インタビュー
西遊記の世界をもっと知ってほしい――本日OBTが始まる「疾風西遊記」の見どころと,ネトモという運営会社について運営スタッフに聞いてみた
また本作は,ネトモが初めてサービスを行うオンラインゲームでもある。そもそもネトモってどんな運営会社なんだろう? と,聞き慣れない名前で気になっていた人もいるのではないだろうか。そこで,ネトモという運営会社についても話を聞いてみることにした。
「疾風西遊記」公式サイト
遊びやすさに高い評価
一方で西遊記の世界観が伝わらないことも?
まずは,「疾風西遊記」の運営プロデューサーを務める木村 将氏に,3月下旬に行われたクローズドβテストにおける,プレイヤーからの反響を聞いてみた。
木村氏によると評価が高かったのは,「ソロプレイでサクサク遊べる」「パーティプレイだともっとウマイ」そして「目的別に用意された各種インスタンス」の3点だという。
「ソロプレイ」に関しては,紹介記事でもお伝えしているとおり,クエスト遂行時のオート移動や自動狩りなどが完備され,プレイ中にとにかく手間がかからず,誰でも迷うことなく進められることが,評価に繋がっているという。近年のソーシャルゲームの盛り上がりを見ていると,「手軽に進められる」という要素は,想像以上にニーズが高いのかもしれない。
次に「パーティプレイがウマイ」という点だが,本作はソロプレイでも十分遊べるバランスだが,パーティプレイに参加すれば,もっとスピーディにキャラクターを育成できることが評価されたのだという。と言われても,MMORPGであれば,パーティでモンスターを狩るほうが効率が良いのは至極当然だ。
では,なにが評価されたのかというと,本作では仮にパーティメンバーが一人増えれば取得経験値が「+100%」に,最大数の8人を集められれば,ソロプレイ時と比べて8倍のペースでレベリングできることだ。なるほど,たしかにウマすぎる。
さらに,一般的なオンラインゲームでは,メンバー間でのレベル差があると,取得経験値にペナルティが課せられることも多いが,疾風西遊記はこうしたペナルティがほとんどないことも,遊びやすさに繋がっているのだという。
3つめの「プレイ目的ごとに用意された各種インスタンス」というのは,どのように評価されたのだろうか。
まず,本作のインスタンスゾーンは,それぞれ入場可能な時間帯が決まっている。そのため,日々のプレイ時間からどのインスタンスに挑戦するべきかが選びやすく,また同じタイミングで,同じインスタンスに挑戦する人が多くなり,パーティが組みやすかったことが好評につながったとのこと。
その中でも,CBT終盤で人気が高かったのは,キャラクターレベル20以降で挑戦できる「黒風山」というインスタンスだという。これは,襲い掛かってくる100匹近くのモンスターを撃退するという内容で,防衛用のNPCを呼ぶことも可能。MMORPGでありながら,タワーディフェンスのようなプレイ感覚が人気だったようだ。
こうした好評価の一方で木村氏は,今後の課題として“西遊記”の世界観をプレイヤーにうまく伝えていくことを挙げていた。
実際のところ日本のゲーマーに対して西遊記という世界観は,一部のキャラクター名を除くと,それほど馴染み深いとは言えないのである。
実際にクローズドβテストでは,「三蔵法師や孫悟空といったキャラクター名は知っていても,それ以上の世界観やストーリーはよく分からない」といった声が多かったという。
例えばボスモンスターとして登場する「金角大王」「銀角大王」はともかくとして,「虎力大仙」「羊力大仙」などは今ひとつピンとこなくて,結局のところ一般的な武侠物の敵モンスターと大差ないイメージとなっていたわけだ。
その対策として,西遊記の世界を知ってもらうべく,公式サイトでストーリーなどを掲載して,プレイヤーの西遊記に対する知識を補完していく予定なのだという。また,ローカライズ部分も,現在の難しい漢字が多いものから,より分かりやすいものへ調整していきたいとのことだ。
オープンβテストではここに注目!
