PS Vita版「リトルバスターズ！」など新作発表も！ 「プロトタイプ・ファン感謝デー 2011 5th anniversary」レポート

　2011年8月13日，プロトタイプは東京・秋葉原のUDXギャラリーにて，「プロトタイプ・ファン感謝デー 2011 5th anniversary」を開催した。このイベントではトークショーや，同社のスマートフォン用のアプリと過去に手がけてきたタイトル関連の展示，物販ブースでのオリジナルグッズの販売など，さまざまな催し物が行われた。
　1000人以上のファンが集まり，大盛況となった本イベント。ここでは，イベント内で行われたトークショーの模様を中心にレポートしていこう。

トークショー参加は事前応募での当選者のみ。会場外には，開演待ちのファンが長蛇の列を作っていた

物販ブースでは，「ナツメブラザーズ！（21）」「ラジオRewrite 月刊テラ・風祭学院支局」「クラブ・グリザイア」のラジオCDや，シャンプーボトル，扇子など各種グッズも販売されていた

「リトルバスターズ」がPS Vitaに移植！

さまざまな作品の情報が明らかになったプチ発表会

プロトタイプ 代表取締役 多部田俊雄氏

　トークショーに先駆けて，プロトタイプの代表取締役である多部田俊雄氏が登壇し，新作タイトルに関するプチ発表会が行われた。

　まず発表されたのは，PSP用のアドベンチャーゲーム「グリザイアの果実 -LE FRUIT DE LA GRISAIA-」だ。
　今回のイベントの特設サイトでは，出展予定タイトルが事前に公開されていたのだが，PSP版グリザイアの果実に関してはタイトル名が伏せられていた。7月末に制作発表されたばかりとあって，ネット上では「あのタイトルじゃないか？」と推測する書き込みがいくつも見られたそうで，多部田氏は「ほとんどの方が正解していましたね」と，振り返っていた。

　続いて発表されたのは，「リトルバスターズ！ Converted Edition」だ。対応ハードはソニー・コンピュータエンタテインメントの新型携帯ゲーム機「PS Vita」となる。
　こちらも特設サイト上で名前が伏せられていたタイトルだが，多部田氏によると「正解率は1割程度」とのことで，「PlayStation 3版『リトルバスターズ！』ではないか？」と予測していた人が多かったそうである。

　リトルバスターズ！ Converted Editionの開発進行度は不明だが，すでにプレイアブルなものができあがっているという。「諸般の事情」で実機による展示は行われていなかったが，PS Vita上で動かしたものをキャプチャした映像が公開されたので，実機で動くものがどのようになるのか，ある程度想像することは可能だった。

PS Vita版「リトルバスターズ！ Converted Edition」概要

　また，ビジュアルアーツが展開しているケータイ向けコンテンツ「ビジュアルアーツ★Motto」（プロトタイプが運営を請け負っている）がスマートフォンに対応し，「ビジュアルアーツ★Motto SP」としてサービスされることも告知された。会場内では，実際にAndroid端末上でゲームアプリが動いているのを確認できた。サービス開始時期は来月9月中旬を予定しているとのことだ。

「ビジュアルアーツ★MottoSP」タイトル詳細情報

「ビジュアルアーツ★Motto SP」はプレイアブル出展され，スマートフォンとタブレット端末で体験できた。そのクオリティはゲーム機で遊ぶのと変わらないといっても過言ではない

　最後に多部田氏は「これからも頑張っていきますので，ご声援お願いいたします」と述べ，発表会は幕を閉じた。

参考出展されていたAndroid用アプリ「AR『Rewrite』」も注目度の高かった作品だ。こちらはアプリをインストール後，床に設置されたパネル付近にカメラを向けると，スマートフォンの画面上にRewriteのキャラクター，神戸小鳥が登場するという仕組みになっていた

PSP用のオリジナル壁紙の無料配信も行われており，多くのファンがPSPを起動して壁紙をダウンロードしていた

会場では神戸小鳥と，「タイムリープ」のあゆのコスチュームを着たコンパニオンさんが来場者をお出迎え

スペシャルゲストとして斎藤千和さんと森田成一さんも登場。ナツメブラザーズ！（21）スペシャルトークショー

左から荻原秀樹さん，民安ともえさん，テバリャフカ（鈴田美夜子さん）

　トークショーでは，「ナツメブラザーズ！（21）」でパーソナリティを務める声優の民安ともえさんと，鈴田美夜子さんが登場し，進行は同じく声優の荻原秀樹さんが担当した。

　鈴田さんは公の場所に出てくる際は，動物の着ぐるみを着用して現れるのが通例となっているが，今回は「テバリャフカ」というアヒル風の着ぐるみで登場。それにちなんでトークに入る前に，鈴田さんの衣装の変遷がスライドで流された。

鈴田さんの着ぐるみを一部紹介。クマリャフカとレオリャフカ，ブルリャフカ，モツリャフカと種類は多いが，いずれもその愛らしい姿に客席からは「かわいい〜」と黄色い声が上がっていた

