4Gamer 女子部（仮）
イベント
コーエーテクモゲームスが「『FabStyle』女性ブロガー先行体験会」を開催。襟川恵子ゼネラルプロデューサーがゲームに込めた熱い思いとは
 |
体験会の開催に先駆けて，コーエーテクモゲームス 取締役名誉会長にして「FabStyle」のゼネラルプロデューサーを務める襟川恵子氏が登壇し，来場者に向けて同タイトルのコンセプトなどをあらためて説明した。
まず襟川氏は，海外諸国と比較して，日本には女性経営者が非常に少ないことに言及し，「この状況を何とかしないと日本はよくならない，ひいては世界のためにもならない」と述べる。そして世界で最も感性が高いのは日本の女性であると続け，紫 式部や清少納言を筆頭に，日本の歴史の中で要となる部分には優れた女性が活躍してきた例を挙げた。
 |
 |
 コーエーテクモゲームス 取締役名誉会長/「FabStyle」ゼネラルプロデューサー 襟川恵子氏 |
ところが日本の現実は，襟川氏の理想とは程遠い。襟川氏は，自身が2003年のNewsweek誌の特集で“日本を変える10人”の中にただ一人，女性として選ばれたとき，日本では奇異の目で見られたエピソードを披露する。確かに韓国やインドといった諸外国でも，かつては良家の子女が社会に進出するなどとんでもないという風潮があったが，この20〜30年ほどで状況は大きく変わり，女性の活躍が目立っていると襟川氏は続け，「女性の役に立つゲームを作りたい」と強く思ったと当時を振り返った。
そして年月が流れ，3DSの試作機を見たとき，襟川氏は自身のゲームが実現できるのではないかと企画を立てた。しかしその内容があまりにも多岐に及んでいたため，コーエーテクモゲームスの社内ではもちろん，任天堂も「ゲームとしてまとまらない」という意見が返ってきたという。
そこで開発チームと試行錯誤した結果，「FabStyle」は経営ゲームの難しい部分を緩和し，ちょっとしたアパレルショップを経営して楽しく洋服を販売しながら，何となく小売の仕組みを理解できるような内容にシフトしていったそうだ。また襟川氏は同タイトルで学べる小売の構造は，より大きな会社経営に通ずる部分もあると話していた。
 |
 |
 |
 |
さらに襟川氏は，「FabStyle」ではそうした経営の基本を学ぶ一方で，ファッションセンスを磨いたり，テーブルマナーなどの国際的な一般常識を身に付けたりできるソフトであると説明する。
しかし，その一方で素敵な恋愛を楽しめるようなゲームにもしたかったと続ける。そこで恋愛の過程において一つ一つミッションをこなし，“女子力”をアップしていくような内容にしたとのことだ。ゲームを進めていくと何人もの男性キャラが登場するが，そのうちの数人と同時に恋愛を進行できるなど，女性プレイヤーのさまざまな要望に応える工夫が凝らされていると，襟川氏は述べた。
また襟川氏は，あらためて「FabStyle」の“fab”が“最高の”“これ以上ない”という意味の“fabulous”の短縮形であることに言及。続けて「勇気を持って一歩を踏み出し，それに成功すれば一つステップアップできる」と述べ，そうしたチャレンジを繰り返すことで，“太く短く”や“細く長く”ではなく，「“太く長く”最高の人生を送ることができる」と来場者に呼びかけた。
 |
 |
 |
 |
さらに同タイトルには世界の格言や，襟川氏自身が影響を受けた哲学者の言葉などを散りばめてあるとのことで，「ちょっとしたときに思い出してもらえれば，私にとってまさに“fabulous”」とも話していた。
ゲーム本編では，プレイヤーにレベルの概念が存在し，レベル1〜2では，いわゆるファストファッションを扱うことになる。しかしレベル3〜4ともなると，高級ブランド物が扱えるようになる反面，顧客層が変化し，それに合わせてショップ内での言葉遣いも丁寧になっていく。そうなると，自分自身ではあまり好みではないような商品であっても，ビジネスのため，それを求める顧客のために扱わなければならなくなることもあると，襟川氏は説明する。
また男性キャラも，そうしたプレイヤーのレベルにふさわしい階級や職業の人物がどんどん現れるとのことである。
 |
 |
 |
 |
