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[GDC 2019]PowerVRが搭載されたプレステミニ,Unreal Engine×レイトレで映画制作など,プロセッサメーカーのブースを一挙レポート
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印刷2019/03/26 00:00

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[GDC 2019]PowerVRが搭載されたプレステミニ,Unreal Engine×レイトレで映画制作など,プロセッサメーカーのブースを一挙レポート

 GDC 2019は,会場となったMoscone Center(モスコーニセンター)の大幅改装が完了したことを受けて,展示会場(Expo)の構成が刷新され,例年よりも華やかになった印象だ。
 Southホールはソニー・インタラクティブエンタテインメントやMicrosoftといった大手ゲームプラットフォーマー,Epic GamesやUnity Technologies(以下,Unity)といった大手ゲームエンジンメーカーなどが軒を連ね,Northホールは転職関連,ビジネスミーティング用ブースが並ぶという基本レイアウトは例年どおりだったのだが,これまでは地下通路でしかなかった場所がセンターホールとして生まれ変わり,ここに多数の新興ブースが設立されたのである。GDC 2019の一番の話題の中心となったクラウドゲームプラットフォーム「Stadia」を発表したGoogleブースはまさにこの新天地にあった。

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 せっかくなのでGDC 2019のExpoフロアの勢力図についても軽く触れておこう。
 今年,最も巨大なブースを構えていたのはUnityのブースだ。大きなブースブロックを3つも確保し,最新のUnity関連の技術やツールなどを見せるブース,プレイヤーやファンを楽しませるためのブースなどを展開しており,連日かなり賑わっていた。

Unityブース。GDC 2019ではダントツで巨大なブースだった
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Unityブース内に設けられたMagic Leapの「DR.Grordbort's Invaders」体験コーナーはとくに人気で連日プレイするための登録は開場10分以内に受付終了という状態。筆者も連日,開場と同時にブースに直行したが体験することは叶わなかった
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 これに次ぐのはEpic GamesのUnreal Engine(以下。UE)ブースだ。こちらは今年も,飲食物やTシャツがもらい放題のUEプレイヤー向けラウンジ的ブースと最新技術展示ブースの2マス構成だった。
 技術展示関連で注目度が高かったのは,新版UEから採用となる新物理エンジンの体験コーナーだった。UE3時代から標準物理エンジンとして採用されてきたNVIDIA 「PhysX」との決別を図り,ついにEpic Games内製の新開発物理エンジン「Chaos」に置き換わったのである。

Epic GamesのUnreal Engineブース
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ブースではChaos物理エンジンを活用したゲーム風破壊デモが楽しめた。このデモ自体はEpic Games内製のVRゲームである「Robo Recall」のゲーム世界を流用して制作されている
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 それにしても,ここ最近は,これら二大エンジンのブースの拡張ぶりに驚かされる。例年出展していた任天堂が今年は出展を取りやめ,さらにNVIDIAブースがかなり縮小したことが,これら二大ゲームエンジンブースの「さらなるブースの拡張」につながったようである。

 この二大ゲームエンジンブースの次には,ゲームエンジン「Lumberyard」やゲーム映像配信サービス「Twitch」を有するAmazonブース,ソニー・インタラクティブエンタテインメントのPlayStationブース,Microsoft・Xbox/Windowsブース,そしてIntelブースなどが続くといった感じだ。
 本稿では,半導体メーカーのブースを中心にレポートすることにしたい。

AmazonのゲームエンジンLumberyardは健在だ
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ソニーのプレイステーションブース。こちらの詳細は別レポートにて
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NVIDIAブース〜ブースは小さくても存在感はビッグ,リアルタイムレイトレーシング技術に関連した新展示の数々


 今年はGDCとNVIDIAの独自イベントGTC(GPU Technology Conference 2019)の会期が完全に被ってしまったためか,例年は大きめなブースを構えてきたNVIDIAも,今回はEpic Gamesブースの裏側にひっそりと小振りなブースを構えるに留まっていた。

例年と比べるとかなり小さくなったNVIDIAブース
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 とはいえ,NVIDIAはリアルタイムレイトレーシング技術に関してはリーダーシップを取っていく立場にあることからか,会期中は連日,そのランタイムおよびフレームワークに相当する「RTX Technology」(以下,RTX)やDirectX Raytracing(以下,DXR)関連の技術セッションを例年以上に力を込めて行っていた。また,今年は競合のAMDが展示ブース出展を取りやめ,ミーティングブースのみになってしまったことから,ブースは小さくなってもGDC 2019におけるNVIDIAの存在感は例年どおりだったように思う。

