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  • ケイブ
  • 発売日:2015/04/01
  • 価格:基本プレイ無料+アイテム課金
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「ゴシックは魔法乙女」4周年インタビュー。これまでを振り返り,さらなる飛躍に向けてver3.0.0の実装意図を語る
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印刷2019/05/10 17:00

インタビュー

「ゴシックは魔法乙女」4周年インタビュー。これまでを振り返り,さらなる飛躍に向けてver3.0.0の実装意図を語る

 スマホ向けシューティングゲーム「ゴシックは魔法乙女」iOS / Android。以下,ごまおつ)が,2019年4月にサービス4周年を迎えた。

 本作は,不思議な力を持つ「真少年」(プレイヤー)が,魔法乙女と呼ばれる「使い魔」たちと世界を覆う災厄に挑む,2D縦スクロール型のSTGだ。
 操作はスワイプだけ,ショットの形態や属性は使い魔次第,レアリティはスコア以外の強弱には関係ないなど,STGとスマホ操作と基本プレイ無料の文法を巧みに融合させたゲームデザインが特徴となっている。

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 「ごまおつ」を配信しているケイブは言うまでもなく,「怒首領蜂」シリーズをはじめとする“弾幕系シューティング”で知られたゲームメーカーだ。とはいえ,4年前となるとスマホゲームの成長期ともあり,これまでの4年間にしても中々に手探りだったようで。
 今回は,ケイブ 取締役副社長・COOの“IKD”こと池田恒基氏の元を訪ね,4周年までの歩みや開発秘話,そして今後の展開について話を聞いてきた。

ケイブ 取締役副社長・COOの池田恒基氏
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「ドン☆パッチン」の反省を活かし,
マスに向けたシューティングを作る


4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。まずは4周年を迎えての感想をお願いできますか。

池田恒基氏(以下,池田氏):
 好不調の波の中で,よく4年間も続けられたな……と思っています。
 ケイブでは「ごまおつ」の前に,同じようなアプローチでスマホ向けSTG「ドン☆パッチン」を配信していましたが,その反省点をフィードバックしたものが「ごまおつ」となりました。STGはパラメータの増減だけでバランスを取れるものではなく,また運営型モデルとしてユーザーさんに受け入れていただけるのか,シューティングでの運営自体もノウハウがないのにと,当時からいろいろ手探り状態でしたね。
 それでも結局のところ,ユーザーの皆さんに遊んでいただけているからこそ,4年もサービスを続けられました。本当にありがたく思っております。

4Gamer:
 ケイブは「怒首領蜂」「虫姫さま」シリーズなど,アーケードゲームを買い切り型アプリとして移植してはいましたが,「ドン☆パッチン」や「ごまおつ」を,基本プレイ無料ゲームとして提供した理由はなんだったのでしょう。

池田氏:
 モバイルゲームの主力がフィーチャーフォンからスマートフォンに移った際,コンシューマやアーケード以外のところから「パズル&ドラゴンズ」といった斬新な発想のゲームが出現し,またスマホの浸透に伴いゲームユーザーが莫大に増えたからです。一言でいうと「このトレンドにケイブがSTGを投下しないでどうするんだ!」と。
 そこでアーケード移植という切り口のみならず,当時から主流であった基本プレイ無料に合わせた,“幅広く支持されるスマホ向けSTG”を作ろうということになりました。

4Gamer:
 アーケードライクと基本プレイ無料の違いは意識したのですか。

池田氏:
 はい。アーケードゲームはユーザーさんにゲームオーバーになってもらい,そのサイクルでインカムを回収しますが,1プレイ当たりの時間が長くなりすぎないよう,かといって難しすぎて短すぎずのバランスで満足していただかなければなりません。といっても,必然的にゲームの難度が上がっていくスタイルですが。
 一方,基本プレイ無料の場合は,できるだけ多くの人たちにプレイしてもらえるようにしないといけません。生活の中で気軽に遊んでもらえるようにと,「毎日繰り返し遊んでも楽しいSTGってなんだろう」のゼロベースでスタートし,頭をひねってきました。

