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連休をアナログゲーム三昧で楽しむための「ゲームマーケット2013春」参加ガイドを掲載。4月28日は東京ビッグサイトに集まろう
ゲームマーケットとは,アナログゲームメーカー・アークライトの主催によるアナログゲームの即売会イベントのこと。2000年に第1回が開催され,ボードゲーム/カードゲーム/シミュレーションゲーム/伝統ゲームなど中心に,多数のアナログゲームが一堂に会する場として,人気を博している。
現在は,春と秋に東京,また3月に大阪で開催されており,商業出版社のほか,専門ショップ,同人サークルが出展。多数の試遊卓も用意され,気になったゲームは内容を確かめてから購入できる。東京では,昨年まで浅草の産業貿易会館台東館で開催されていたが,年々入場者が増え続けており,今回はいよいよ,会場を東京ビッグサイトに移すことになった。
本稿では,これまでゲームマーケットに参加したことがない人のために,参加にあたり知っておくといいことなどをお伝えしていく。合わせて,今回のゲームマーケットに出展されるイチオシのタイトルと合わせて紹介していく。会場に足を運ぶ予定の人は,本稿で期待を高めつつ,購入タイトル選定の一助にしていただければ幸いだ。
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■「ゲームマーケット2013春」開催概要
開催日:2013年4月28日(日曜日)
会場:東京ビッグサイト(東京国際展示場) 西3ホール
開催時間:10:00〜17:00(予定)
共同開催:大ヴァンガ祭(西4ホール)
入場料:当日販売1000円
事前販売1200円(カタログ付き,税込予価)
【保護者同伴の場合、小学生以下は無料となります】
「ゲームマーケット2013春」公式サイト
ゲームマーケットに行こう!
ゲームマーケットは,基本的にはこのアナログゲームの即売イベントであり,200以上の商業/同人ブースが軒を連ねる。ゲーム出版社,ゲーム専門店などのブースでは商業流通のアナログゲームが,そして同人ブースでは,アマチュアによる創作アナログゲームが購入可能だ。
近年,アナログゲームを扱う店舗やオンラインショップは少しずつ増えているが,ボードゲームの本場から直輸入される話題作や,専門メーカーの最新作を入手したいのであれば,やはりゲームマーケットへ足を運ぶべきだろう。日本の最先端で活躍するアナログゲームのデザイナー達が,こぞってゲームマーケットに合わせた新作を投入しているし,過去の話題作の再版なども並べられている。
また中には,ゲームマーケットでしか販売されない,レアな同人ゲームもあって,そういったお宝アイテムを求め,ここ数年では開場前に200名以上の来場者が列を作るほどになってきている。もし限定品や新作にこだわらないのなら,会場が落ち着く昼過ぎに到着するよう会場を訪れるのがオススメだろう。ブースの多くには試遊卓があり,さまざまなタイトルを体験プレイできるので,今回初めて参加してみるという人でも十分に楽しめるはずだ。
では,どうやったら,ゲームマーケットに参加できるのか?
入場の際には,1000円でカタログを購入する必要がある。入場券代わりとなるこのカタログはすでに,「R&R ステーション」「イエローサブマリン」などの各種ボードゲーム専門店,あるいは書店「書泉」のボードゲームコーナーなどで販売している。もちろん当日会場でも購入できるが,カタログを購入してからの入場となるので,朝一番でお目当ての新作を買いたい,カタログの購入のために並びたくないという場合は,ぜひとも先に入手しておきたい。
また当日の東京ビッグサイトでは,ブシロードが主催のTCGイベント「大ヴァンガ祭」をはじめ,コミックやドールなどのイベントも開催されている。混雑が予想されるが,この機会に合わせて訪れ,見聞を広めるというのも悪くないだろう。
迷ったらこれ! オススメ同人ゲーム紹介
なおゲームマーケットならではのゲームということで,ここではあえて企業ブースではなく,同人サークルのゲームを取り上げている。いずれも発売済みのタイトルではあるものの,面白さはお墨付きなので,ゲームマーケットに毎回足を運んでいるという人も,ぜひ今回の購入リストに加えてみてほしい。
■「Love Letter」(カナイ製作所)
ゲームマーケットから世界に羽ばたいた日本人ゲームデザイナーも,昨今は珍しくなくなってきた。「Love Letter」(カナイ製作所)で,日本ボードゲーム大賞2012の大賞を獲得したカナイセイジ氏は,その代表的な人物だ。その氏の代表作と言える「Love Letter」は,8種16枚のカードのみを使う,わずか500円のゲームで,AEGから英語版も発売されている。
Love Letterは,お城の人達の協力を得て,お姫様に恋文を届けてもらうという設定のゲームとなっており,先にも述べたとおり,使うのは8種類のカードのみ。どんどんプレイヤーが脱落していく生き残り型ゲームだが,1プレイが5分ほどと非常に短く,繰り返し遊ぶのに適している。1ターン目で即脱落になることも少なくないのだが,その阿鼻叫喚ぶりも面白い。運と読み合いの要素がほどよく入り交ざっているため,ついつい繰り返してプレイしたくなる,絶妙なバランス感覚のゲームと言えるだろう。
なお企業ブースにあるワンドローでは,本作のゲームシステムを継承したトレジャーハントものの新作カードゲーム「Lost Legacy」(税込1500円)も発売となる。ちなみに制作は,木皿儀隼一氏とカナイセイジ氏の共作とのことだ。
カナイ製作所 公式サイト
■「王さまとカフェ」(鍋野企画)
ほのぼのしたファミリーゲームもたくさんある。例えば,鍋野企画の「王さまとカフェ」は,王さまのわがままな注文に応じて,美味しい料理を作るという趣向のカードゲームだ。
