インタビュー
「ぷよクエ」OPアニメの制作秘話! セガの吉永 匠氏×アニメ監督の工藤昌史氏に,ぷよの日記念インタビュー
これによりゲーム内では,新主人公「あたり」のメインストーリー展開をはじめ,テーマソングの実装,そのほかアレコレの改修など,そろそろ目前と言えそうな10周年に向けてのお色直しが進められている。
その第1弾として,ぷよクエ初の「アニメーション仕様オープニングムービー」も実装され,近々で話題を呼んだ。とゆーことなので。
ぷよクエのOPアニメってどーやって作ったの?
を聞くべく,“スーパーぷよクエプロジェクト”ディレクターの吉永 匠氏,チェンクロや新サクラ大戦のアニメにも携わったアニメーション監督の工藤昌史氏を招き,制作秘話を尋ねるインタビューを行った。
■インタビューの参考情報
□ スーパーぷよクエプロジェクト
ファンから意見・要望を募る投稿企画「ぷよクエ応援会議」をもとにゲームを改修する,リニューアルプロジェクトの総称。ぷよクエでは現在,新主人公のメインストーリーをはじめ,新たなゲームシステムなどが段階的に提供されている。
テーマソング「ココからもっと!ぷよぷよ!!!」(うた:あたり CV:田嶌紗蘭)も公開中。
□吉永 匠
セガ所属のゲームディレクター。「ぷよぷよ」シリーズ,「スーパーぷよクエプロジェクト」関連をはじめ,「スペースチャンネル5」「きみのためなら死ねる」「赤ちゃんはどこからくるの?」などのディレクションを担当。今回のテーマソング「ココからもっと!ぷよぷよ!!!」では作詞もこなす。
□工藤昌史
アニメーション監督・キャラクターデザイナー。代表作は「劇場版BLEACH 地獄篇」「ハヤテのごとく! Cuties」「チェインクロニクル 〜ヘクセイタスの閃〜」「新サクラ大戦 the Animation」など。2022年10月より放送開始のTVアニメ「BLEACH 千年血戦篇」ではキャラクターデザインを担当。
「ぷよクエ」リニューアル特設サイト
「ぷよぷよ!!クエスト」公式サイト
「ぷよぷよ!!クエスト」ダウンロードページ
「ぷよぷよ!!クエスト」ダウンロードページ
セガのトップからもお墨付き?
4Gamer:
本日はお二方,アニメのお話をよろしくお願いします。
吉永 匠氏(以下,吉永氏):
こちらこそ,よろしくお願いします。
工藤昌史氏(以下,工藤氏):
よろしくお願いします。
4Gamer:
はじめに,現在実施中の「スーパーぷよクエプロジェクト」について。どのような施策なのかをあらためてご説明いただけますか。
吉永氏:
ぷよクエではこれまで,プレイヤーさんから意見を募集するフォーラム「ぷよクエ応援会議」を開設し,そこで受けた要望を参考に,ゲーム内外の小さな改善についてその都度対応してきました。
しかし開発運営の計画上,大がかりなものはどうしても手をつけづらく,またサービスが続くにつれ,開発当時の根っこのデザインに積み重ねを続けるのにも無理が出てきました。ですので8周年を迎えた昨年,大きな改修に踏み切ろうと推進したのが,このプロジェクトとなります。
4Gamer:
プロジェクトの規模感は,どれくらいのもので?
吉永氏:
ぷよクエ2を作るほどの規模にするつもりではなかったのですが,大型リニューアルではあるので,労力的には常時の開発・運営作業の1.5倍くらいの規模です。準備自体は2019年夏ごろからはじめています。
ただ,現在ぷよクエを遊んでくれている方々のためにも,基本のゲームデザインを変える意図はないので,あくまで改修と拡張です。今あるゲームリソースをなるべく使いつつ,新たな体験をと臨みました。
4Gamer:
現状,プロジェクト全体の進捗はいかがでしょう。
吉永氏:
ここまでの進捗だと,約50%でしょうか。
昨年のプロジェクト始動から先,新規メインストーリーを展開し,UIを一新しました。さらに1人プレイ専用モード「とことんぷよぷよ」や,この記事が載るぷよの日(※)までには,新たな成長機能「とくもりとっくん」,レイドイベント的な「メガどろぼう」も実装します。プロジェクト前半で見た目を,近々でゲーム性を改修したわけです。
※2月4日。ぷ(2)よ(4)の意。日本記念日協会に認定された記念日
4Gamer:
ならば本題ですが,その一環で「テーマソング付きOPアニメ」も実装されました。こちらを制作した意図はなんでしょう。
吉永氏:
これだけ長く続いているゲームなので,新しく遊びはじめてくれた人,途中でやめてしまった人,それに遊び続けてくださっている人まで,プレイヤーさん側の事情もさまざまです。なので,これを機にまた興味をそそれるよう“期待感を高めるため”にと考案しました。
新しいことをはじめるにあたり,それを知ってもらうには「目にしやすいアニメーション」「耳にしやすい歌付き楽曲」が最適だと考えたため,プロジェクトの目玉としてOPアニメを仕込んだのです。
4Gamer:
たしかに,分かりやすく期待しやすい形かも。
吉永氏:
アニメって,それだけでもう力強いですしね。
4Gamer:
すべてのシリーズ作品となると,うとくて恐縮ですが。
過去にOPアニメを採用したぷよぷよ作品はあったのですか?
