カルト的人気を誇るフリーウェア，「Dwarf Fortress」がグラフィックスとサウンド付きでSteam/itch.ioに登場

　カナダのパブリッシャKitfox Gamesは北米時間の2019年3月13日，「Dwarf Fortress」のストアページをSteamとitch.ioでオープンし，最新トレイラーを公開した。発売日についてSteamには「時間は主観的なものである」と書かれており，要は未発表で，日本語の対応も予定されていないものの，椅子をガタッ！　といわせた人もいるかもしれない。

「Dwarf Fortress」公式サイト

　「Dwarf Fortress」は，7人のドワーフを操作して世界を開拓していくというシミュレーションゲームであり，野生動物やゴブリンの襲撃など，さまざまな困難を乗り越えてドワーフの要塞を築き発展させていくという内容だ。

　開発を行うBay 12 Gamesは，Tarn Adams氏とZach Adams氏というアメリカ人の兄弟が設立したスタジオで，彼らは2006年にフリーウェアとして「Dwarf Fortress」を発表して以来，機能拡張や改良を続けてきた。ゲームのベースになったプログラムの制作は，彼らが高校生だった2003年頃のことなので，実に16年にわたって続くプロジェクトというわけだ。


　2006年にリリースされたフリーウェアバージョンはグラフィックスがアスキーアートで表現されるテキストベースのゲームで，異常なほど細部にわたってシミュレートされているだけでなく，世界やアイテムなどが自動生成され，しかもインタフェースが不親切であることなどから習得が非常に難しいゲームとして知られている。中には「歴史上最も複雑なゲーム（かもしれない）」という評価もあるという。
　こうした難しさが注目され，挫折したプレイヤーがリベンジを果たそうと活発なコミュニティ活動を行う，カルト的な人気を誇るタイトルでもある。ファンの非公式スローガンは「Losing is fun！」（失うことは楽しい）だそうだ。


　今回のSteam/itch.io版にはグラフィックスとサウンドが用意されており，またSteam Workshopにも対応しておりMODの制作とアップロードが可能になる。オプションでテキストベースのASCIIモードの選択も可能だ。またFAQが公開されており，それによるとグラフィックスのアートワークをMichał Madej氏とPatrick Martin Schroeder氏が，またサウンドをDabu氏が担当しているという。
　価格は20ドルが予定されており，これは，開発者の親族が深刻な健康上の問題を抱えており，お金が必要になったため有料にしたと書かれている。ただし，フリーウェア版は継続して配信され，アップデートも続けられるとのことだ。


　ネットを検索すればゲーム攻略情報はいくらでも手に入ると思うので，気になる人はぜひ，この世界一困難だと言われるシミュレーションゲームにチャレンジしてみよう。

Steam「Dwarf Fortress」ストアページ

itch.io「Dwarf Fortress」ストアページ