セガの人気クライムアクション「龍が如く」シリーズの制作チームが手掛ける新作TPS
「Binary Domain」(
PlayStation 3 /
Xbox 360)。E3 2011のセガブースでは,専用のコンパニオンもいてかなりプッシュされている様子だった。今回は試遊スペースも用意されており,実際に本作を体験できたので,その模様をお伝えしよう。
名越監督率いる“龍が如くチーム”がTPSを手掛けるのは本作が初だが,プレイした感触からは“基本がしっかり作られたTPS”という印象を受けた。物陰に隠れる,ドッジロール,十字キーによる武器の切り替え,ボイスコマンドによる仲間への指示出しなど,欧米向けのTPSなどでおなじみのシステムはすべて盛り込まれており,ストレスなく操作できる。
各ステージには基本的に仲間を含めて3人で挑む。主人公のほかに誰を連れて行くかは任意で選択できるが,各々にステータスが設定されているところを見ると,ステージによって向き不向きがあるのかもしれない。主人公以外のキャラクターを操作できるのかどうかは,今回は残念ながら分からなかった。
本作の物語は近未来がテーマになっているが,登場する武器はマシンガンやロケットランチャーといった実弾兵器で,SF的なレーザー兵器などは筆者がプレイした限りでは見られなかった。ハンドガン,マシンガン,ショットガン,ロケットランチャー,手榴弾など,初期に手に入る武器の種類もオーソドックスだ。
また,敵が機械兵だからか,戦場はかなり整然としている。こちらが前に進むと敵が奥からやってきてぶつかり合いになるといった感じで,サイドや背後を取られてどこから撃たれているのかさっぱり分からない,といった状況にはなりにくい。
敵の耐久力はやや高めで,弾丸一発で倒せるようなシーンはほぼなかった。プレイヤー側も比較的耐久力が高いので,持久戦とまではいかないが,撃ち合いになるシーンはそれなりに多くなりそうだ。仮に主人公が瀕死になっても,ボイスコマンドで味方を呼べばすぐに助けてもらえるのもポイント。そう簡単にやられはしないので,単騎特攻さえしなければTPSに馴染みのない人でも十分に楽しめる難度になっていそうだ。
ちなみに,グラフィックスのクオリティはかなり高めに感じられた。街の風景やロボットの質感,仲間キャラクターの描写などが緻密に描かれている。
本作のもう一つの魅力である,名越監督が「命」をテーマにしたという物語が,どのように描かれるのかにも期待したい。