　スライドの途中で「プロトタイプ・ファン感謝デー 2009」での「クマリャフカ」というピンク色のクマ，さらにそのお色直し版である手足や目の周りが青く塗られたクマの着ぐるみ写真も公開された。これを見て，鈴田さんが「ファンデーションの色を間違えちゃった」とボケると，すかさず民安さんが「間違えすぎじゃん」，荻原さんが「顔が青ざめすぎだよ」とそれぞれツッコミを入れて会場の笑いを誘っていた。
　ほかにも「レオリャフカ」（ライオン），「ラムリャフカ」（羊）などが紹介されたが，中でも「モツリャフカ」（牛）の写真は着ぐるみ姿の隣にモツ鍋が載っており，民安さんが「使用前と使用後の写真？」とコメントして，会場の笑いを誘っていた。

　続いてのトークのテーマは，事前に書かれ集められたアンケート用紙をランダムでピックアップし，それに書かれている質問に答えようというもの。最初に選ばれたのは「緑川兄貴（※緑川 光さん）の良いところを教えてください」というもの。荻原さんは「温かいところですね。許容量があって，人徳の高さを感じます」とコメント。民安さんも偶然にも同じことを考えていたそうで，「私もそう思います」と述べると，荻原さんが「乗っかっただけだろ〜」と反応して，客席からは笑い声が漏れていた。鈴田さんは「私達は緑川さんのことが大好きですよ」とまとめていた。
　次の質問は「お互いの良いところを教えてください」というもの。鈴田さんは民安さんについて「気が利く」という点を挙げた。対する民安さんは鈴田さんが「弱音を吐かない」という部分を賞賛していた。
　最後は「夏の楽しかった・悲しかった思い出を教えてください」という質問。民安さんは子供の頃を振り返り「家に帰る途中，羽アリの大群に遭遇した」という思い出を語ってくれた。どうやら発生源は当時民安さんが住んでいた家だったようで，それから引っ越したのだという。鈴田さんは「昼に中華のお弁当を食べてしまい，ゲップをすると着ぐるみの中にシュウマイの臭いがするんです」と話し，これにはお客さんも大笑い。

スペシャルゲストとして登場した斎藤千和さん（左から2番目）と，森田成一さん（写真中央）

　さて，ここで民安さんと鈴田さんは，一旦舞台袖に引き，スペシャルゲストとして，Keyの新作タイトル「Rewrite」のラジオ番組，「ラジオRewrite 月刊テラ・風祭学院支局」から，パーソリティを務める声優の斎藤千和さんと森田成一さんが登場。
　森田さんはRewriteの発売日にお店の方にゲリラ視察に向かったときのエピソードを紹介し，お店の中がRewrite尽くしになっていることに驚いたそうだ。しかし，お客さんにはほとんど気づかれず，気づいてくれた方も遠巻きに見ているという状態だったという。この視察は思いつきでやったそうだが，お店の雰囲気が分かったり，お客さんがソフトに夢中になっていたり，グッズを買ってくれていた場面を見てで，それらについても感激したという。

ラジオRewrite 月刊テラ・風祭学院支局でおなじみの遊びだという，「エア銃撃戦」を披露する森田さん。このパフォーマンスにお客さんも大喜びだった

　また，Rewriteのラジオ番組を収録したCDが発売されることについても触れられた。CDの帯に記載するキャッチコピーは番組内で公募されたそうで，「まるで長寿番組のような貫禄」というコピーに決まったそうだ。斎藤さんは「ジャケットの絵がかわいいのに，すごくミスマッチですよね」と笑みを浮かべていた。
　ほかに森田さんは，「今後は他の番組と合同で公開録音をやってもいいよね」と，展望についても語っていた。

　リスナーからのアンケートも取り上げられ，「お宅訪問」「Rewrite温泉バスツアー」など，実現してほしい企画がいくつか読みあげられた。森田さんもそれを受け，「森の奥にある秘湯とか行ってみたいよね」「みんなで背中を流すとかやってみたいよね」と，実現するかはさておき，ポジティブな反応を見せていた。

じゃんけん大会ではラジオCDや，コミックマーケットで販売した，Rewriteのグッズ詰め合わせセットなどが提供された。ちなみに鈴田さんは着ぐるみという都合上じゃんけんができないので，体全体で「グー」「チョキ」「パー」を表現していて，ちなみにこれはパーを表している

　トークショーを終え感想を求められた斎藤さんは，「Rewriteとしては初めてイベントに参加させていただき，リスナーの皆さんに会えたり，アンケートで番組の感想を見られて嬉しかったです。今後も皆さんとお会いできる機会があるよう，長寿番組を目指していきたいと思います。応援していただけたら嬉しいです。今日はありがとうございました」と謝辞を述べた。
　森田さんは「短い時間でしたが，楽しく過ごすことができました。暑い中これだけ多くの方に集まっていただいて驚いています。いつ僕が『おっと動くな』と言うか分からないので，銃撃戦用のセリフも考えておいてほしいですね。でも，街中で僕を見ても，『おっと動くな』っていうのは止めてください（笑）」と話していた。
　民安さんは「最後までありがとうございました。『ナツブラ』も放送150回を超えて，UDXに来るのも3回目です。リトルバスターズ！の発売から4年経ちますが，多くのお客さんに応援していただき，ありがたく思っています。来年は兄貴（※緑川光さん）を連れて戻ってきたいと思います。応援よろしくお願いします」と，今後の展開にも期待をもたせる発言をし，ファンを喜ばせていた。