体験会の終盤では，実際に「FabStyle」を試遊した来場者からの質問に，襟川氏が回答するコーナーが設けられたので，その模様を以下に掲載しよう。
──ゲームの中に恋愛やお洒落という要素と，仕事の要素を組み合わせたきっかけを教えてください。
襟川氏：
お洋服を扱う仕事には着せ替えの要素がありますよね。そうやって楽しみながらお客様を接待しているうちに，何となく小売の仕組みが分かって，それが何かの役に立つのではないかと考えました。
人生には，お仕事をしてみたり勉強をしてみたり，あるいはお化粧をして素敵な男性と恋愛してみたりと，さまざまな要素があります。ショップ経営もその中の一つということです。
──ターゲットとなる年齢層を教えてください。
襟川氏：
私はもともと20〜34歳の女性，いわゆるF1層をイメージしていたのですが，実際の調査では18〜24歳の関心が高いと判明しました。これから大学に進学したり，社会に出たりする人が，少し女子力を上げたいという理由で興味を示しているようです。
その一方で，かなり年配の男性キャラも登場しますので，幅広い年齢層のお客様に楽しんでいただけるのではないでしょうか。
 |
 |
──プレイヤーのレベルを上げるにはどうすればいいのですか。またレベルが上がると扱えるブランドが増える以外のメリットはありますか。
襟川氏：
レベルには，年間売上目標のほかにさまざまな要素が関連します。例えばアカデミーで高得点を取ると知力が上がります。あるいはマップ上でアルファベットが出ているところには男性キャラがいますので，そこに行って情報を仕入れたりできます。
そうやってどんどんゲームを進めていくと，アシスタントにショップを任せることも可能になりますので，素敵な男性との恋愛に専念できます。
──奥行きを重視した3DSのほかのタイトルと異なり，ハートやキラキラしたエフェクトが飛び出してくるように見えますが，何か意図があるのでしょうか。
襟川氏：
例えば，剣が飛び出してきたらプレイヤーに与えるショックが大きくなってしまいますので，弊社も含めてゲームメーカーは飛び出す3D表現を控えています。でも，このタイトルはそういうゲームではありませんから，飛び出す表現を採用できました。
 |
 |
──アカデミーではテーブルマナーのほかに，どんな知識を学べますか。
襟川氏：
アパレルショップの経営や，お洋服の素材など，ファッションに関することですね。
また上座と下座，エレベーターの乗り方なども学べます。こういったルールは，そのルールをきちんと学んでいる人ほど気にするものです。ルールを知らないことで損をすることのないよう，簡単なビジネスマナーや一般常識を楽しみながら学べるようにしています。例えば貸借対照表なんて難しい用語でも，詳しい内容を知らなくとも概要さえ押さえていれば，会話に加わることはできますよね。
──男性キャラは，どのように設定を作っているのですか。
襟川氏：
私どもが開発した性格診断ソフトで使うデータや，血液型による性格を分析したり，一つの性格とその対極にあるような性格などを加味したりして性格付けをしていきました。これはゲームですから，ぜひ複数の男性とのお付き合いを楽しんでください（笑）。
 |
 |
 |
 |
──襟川さんのお気に入りの男性キャラを教えてください。
襟川氏：
実は全員にモデルがいて，その全部に思い入れがあるんです。誰がどうということではなく，それぞれすばらしい良さがあります。ただ，私と結婚してもうまくいかないだろうな，という人も入っています（笑）。
 |
 |
体験会の最後，襟川氏は，方丈記の「行く河の流れは絶えずして，しかも，もとの水にあらず。淀みに浮かぶうたかたは，かつ消え､かつ結びて，久しくとどまりたる例なし」という文章を引用し，TPP問題に代表されるように，今後，世の中が大きく変わっていくだろうと述べる。そして，その中でも勇気を持ってチャレンジすれば，“最高の人生”になる得るとあらためて述べ，そのきっかけとして「FabStyle」を楽しんでほしいと来場者に呼びかけ，イベントを締めくくった。
 |
 |
「FabStyle」公式サイト
(C)コーエーテクモゲームス All rights reserved.
関連タイトル
注目の記事
つぶやく