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“マナ”の溜まっている場所でゲームを作り続けたい――「Crimson Dragon」の二木幸生氏が,スマホ向け新作「街コロ」で目指すものとは
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印刷2014/03/29 00:00

インタビュー

“マナ”の溜まっている場所でゲームを作り続けたい――「Crimson Dragon」の二木幸生氏が,スマホ向け新作「街コロ」で目指すものとは

画像集#020のサムネイル/“マナ”の溜まっている場所でゲームを作り続けたい――「Crimson Dragon」の二木幸生氏が,スマホ向け新作「街コロ」で目指すものとは
 2014年3月末,「パンツァードラグーン」シリーズや「ファントムダスト」のクリエイターとして知られる二木幸生氏がディレクターを務める,iOS用アプリ「街コロ」の配信が開始される。
 本作はグランディングのアナログゲーム「街コロ」をモチーフにした,同社初のiOS向けタイトルだ。プレイヤーは「すべてがサイコロ次第のおかしな街」を開発する社長となり,街を発展させるため,アナログゲーム版のルールをベースとしたバトルに挑むことになる。

 グランディングといえば,これまで,Wiiや3DS用タイトルを手がける傍ら,数々のアナログゲーム制作を手がけ,さらにはXbox One用の「Crimson Dragon」といったコア向けのゲームまでカバーしているという,ちょっと不思議なゲームデベロッパだ。「街コロ」は,その同社が挑む初のスマートフォン向けゲームということで,気になっている読者も少なくないのではないだろうか。

 今回4Gamerでは,本作のディレクターであり,またグランディングの取締役でもある二木氏にインタビューする機会を得た。iOS版「街コロ」の制作についてはもちろん,グランディング設立の経緯から氏のクリエイター哲学まで,さまざまなトピックで話をうかがっているので,ぜひご一読いただきたい。グランディング作品のファンという人はもちろん,「パンツァードラグーン」「ファントムダスト」などのファンにも,ぜひ目を通していただければと思っている。

■関連記事:


グランディング 二木幸生氏(右)と,本作のパブリッシャであるコアゲームスの花屋雅貴氏(左)
画像集#017のサムネイル/“マナ”の溜まっている場所でゲームを作り続けたい――「Crimson Dragon」の二木幸生氏が,スマホ向け新作「街コロ」で目指すものとは

「街コロ」公式サイト

グランディング公式サイト



作りたいゲームを作るための会社


4Gamer:
 今回はiOS用タイトル「街コロ」についてお話いただきたいのですが,その前に。まず二木さんが取締役を務める,グランディングについて聞かせてください。グランディングは,そもそもどういった経緯で設立された会社なのでしょうか。

グランディング取締役 二木幸生氏
画像集#001のサムネイル/“マナ”の溜まっている場所でゲームを作り続けたい――「Crimson Dragon」の二木幸生氏が,スマホ向け新作「街コロ」で目指すものとは
二木幸生氏(以下,二木氏):
 発端からお話すると……今から7年前,僕がMicrosoftにいた頃の話なんですが,岡村(「スペースチャンネル5」「Rez」アシスタントプロデューサーの岡村峰子氏)や堀田(「メテオス」「Rez」アートディレクターの堀田 昇氏)と一緒に,作りたいゲームの話を夜中にしていたんですよ。

4Gamer:
 仕事の後にですか? すごい情熱ですね。

二木氏:
 ええ,まあ(笑)。そのうちに,「どうせだから企画書作ろう,イメージも描こう」と誰かが言いだして,どんどん形になっていきました。それを当時の任天堂に持ち込んだのが,グランディングのそもそもの起こりです。

4Gamer:
 セガではなく,任天堂に?