　そして最後に鈴田さんが音頭をとって一本締めが行われ，トークショーは終了した。

下ネタが大いに飛び交った「クラブ・グリザイア」の公開イベント。永澤優花さんによるライブも

クラブ・グリザイアの公開イベントの出演者の皆さん。左から民安ともえさん，永澤優花さん，一色ヒカルさん。一色さんの席には，諸事情により，ご自身が演じられた榊由美子のポップが飾られていた

　「ナツメブラザーズ！(21)」のスペシャルトークショーに続いては，民安ともえさん，一色ヒカルさん，永澤優花さんらによる，「クラブ・グリザイア」の公開イベントが行われた。トークの最中は大量の下ネタが飛び交っていたのだが，差し支えなさそうな範囲でどんなことが行われたのかを紹介していこう。

　まず，最初のコーナーは「普通のお便りのコーナー」。これは事前に集められたお便りをランダムで取り上げ，紹介しようというもの。「札幌に住んでいたが，上京してきてイベントに参加しやすくなった」という話や「自分が飼っている亀の名前を決めてほしい」など，さまざまな内容のお便りが取り上げられた。

　続いては「雄二の謎の豆知識のコーナー」。これはクラブ・グリザイアにある同コーナーを，そのまま持ってきたものだ。寄せられた豆知識としては「タラバガニはカニではなく，ヤドカリの仲間」「トリュフには豚のフェロモン（に似た成分）が含まれており，採取には雌豚が使われていたが，今は訓練を受けた犬に探させるようになっている」といったものがあった。

　次のコーナーは「苦情のお手紙」という，こちらも番組内で実施されている企画を生でやろうというものだ。読み上げられた苦情にパーソナリティの皆さんが解決策を教えるという内容だが，「ジャガイモの皮が剥きにくい」という苦情には，永澤さんが「変な形をしていてごめんね。これからは丸くなります」と回答し解決。「イヤホンのコードがひっかかって，イヤホンが外れやすい」という苦情には，「無線タイプのイヤホンを買いなさい」と民安さんが答えていた。

　番組も佳境を迎えたところで，永澤さんのコーナー「ファン0人から始める明るいアイドル化計画」が行われた。永澤さんは，過去にもファンクラブのために手書きの会報誌を作らされたり，Teitterを始めさせられるなど，さまざまな試練を与えられてきたそうだが，それらに楽しく取り組んできたという。
　今回のイベントでは歌をうたう機会も与えられたが，一色さんから物言いが付き，「目隠しをした状態で箱の中身を当てる」という試練が与えられた。これに正解すればライブを行うことが許可されることに。気になる中身は「滑り止めのついた軍手」なのだが，対象が見えない恐怖で永澤さんは，ことあるごとに悲鳴を上げて，かなり怖がっていた様子。しかし，なんとか正解し，無事にライブを行うことができた。

永澤さんへの試練として与えられた，目隠しをして箱の中身を当てるというクイズ。恐る恐る触っては驚く永澤さんを見て，民安さんは「初々しいリアクションだなあ」と目を細めていた

1曲のみだが元気いっぱいに歌い，無事ライブを終えることができた永澤さん。お客さん達もケミカルライトを振ったり，カンペの指示通りに動いたりと，場をしっかり盛り上げていた

　永澤さんはお客さんの前で歌うというのは初めてとのことだったが，「練習のほうが上手く歌えたけど，楽しかったです」と元気にコメントしていた。

　イベントの最後に，民安さんは「ラジオ番組が最終回を迎えると発表してから，『また会えますよね』というお便りをたくさんいただいています。クラブ・グリザイアのイベントは今日で最後ですが，みんなで盛り上がってくれて楽しんでくれてうれしいです。『グリザイアの果実』は続編も出ますし，コンシューマにも移植されるように，何が起きても不思議ではありません。みんなの応援があれば，必ず会える日が来ると思います。これからもよろしくお願いします」とコメント。

　永澤さんは「歌っているときに盛り上がってもられて，うれしかったです。私は，やりきった感があるけど，これからも頑張りたいです」と語り，一色さんは「下ネタ方面に流れていっちゃうけど，それがクラブ・グリザイアですよね。帰ってくる頃にはパワーアップしているでしょうし，皆さんの顔を見ながら話すことができてすごく嬉しいです。これからも応援をよろしくお願いします」と謝辞を述べ，イベントは無事終了した。

「リトルバスターズ！Converted Edition」広報資料

「ビジュアルアーツ★Motto SP」スマートフォン版資料