4Gamer:
 当時は,各社がその切り替えに試行錯誤していましたね。ケイブの着地点はいかがでしたか。

池田氏:
 スマートフォンを介して熱中してもらえる「マス(大衆)向けゲームデザイン」と,毎日遊んでもらえるような「継続性」をテーマとしました。
 よほどのSTG好きでも,毎日同じゲーム内容で遊び続ける人は少ないですし,ハイスコアを伸ばすことを目標に遊び続けられる人となると,もっと少ないです。そのため,まずは難度設定やステージごとのプレイ時間,そこで生まれる熱中度から見直しました。当時のスタッフはほぼ全員がアーケード向けSTGを作っていた者たちでしたが,それまでの考え方はすべてリセットして,新たな発想に順応できるようにしたわけです。

4Gamer:
 なるほど。マスを狙うのであれば,いわゆるシューター層でなくとも遊び続けられるようにと考え方をあらため,日々のプレイの変化に着目したと。

池田氏:
 そうした中で我々が投入した第1弾が,「ドン☆パッチン」でした。
 運営モデルではステージなどのリソースを量産する必要がありますが,アーケードのように作り込んだステージをたくさん用意することは現実的に難しい。そのため,プロップ(小道具)の組み合わせで遊び方を変化させるステージ作りや,パラメータの増減でもゲームが成り立つRPG的な育成モデルを導入するなど,我々なりに工夫しました。

4Gamer:
 ゲームの難度とシューターの先鋭化は,STGにおけるアーケード時代からの宿題でした。運営モデルに伴う量産体制の確立は,ソーシャルゲームにおける課題です。多くの人を呼び込むためには,この2つを同時に解決しなければならなかった。確かに,これは大きな負担だったのでしょうね。

池田氏:
 そうですね。結果的に「ドン☆パッチン」は2年ほどでサービス終了となりました。試みがうまく作用せず,シューターさんにもスマホユーザーさんにも刺さらなかったんです。

4Gamer:
 「ドン☆パッチン」は,ダメージソースが自機のショットではなく,画面下に並ぶロボットたちの攻撃でした。ロボットはガチャで入手し,合成で強化していく。ソーシャルゲームとしては普遍的なゲームデザインでしたが,シューターから戸惑いの声が上がっていたのも見受けられました。こうして話を聞くと,ああした形にしたのも理解できる気がしますが。それで,そこからどのように「ごまおつ」につながったのでしょう。

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池田氏:
 「ドン☆パッチン」が終わったあと,社内で「もう1度,運営モデルのスマホ向けSTGに挑戦しよう!」と声が上がったからです。

4Gamer:
 チャレンジを続ける意思があったんですね。

池田氏:
 ええ,そうして「ごまおつ」の制作がスタートしました。
 開発コンセプトは「シューターが忌避しないよう,パラメータありきはやめよう」「ステージは量産できるか分からないけれど,アーケードと同様に作り込もう」です。そして,それらを継続して遊んでいただくために,ユーザーさんになにを育成してもらうのかを最後まで議論し続けました。

4Gamer:
 最終的に,どのような結論に至ったのでしょうか。

池田氏:
 スコア倍率にのみ影響するパラメータ「魔力」の発明です。これは攻撃力などではないので,いくら変化させてもゲームバランスの主軸が崩れませんし,STGの命題とも言えるスコアに関係するので,育成のモチベーションが保たれます。
 もちろん,シューターさんから「金でスコアを買わせるのか!」といった反応が出ることは予想していましたが,それでも一か八かやってみようとなったんです。

4Gamer:
 その結果,STGとしての面白さを担保しつつ,使い魔の差別化と育成の幅を広げられたんですね。

池田氏:
 そうですね。それと難度についてもです。
 スマホでゲームをするときって,アーケード筐体に座ってプレイするよりもテンションが低くて,ちょっとしたことで心が折れてしまいますよね。そうした中で熱中度を高めつつ,学習効果もあって,楽しめるものをと考え続けました。