木村氏が推す3つのポイント
続いて木村氏に,4月12日に始まるオープンβテストを楽しむうえで,注目してほしい要素を聞いてみた。
●門派システム
疾風西遊記のキャラクターは,作成時に近接攻撃が得意な「猛剣士」,遠距離攻撃が得意な「刺客」,法術を操る「星術士」といった3種類の門派から1つを選択する。さらにレベル10に到達すると,各門派ごとに,より武器の特性に特化した2種類の門派から1つを選ぶようになっている。
猛剣士からは大剣を武器に範囲攻撃で敵を一網打尽にする「神威」,双剣で敵を翻弄する「烈風」。刺客からは,弓による遠距離チャージ攻撃が便利な「破軍」,円月輪を使いこなしトラップ系スキルが得意な「七殺」。星術士からは,効火力かつ広範囲にダメージを与える「流星」,敵の弱体化を狙える「彗星」といった6門派へ派生していく。
猛剣士 | |
刺客 | |
星術士 |
本作で面白いのが門派の派生後も,猛剣士系であれば大剣,双剣といった2種類の武器が装備でき,どちらの門派のスキルも使えるということだ。木村氏は,この武器は戦場で自由に切り替え可能となっているので,例えば「双剣」のスキルで複数のモンスターを集めておいて,「大剣」に持ち替えて範囲攻撃で一網打尽にするといった戦い方を楽んでほしいと話す。
だからといって,適当に門派を選択すれば良いというわけでもないようだ。と言うのも,例えば破軍では「風」,七殺では「毒」といったように,門派ごとに,成長によって特化されていく「属性」が存在するからだ。
攻撃による最終的なダメージは,門派の基本属性,スキルの属性,武器の属性によって決まる。このため,武器を変更してしまうと,スキルも武器も異なる属性になってしまうため,門派の基本属性の効果が得られなくなってしまう。
木村氏は,序盤であればそれほど影響はないものの,成長すればするほど属性の影響が強くなると話していた。つまり,どちらの門派のスキルも使えるとはいえ,最終的にどういった方向性で育てるのか,門派の選択は大切になるというわけだ。
ちなみに,当然ながらスキルを使うためには,スキルポイントを振る必要がある。一般的なMMORPGでは,こうしたスキルポイントはキャラクターレベルによって固定であり,プレイヤーはスキル構成に頭を悩ませるものだ。しかし本作では,一部のダンジョンやクエストを進めたり,ボスを倒したりすることで,実はそれほど苦労せずにスキルポイントが獲得できるのだ。
腕に自信のあるプレイヤーはスキルポイントをたくさん集めて,2種類の武器を使いこなしてみよう。
●友獣システム
プレイヤーキャラクターのレベルが15〜20くらいになると,「友獣」と呼ばれるペットが入手できる。友獣はプレイヤーキャラと共に戦ってくれる頼もしい存在で,最初の段階では「クマ」「サソリ」「オオカミ」の3種類が用意されている。
友獣は冒険を経て,レベルアップはもちろん,ステータス割り振り,アイテムの装備,スキル習得など育成が可能だ。さらには,その友獣がどこまで成長するかという「成長率」や,ペットの性格なども細かく設定されている。これらの友獣は,モンスターを倒すことで得られる「乾魂」を集め,それと引き換えに入手可能だ。
また,友獣にはそれぞれ「陰」と「陽」といった性別のような属性が定められており,ある程度育てたあとで,属性が異なる同じ種類の友獣を掛け合わせると新たな友獣(子供)が誕生するという。こうして世代交代させることで,さらなるパワーアップの可能性も出てくるという。
木村氏によれば,CBT中にも世代交代のために,互いの属性を持つ友獣を探して,プレイヤー同士のコミュニケーションが生まれていたとのことだ。
●練成&図鑑
さて,図鑑に登録されたモンスター情報を集めるだけでも楽しめるのだが,実はこの図鑑には重要な情報が隠されているのだという。その内容とは,アイテムを生成する「練成」の際に必要な素材アイテムと,それを持つモンスターを一発検索できるというもの。
疾風西遊記では,キャラクターレベルが20以降になると,練成で作成した装備品が強力になっていくのだが,自分で生産するための環境が図鑑により整備されていくわけだ。
もちろんそのためには,さまざまな種類のモンスターを倒して,図鑑の内容を充実させる必要があるのだが……木村氏によれば,1種類のモンスターに対して,だいたい2〜3体を倒せば項目が更新されていくらしいのだが,CBTでは10体以上倒しても更新されなかったという報告もあったとのこと。ここはプレイヤーの運次第と言ったところだ。
さて,実際にプレイしたときの印象もそうだったが,今回話を聞いていて「疾風西遊記」は,とにかく遊びやすさを重視した作品なのだと改めて感じた。かといって,ゲームの底が浅いということはなく,いろいろな要素が詰め込まれた,しっかりと遊べるオンラインゲームに仕上がっているようだ。
「疾風西遊記」は,前述のとおり本日4月12日からオープンβテストが開始される。興味を持った人はこのOBTに参加して,西遊記の世界観にも一度触れてみてほしい。
「疾風西遊記」公式サイト
オンラインゲームに限らないさまざまな「人との繋がり」を作り出すというネトモの理念
ネトモとして最初の大きな動きとなるのが,「疾風西遊記」のリリースとなる。その第一歩をオンラインゲームから始める理由として,マーケティング室マネージャー 小林直人氏は,ネトモという会社が「人との繋がりを大切にしたいという理念で発足している」からだと話す。
ちなみに,同じくオンラインゲームを展開しているゲームヤロウとは交流が深いこともあり,一部で業務提携を行ってるのだそうだ。ゲームヤロウのポータルサイトでは,すでに疾風西遊記のチャネリングが行われていることに気づいている人もいるだろう。
そんなネトモだが,今後はソーシャルゲームやブラウザゲームを含め,プラットフォームにこだわらないオンラインゲーム作りを目指していくのだという。またそれと同時に,オフラインのエンターテイメントやコミュニケーションに関連したイベントも,積極的に展開していきたいそうだ。
さらに現在,ゲームとは直接関係はないみたいだが,水面下で大きなプロジェクトが進行中だという。小林氏によると,「2012年は意外なところで,弊社の名前を目にすることが増えるかもしれません」とのこと。
今後,どんなシーンでネトモという名前を見ることができるのか,その動きに注視……とまではいかなくても,気に留めておくといいかもしれない。
「ネトモ」公式サイト
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