吉永氏:
セガ以前のコンパイル時代ですが,PlayStation用ソフト「ぷよぷよSUN決定盤」などのとき,OPアニメがありましたね。
けれど,それも20年以上前も話ですので。近年でぷよぷよを遊びはじめたという方々は,目にする機会もあまりなかったかもしれません。
4Gamer:
なるほど。それでは概要の前置きはこれまでに。
当のOPアニメ制作に,工藤さんはどのように参加されたのでしょう。
工藤氏:
最初は,セガサミー系列のアニメ会社さんを経由して,「ぷよクエのOPアニメを作ってくれませんか?」と話がきました。
僕はこれまで,セガさんのチェンクロや新サクラ大戦のアニメ制作に参加させていただいたことがあったので,これも縁だと参加させてもらいましたし……なにより,ぷよぷよでしたからね。
4Gamer:
Twitterでも目にしましたが,工藤さんはぷよぷよファンだとか。
工藤氏:
初代「ぷよぷよ」のころから遊んでいました。30年前から大好きです。シリーズも長らく追っていたので,純粋にファンですね。
だから,お話をいただいたときも「ぷよぷよぉっ……!」って気持ちになり,ぜひやらせてくださいとお返事させてもらいました。
4Gamer:
であれば,ぷよクエに関してはいかがでしょう。
工藤氏:
アプリがリリースされた当初は遊び込んだのですが,申し訳ないことにそれ以降は触れられておらず……ですから,お話をいただいたのをきっかけにプレイを再開して,また再燃させてもらっています。
ゲームの見た目はあのころとはまるで変わっていましたが,相変わらずぷよクエのままでしたし,すごく遊びやすくなりましたよね。
4Gamer:
歴史ある作品のOPアニメとあり,プレッシャーはありましたか。
工藤氏:
それが,プレッシャーというより「ぷよクエのアニメを作れる!」ってことの喜びのほうが大きかったので,最後まで楽しくできました。
監督をした「ぷよクエ」OP公開されました!
— Masashi Kudo 工藤昌史 (@Kudo_M_) October 26, 2021
ぷよぷよをプレイしすぎて授業中にぷよの幻が見えたあの頃から30年…
今でもプレイしているぷよぷよ
そのOPアニメを作ることになるぞ!とあの頃の自分に言ったらびっくりするだろうなぁ
ぷよファンとして張り切って作りました
お楽しみいただけたら幸いです https://t.co/Y8cq2Yorcd
吉永氏:
(2021年)12月のぷよぷよ生放送でも,工藤さんのコメントが読まれていましたね。OPアニメに関われてよかったーって(笑)。
工藤氏:
ええ,まさか読まれてしまうとは……(笑)。
4Gamer:
完全に囲われてますね。
率直に,出来上がったアニメの感想や手応えはいかがでしょう。
吉永氏:
制作中,工藤さんからアニメの絵コンテ動画をいただいたとき,チーム内で「こりゃもう勝ったね」と言っていました。それほどまでにキャラクターがダイナミックに動き回っていて,衝撃だったんです。
ぷよぷよはこれまで平面の2Dデザインが主だったので,奥行きのある動きを見せられただけで,新しい命が宿ったとすら思いましたよ。
工藤氏:
個人的に思い入れのあるシリーズとあり,アニメーション制作に関してはできる限りがんばらせていただきました。
吉永氏:
プレイヤーの皆さんも「ありがとう!」「すごくよかった!」と,推しが動いていることに感動していらして,各所のコメントなどでも大々好評です。なかには「1日1回は見にいきます」ってコメントもあり,私も弱ったときにOPアニメを見て,元気をもらうようにしました。
