2013年2月15日と16日の2日間,千葉の幕張メッセにて開催されたアーケードゲームのショーイベント
「ジャパンアミューズメントエキスポ2013」 (以下,JAEPO2013)。長らくアーケードゲームのショーとして親しまれてきたAOUショーとAMショー(JAMMAショー)が一つになったことで,新たなスタートを切った本イベントだが,蓋を開けてみればそれほど変わった部分というのもなく,いつも通りのアーケードショーだったという印象が強い。主催者側の発表によると,今回のショー2日間を合わせた来場者数は
2万580人 。2012年のAOUショーが1万7246人だったので,それより3000人ほど多かったということになる。
これは今回に限ったことではないが,近年はどのメーカーも一般入場日のファン向けイベントに力を入れているようで,とくにセガやKONAMIなどはステージイベントが目白押し。来場者数増加については,これらの貢献が大きいと思われる。また筆者の見た感じでは,子供の姿や家族連れなども多くて,幅広い年齢層にアピールするイベントになっているようだ。
ただ一方で,4Gamer読者向けのコア向けタイトルでは,今一つインパクトに欠けるショーだったのも正直なところ。もちろんスクウェア・エニックスの
「LORD of VERMILION III」 やセガの
「CODE OF JOKER」 など,各社とも注目タイトルはあるのだが,意外性という意味では,どちらもやや大人しめではある。格闘ゲーム系も新作は2012年にあらかた出尽くしてしまった感があって,格ゲーマーとしてはちょっと寂しい。ショーには間に合わなかった各社の隠し球に期待したいところだ。
さて,そんなこんなで終わりを迎えたJAEPO2013。4Gamerではすでに多数の記事を掲載しているが,本稿ではそこから漏れてしまった
気になるもの を,まとめて紹介しておこう。
コンパニオンさん の写真なども(少しだが)入れておいたので,合わせてどうぞ。
今回のショーの出展タイトルで,個人的にオススメしたいのがタイトーの「グルーヴコースター」。音ゲーとしての作り込みなどはまだ分からないが,音楽と映像がマッチしていて,プレイしていると,なんというか体感ゲーム的な感覚を味わえるのが面白い
ブレイク/アドアーズブース
プライズ景品を扱う
ブレイク/アドアーズ のブースでは,人気ソーシャルゲーム
「パズル&ドラゴンズ」 (
iOS /
Android )のプライズが,数多く展示されていた。一般日入場には,老若男女問わずの人だかりができていて,同作の人気ぶりがうかがえる。
そのほか,7月からTVアニメもスタートする
「Bloody Bunny」 で,主人公のブラッディー・バニー役を務める声優・
井澤詩織さん がブースに来場。一緒にクレーンゲームが遊べるイベントなども開催され,注目を集めていたようだ。
こちらがブラッディー・バニー
ステージでコメントする井澤詩織さん
パズドラ以外のプライズも一部紹介
変にローアングルなのは,高い位置に展示してあったからで他意はない……ハズ
加賀アミューズメントブース
加賀アミューズメントブースのEUREKA COMPUTERエリアで見つけたのは,地面投影型の大型体感スポーツゲーム
「e-SPORTS GROUND」 。地面に投影された映像を,体を動かして操作するという,レクリエーション色の強いゲームだ。
ルールの選択などは備え付けられた専用端末で行う
遊べるゲームは,エアホッケー風対戦ゲームから,ブロック崩しのようなもの,また自分めがけて降ってくる隕石を避け続けるものなど,現時点で7種類が用意されている。中には,
「スポーツクラブ ルネサンス」 の企画で誕生した「eシナプソロジー」といったものもあって,これは出題される質問に,身体を動かして答えるというもの。今後もサードパーティや事業者の企画したルールが増えていく予定だそうだ。
なお,本作は2011年11月から稼働済みのタイトルで,先ほどのルネサンスや,
