プレイレポート
「世界樹の迷宮V 長き神話の果て」の体験版は本日配信。自分で考えて作り上げる楽しみに溢れた本作のプレイレポートをお届け
黙々と地図を描きダンジョンを進む“シリーズの原点”に立ち返ったという本作の冒頭部分が楽しめる体験版は,キャラクターメイクを含むゲームシステムやすれちがい通信などが製品版同様に使用でき,さらにデータもすべて製品版への引継ぎ可能とあって,「発売前からキャラメイクに没頭できる!」「本格的に冒険を進められる!」といったそれぞれの理由で,この日を期待していた人は多いだろう。
今回,体験版で遊べる「第一階層『鎮守ノ樹海』」の途中までを一足先にプレイすることができたので,さっそくそのレポートをお届けしよう。
「世界樹の迷宮V 長き神話の果て」公式サイト
4つの種族と10種の職業から迷宮に挑むパーティを編成
新システムで多彩なキャラクターメイクが可能に
冒険の舞台は,剣と魔法に支配された大地「アルカディア」。その広大な大地の中心には,その頂にたどり着ければどんな夢もかなうという巨大な樹木「世界樹」がある。
古くから信仰の対象として畏れられているため近づく者はおらず,また,ふもとの都市「アイオリス」の評議会の命で足を踏み入れることも禁じられていた世界樹だが,ある時その評議会から「アイオリスに集い,世界樹に挑め」というお触れが出たことで,富と名誉,そして自身の冒険心を満たすため,多くの冒険者達がアイオリスに集い出す。
プレイヤーもそのお触れに心惹かれ,未知なる冒険に挑むためアイオリスにやってきた冒険者だ。新たな冒険者であるプレイヤーは,世界樹に挑むうえでまず「冒険者ギルド」へおもむき,自分のギルド名を決めてキャラクターを作成し,最大5人のパーティを編成することになる。
これまでの作品からキャラクターメイクのシステムが一新された本作では,まず「アースラン」「ルナリア」「セリアン」そして「ブラニー」という4つの種族から1つを選び,職業を選択する。職業は全部で10種類で,こちらもこれまでのシリーズから一新されており,選べるものは種族によって違いその特徴もさまざまだ。
■アースラン
アースランは,素早い動きを生かした回避や追撃が得意な「フェンサー」,仲間全体を守る防御スキルを覚える「ドラグーン」,頭や腕,足を封じ,敵の行動を制限できる攻撃を得意とする「セスタス」,そして“瘴気”という不思議な力をまとい,状態異常を与える攻撃や,状態異常耐性を低下させるスキルを覚える「リーパー」という4つの職業に就ける。■ルナリア
■セリアン
■ブラニー
なお,4つの種族と10種の職業の詳しい情報は,こちらの記事にまとめてあるので,職業を選択する際の参考にしてほしい。
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種族と職業を選んだら,次はキャラクターの外見を決めていく。各職業それぞれ4つの外見とそのカラーバリエーションの計8種類に,種族の外見2種類を合わせた10種類の中から選択でき,髪の色,目の色,肌の色の3種類のカラーを,それぞれ用意された12色のパレットを使って変更できる。RGBバーで詳細な調整ができる髪と目の色は,明るい部分と影の部分をそれぞれ設定できるほか,目の色を左右別にしてオッドアイのキャラクターを作成することも可能だ。
さらに本作からは,キャラクターボイスが設定できるようになった。40種類用意されたボイスは,選択画面で何パターンかのセリフを確認できるので,実際に聞いてみて自分のキャラクターイメージに合ったボイスを見つけよう。オン/オフ設定もあるので,これまでどおりボイスなしでも遊ぶことができる。
なお,カラーとボイスは冒険者ギルドに行けばいつでも変更できるので,とりあえずはデフォルトのままで作成し,あとでじっくり時間をかけて自分好みに作り上げていくことも可能だ。
12色のパレットとRGBバーを使って,理想のカラーを作りだそう |
ボイスは有名声優陣による男女それぞれ20種類がラインナップされている |
ミッションを受託したら街の施設で冒険の準備を
スキルは職業別のほか,新たに加わった種族スキルも
パーティを編成したら,まず「アルカディア評議会」へ行き,メインストーリーにも関連する「ミッション」を受けることになる。世界樹を見守るために,4つの種族の代表が集まって発足したという評議会の窓口役は,アースランの王族「レムス」だ。