スーパーぷよクエプロジェクト全体におけるアンケート結果でも,このOPアニメへの反響が断トツとなっています。
工藤氏:
ファンの皆さんの反応は分からなかったので,安心します。
吉永氏:
あと,セガ社内でも好評ですからね。
会長(セガ代表取締役会長の里見治紀氏)が社内の全体会議とかで「ぷよクエのアニメすごいんだけど」みたいな話をされていたようで,いろんな開発チームで話題になったようですし。
4Gamer:
ということですが,工藤さん。
工藤氏:
……恐縮です(笑)。
ぷよぷよのゲーム体験を物語にのせる
4Gamer:
ここから実際の制作についてお聞きしますが,まずはじめに。アニメーションにおける,いや今回の場合はゲームにおけるですが。
ぷよクエの顔になる,OPアニメに求められたことはなんでしょう。
工藤氏:
一番初めの制作会議で話し合ったのが,「キャラクター紹介」は必要だろうと。TVアニメなどと同様,どんなキャラが出るのかを伝えるためにですね。それと,ぷよぷよにおける「バトルの視覚化」です。
ぷよぷよは落ちものパズルゲームですが,多くのキャラクターは対戦中,ぷよを連鎖すると魔法などを叫ぶので,それらを一体どのような表現に収めるか。視覚化したとき,皆さんに納得してもらえるよう,それでいて“驚き”を与えられるようにと思案しました。あと「あたり」ちゃんたち新キャラクターを,この世界に合流させるのも目標でしたね。
4Gamer:
制作全体のスケジュールはどうでしたか。
工藤氏:
セガさんの企画立ち上げの1か月後,2021年3月に私に話がきて,4月に制作スタッフを集めました。5月から開発チームと会議し,登場人物の選定をはじめ,資料を共有してもらったり,絵コンテを上げたりして,8月までに絵作りを終えて,映像を仕上げていきました。
僕は今回,キャラクターありきのお芝居,演出,カメラワークを先に決め込んだので,最後の最後に背景を描き込んでいく作業がちょっと大変でしたね。それでも8月いっぱいで完成しています。
吉永氏:
納品日もバッチリでしたよ。
工藤氏:
メインスタッフも少数精鋭といいますか,チェンクロのアニメを一緒にやっていた人や,一度一緒にお仕事してみたかった人に声をかけて,少人数の信頼できる座組みを作れたので。
すべてリモート作業でしたがスムーズに進行できてよかったです。
4Gamer:
へえ。少数でアニメ作りって,お仕事の忙しさとか作業の厳しさとかはあるにせよ,気心が知れているとなんだか楽しそうですね。
工藤氏:
まあ,今回はたまたま奇跡的にうまくいっただけです(笑)。
信頼できる方々たちだったのは,はい。そのとおりです。
4Gamer:
工期はちょうど半年くらいですが,これは短いのでしょうか。
工藤氏:
短いほうではありますが,そこは仲介してくれたセガサミーグループの関係各社さんのシナジーもあって,大変ではなかったです。
4Gamer:
統括の細山田さん(※)から注文があったりは。
※「ぷよぷよ」シリーズ 総合プロデューサーの細山田水紀氏
吉永氏:
細山田にもコンセプト面で意見をもらいましたが,基本的にはデザイン担当の三瓶(※)が制作のご協力をさせていただいて,キャラクターの選別などでもやり取りしてもらっていました。
※「ぷよぷよ」シリーズ アートディレクターの三瓶 映氏
4Gamer:
ちなみに,アニメーションは工藤さんが進めていたとして,テーマソングの「ココからもっと!ぷよぷよ!!!」は別ラインですよね?
