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累計1000万人に遊ばれ,1日あたり平均2億5000万ウォンを稼ぎ出す「I LOVE COFFEE」の人気の秘密を,開発会社CEOにインタビュー
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印刷2012/11/20 23:10

インタビュー

累計1000万人に遊ばれ,1日あたり平均2億5000万ウォンを稼ぎ出す「I LOVE COFFEE」の人気の秘密を,開発会社CEOにインタビュー

PATI STUDIOのCEOであるLee Dae Hyung氏
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 「こちら」の記事でもお伝えしたが,韓国最大のゲームショウG-Star 2012では,iOS / Android向けのモバイルゲームがとにかく目立っていた。G-Star 2011でもその片鱗がうかがえたが,今年はさらに多くのゲームメーカーがモバイルゲームを発表しており,大手メーカーに関してはモバイルに特化したブース展開を積極的に行っていたほどだ。
 それもそのはずで,韓国のスマートフォン普及率は40%に達していると言われており,20代から30代の場合,実に90%もの人がスマートフォンを利用しているというのだ。「こちら」の記事で,韓国民の5人に1人が遊んでいる(累計2000万ダウンロード,1日当たり1000万人がプレイ)という文字どおりの国民的ゲーム「AniPang」(iOS / Android)を紹介したが,本稿で紹介する「I LOVE COFFEE」というコーヒーショップ経営シミュレーションも,商業的な意味では大きな成功を収めているタイトルである。
 今回,同作のデベロッパ PATI STUDIOのCEOであるLee Dae Hyung氏に話を聞く機会を得たので,同作に関していろいろと質問してみた。

「I LOVE COFFEE」公式サイト



4Gamer:
 まずは,「I LOVE COFFEE」を開発することになったきっかけについて教えてください。

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Lee Dae Hyung氏(以下,Lee氏):
 「I LOVE COFFEE」は,サラリーマンのささやかな夢である「コーヒーショップの店長になる」ことを,オンライン上で実現させるという趣旨で開発したゲームです。FacebookとZyngaは,SNSとゲームの適切な組み合わせを我々に教えてくれましたが,「I LOVE COFFEE」なら,その成功神話を韓国市場で再現できそうだと判断しました。
 残念ながら,ローンチ時には大きな成功を収めることができなかったのですが,その後,より韓国市場に適した形へとチューニングしていき,目に見える成果を出すことができました。

4Gamer:
 となると,かなりの時間と開発者が必要になったわけですよね。開発期間や規模はどれくらいだったのでしょうか。

Lee氏:
 PATI STUDIOを設立した2011年当時は,人材的な余裕がまったくありませんでした(笑)。モバイル版に関しては,6人の開発者が約7か月をかけて,PCブラウザ版は,5人の開発者が約6か月かけて制作しました。
 ちなみにモバイル版は,Google Play / App StoreでKakao Talk(カカオトーク。日本でもおなじみの無料通話/メールアプリ)バージョンがローンチされているほか,韓国の3大移動通信事業者のマーケットでもリリースされています。PCブラウザ版は,韓国の3大ポータルサイト(NAVER,DAUM,NATE)でサービス中です。

4Gamer:
 具体的な数値についても,可能な範囲でお聞かせください。

Lee氏:
 2012年11月調べで,「I LOVE COFFEE」の累計プレイヤー数が1000万人を突破しました。中でも目立っているのは,やはり韓国内でのKakaoバージョンで,現時点で約500万件のダウンロード数を記録しており,毎日平均20万人以上の同時接続者数をキープしています。1日当たりの平均売上高は2億5000万ウォン(約1800万円)に達しています。

4Gamer:
 カジュアルなゲームにしてはかなりの成績ですね。ちなみに,主なプレイヤー層の年代や性別は?

コーヒーショップをイメージしたG-Star 2012でのブース展開
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Lee氏:
 主なプレイヤー層は20代から30代の女性です。一般的なゲームよりも,女性プレイヤーの比率が圧倒的に多いですね。
 これは,ゲーム内に露骨な競争要素を持ち込まず,どちらかというと相互協力要素を重視したゲームデザインによる影響でしょう。本作のプレイヤーは,パステルタッチで可愛らしいグラフィックスが好きで,直接的な勝敗を競うよりも,地道なプレイによる達成感を得ることを望んでいます。

4Gamer:
 韓国では直接的な対戦要素を軸とするゲームが人気ですが,それとはまったく異なる方向性なんですね。やはり,そこが本作の成功の秘訣なんでしょうか。

Lee氏:
 女性プレイヤーからの支持を得られたことはもちろん大きいですが,「I LOVE COFFEE」の成功要因はなんといっても,良質な素材とチャネルにあると思います。コーヒーショップという大衆的なテーマは,韓国だけでなく,日本や北米などどこでもアピールできるものですからね。

4Gamer:
 「I LOVE COFFEE」は日本でのサービスも予定しているそうですが,時期はいつくらいになりそうですか?

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Lee氏:
 2013年の上半期中には,日本版をお届けできるのではないかと思っています。現在は韓国,中国,タイ,台湾で好評サービス中なので,日本での成果にも期待しています。

4Gamer:
 日本展開にあたって,特別な工夫や戦略のようなものはありますか?

Lee氏:
 日本市場には,韓国と同様の戦略をもってチャレンジする予定です。韓国でKakaoとのコラボレーションが大成功しましたし,日本市場でも,適切なプラットフォームが「I LOVE COFFEE」にチャンスを与えてくれると信じています。

4Gamer:
 「I LOVE COFFEE」の運営やグローバル展開の準備で忙しいとは思いますが,次回作の構想などもすでにあるんですか?

Lee氏:
 「I LOVE COFFEE」のような経営シミュレーションを準備中ですが,バズルやアクション,スポーツといったジャンルを開発する計画もあります。ちなみに,韓国で年内のローンチを予定している次回作はリズムゲームとなっています。

4Gamer:
 モバイルゲームの勢いは世界中で感じられますが,Leeさんは,広義でのソーシャルゲームについて,どのような展望を持っていますか?

Lee氏:
 FacebookとZyngaの幸せだった旅は,もう終わりに近づいているようですが,彼らが起こした波は,プラットフォームの壁を壊し,モバイルゲームの可能性を切り開きました。とくに韓国のモバイルゲーム市場は,Kakaoが拡張したゲーム空間によって大きく盛り上がっています。
 我々は,韓国以外の市場でもこのような状況が生まれると判断しており,その準備を着実に進めています。2013年の日本市場への進出を契機に,今後,より多くの海外市場でのモバイルゲームの可能性を追い求めていきます。

4Gamer:
 ありがとうございました。

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 韓国民の5人に1人が遊んでいるという「AniPang」には及ばないものの,累計1000万人に遊ばれ,大きな売り上げを生み出している「I LOVE COFFEE」。韓国と日本では,スマートフォンの利用率も,ゲーマーの嗜好も異なっているものの,モバイルゲーム(ソーシャルゲーム)の勢いが強まっていることに違いはないだろう。2013年に日本へ上陸するという本作が,日本のゲーム市場でどこまで頑張れるかに注目したいところだ。
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