どのように進めていくのかを,考えなくてはいけない。
 ルートそのものはランダムではなく固定されているのだが,行きたいルートの扉カードが出てくるとは限らないし,場合によっては特定条件をクリアしないと開かない,鍵が掛かった扉カードも。また,通常のカードはどれかを選択すれば,残りは破棄されるが,ボス系カードと同様に,扉カードはほかのカードを選択しても,破棄されずに選択肢に残ってしまう。そのため,限られた選択肢の枠が狭まるなか,その階層にとどまるか,先に進むかの決断が必要になるだろう。

扉カードから,より深い階層へと進んでいく。また,ほかのキャラクターをアシストやパーティに加えるカードも出現。パーティメンバーがいれば,もし負けてしまってもパーティのキャラクターで引き続きプレイ可能だ。やられたキャラクターを復活させるカードも?
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 ちなみにラビリンスには,ストーリーモードなどで得た装備品や召喚石は持ち込めない。ラビリンスでは,すべてのアイテムや召喚石を,ラビリンス内の宝箱などから,現地調達することが基本となっているのだ。なので,入手後は装備することを忘れないように注意しよう。
 では,ラビリンスからアイテムは持ち出せるのかというと,実はこれもできないのだ。ラビリンスで入手したアイテムは,基本的に外に出るときに,“その場”にテントを設営して,その中に置いて帰らなければならない仕組みになっている。このアイテムを取り戻すためには,最初の階層からもう一度同じ場所へ行ってテントから取り出す必要があり,別の道に進んでしまうと取り戻せなくなるわけだ。

 とすると,ラビリンスのメリットってないの? ということになるが,先ほど基本的にと書いたように,このダンジョンに持ち込める,または持ち出せる例外的な装備品も存在している。そのアイテムは,洞窟のマークが付いたもので,主にラビリンス内のショップで購入できる。もちろん,お金も持ち込み,持ち出しできないので,入手するためにはラビリンス内で頑張るしかないが,当然その能力は魅力的なので,ぜひチャレンジしてほしい。
 さらにラビリンスの最下層には,非常に強いボスが存在するなど,ほかにもやり込み魂をくすぐる要素があったりと,プレイヤーとして避けては通れないモードに進化しているのだ。

キャラクターコスチュームも大幅に増加。前作では2種類だったコスチュームが,本作からは3種類に。天野喜孝氏のイラストに加え,原作ゲームのドットに準じているものなど,往年のファンにはたまらないコスチュームが満載。筆者的にはFFVのドット絵を再現したバッツのコスチュームが絶品だ
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 さて,DDFFは前作同様に,FFキャラクターオールスターという部分が大きなウリであることは間違いないだろう。そのため,ゲーム部分はどんなもんだろうかと,本作を遠巻きに眺めているプレイヤーもいるのではないだろうか。

 本作は,まずゲームとしてきっちりと遊べることが基本となっているため,キャラクターの名前だけを借りて,中身はなおざりといったことは一切ない作品だ。アクションゲームとしての完成度の高さと,やり込み要素の充実,そしてキャラクターの魅力,これらを兼ね備えているからこそ,前作のプレイヤーから,高い評価を受け続けているのだ。本稿を読んで,興味を持った読者は,ぜひプレイしてみてほしい。

オリジナルクエストを作成するモードも登場。作成したクエストは配信できるので,プレイヤー次第で,無数のストーリーが誕生することになりそうだ
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