吉永氏:
そうですね。楽曲はセガの内製ですが,立ち上げの3月ごろはまだラフも用意できていない有りさまで。映像側もラフ曲すらないと作りづらいだろうなと申し訳なく思いつつ,急いで進めていきました。
ただ,今回は“映像に楽曲を寄せていく流れ”でした。だからラフも当初は,わりと“いつものぷよぷよな曲調”だったんですけど。
工藤氏:
そういえば,最初に聞かせてもらったものはそうでしたね。
いつものぷよぷよの曲的な。
吉永氏:
ほんわかした,のどかな感じの歌ですね。それでも一応「いつもより疾走感を高めで」の方針だったんですが,アニメがあのようなパワフルさに仕上がったので,これだと楽曲が負けすぎるなとなり,大きな構成は変えなかったものの,主に歌詞のチューニングをしました。
映像に対し,曲のほうもスピード感を出せるよう,歌詞を半分までくらい小刻みにして,勢いや密度を高めるようにしたんです。
工藤氏:
最終的に楽曲のパワーが強くなっていたおかげで,サビの部分にバトルシーンを当てるのもピッタリになり,すごくやりやすかったです。
4Gamer:
話を映像に戻しますと,工藤さんはこのアニメにおいて,どんなコンセプトで,どんな見栄えにするつもりだったのでしょう。
工藤氏:
大事にしたかったのは「ぷよクエをいつも遊んでいる人に違和感のないルックにすること」でした。簡単に言えば,ゲームに出てくるキャラクターたちが,まんまアニメで動いているようなイメージです。
そのため,TVアニメでは適用されるのが当たり前のような撮影処理などもあえて省いていて,とにかく“ゲーム画面の印象のまま,アルルたちが動いているように”を念頭に作業していきました。
吉永氏:
バトルもすごかったですよね。魔法があんな感じになるなんて。
工藤氏:
バトルに関しては,膨大な資料にとにかく目をとおして「このキャラのこの魔法を使いたい」「この魔法ならこういうビジュアルだろう」と想像しました。それと奥行き表現もそうですが,僕がどうしても取り入れたかったのは,ぷよぷよならではの「相殺」です。
魔法を撃ち合って,それを相殺させる表現はとくに考えました。
4Gamer:
ああ,そう言われると。
基本はニチアサ的な優しい雰囲気ですが,アミティの魔法とか,当たったらばたんきゅーで済みそうにないバトルアニメのそれでしたしね。
工藤氏:
魔法の表現を派手に描きつつ,でも相殺するから,光線は花になって散っていくとか。そういう絵作りを心がけました。
細山田さんからも「戦いはするけど痛そうじゃなくて,楽しそうに戦う感じで」と言われていて,なるほどと。そこはぷよぷよの映像表現としては重要だなと思ったので,僕もその空気感を大切にしたんです。
吉永氏:
ぷよぷよシリーズらしく,あくまでも楽しそうにですよね。
見た目はヤる気満々な魔法ばかりですが(笑)。
4Gamer:
登場キャラクターの取捨選択はどうでしょう。
どのキャラを出して,どの数を出せるかなどの協議は。
吉永氏:
アルルやアミティ,りんごなどのメインに据えたいキャラクターを数えたあと,動かさずともよいから,ぷよクエとして登場させたいキャラも提示して,工藤さんにどうにか入れ込んでいただけました。
工藤氏:
アルルたち主人公組以外は,このスケジュールなら,これくらいいけるかな,みたいな制作ラインのギリギリを攻めて,止め絵ではありますが,代表的な子たちをなるべく絵コンテに反映していきました。
それでも,歴代主人公が次のシリーズ世代にバトンタッチしていくシーンで,りんごの登場パートであるすずらん商店街の場面だけは,アルルやアミティと比べてちょっとキャラクター数が少なくて。そこはもう少しなんとかしたかったという心残りはあります。
吉永氏:
そこは原作的な問題ですね。「ぷよぷよ7」は新キャラクターの数が少なめで,各シーンにはシリーズごとの初出キャラを登場させる構図だったのもありまして。けれど,キャラ数の少なさを「りすくませんぱい」のアクションでカバーしてくれたりと,さすがでした。
もちろん,りんごの場面だけ違うシリーズキャラを持ってくるのも手でしたが,ぷよぷよは広い世代で楽しまれている作品とあり,初めて遊んだ作品もさまざまなはずなので。シリーズ違いのキャラを登場させて,当時の思い出を混乱させないようにと配慮してのことです。
4Gamer:
ぷよぷよないし,ぷよクエはキャラクターデザインも印象的ですよね。今回はゲームビジュアルに寄せて表現したようなので,すり合わせは難しくなさそうですが,この三頭身キャラたちをどう動かして,アニメっぽく見せるか。この点についてはなにか考えていましたか。