ミッションの受託と報告以外にも,迷宮探索で得たアイテムやモンスターの情報,そして描き上げた地図の報告が可能だ。アイテムやモンスターの情報は,報告することで図鑑に登録され,メニューの「BOOK」から確認できるようになるほか,一定数を報告するたびに報酬がもらえる。
また,描きあげた地図を報告した状態で次の階に到達すると,次に街から迷宮に挑むときからは到達した階から冒険を始められるようにもなる。どちらも迷宮を探索するうえで役立つものなので,忘れず彼に報告するようにしよう。
冒険者ギルドと評議会のほかに,データのセーブやパーティの回復,預り所でアイテムの管理ができる「ジェネッタの宿」,探索で入手した素材の売却やアイテムの売買,そして武器の強化ができる「アイオリスの大市」,依頼を達成することで報酬が得られる「クエスト」の受注や冒険に役立つ情報を得られる「魔女の黄昏亭」といった施設がある。各施設を有効に使い,冒険の準備や情報集めをして迷宮に挑もう。
さて,冒険の準備も整ったところでいざ迷宮へ……と,その前に忘れてはならないのが,各キャラクターへのスキル振り分けだ。これまでのシリーズ同様,各キャラクターはレベル1の時点で3ポイントのスキルポイントを持っており,それを振り分けることで探索や戦闘に役立つスキルを習得できる。
本作には職業ごとに覚える「職業スキル」のほかに,それぞれの種族固有のものや,取得できるレベルが違うものなど,主に探索向けのスキルが揃った「種族スキル」が加わっている。各キャラクターのパーティ内における役割を考えながら,慎重にポイントを振り分けよう。
アースランの樹海探索術 |
ルナリアの魔力感知 |
セリアンの狩猟術 |
ブラニーの飼育術 |
多くのイベントや人との出会いが待つ迷宮探索
しっかり地図を描きながら世界樹の頂を目指そう
前作「世界樹の迷宮IV 伝承の巨神」では,気球で世界中を飛び回りながら各地にある迷宮や小迷宮をクリアして冒険を進めていったが,本作は一つの迷宮をひたすら上り詰めていくというものに回帰した。
そのダンジョン探索の基本であり,世界樹踏破のため重要となるのがマッピングだ。深く入り組んだ迷宮にはさまざまな謎や仕掛けがあるので,少しでも気になるものがあればアイコンやメモを残しておこう。今回は設置できるアイコンの種類やメモを残せる数が増えているほか,アイコンパレットを自身が使いやすいよう編集できるなど,「ともかく地図が描きたい!」というシリーズのファンには嬉しい仕様となっている。
なお,自分が歩いた場所が自動で塗られていくオートマッピングもあるので,地図を描くのが不慣れな人でも,ゲームを進めながら覚えていくことができるはずだ。
迷宮内には,鉱物系の素材を入手できる採掘ポイントをはじめ,木材類が手に入る伐採ポイント,植物類が採れる採取ポイント,そして今回新たに加わった釣りポイントなど,武器やアイテムを入手するために必要な素材や,使うことでHPやスキルを仕様する際に消費するTPが回復する食材などが入手できる場所がある。釣りができる「フィッシング」や,獣肉を入手できるイベントが発生する「狩猟術」といったように,貴重な素材を入手するためにはそれぞれに対応した種族スキルの習得が必要となるので,パーティ編成やスキルの振り分けの際に注意しよう。
また,迷宮内に火を起こせるポイントがあり,手に入れた食材を調理することで,普通に使用するより回復量や効果も向上する。こちらも有効に活用しよう。
このほか,迷宮内ではミニイベント「Adventure Episode」が発生する。体験することで内容に応じた経験値が手に入るこのミニイベントは,出来事に対しどのように振る舞うかの選択を迫られる。“これが正解”というものがあるわけではないので,「自分のパーティだったらどのような決断をするだろうか」ということを考えながら選択し,自分だけの物語を作り上げながら多くの経験を重ねていこう。
さらに,新米冒険者の手助けをする衛兵や,謎のルナリアの少女リリなどのNPC,そしてすれちがい通信で登録された,ほかのプレイヤーのキャラクターなど,多くの人達との出会いが待っている。彼らとの交流は,冒険のためになる情報やアイテムなどを入手できるという利点もあるが,その多くの出会いによって,自分のパーティだけではなく,いろんな冒険者達がこの迷宮に挑んでいるんだという,実際に冒険をしている感覚や臨場感も味わえる。
