アクワイアが開発し,スパイクが発売するPS Vita用の忍者ステルスアクション「
忍道2 散華」。E3 2011に続き(
関連記事),東京ゲームショウ2011のSCEブースでも本作がプレイアブル出展されていた。
本作の舞台は室町時代後期,一条家の統べる宇高多の国。プレイヤーは風華忍者の生き残り“火祭のゼン”として,さまざまな隠密任務をこなしていくことになる。
今回のバージョンでは,“商人の暗殺の任”と“一条兵の排除”という2種類の任務をプレイできた。各任務には“成功条件”や“報酬額”のほか,“依頼主”と“敵勢力”が設定されている。今回プレイできた任務の場合,前者は依頼主が“一条”で敵勢力が“季判”となっているが,逆に後者の場合は依頼主が“季判”,敵勢力が“一条”であった。どうやら前作「忍道 戒」同様,今作にも“ハラキリエンジン”が搭載されているらしく,プレイヤーの行動が,対立し合っている各勢力の力関係に影響を及ぼすようだ。
筆者は今回,2つの任務のうち,難度がより高いほうだという“一条兵の排除”に挑戦してみた。ここでは特定のターゲット一人を暗殺するのではなく,城の警備に立っている6人の衛兵全員を暗殺しなくてはならない。
任務は,一条城の屋上からスタート。ここで屋上から飛び立ちつつ空中で[○]ボタンを押せば,忍術“風黒羽(ふくろう)”によって滑空ができる。衛兵が見張りに立っていないような建物の陰へと降り立つと,画面の右側に目玉の形をしたアイコンが表示された。
これは,近くにいる敵の警戒度を示すインジケータで,通常は黄色,警戒状態だと青,見つかってしまえば赤で表示される。ここで画面上の目玉マークを直接指でタッチすると,カメラが敵を追尾してくれる。そのため,目玉マークが表示されてから「え,近くに敵がいるの? どこに!?」と大慌てしてしまう筆者のような新米忍者であっても,安心して敵の動きをチェックできるのだ。
見張りの兵はそれぞれ,決まった巡回ルートを移動しているらしい。近くの建物の壁にRボタンで張りつき,その動きをそっとうかがう。そして,相手が背を向けて歩き出したところで,相手の背後に近寄るのだ。ただし駆け足では気配を悟られてしまうので,Rボタンを押しながらスティックを倒し,忍び足で進む。そして,完全に相手の背後を取ると,“血祀の予感”が発生し,ゼンの身体がピカッと光る。この状態で△ボタンを押せば,なんと一撃で相手を抹殺できるのだ。
相手の背後を取れば簡単に暗殺できるわけだが,逆に見つかった状態で斬り合いになったらどうなるのだろうか。試しに,手近なところにいた衛兵に正面から近付いてみると,向こうも刀を抜き,一対一の斬り合いとなった。真っ向勝負とはいえ,所詮はただの衛兵……と思いきや,斬っても斬ってもなかなか倒れてくれない。こちらもかなりの痛手を負いつつ,どうにか倒すことに成功した。本作はステルスアクションであるため,やはり力押しで戦うのは得策ではないようだ。
忍者といえば,手裏剣などの多彩な忍具も特徴のひとつ。忍具の使用には方向キーを使うのだが,その狙いを一人称視点で定める操作には,Vitaの背面タッチパッドを使用する。実はこの機能,E3バージョンにも搭載されていたのだが,その時は背面に少し指が触れただけで一人称視点に切り替わってしまったため,不便に感じることも多かった。しかし,今回の出展バージョンでは,背面タッチパッドの認識範囲がソフト側で調整されていたらしく,ボタン操作をしているときに誤認識されることはなかった。Vitaの前面・背面タッチによる操作を積極的に採用しつつも,こうした細かい調整を重ねているのは,非常に好感がもてる部分と言えよう。
忍具の効果もさまざまで,たとえば手裏剣の場合は,相手の近くに投げて注意を逸らすといった使い方ができる。また逆に,敵との真っ向勝負になったときは,忍具で爆発を起こせばより効果的に大ダメージを与えられるのだ。
このように,あの手この手で衛兵を倒していったところ,あっという間に6人全員を倒してしまい,任務完了となった。単に暗殺といっても,本作ではいろいろな方法で相手の不意を打つことができるため,プレイヤーによってまったく違うプレイが楽しめる。また,Vitaのタッチパネルもうまく操作に取り入れられているため,据え置き機で遊ぶよりもずっと快適さが増した印象だ。
本作はPS Vita本体のローンチタイトルとして,12月17日に発売予定となっている。さまざまなジャンルのローンチタイトルがラインナップされてはいるが,Vitaの性能を活かした完成度の高いアクションが楽しめるタイトルとして,本作は非常にオススメできる一本といえるだろう。