工藤氏:
原則,等身の低いキャラクターというのはアニメ調にデフォルメした動きがよく似合うので,大げさに走って跳びはねたり,手をブンブンと振ったりとか,リアクションを大きめにさせています。
だからもう,バトルシーンなんかも「空飛んじゃっていいんじゃないかな?」くらいに思って,飛ばせてしまいました。
4Gamer:
わりと自然に飛んでましたよね。違和感はなかったですが。
工藤氏:
まあ,そこはOPアニメらしいイメージ絵として飛んでいる演出なので,設定的に飛んでるわけじゃないのは,ご了承いただけると(笑)。
4Gamer:
ときに,お気に入りのシーンなどはありますか。
吉永氏:
私は最後のほうのシーンで,新キャラクターのあたり,セオ,ロキアーがアルルたちと合流する場面がとくに好きです。
こちらから提出した文字コンテの段階では,みんなでハイタッチするような構成だったのですが,あがってきた映像を見たら,それぞれのキャラの組み合わせで動作も変わっていて,さすが工藤さんだなと感動しました。それに,あたりたちはぷよクエを引き継ぐ存在ではなく,“ぷよクエに合流する存在”です。プロジェクトで目指していたそういう願いもしっかりと描写されていて,うれしかったです。
工藤氏:
このアニメ自体,ストーリー仕立てにする意識はしていました。
最初はアルルが走っていて,アミティとりんごが地図を見ていて,一緒になってワーッと目的地に走って,ときにはバトルして,たどり着いた場所で,同じ地図を持つあたりたちと合流する。そういった物語性。
4Gamer:
言われてみれば。
工藤氏:
それと個人的なぷよぷよファンとしては,アルルからはじまり,ステージを進めるごとにユニークなキャラクターたちが出てきて,ようやくたどり着いた塔にサタンがいる。シリーズを重ねるにつれ,どんどんと出会いも増えていく。長く遊んだシリーズだからこそのゲーム体験があったので,彼女たちが走って進んでいく姿に,そういう思いも重ねられないかなと。映像に落とし込めないかなあと。
なんて思いながら作りました。そっちのほうが燃えるなって。
4Gamer:
まさか30年後の自分が,アルルを走らせてるなんてと思ったりも?
工藤氏:
ほんとそれですね(笑)。本当にうれしかったです。
ぷよぷよとともに歩んだ30年……とか言うと偉そうですが,いちファンとしてずっと遊んできたゲームなので,自分でも驚くほど苦労がなかったというか,それも含めてずっと楽しくお仕事できました。
吉永氏:
細かな部分まで愛があふれていますものね。
本当に,工藤さんにお頼みできてよかったと心から思っています。
4Gamer:
では計画でも願望でも構いませんが,第2弾OPアニメの予定は?
工藤氏:
僕からは,セガさんが「やる」と言わなければどうにも……(笑)。
吉永氏:
そうですね。そろそろ10周年に向けても,またなにか考えなくてはいけない時期ですしね。ですから,プレイヤーの皆さんからのお声がたくさんあれば,検討もしやすいと思います(笑)!
ファンの方々からはよく「アニメ作ってください!」といった要望を弊社のお問い合わせやSNS上で寄せられますが,そういった反応は冗談ではなく大きく影響しますので,プレイヤーの方々のご声援次第で新たな動きが生まれるかもしれません。言ってしまえば,このスーパーぷよクエプロジェクト自体がそういうものですので。
4Gamer:
かしこまりました。では最後にアニメの感想……などはすでに話し終えていることなので,そうですね。
記事掲載日の2月4日は,ぷよの日ということで,なにかぷよぷよっぽい抱負などを一言お願いできますでしょうか。
工藤氏:
抱負,抱負……すっごく個人的な話ですが,僕は最近とことんぷよぷよをずっと遊んでいまして,11連鎖まではできるんですが,12連鎖ができなくて。今年中に,12連鎖できるようになりたいです(笑)。
4Gamer:
それでもすごい。吉永さんはいかがでしょう。
吉永氏:
10周年が近くなってきたとはいえ,ぷよクエはせっかくリニューアルしたばかりですし,テーマソングも「ココからもっと!ぷよぷよ!!!」ですので,個人的にはもっと長く続けていきたいと思っています。
4Gamer:
ぷよ周年だと,目指すは24周年?
吉永氏:
ぷよぷよ自体は2021年に30周年でしたが,ぷよクエだとまだ9周年ですので,ええ。そこめがけてやっていきたいです。これはチームみんな同じ気持ちですので,我々もココからもっとがんばっていきます。
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