 さて,小振りとなったブースで注目を集めていた展示を2つピックアップすると1つは「Troll」という,リアルタイムレイトレーシングを使ったショートフィルムだ。これは,Epic Gamesの技術協力の下,映像制作スタジオのGoodbye KansasDeep Forestが共同制作した映像作品で,いわゆるゲームエンジンのノンゲームユース事例である。
 最大のトピックは,この作品全体が,ついにリアルタイムレイトレーシング技術を統合したUnreal Engine 4.22上で制作されたというところだろう。当然,レイトレーシング法だけでなく,ラスタライズ法を併用したリアルタイム映像作品になるのだが,パッと見そうは見えないところが話題となった。今後はインディーズゲームに留まらず,インディ映画作品がゲームエンジン上で制作されることがブームとなっていくかもしれない。


影生成,鏡像生成などにレイトレーシングが利用されているそうだ
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 もう1つは,NVIDIAのGPU解析/最適化ツールの「Nsight」のリアルタイムレイトレーシング対応版の公開だ。
 DXR/RTXで実現されるリアルタイムレイトレーシング技術では,3Dシーンを大小の直方体による階層構造で表現することで,膨大な数のレイのキャスト・衝突判定を高効率に処理していくわけだが,新版Nsightでは,このデータ構造を視覚的に見て検証できるようになった。
 今後提供が予定されているGameWorks RTXには,このデータ構造を構築するための支援ツールなども含まれることが予告されており,ゲーム開発におけるリアルタイムレイトレーシング技術の活用を,NVIDIAはツール面から強力に支援していく体制を整えつつあるようだ。

Nsightがリアルタイムレイトレーングに対応
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街並みを構成する建物を囲むように設定された白線の直方体のそれぞれは,レイの衝突判定を行う際の「当たり判定形状」に相当する
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町全体を囲んだ最上階層の直方体も見える
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3Dモデルを囲うような直方体はAxis-Aligned Bounding Box(AABB)と呼ばれている。「Show AABBs」は,「レイの当たり判定形状」に相当する直方体を視覚化させるためのもの
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Imagination Technologiesブース〜ドリームキャストだけではなくPlayStationにも搭載されたPowerVR


 Imagination Technologiesといえば,組み込み機器向けGPU「PowerVR」を開発するファブレス半導体メーカーである。ゲームビジネスとの関連は深く,旧来のゲームファンであれば「PowerVRといえはドリームキャストのGPUだ!」と即答する人も少なくないだろう。最近のゲームファンには「PowerVRといえばPS VitaのGPUだ!」とする人も多いはず(?)。AppleのiPhoneシリーズ,IntelのCPUであるAtomシリーズにも採用されてきたこともあって,近年までは業績がかなり好調だったのだが,AppleはA11プロセッサのiPhone 8以降から,Intelも2015年モデルの8000型番のAtomからPowerVR採用をやめてしまい,業績は急激に悪化していた。最近は「PS Vita生産終了」の報道もあり,PowerVRを取り巻く状況は芳しくないのだ。
 実際,PowerVR非採用発表が相次いだ2017年以降,各カンファレンスやコンベンションにおけるImagination Technologiesブースは縮小ないしは出展取りやめが続き,急激に存在感が薄まってきていた。

いまやテーブル3つの小さなブースとなってしまったImgaination Technologiesブース
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 筆者は同社と付き合いがとても長いこともあり「今年大丈夫かな」という心持ちの中,Imagination Technologiesブースを探したのだが,だいぶ奥まったフードコート近くの壁際の裏通りに都落ち感たっぷりの同社ブースを発見。思わず「調子はどうだい?」というデリカシーのない言葉を発しつつブースを訪れてしまったのだが,どうしてどうして。スタッフの数も少なく,最盛期の数分の1以下になった小さなブースではあったものの活気ある展示を行っていたのだ。

 「今年の目玉の展示は?」の問いに,ブースツアーを担当してくれたAndrew Gridler(アンドリュー・グリドラー)氏(Business Development Engineer PowerVR,Imagination Technologies)は明るく「ついにPlayStationにPowerVRが搭載されたんだ」と答えて,案内してくれたのは昨年発売されたばかりの「PlayStation Classic」の展示セクションであった(※Vitaさん……)。
 意外に知られていないが,そう,あの「ミニ初代プレステ」のPlayStation Classicのメインプロセッサ(SoC)は,MediaTekのMT8167A」であり,そのGPUは「PowerVR GE8300」なのだ。