プレイヤーの一人が王さま役となり,メニューから好きな料理を選んで注文する。シェフであるほかのプレイヤーは,手札から料理に必要な食材のカードをそろえ,一刻も早く王さまに献上しなければならない。献上は王さまカードにタッチすることで達成できるので,ほかのプレイヤーより早く料理を完成させよう。献上したプレイヤーは売り上げを独占でき,最終的な売り上げの多さで勝敗が決まる。
カードや王さまのイラストが非常にかわいらしく,記憶力とアクション要素が大きいため,大人から子供までが一緒に楽しめるゲームとなっている。
ほのぼのしたイラストが人気の「王さまとカフェ」(税込1500円)。プレイ人数は2〜4人 |
かわいいカードを揃えて,王さまにタッチ! |
鍋野企画 公式サイト
■「人狼」いろいろ
これらは,いずれもヨーロッパの伝統カードゲーム「汝は人狼なりや?」を元にして派生した遊びであり,役職やプレイ手順といった部分に手を加えることで,さまざまなバリエーションが日々生み出され続けている。
基本的に共通するのは,「とある村に入り込んだ人狼を退治するため,騙し騙され合いながら心理戦を展開する」という部分だ。ゲームのコンポーネント――内容物は,役職を決める時のカード(20枚前後)とルールブックのみとシンプルだが,奥は非常に深く,コアなオールドファンのみならず,パーティ−ゲームとして若年層にもウケが良い。大勢で会話をメインにワイワイと遊べるので,イベント的に盛り上がれるのだ。
もちろんゲームマーケットにも人狼好きは多いため,いろいろなタイプの人狼ゲームが制作され,販売が行われている。カードのイラストを見るだけでも楽しいので,気に入ったものを見つけたら,試しに一つ購入してみてもいいかもしれない。
短時間/少人数用に特化した手軽さが受け,売れ行き好調の「ワンナイト人狼」(ワンナイト人狼/税込1500円) |
原形に近いベーシックなスタイルで,初心者向けのガイダンスが充実している「うそつき人狼」(株式会社人狼/税込2000円) |
「人狼に使えるカード」(オインクゲームズ/税込500円)。名刺サイズで防水加工なので,持ち歩きも簡単 |
カラフルで美しい「トガの狼」(月世界通信/税込2000円)。残念ながら現在は品切れで,再販および第2弾を準備中とのことだ |
■「赤ずきんは眠らない」(薫風)
「人狼」が好きだ、という人にオススメなのが,サークル「薫風」の「赤ずきんは眠らない」。「人狼」にも通じる,ブラフと読み合いの要素が強いカードゲームである。はらぺこ狼は,赤ずきんやこぶた達のうち,いったい誰を食べようとするのか。あるいは赤ずきん達が狼を罠にハメてしまうのか……。プレイヤーどうしのハッタリが楽しく,2〜3試合(1試合あたり15〜20分程度)遊んだだけでもかなり充実感がある。
なお今回のゲームマーケットでは,「赤ずきんは眠らない」の新パッケージ版のほか,各種グッズを販売の予定とのことだ。
愛らしいイラストがちりばめられ,同人作品とは思えないほどキレイなパッケージの「赤ずきんは眠らない」(税込2000円)。プレイ人数は4〜6人 |
狼が赤ずきんを襲ったと思ったら,トラップだった! |
薫風 公式サイト
■(コラム)中にはこんなお宝も?
ゲームマーケットならではともいえる,お宝系の一品も紹介しておこう。ノベルゲーム「ひぐらしのなく頃に」などで知られる竜騎士07氏のサークル「07th Expansion」がゲームマーケット2012秋に出店した際に持ち込んだのが,この「互いを男の娘メイドに調教するゲーム」だ。
同作は,漫画「カイジ」に出てくる“限定ジャンケン(出せる手の総数があらかじめ決められているジャンケン)”風のルールに特殊効果を加え,さらに「男の娘調教」という,きわどいネタと組み合わせたカードゲーム。竜騎士07氏いわく“バカゲー”とのことであるが,絶妙な逆転要素なども盛り込まれていて,きっちり遊べる作りになっているのは,さすがといったところ。
2〜4人で遊べる「互いを男の娘メイドに調教するゲーム」(税込500円/完売)。中身は9種類の調教カードで,もはや遊んでいるだけでかなり羞恥プレイだ
お試し出展したという「ゲームマーケット2012秋」の際に,手作りでごく少数だけ販売されたもので,現在は入手不可能な状態だが,こんな掘り出しものにめぐり会えるのも,ゲームマーケットならではの魅力といえるだろう。
まだ見ぬ新作や,埋もれた名作を探しだそう
さて,ごくごく簡単にゲームマーケットのお宝を紹介してきたが,ここで紹介したものは,もちろんその一部にすぎない。ゲームマーケットの公式サイトからは,各ブースの最新情報が確認できるので,掘り出し物を手に入れたいという人は,事前にチェックしておいた方がいい。もちろん会場で手に取ってみることでしかわからない,一期一会なタイトルもきっとあるはずなので,自分の物欲を信じてみるのも手だ。
なお,今回の記事では同人ゲームについて紹介したが,ゲームマーケット会場には期待の新作や輸入ゲームをいち早く購入できる企業ブースもあるし,押し入れに眠っていたゲームを参加者が持ち寄るフリーマーケットや,オークションなども開催される予定だ。
会場が東京ビッグサイトに移ったことで,アナログゲーム界隈のさらなる盛り上がりを実感できる一大イベントとなることが期待できる「ゲームマーケット2013春」。当日はぜひ会場まで足を運んで,その熱気を肌で感じてみてはいかがだろうか。
「ゲームマーケット2013春」公式サイト
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ボードゲーム(アークライト)
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