新米冒険者の手助けをする「衛兵」 |
ルナリアの少女「リリ」 |
すれちがい通信で登録されたほかのプレイヤーのキャラクターからは,冒険に役立つアイテムや助言がもらえる | |
おっとりした雰囲気だが,意外と商魂たくましい? 迷宮ではジェネッタが,お店の目玉商品にするためパン焼きの研究をしており,素材を渡すと回復アイテム「パン」を焼いてくれる |
戦いの中でキャラクターの特性を掴み,
自分の理想とするパーティを作り上げよう
第一階層には,毒といった状態異常攻撃や強力な属性攻撃を仕掛けてくるモンスターや,ほかのモンスターを捕食することで攻撃力が上昇するモンスター,同じ個体が何体か揃うことで合体するモンスターなど,序盤からなかなかクセのあるモンスターが登場する。ちょっとした1つのミスで,あっという間にパーティが全滅のピンチになるのが世界樹シリーズ。本作もなかなか気が抜けない冒険となりそうだ。
モンスターとのバトルは,これまでのシリーズ作品同様コマンド方式のターン制だ。敵味方ともに前列と後列の区分があるので,攻守どちらの場合においても,攻撃の射程や範囲注意しながら戦うことになる。また,敵には苦手な属性があるので,その弱点を突くというのも定石だ。
バトルには,新要素の「ユニオンスキル」が加わっている。発動者のユニオンゲージが100%に達すると使用できるユニオンスキルは,その名のとおり複数のキャラクターと協力し合うことで発動するスキルだ。戦況を見極めて使用することで,その後のバトルの展開を有利に運ぶこともできるので積極的に使用していこう。なお,これは種族スキルの中に含まれており,ルナリアは属性攻撃系,ブラニーは補助や回復など,各種族で覚えるスキルの特徴も違っている。
さて,実際にモンスターとのバトルでいくつかの職業を試してみたところ,個人的にリーパーがお気に入りとなった。敵全体の封じと状態異常の耐性を低下させる「虚弱の瘴気」や,自身のHPを消費してまとう「瘴気の兵装」状態からの状態異常攻撃など,敵を弱体化させて戦うところが特徴だが,平均的に優れたパラメータをもつアースラン族なので,攻撃,守りのバランスも良く,ひとり入れておくとパーティが安定して遊びやすくなる。
また,虚弱の瘴気で状態異常耐性を下げたところで,ハーバリストのスキル「ポイズンスモーク」の毒で敵を攻撃するという,ハーバリストと連携した戦法にハマってしまい,その結果,気づけば回復役として育てるつもりだったハーバリストを,リーパーとともに属性攻撃役として育て始めていた。
このように,プレイを進めていくことで職業同士の相性やそれぞれの特性を掴めていくので,自然な流れで自分だけのパーティを作り上げていくことができるはずだ。
なお今作では,ある条件をクリアすると「二つ名」を名乗ることができ,自身の職業の上位の技である「達人スキル」が習得できるようになる。二つ名は各職業それぞれ2種類存在しており,例えばフェンサーだと,回避に特化した「幻影の剣士」と,攻撃力が強化される「迅雷の剣士」があり,そのいずれかを選択することでそれぞれに適応したパラメータが伸び,固有の達人スキルを10個覚えられるという。
選択次第で違う成長をみせるというこの新システム。今回のプレイでは体験できなかったので,はたしてどれだけ“尖った”キャラ育成ができるかまではまだ分からない。実際に製品版で触れる日が楽しみだ。
キャラクターメイクとダンジョン探索,そしてバトル&育成という本シリーズの魅力である要素がそれぞれパワーアップしている本作は,シリーズ作品をやり込んだというプレイヤーもきっと新鮮な気持ちでプレイできるだろう。また,初めて本シリーズ作品に触れるという人も,街や迷宮で出会う人達が冒険の進め方を教えてくれるので,難なくゲームの世界に入れるはずだ。
本日配信の体験版で,キャラクターメイクやパーティ編成,そして自分だけの物語を考えて作り上げる楽しさに触れてみよう。
「世界樹の迷宮V 長き神話の果て」公式サイト
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世界樹の迷宮V 長き神話の果て
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