PlayStation Classicが搭載するGPUはPowerVR Series8だった
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AmazonのFire TV Sitck 4KのGPUとPlayStation ClassicのGPUは同一だ。豆知識である
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 PowerVRは2012年に発表されたSeries6(開発コードネーム「Rogue」)以降は大きなアーキテクチャ刷新を行っていない。2017年に発表された最新型Series9も基本アーキテクチャはRogueから大きく変わってはいないのだ。
 ブースでは最新PowerVR Series9XMの最上位モデル「GM9446」を採用したMediaTekのハイスペックSoC「Helio P90」の性能検証実験機の実動モデルを展示していた。電子回路を戦場に見立てた仮想空間の中でサイバーな戦士同士が戦闘を繰り広げるゲーム風デモの新作「Circuit Breaker」をリアルタイムで動かしていたが,せっかくの新世代GPUもアーキテクチャ的にはあまり見どころはない。

一応,現行PowerVRシリーズの最上位モデル「GM9446」の実動チップを公開していた。そろそろアーキテクチャ刷新を期待したいところだが……
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Circuit Breakerの画面
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日本にもファンがいるポータブルゲーム機風Android端末「GPD XD Plus」もPowerVR搭載デバイスだ。SoCはMediaTek「MT8176」でGPUコアはPowerVR GX6250,つまりiPhone系でいうとiPhone6世代のPowerVRである
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 最近流行のAR技術の展示もあった。「PowerVR 7XTP」搭載のスマートフォンで専用アプリを起動して壁に貼られたSF調の扉のポスターに向けると,その扉が開き,中から浮遊型AIロボットが飛び出して,こちらに話しかけてくるという寸劇が開始される。
 このポスターで描かれた扉が実は秘密基地となっており,アプリを起動したスマホを動かして見る角度を変えると,扉の奥の秘密基地の中を覗き見て観察できるというAR遊びが体験できた。デモそのものは取り立てて先進的というわけでもなかったが,「PowerVR 7XTPであればARにも十分対応できます」というアピールにはなっていたと思う。

展示されていたARデモは「HangAR」という名称で内製とのこと。開発にあたってはPTCが開発したAR/VR開発キット「Vuforia」を利用したのこと。現在,VuforiaはUnityに統合されており,Unity上から比較的容易にAR/VRアプリを開発できるようになっている
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 AIチップに関する展示もあった。
 最近はさまざまなスマホメーカーが「AIチップ」なるものを搭載し,その技術先進性をアピールする傾向が強まっているが,その正体は,推論アクセラレータである。もっと具体的にいえば固定小数点ベースの行列計算器だ。
 その設計・開発はGPUメーカーにとっては得意な分野なので,Imagination TechnologiesもIPコアとして開発し,「PowerVR AX2185」として提供している。そう,このチップはPowerVRの名前はついているが,GPUではなく推論アクセラレータなのだ。

 ちなみにImagination Technologiesでは,推論アクセラレータをNeural Network Accelerator(以下,NNA)としてブランディングしている。
 ブースではFPGAベースで実装したPowerVR AX2185(NNA)を50MHz程度で駆動して(最終チップでは800MHz動作を想定),リアルタイム映像からの人体認識と画像の判別処理を同時に実行するデモを披露していた。前出の担当者によれば,この推論アクセラレータはGPUには統合せず,単体IPコアとして提供していくとのことであった。
 GPUでも推論アクセラレーションは可能だが,消費電力あたりのパフォーマンスを考えると専用チップのほうが効率がよいのでNNAを提供しているのだとか。

中央にあるのがXilinx製のFPGAベースのテストチップ。左右のWindows PC上で推論アプリを動作させ,LAN経由で接続された中央のNNAボックスで推論処理を行わせる仕組みだ
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推論処理はGPUでも可能。ブースではPowerVR GX6250搭載のChromeBookで人体認識のデモを行っていた
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 前出のGridler氏に「レイトレーシング対応GPUへの開発に着手したのはImagination Technologiesが最初だったのにね」と話しかけたところ「我々は早すぎた(笑)」と笑っていた。
 現在のリアルタイムレイトレーシング騒ぎが起こる5年も前の2014年にImagination Technologiesは,PowerVR GPUにレイトレーシングアクセラレータ(RTU)を統合させるアイデアを出していたのだ。これをPowerVR Wizardとして開発していく方針をアナウンスしていたのだが,今読み返すと,RTUとは「レイを投げて進める処理系」と「レイの衝突判定を行う処理系を担当するユニットであり,そのアーキテクチャはRTX/DXRそのものなのが感慨深い。
 Gridler氏は「当時のRTU開発担当者達はみんな去ってしまったが,レイトレーシング対応GPUの開発は継続中である」と述べていた。しかし,そのリリースが本当に来るかは不透明だ。彼の言葉を聞いて,また来年もGDCにImagination Technologiesブースがあることを祈りつつその場をあとにした次第である。