二木氏:
 猿楽庁の橋本長官(現グランディング社外取締役の橋本 徹氏)が相談に乗ってくれたんです。長官は以前任天堂にいたので,最初は単に人を紹介してもらうという話だったんですが,とんとん拍子に話が進んで,気がついたら岩田社長にプレゼンすることになってました(笑)。

4Gamer:
 それはすごい。

二木氏:
 岩田さんからは「面白そうだからやらせてあげたいけど,うちは会社としか取引しませんよ?」と言われてしまい。……じゃあしょうがないから会社作るか! ということで,僕はMicrosoftから,堀田はキューエンタテインメントから独立して,グランディングの設立に至った,というわけなんです。

4Gamer:
 そうして制作されたのが,2009年に発売された「あそべる絵本 とびだスゴロク!」(以下,とびだスゴロク)というわけですね。
 少し疑問なのですが,二木さんというと,これまで「パンツァードラグーン」「ファントムダスト」など,コアゲーマー向けのタイトルを手がけてきたという印象があります。しかし,「とびだスゴロク」や後からお話しいただく「街コロ」も含め,グランディングでの作品は間口が広い印象があるのですが,これには何か理由があるのでしょうか。

二木氏:
 うーん。設立当初は複数ラインを走らせる余裕がなかったとか,堀田の絵を企画の中心においていたとか,そういった理由は考えられますが,とくに何か縛りを設けているとか,そういうことはないです。「Crimson Dragon」といったコア向けのタイトルも作ってますしね。

Crimson Dragon
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4Gamer:
 ああ,確かに。「Crimson Dragon」は「パンツァードラグーン」の系譜ですし,かなりガチなタイトルですね。

二木氏:
 あれはMicrosoftさんから「Kinectを使って何か一緒にやらないか」という話があってスタートしたプロジェクトなんです。会社的にもちょうど余力が出てきた時期だったので,進められたという感じですね。

4Gamer:
 ちょっと脱線してしまうのですが,「Crimson Dragon」の海外での反響はいかがでしたか。残念ながら今のところ日本では遊べませんが……。

二木氏:
 もともとXbox 360で開発していたタイトルなので,Xbox Oneネイティブのタイトルと比べると,どうしてもグラフィックスで劣ってしまう部分があるのですが,それでも多くの人が喜んでくれているみたいです。あと「Crimson Dragon」には,ソーシャル部分での新しい仕掛けを色々と仕込んであるので,そこが評価されてるのかなと。

4Gamer:
 ソーシャル部分というと?

二木氏:
 例えばフレンドが育てたドラゴンをダウンロードして,それをパートナーにした非同期協力プレイが楽しめたり,マップをクリアすると,フレンドのスコアがすぐに見られたりとか。

4Gamer:
 「あいつの方がちょっとスコアが高い。もう一回やるか」みたいな(笑)。

二木氏:
 そうそう(笑)。モバイルだけでなく,これからはコンシューマゲームでも,こういった仕組みが必要なんだなって,改めて思いましたね。

4Gamer:
 日本でも早く遊べるといいんですが……。

二木氏:
 本当ですよ! 僕も日本でXbox Oneがいつ出るものか,全然知らないんだから(笑)※。

※インタビュー収録後,Xbox Oneの日本でのローンチが2014年9月となる事が発表された(関連記事)。

4Gamer:
 それは楽しみにさせていただくということで(笑)。ちなみに,現在は何人くらいのメンバーで開発されているのでしょうか。

とびだスゴロク
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二木氏:
 今は福岡のスタジオを含めると,25人ぐらいの体制になっています。設立当初のメンバーは,僕を含めて7人ぐらいだったので,だいぶ大きくなりました。これぐらいの規模の開発会社だと,他社さんの企画を請負う,いわゆる開発受託というスタイルを取ることが多いのですが,グランディング名義のタイトルでは,企画からすべて自社で行っています。

4Gamer:
 つまり,グランディングは二木さんが,それから堀田さんや岡村さん達が作りたいゲームを作るために立ち上げた会社……と,まとめてしまっていいですか?

