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[CES 2018]65インチで4K 120HzかつG-SYNC HDR対応のディスプレイ「BFGD」,実機デモからその正体に迫る
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印刷2018/01/10 00:00

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[CES 2018]65インチで4K 120HzかつG-SYNC HDR対応のディスプレイ「BFGD」,実機デモからその正体に迫る

とくに本文とは関係ないが,デモ会場に置かれていた「NVIDIA TITAN Xp Collector’s Edition」の実物。ルーク・スカイウォーカーのライトセーバーをイメージした「Jedi Order」モデルだ
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 北米時間2018年1月7日,NVIDIAが,ゲーマー向けの65インチワイド液晶ディスプレイ「BFGD」(Big Format Gaming Display)を発表した関連記事)。

 BFGDのスペック自体は,ゲーマーにとってかなり分かりやすいキーワードで成り立っていると言っていい。大画面の4Kテレビ並みの大きさを持つ,解像度3840×2160ドット,垂直リフレッシュレート120Hzのパネルを採用し,最大輝度1000nitのフルアレイ直下型バックライトを組み合わせ,さらにNVIDIA独自のディスプレイ制御技術「G-SYNC」に対応するというものだ。

 現在のところ,BFGDの製品化を計画しているのはAcerとASUSTeK Computer,HPの3社だが,4Gamerは,米国ラスベガスの高級ホテルにある特設デモ会場で,HPによるBFGD試作機のデモを体験できた。そこで本稿では,実機デモを通じて判明した内容をまとめてみたいと思う。

HP製のBFGD試作機で,PC版「Destiny 2」を4K解像度のHDR有効状態で表示するデモ。カメラのフラッシュ光でやや白飛び気味になってしまったが,実機での描写は,HDRならではの豊かな階調表現となっていた
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第1世代モデルはVAパネル搭載。入力インタフェースは5系統に


 デモ会場では,NVIDIAのスタッフがいろいろとデモを見せてくれたが,まず見ることになったのは,PC版「Middle-earth: Shadow of War」(以下,Shadow of War)を使い,HDR表示の無効/有効を切り換えて違いを見るというものだった。

HDRを有効化した表示。写真では例によって分かりにくく申し訳ないが,雲間から見える光や,影となっている山並みのディテールの表現が見事だった
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 分かりやすかったのは,暗部の階調や,激しく光っているものの表現だ。たとえば,火山から流れ落ちる溶岩が放つ光は,HDRが無効な状態だと「光ってるね」という程度だが,HDRを有効化すると激しい光となり,強烈なエネルギーを持っていることが伝わってくる。
 ちなみに,BFGDでは,直下型のバックライトを100以上のエリアに分割して駆動(ローカルディミングともいう)させているとのことだった。

HDRを無効化した状態(左)と有効化した状態(右)の違い。溶岩の光り方がまるで違う。右側のほうが煌々と輝いている
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 NVIDIAのスタッフによると,現時点でBFGDの製品化を発表しているメーカーは,いずれもVA方式の液晶パネルを採用しているそうだ。BFGDの実現にあたってNVIDIAが組んだ液晶パネルメーカーのAU Optronicsは「A-MVA」(Advanced-Multi-domain Vertical Alignmen)に代表されるVAパネルの量産技術に優れるメーカーなので,このパネル選択は納得といったところだろうか。
 もっとも,「VA方式でなければならない」というわけでもないので,いずれ,IPS方式やTN方式の液晶パネルを採用するものが出てくる可能性もゼロではない。

デモ会場に置かれていたAcer製のBFGD試作機。残念ながらこちらでのデモはなかった
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 もう1つ気になるのは,ラインナップが65型しかないことだが,このあたりは北米市場のニーズを優先した結果のようである。AU Optronicsはより小さなパネルの量産も行っているので,より小型のBFGDが将来的に出てくることは――あまりに小さくなると「B」FGDでなくなってしまうが――あり得るようである。40〜50型くらいだと,パーソナルユースでも使えそうだ。

 実際,デモコーナーで同席していたHPのディスプレイ製品担当者は,「65インチというサイズが,日本の家庭で受け入れられるだろうか?」と気にしていたくらいだったので,BFGDのビジネスが軌道に乗れば,いろいろと選択肢も出てくるような気がする。

 「G-SYNC対応ディスプレイ」ということで,入力インタフェースが貧弱ではないか,と心配する人もいるだろう。初期型のG-SYNCディスプレイは事実上DisplayPortしか利用できないという,よくも悪くも尖りに尖った仕様だっただけに(関連記事),ここがどうなるかはとても気になるところだが,HP製のBFGDでは,DisplayPortが1基とHDMI Type Aポートが4基と,計5入力に対応していた。
 HDMIの4ポートがHDMI 2.1をサポートしているかどうか,NVIDIAのスタッフは語っていなかったが,サポートしていれば謳うであろうことを考えるに,HDMI 2.0a(もしくはHDMI 2.0b)対応である可能性が高そうだ。4K 120Hz表示は,DisplayPort 1.4のみのサポートになりそうだと考えておくのが安全ではなかろうか。

BFGDの向かって左側にビデオ入力インタフェースが並んでいた。DisplayPortが1基とHDMI Type Aが4基。PCとはDisplayPortで接続して4K 120HzのG-SYNC HDRを利用し,ゲーム機やストリーミングデバイスとはHDMIで接続して4K HDRを利用するという感じになるのではないかと思う
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 BFGDの面白いところとしては,NVIDIAのAndroid TVコンソール「SHIELD」機能を内蔵している点も挙げられる。
 SHIELD機能を内蔵しているため,BFGDがあれば,単体でAndroid TV対応ゲームをプレイしたり,「GeForce NOW」によるPCゲームをストリーミングでプレイしたり,自室で動いているPCゲームを「GameStream」によりリビングのBFGDでプレイしたり,あるいはNetflix,Amazon Video,YouTubeなどの4K HDRビデオを鑑賞したりできる。
 「SHIELD自体が展開されていない」というハードルがあるため,日本でどこまで受け入れられるかは疑問も残るものの,「テレビチューナーのない高機能Android TV」的にも利用できることは,相応に価値があると言えるのではなかろうか。もっとも,それで価格が跳ね上がるようだと厳しそうではあるが。

BFGD内蔵のSHIELD機能によるデモ。Android TV向けアプリは利用できるものの,Androidスマートフォン向けゲームがそのまま動くわけではない
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 SHIELD機能の話が出たところで,BFGDの第一報にも出てきた,内部構造のスライドについても質問してみたが,説明員いわく,スライドで見える3つの基板は,左からSHIELD機能を実装したもの,G-SYNC機能を提供するもの,BFGDのマザーボード的なものとのことだ。イラストのとおりのサイズ感であれば,システムの規模はかなり大きく,このあたりはけっこうなコストになりそうだ。

GeForce.comに掲載されていたBFGDの構造を示したスライド。3つの基板らしいものが描かれている
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 で,肝心の「おいくら万円?」「日本で売るの?」というところだが,現在のところ,そのあたりは何も明らかになっていない。まずは3社が世界市場へ向けて製品を発表して,すべてはそれからといったところだろう。
 ニーズは間違いなくあると思われるだけに,国内発売されることを期待したい。

GeForce.comのBFGDに関するポスト(英語)

[CES 2018]NVIDIA,4K 120HzとG-SYNC HDRを大画面で実現するディスプレイ「BFGD」発表。「SHIELD」機能を統合し,Googleアシスタントも利用可能

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