「スポッチャ上尾店」 「ダイバーシティ東京プラザ店」 などで遊ぶことができる。アミューズメント施設向けというよりはスポーツクラブ向けのタイトルで,アーケードゲームのショーに出展するのは今回が初とのことだが,今後は大型のゲームセンターなどにも設置していきたいという。運動不足気味のアーケードゲーマーは,見かけたらぜひプレイしてみてはいかがだろうか。
「e-SPORTS GROUND」プレイムービー
VIDEO
WAHLAP.华立科技
中国のメーカーWAHLAP.华立科技のブースには,音楽に合わせてダンスをするリズムゲーム
「DANCE CORE 舞者之星」 が出展されていた。
基本は画面に表示される方向アイコンを,リズムに合わせて入力していくという,リズムゲームとしてはよくあるものだが,
足と腕の両方を使って遊ぶ というのが,ちょっと変わっている。筐体には,上下左右の足の位置を検知する体重センサーと,左右2方向の腕の位置を検知する上半身用センサーが備わっていて,これらを使ってダンスを踊っていく。
中国ではすでに稼働中のタイトルとのことで,会場に置かれた試遊台の収録曲は,KARAなどのK-POPや,中国や台湾の楽曲が中心。プレイ画面にはライセンシーされたミュージックビデオが流れるようになっていて,かなり華やかな印象だ。
矢印が体重センサーの操作を,青いアイコンが左右の手の操作に対応している
足下のパネルはセンサーになっていて,最も体重のかかっている方向が入力として認識される仕組み。強くステップを踏まなくても大丈夫なのはありがたい
また,USBメモリに入れたMP3ファイルを使ってゲームを遊べるというのも面白いところ。残念ながらショーバージョンでは実際にプレイできなかったが,その場合は譜面が自動生成され,ミュージックビデオはゲームオリジナルのものが再生される仕組みなのだそうだ。日本上陸については,現在検討の段階だそうで,もし実現するようなら,ぜひ日本の楽曲も収録してもらいたいところ。……音楽だけでなくPVも必要なので,けっこう大変かもしれないが。
「DANCE CORE 舞者之星」プレイムービー
VIDEO
三和電子ブース
アーケード筐体用のレバーやボタンを扱うパーツメーカー三和電子のブースでは,実験的なパーツやアーケードスティックがいくつか展示されていたので,写真で紹介していこう。
上部に十字キーの付いた謎のレバー。展示バージョンは,とりあえず作ってみただけで,配線などは行っていないとのことだが,見た目だけでかなりのインパクトがある。使い道としては……アケコンでもモンハンができる! というのはどうだろうか
スイッチの代わりに磁気センサーを使ったレバーがこちら。アナログ入力が可能で,PS3やXbox 360のゲームパッドのように,押し込み入力も可能。磁気センサーだけあって,操作時はほとんど無音だった
使用しないボタンを潰せる目隠しキャップのクリア版。天板を自作するユーザーのために制作したものだという。今回紹介している試作品の中では,かなり実用的な部類で,製品化も近そうである
会場では,静音レバー&ボタンの特価販売も行われていた。そのほかの製品も安いので,アケコンのヘビーユーザーは,こういう機会にまとめ買いしておくといいかもしれない。ちなみに筆者は買い忘れてしまった
そのほか,気になったものを写真で紹介。一般入場日には,今年で8回目を数える「みんなのクレーンゲーム選手権」が開催。キッズやシニアのクレーンゲーマー達が素晴らしいクレーンさばきを見せていた
今回の出展タイトル全体の傾向を考えると,気がつくのはスマホなどとの連係を謳うタイトルが多かったことかもしれない。とくにKONAMIのメダルゲームなどで顕著だったが,基本的にはどのブースにも,iOSやAndroid端末が置いてあった
最後は会場で見かけたコンパニオンさん達の写真で,今年のJAEPO記事の締めとしよう。2013年がアーケードゲームにとってどんな年になるのか,今から楽しみだ