二木氏:
 実際は,なかなかそうはいかなかったりしますが,理想としてはそうですね(笑)。


iOS版「街コロ」はいかにして生まれたのか


4Gamer:
 では,「街コロ」について詳しくお聞きしたいと思うのですが……このタイトル,もともとはアナログゲームとして制作されたものなんですよね。

二木氏:
 ええ。アナログゲーム版の「街コロ」は,うちの創設時からのメンバーである菅沼(「モンスターファーム」シリーズディレクターの菅沼正夫氏)が,「ボードゲームを作りたい!」って社内で言いだしたのが発端なんです。僕や堀田など,元々アナログゲーム好きの人間が集まっていたこともあって,じゃあやってみようよ,という感じで制作がスタートしました。

4Gamer:
 本当に,作りたくて作ったタイトルなんですね。

二木氏:
 そうですね。メインのプロジェクトの合間に,エクセルで作ったデータを印刷して,皆でテストプレイして,また暇なときに直す。そんな作業を半年くらい続けて,ようやく完成したのが「街コロ」のプロトタイプです。

アナログゲーム版「街コロ」
画像集#010のサムネイル/“マナ”の溜まっている場所でゲームを作り続けたい――「Crimson Dragon」の二木幸生氏が,スマホ向け新作「街コロ」で目指すものとは

4Gamer:
 完成したアナログゲーム版「街コロ」の反響はいかがでしたか?

二木氏:
 おかげさまで好評をいただいています。ゲームマーケット2012春で販売したのが最初なんですが,とくに小さい子供さんの食いつきが良かったですね。堀田の書いたイラストの評判が良くて。世界観を気に入ってくれた方が多いようです。

4Gamer:
 ああ。確かに可愛らしいイラストですね。

二木氏:
 建物しか描かれていないのに,それに妙な味があるんです。あとは家族で遊べるよう,あえて戦略性とか競技性を抑えて,運の要素を強くしています。そういった狙いがちゃんとプレイヤーに届いたようで,嬉しいですね。

4Gamer:
 では,iOS版「街コロ」は,その反響を受けて制作が決まったという形なのですか。

コアゲームス 花屋雅貴氏
画像集#011のサムネイル/“マナ”の溜まっている場所でゲームを作り続けたい――「Crimson Dragon」の二木幸生氏が,スマホ向け新作「街コロ」で目指すものとは
コアゲームス 花屋雅貴氏(以下,花屋氏):
 実はそういうわけでもないんです。iOS版の開発は,コアゲームスからグランディングさんにお声かけしたのが,直接的なきっかけになります。「iOSで何かやりませんか」とお聞きしたら,二木さんから「街コロでいきたい」と返答があって。

4Gamer:
 なるほど。二木さんとしては,どうしてそこで「街コロ」を選ばれたのでしょうか。

二木氏:
 これまでの延長線上にある,ある程度売れると予測が立つようなものなら――例えばですが「パンツァードラグーン」のスマートフォン版をやりますって僕が言ったとしたら,恐らくどこかが予算を出してくれたと思うんですよ。でも,コアゲームスさんのオーダーはそうではなかった。

花屋氏:
 うちからは,二木さんに「本当にやりたいことを提案してください」とだけ,お伝えしていたんです。

二木氏:
 せっかくそういう得がたい機会なのだから,もっと挑戦的なものが作りたいと考えたんです。ほかの会社では通りにくいかもしれないけど,面白くなる予感のするものを。その点「街コロ」なら,面白さはアナログゲーム版で実証済みですし,スマートフォン向けゲームとしても受け入れられる間口の広さがある。

4Gamer:
 アナログゲーム版の実績と,堀田さんの絵の魅力なら,スマートフォンの市場でも戦えると。

二木氏:
 スマートフォン向けのゲームって,コンシューマゲーム機向けなどと比べても,プレイヤーの幅が広い印象があるんです。そんな中でも,あの世界観なら第一印象で面白そうだと思ってもらえると考えました。

