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[GDC 2014]「Infinity Blade」のリードアニメーターが語る「モバイル向けブロックバスター三部作の制作過程」
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GDC 2014では,「Infinity Blade」の開発元 Chair EntertainmentのリードアニメーターであるScott Stoddard(スコット・ストッダード)氏が,「Infinity Blade: Creating the Mobile Blockbuster Trilogy」(インフィニティ・ブレード: モバイル向けブロックバスター三部作の制作過程)という講義を行い,開発作業におけるさまざまな意思決定や苦労話を語ったので,本稿で紹介していこう。
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「Infinity Blade」の企画/開発に際し,Chair Entertainmentが「RPGの大きな欠点」と考えていたのは,プレイヤーキャラクターの成長速度だという。プレイヤーの攻略速度が開発者の想定よりも速い場合が多いため,趣向を凝らしたデザインの武器/防具などもハイペースで消費されてしまうというわけだ。とはいえキャラクターの成長速度を遅くすれば,プレイヤーにストレスを与えてしまうことになる。
そこで「Infinity Blade」では,キャラクターを成長させるのではなく,キャラクターが装備する武器(のレベル)を成長させていくというシステムを採用したのだそうだ。
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本シリーズに登場する武器は,それを装備した状態で敵と戦えば戦うほど熟練度が高まっていき,より効率的に敵を倒せるようになる。もちろん,成長限界やベースとなる武器の強さなどの関係で,一つの武器だけを使い続けるようなプレイは抑えられている。そして,4〜5周はプレイしないと倒せない圧倒的な強さのラスボス「God King」の存在が,プレイヤーにより強い武器を求めさせるのである。
ストッダード氏によると,タッチ操作を前提としたモバイルゲームならではのゲーム性にもずいぶん悩まされたそうだ。プレイヤーの指の動きを「剣の振り」に見立てた操作体系は面白いものの,人間の指は1秒間に数回しか動かすことができず,爽快感溢れるプレイフィールがなかなか実現しなかったという。
しかし,指が触れてから2フレームで反応する高感度なタッチスクリーンをフル活用し,触れた位置と敵キャラの位置関係を元に,指の動きに先行する形で斬撃アニメーションを設定することで,スピーディなアクションを実現したそうだ。ちなみに,剣を振り下ろすモーションから敵へのインパクトまでは,目視可能な1/5秒ほどに設定されているという。
そしてストッダード氏にとって,Infinity Bladeのデザインにおいてもっとも苦労させられた部分は,Parry(回避)とのことだ。「最も楽しかった」とも語っていたので,“思い返せば興味深い試行錯誤”だったということなのだろうが,当初のバージョンでは,なんと90%ものテストプレイヤーがParryを成功させられなかったそうで,ゲームとしては酷い出来だったようだ。
結局,「Parryできるか,できないか」という二者択一的な判定ではなく,よりアナログ的な「Good / Better / Best」という判定を採用することで,最終的には90%のテストプレイヤーがParryを成功させられるようになった。
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「Chair Entertainment」公式サイト
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- ライター:奥谷海人
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