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HTC,12月上旬発売予定となる「HTC J butterfly」のプレスイベントを開催。使いやすさを追求したハイエンド端末
HTC J butterfly HTL21は,2012年10月17日に行われたKDDIの2012年冬モデルスマートフォン発表会で発表されたモデル。5インチサイズで1080×1920ドット解像度の液晶パネルを採用し,動作クロック最大1.5GHzのQualcomm製クアッドCPUコアSoC「Snapdragon S4 Pro APQ8064」を搭載するハイスペックモデルとあって注目されていた端末である。それが,今回のイベントで改めてアピールされたというわけだ。
実のところ,筆者がHTC J butterfly HTL21を目にするのは初めてなのだが,まずインパクトがあったのはその薄さだ。薄さというのは,昨今のスマートフォンでもブームになっている項目だ。HTC J butterfly HTL21は,最薄部が5mmとなるが,背面のラウンドフォルムによる視覚効果もあり,それよりも薄く感じられる。手にフィットする持ち心地は,ラウンドフォルムに加えて前面部のふちも軽く丸みを帯びているためだろうか。
前面部を見ていくと,ベゼル部分が狭いのが印象的だ。ベゼルが狭いと気になるのは,片手で操作した場合に親指の付け根部分がディスプレイに触れてしまうことで生じる誤タッチ入力だろう。しかし,HTC J butterfly HTL21では,指先大以上の接触の場合にはタッチ操作が無効化される仕組みになっており,片手で操作しても誤タッチ入力を気にする必要がなかった点はポイントといえそうだ。
バッテリーはほぼど真ん中にあるようで,重心位置はほぼセンターとなっている。端末自体がそれなりに大きいもののバランスがいいので,あまり重さを感じることなく操作できそうだ。
一方の内側カメラは,210万画素となるが,HTC J butterfly HTL21のディスプレイで見ているぶんには十分きれいだった。面白いのは,画角が88°と広く,何気なしに斜め上からのアングルで自分撮りすると,あっさりと様になるのがユニークだ。
現地での撮影データ。やや暗い環境だったが,きれいに撮影できている。赤色の飽和も少なく,自然な写りで,現地で見ている風景のままといった具合だ |
インカメラでの広角具合をチェック。とくに説明が要らないくらい広角っぷりを見せているが,腕を伸ばした状態だと人物は普通の多さになる。また角度を少しつけると遠近法が加速される |
ちなみに,発熱ポイントはバッテリーが収められている部分で,カメラでしばらく遊んでいたところ,ほんのりと熱くなるのが感じられた。時間としては5分程度なので,意外と熱を持ち始めるのが早いといえるだろう。ただし,そこから露骨に温度が上昇するようには感じられなかった。
ゲーム系アプリをインストールして遊ぶ時間はなかったが,ベーススペックから見ても,最近のタイトルはすべて問題なく遊べそうである。また,5インチと大きいため,ソフトウェアコントローラを使用する場合でも手で画面が隠れにくく,ゲーム用端末してのポイントは高そうだ。
●HTC J butterfly HTL21の主なスペック
- メーカー:HTC
- OS:Android 4.1
- ディスプレイパネル:5インチ液晶,解像度1080×1920ドット
- プロセッサ:Qualcomm製「Snapdragon S4 Pro APQ8064」(クアッドCPUコア,1.5GHz)
- 対応通信方式:LTE(800MHz/1.5GHz),WIN HIGH SPEED(CDMA2000 1x EV-DO MC-Rev.A),GLOBAL PASSPORT(CDMA/GSM/GPRS/UMTS)
- メインメモリ容量:2GB
- ストレージ:内蔵(容量16GB)+microSDHC(最大32GB)
- 外側カメラ:有効画素数約800万画素
- 内側カメラ:有効画素数約210万画素
- バッテリー容量:2020mAh
- 3G連続通話/待受時間:750分/360時間
- 無線LAN対応:IEEE802.11a/g/n
- Bluetooth対応;Version.4.0
- 本体サイズ:71(W)×9.2(D)×143(H)mm
- 本体重量:約140g
- 本体カラー:レッド,ホワイト,ブラック