花屋氏:
 弊社としては,二木さんが本当に作りたいものであるなら,基本的にはどんなゲームでもGoを出そうと思っていました。個人的にも,このチャンスは「本当にゲームが好きな人」にゲームを作ってもらいたかったので,二木さんはまさに適役だったんです。

4Gamer:
 おお……そこまで信頼されているというのも,スゴイ話ですね。

花屋氏:
 コアゲームスは,実はゲームフリークの関連会社でもあり,企画をプレゼンテーションする機会があったんですよ。その場でも「二木さんは本当にゲーム好きそうだよね」という話が出たぐらいです。まあなんでもといっても,例えばほかでもやっているような,普通のカードバトル的な企画が出てきたとしたら,僕も躊躇しただろうと思います。でも,見込んだとおりに挑戦的なものを持ってきてくれた。その時点で,弊社としては万々歳です。

4Gamer:
 うーん,なるほど。しかしアナログゲームの街コロは,2〜4人プレイの対戦ゲームですよね。これをどうやってスマートフォン向けゲームに落とし込んだのでしょうか。スマートフォンでは,リアルタイム対戦という訳にもなかなかいかないと思うのですが。

二木氏:
 ええ,なので基本的には1人用のゲームとして作り直しています。アナログゲーム版の「街コロ」と同じルールでCPUとバトルしながら,自分の街を大きくしていく,という流れです。街が育てばバトルで稼げるコインの量も増えて,より強いCPUに勝てるようになる。また,建てた建物によって,バトル中はスキルが発動できるようになります。

4Gamer:
 おお。想像以上に別のゲームという感じですね。

二木氏:
 将来的には対人戦も遊べるようにしたいと思っていますが,やはりスマートフォンのゲームは,常に通信が安定した環境で遊ぶものではないですので。対人戦をメインにしてしまうと,どうしても限られた人しか遊べないゲームになってしまう。それは避けたかった。

4Gamer:
 少しプレイさせてもらって構いませんか?

二木氏:
 ええ,ぜひ。

■iOS版「街コロ」ってどんなゲーム?

 iOS版「街コロ」のゲームの大きな目的は,自分の街にさまざまな建物を建設し,大きく発展させていくことにある。しかし,そのためのお金が必要……ということで,街を発展させるお金を入手するために「街コロバトル」に挑み,CPUの操るライバルキャラを倒していくことが求められる。

画像集#023のサムネイル/“マナ”の溜まっている場所でゲームを作り続けたい――「Crimson Dragon」の二木幸生氏が,スマホ向け新作「街コロ」で目指すものとは 画像集#024のサムネイル/“マナ”の溜まっている場所でゲームを作り続けたい――「Crimson Dragon」の二木幸生氏が,スマホ向け新作「街コロ」で目指すものとは

 CPUを交えた最大4人対戦となる街コロバトルでは,それぞれのキャラクターが順番にサイコロを振り,その出た目に応じてポイントが獲得できる仕組みになっている。サイコロの目によって得られるポイントは,各キャラクターが手元に揃えた「事業カード」によって決まり,新たな事業カードを獲得するためには,先に得られたポイントを消費する。最終的には,バトルごとに定められた大事業カードを,一番早く,すべて入手した人が勝ちとなる。
 事業カードごとに,ポイント獲得条件や得られるポイントが変わってくるので,相手が所有しているカードも考慮しつつ,効率よくポイントを稼げるよう,事業カードを揃えていくのが,勝つための秘けつというわけだ。