そのほかのブースの様子


 今年のQualcommブースは,完全なイベントブースとして展開されており,技術関連の展示はまったくなかった。ブースには昨年,ASUSTeK Computerから発表されたゲーマー向けスマートフォン「ROG Phone」を設置したゲーム試遊台を設置し,プロゲーマーと一般参加者がチームを組んでの対戦ゲーム大会を定期的に開催していた。

Qualcommブースはこの写真に写っているステージブースのみ。イベントが行われていないときはステージ上のROG Phoneを試用できた
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展示されていたROG Phone。SoCとしてはQualcommのSnapdragon 845を搭載する高性能スマホである
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 Armは例年どおり,Arm製プロセッサの採用製品や技術展示を行っていた。

Armブース
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 今年1月にGoogleが,Androidシステムを64bit版Androidを強力に推進していくと発表したのは記憶に新しい。その「強力に推進」とは,具体的にいえば「2019年8月以降にGoogle Playでアプリを公開する際には64bit版の提供が必須」「2021年8月以降は32bit版のみのアプリは提供を終了する」といった具合だ。とにかく今後はAndroidスマホも64bitが大前提となるのである。

アプリの32bit版と64bit版とでのパフォーマンス比較
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 ブースでは64bit化の優位性が分かりやすい事例として,大量のキャラクターが3Dシーン内を走り回るというデモを見ることができた。32bit版と64bit版でパフォーマンスを比較していたのだが,同一ハードウェアで同一アプリを動かしているにもかかわらず64bit版のほうが10%ほど多くキャラクターを表示できて,さらに描画パフォーマンス(フレームレート)が10%ほど高くなっているというものだった。
 64bitのほうがより広いメモリ空間を取り扱える点,そしてCPUのキャッシュシステムなどが64bit動作モードに最適化されていることなどが,高速化の要因として挙げられていた。


 Armは「Mali」というブランドのGPUをリリースしているが,そのグラフィックスプログラミングには,オーバーヘッドの少ないAPIとしてVulkanが利用できる。ただ,Vulkanを使ったプログラミングは難度が高く,GPUアーキテクチャへの深い理解が要求される。そこで,ArmはゲームなどのGPUプログラミング初心者に向けた「Vulkanプログラミング教室」的なライブラリ「Vulkan Best Practices for Mobile」の提供を開始した。すべてソースコード付きで,基礎をまとめたものになっている。

 ブースで公開されていたのは画面の回転処理にまつわる性能比較デモだ。
 スマホは画面を縦表示にしたり横表示にしたりできる。縦・横どちらの持ち方にも対応させたいなら,そこで動かすアプリも双方の表示モードに対応させる必要がある。その処理系を,アプリ側で画像を回転処理してから表示させる場合(Pre-Rotate)と,画像処理をVulkan側のCompositorで処理させる場合とではパフォーマンスが10倍近く違うという。ブースではこうした実践的なサンプルを1つずつ,実機で試せるようになっていた。

Vulkan Best Practices for Mobileの展示コーナー
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アプリ側のソフトウェア処理を用いた場合
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Vulkanを用いた場合

 このほか,GDC 2019会期中に発表された「Arm Mobile Studio」もブース内に展示され,実際に触れるようになっていた。
 Arm Mobile Studioは,Androidシステム上のアプリのパフォーマンス解析や最適化が行えるツールで,64bit版Arm CPUコアとMali GPUコアに対応し,内部レジスタなどの表示が行える。グラフィックスに関してはOpenGL ESとVulkanの両方に対応し,フレーム内の処理時間配分なども調べられる。Androidアプリ開発者には強力なサポートツールとなるに違いない。
  • 関連タイトル:

    PowerVR

  • 関連タイトル:

    GeForce RTX 20,GeForce GTX 16

  • 関連タイトル:

    Unity

  • 関連タイトル:

    Unreal Engine

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