- 主な対応サービス&機能:ワンセグ,おサイフケータイ,赤外線通信,防水,NFC,テザリング
HTC J butterfly HTL21のポイントを解説
小寺氏がアピールしたのは,大きく3点。ディスプレイとバッテリーとカメラだ。
HTC J butterfly HTL21のディスプレイには,5インチで1920×1080ドット解像度の「super LCD3 FHD」パネルが採用されており,440PPIという高精細さを小寺氏は強調した。このあたりはiPhone 4以降のApple製品群を意識してのアピールだろう。
また同氏よれば,super LCD3 FHDパネルの採用は,HTC J butterfly HTL21で3度めとなるが,今回のパネルでは,黒の発色に重点を置いて開発したとのことだ。実際にホットモックを見ると,黒の発色がとてもよく,ホームスクリーンからも締まりのいい映像を体感できた。
続いてバッテリーだが,その容量は2020mAh。HTC J ISW13HTと比べても210mAhほど増量されている。バッテリーの容量が増えると問題となってくるのが端末の厚みだと小寺氏は語る。そこで,HTC J butterfly HTL21では,ディスプレイパネルの直下にバッテリーを配置することで薄化に成功したのだそうだ。
外側カメラは,800万画素でF値が2.0,起動まで約0.7秒と,小寺氏はスペックをアピール。さらに機能面でも,ポートレートモードや美肌効果,全画面シャッターなどを備えて,日本でのカメラに対する要求に対応したと強調した。
また,内側カメラにおいても,210万画素でF値が2.0の画角88°のものを搭載し,自分撮りをした場合に4〜5人が入ることを重視したという。この背景には,SNSへの自撮り写真アップロード率の高さがあり,タイマー機能が内側カメラにも備わっているあたりからも,重視されていることが分かるだろう。
HTCのPeter Chou氏とKDDIの田中孝司氏が使い勝手をアピール
そのほか,今回のイベントでは,HTCのCEO Peter Chou(ピーター・チョウ)氏と,KDDIの代表取締役社長 田中孝司氏が登壇し,トークセッションが行われている。
HTC CEO Peter Chou氏 |
KDDIの代表取締役社長 田中孝司氏 |
HTC J ISW13HT発表時以来の来日となるChou氏は,「世界から見ても日本は,進んだモバイル市場であり,日本には何か特別な端末が必要だ」述べ,それがKDDIと話し合うきっかけになったと明かした。
一方で,田中氏は,日本市場で販売するのに効果的な端末がほしいという背景から,HTC J ISW13HTが生まれたことを強調。HTC J ISW13HTの顧客満足度が群を抜いていたという点と,「みんながほしがるスマホを作りたい」をいう意思から,2代めとなるHTC J butterfly HTL21が生まれたと語った。
今回のHTC J butterfly HTL21で2度めの協業となるわけだが,Chou氏は,「HTCは,もう1歩コンシューマに歩み寄りたい」と強調し,田中氏は,「日本の複雑な市場をクリアするためにHTCが必要なパートナー」という。加えて,田中氏は,「HTC J ISW13HTでは,成功を収めることができたが,HTC J butterfly HTL21ではさらに成功したい。それが顧客満足度にもつながるし,HTCとの関係性の強化にもつながっていく」と語っていた。
Chou氏は,最薄部で5mmの薄さをアピールし,持ちやすさを強調したほか,210万画素で画角88度の内側カメラについても言及。田中氏は,クアッドCPUコアによる快適さに加えて,日本市場向け機能の赤外線や防水,ワンセグ,おサイフケータイなどを備えている点を強調した。また,田中氏もChou氏と同様にカメラ機能が気に入っているようだ。「撮影した写真をSNSにアップロードしてもらえば,LTE通信の快適さやクアッドCPUコアの処理性能の高さなど,スペックの高さを体感してもらえるはず」と語った。
そして最後は2人仲良く「発表以降,日本以外での発売の問い合わせが多いHTC J butterfly HTL21だが,これは日本専用」と語り,日本をターゲットにした端末であることをアピールした。
HTC J butterfly HTL21製品紹介ページ
HTC Nippon公式サイト
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