何でもサイコロで決まってしまうという,かなり不思議な世界が描かれる。ライバルキャラもどことなく胡散臭くて,クスリとさせられるやり取りも多い
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街コロバトルは,アナログ版街コロとほぼ同じルール。事業カードには,誰が出した目でもポイントがもらえる青,自分が出したときだけもらえる緑,敵が出したときにもらえる赤の3種類があり,集め方がそのまま戦略となる
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 もちろん本作オリジナルとなる要素もあり,例えば街にレアな建物を建てておくと,バトルを補助するスキルが使える。そのほか街作りを進めていくことでサイコロパワーがアップし,それに伴い獲得ポイントも増えるので,強いライバルキャラにも勝てるようになる。

街コロバトルに勝利すれば,建築のためのお金と,建物をゲットできるガチャの権利を獲得できる。なお,不要な建物は解体してお金に替えたり,すでに建築してある建物と合成してレベルを上げるといったこともできる
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街コロバトルで獲得したお金と建物を使って街を広げていくと,サイコロパワーがアップしてバトルにも強くなる。なお,街作りの合間には,住民たちから要望が出ることも。これに応えてお金や建物を入手するのも手だ
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4Gamer:
 (たっぷり遊ばせてもらって)なるほど。確かにちょっと妙な世界観が楽しいゲームですね(笑)。リリースされるのが楽しみです。
 話を戻しますけど,この「街コロ」が,グランディングとしては初のスマートフォン向けゲームになるわけですよね。実際に作ってみて,コンシューマゲーム機などでの開発となにか違いは感じられたでしょうか。

二木氏:
 ゲーム作りという意味では,自分の中ではスマートフォンもコンシューマゲーム機もまったく変わらないですね。僕の作り方だと,まずそのゲーム世界におけるキーワード――核となるルールを決めるんですよ。

4Gamer:
 核となるルール,ですか?

二木氏:
 はい。例えばパンツァードラグーンだったら,「ドラゴンに乗って戦う」ということ。ドラゴンなのだから,戦闘機とは違って360度が見渡せる,好きな方向に攻撃できる。これがパンツァードラグーンの核となるルールです。

4Gamer:
 おお,なるほど!

二木氏:
 そのルールを作ってから,それに合う世界観を肉付けしていく。ドラゴンに乗って戦う世界ってどんなものだろう,と言う風に。

4Gamer:
 そうだったんですね。パンツァードラグーンは,まず世界観ありきの作品だと思っていたので,少し意外でした。iOS版「街コロ」でも,それは同じだと?

二木氏:
 ええ。iOS版「街コロ」の場合は,「すべての物事がサイコロで決まる世界」というのが核のルールに当たります。じゃあ,それが成り立つ世界観ってなんだろう? というようにロジックを進めて,できあがったのが今の「街コロ」なんです。

4Gamer:
 二木さんの中では,どちらも同じ,地続きのゲームなんですね。

二木氏:
 ルールと世界観が互いに影響を与えないゲームって,もうゲームの意味がないんじゃないか……と僕は思っています。
 あと,これはMicrosoftで仕事をしていたときに強く感じたのですが,日本のゲームの作り方って,引き算なんですよね。余計なものをそぎ落として,物事の本質をルール化する形でゲームを作っていく。対して海外は,あれもこれもそれも片っ端から入れていく。現実はこうなんだから,ゲームもこうあるべきだという,足し算の作り方です。

4Gamer:
 「グランド・セフト・オート」シリーズなんかは,まさにそんな感じですね。

二木氏:
 日本人にはどうも職人気質なところがあって,本質を研ぎ澄ませる方向へ考えていくことが多い。だから,例えば日本人がアポロ計画をやろうとしても,きっと無理だったんじゃないかって思ってます。すごい精度のロケットは作るだろうけど,月に行くというところまで物事を積み上げていくことが,果たして日本人だけでできただろうかって。

4Gamer:
 なんとなく,分かる気がします。

二木氏:
 ゲームに関しても同じだと思っていて,僕はどうしても引き算の作り方をしてしまう。それ以外の作り方があまり得意ではないので,この作り方は今後も変わらないでしょう。もちろん,今の若い人の中には,そうでない人もいるでしょうけど。

 
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