スマートフォンには相当な数のゲームが存在しているが,「じゃあ,どれが面白いの?」「そもそも,数が多すぎて好みのタイトルが探せない!」と思っている人も少なくないはず。 そんな問題を解決すべく,スタートした連載が「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」だ。話題の新作タイトルからネタ要素多めのオモシロ系まで,スマートフォンのゲームを片っ端からプレイして(ほぼ)毎日お届けする。
本日の「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」では,「
レイトン教授」シリーズの流れを汲んだ,iOS向け「
レイトンブラザーズ・ミステリールーム」を紹介してみたい。本作は,レイトン教授ことエルシャール・レイトンの息子
アルフェンディ・レイトンが活躍する推理アドベンチャーゲームだ。
ジャズ調のBGMが大人の雰囲気を漂わせる本作。音楽以外に,グラフィックス,システム,ストーリーのどれを取っても完成度の高さがうかがえるのは,さすがレベルファイブといったところ
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本作の舞台は英国。プレイヤーは,見習い分析官の
ルーシー・クレイラとなり,天才事件分析官アルフェンディ・レイトンの助手として,ロンドン警視庁専門刑事部秘密捜査・情報課特命捜査対策室――通称「
ミステリールーム」で働くことになる。そして,さまざまな事件に二人三脚で挑みながら,謎を解き明かしていく……というのが本作のおおまかなストーリーだ。
推理アドベンチャーゲームの多くは,事件現場の移動や会話でフラグを立てて進めるタイプが多いが,本作では初めから証言と証拠があり,それをプレイヤーが観察し推理をしていく形となる。
本作では,大まかに分けて3つのパートが存在する。立体で再現された犯行現場をくまなく調べて手がかりを探す「
現場検証」では,複数の容疑者から犯人と思われる人物を特定することになる。続いて,その犯人と思われる人物と共に,被害者の死因や使われた凶器などの謎,矛盾を明確にしていく「
推理」を行っていくことになる。そして,最終的な証言や証拠を元に犯人と「
最終対決」をするのだ。以下で,それぞれのパート順に解説していこう。
入手した情報はカードとなり,「証拠カード」「証言カード」「人物カード」としてそれぞれストックされる。カードはメニューからいつでも確認できるほか,推理のときにも使われる
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■現場検証
現場検証のパートでは,犯行現場のミニチュアが立体的に表示される。タップやスワイプでさまざまな角度から観察することが可能となっており,白い丸で囲まれている部分は,詳しく調べられるようになっているので,その部分をタップして調査していこう。ピックアップした場所は,拡大や縮小も可能だ。
一度調査した場所や物証は,証拠カードとしてストックされ,のちに推理や最終対決のパートで使用することになる。調べ漏れがないようしっかりと調査しておくといいだろう。
現場検証の制限時間は5分。プレイヤーは,ここでの調査と直感を頼りに犯人が誰かを予想することになる。ちなみに,現場検証をせずに,直感のみで犯人を選んでも問題ない。
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■推理
現場検証を終え,ある程度証拠がそろったら,事件を振り返りながら推理を行っていくことになる。被害者の死因は何か,凶器は何か,犯人の証言や時系列の矛盾はどこか……など,そういった謎を1つずつ明らかにしていくわけだ。
ここでは,アルフェンディから「凶器はどれか?」といったように質問されるので,自分の推理と入手した証拠から当てはまるものを答えていけばいい。
解明すべき謎がいくつか表示されるので,順番に解明していこう。全ての謎が解けると犯人につながる仕組みだ
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■最終対決
謎が全て解けると,犯人が割り出され,いよいよ最終対決となる。その人物を実際に呼び出して質疑応答を行うことになるが,犯人は言葉巧みに言い逃れをしてくるので,一筋縄ではいかない。入手した証拠や事実の矛盾を突きながら,犯人を追い詰めていこう。
石に覆われたハートで犯人の心理が表現されており,追い詰められるごとに石が欠けていき,やがてハートがむき出しとなる。そこに「とどめの一撃」となる選択肢を突きつければ,犯人が自白を始め,事件解決となるのだ。
犯人を呼び出すと,石に覆われたハートで犯人の心理が表示される。証拠や矛盾を突きつけるびに石が少しずつ崩れていくので,最終的にハートを砕けばいい
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事件解決後は,アルフェンディから推理の評価が受けられる
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犯人にすべての証拠を突きつけ,事件を解決できれば「
推理完了」となり,一件落着。犯人の口から動機や事件の状況などが語られ,ステージクリアとなる。
最初のストーリーは,「
サンドイッチに挟まれた女」。題目のとおり手をサンドイッチに挟まれた状態で絞殺されていた女性の殺人事件だが,何とも不思議なシチュエーションである。このあたりも「レイトン教授」シリーズの流れを汲んだ“らしい”部分といえるかもしれない。
事件を解決すると,2話めの「
コソ泥と悪女と消えた凶器」がプレイできるようになり,最終的には全部で5つの事件をプレイすることが可能だ。
新たな事件へ挑むたびに,謎に包まれたアルフェンディの過去が少しずつ明らかになっていく。推理時にたまにアルフェンディが見せる,もうひとつの顔にも注目だ
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本作には,アドベンチャーゲームにありがちな移動の煩わしさがないのも特徴だ。また,犯人に突きつける証拠も選択式で,ある程度ナビゲートされた状態で推理をしていくことになるので,ゲームに詰まることが起こりにくいのもポイントといえるだろう。
高難度の本格派推理ゲームに挑みたい,という人にはやや物足りなさを感じるかもしれないが,それでもゲームとしての手応えはさすがレイトンシリーズといったところ。
骨太でしっかりしたストーリーが魅力の本作。iPhone 5発売記念ということで,今なら通常価格の1200円(税込)が
800円(税込)に値下げされているので,「レイトン教授」シリーズのファンはもちろん,推理アドベンチャーをあまりプレイしない人も,秋の夜長にミステリールームを楽しんでみてはいかがだろうか。
著者紹介:トリスター/目代将規
ゲームやアニメの書籍企画,編集,シナリオライティングや広告制作なども手がける編集プロダクション「トリスター」所属。スマートフォンならではのゲームや,一瞬で遊べてしまうゆるいゲームが大好物。好きなゲームのジャンルはRPGとアドベンチャー。“モンハン”好き。