4Gamer:
 プレイ時のテンションの差はあるでしょうね。とくに基本プレイ無料ゲームは,少しのつまづきでプレイを止めてしまうといった話も聞きますし。

池田氏:
 点数稼ぎのハードルを下げつつ,さまざまなユーザー層に上達を実感してもらえるシステム。そのために用意したのが,敵に接近して撃破するとスコアが上昇する「マジカルリング」でした。
 スコアのために危険を冒してもらう“攻めゲー”のスタイルを提示することで,クリアしたいなら離れて撃てばいい,ハイスコア狙いなら敵に密着すればいいと,各々のプレイスタイルで難度が変化する仕組みになっています。

4Gamer:
 慣れてくると,危険が楽しいんですよね。敵を倒して「マテリアル」を集めて,これを投資してリング範囲を広げるなど,育成のサイクルも効率化できますし。1プレイごとはあれども,こういう“プレイをまたいでパワーアップが継続していくSTG”は,あまり多くなかったので非常に新鮮でした。

池田氏:
 多くのSTG作品は“腕前”と“時間やお金の投資”の両方を揃えることで楽しめますが,「ごまおつ」の場合はどちらかだけでもそれなりに楽しめる。そこを重要視しています。

4Gamer:
 それも「ドン☆パッチン」があったからこそ,生まれた発想なんでしょうね。

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池田氏:
 それで言うと,「キャラクター」に力を入れた点も大きいです。ゲームを長く続けていただくためには,コンテンツ自体を愛してもらわなければなりません。その際,愛でる対象はパラメータやハイスコアといった数値だけではダメだろう,と思いまして。

4Gamer:
 シューターならスコアに深い思い入れを持てますが,マスを考えると間違いなく不足ですものね。

池田氏:
 これは,かつてのゲーム作りの反省もあります。私たちが作るSTGって,どうしてもシューティング部分に力を注ぎがちになってしまうんです。メカものSTGが全盛だった頃の名残でもあるんですけど。
 しかし,こうした傾向は井上淳哉が入ってきたことで変わっていきました(※元ケイブのデザイナー。現在は漫画家として活動。東亜プランの在籍時代からSTGに携わり,同社では「エスプレイド」「デススマイルズ」など,キャラクター性を押し出した作品を手がけた)。

4Gamer:
 キャラクター性を強くして,ユーザー層を拡大させる手法ですね。ここで少々聞いておきたいのですが,作品の世界観によってユーザー層は変わるのでしょうか? 言ってしまえば「エスプシリーズやデススマのファンは,ケツイや鋳薔薇を受け入れるのか」。その逆も含めて。

池田氏:
 キャラクターや世界観をガラッと変えることの懸念は当時もありました。一般的に,キャラものから入った人がメカものにチャレンジすることはあまりない,逆も然りという構図でしたから。
 けれど,いわゆるケイブファンに限定すると「なんだよこれ! 雰囲気が全然ちげえじゃねえか! まあやってやっか」みたいな感じで,最終的にどれも遊んでいただいている印象があります(笑)。

4Gamer:
 それなら「ごまおつ」のように美少女がたくさんいても,ケイブファンはいつもどおり遊んでくれそうですね(笑)。


大切なのはユーザーを満足させるための取捨選択


4Gamer:
 2015年4月にサービスが開始された「ごまおつ」ですが,これまでの4年間で印象に残っていることはなんでしょう。

池田氏:
 リアルスコアアタック大会など,思い出はいろいろありますが,1番となるとローンチのときですかね。先ほど申し上げたとおり,魔力に関しては「スコアを金で買うのか!」という批判が出るのではないかと怯えていました。ですが,実際は良い評判が先行してくれたので,一安心できました。このときは本当に嬉しかったです。

4Gamer:
 STGにおいてスコアは,特殊な条件を満たすなどして必死に稼いでいくものですからね。シューター以外はピンとこないかもしれませんが。では,最も悩んだタイミングだといかがでしょう。

池田氏:
 それだと,コンテンツの取捨選択ですかね。運営型ゲームは追加要素を盛り込みがちですが,多すぎるとユーザーさんの負担になってしまいます。とはいえ,そのコンテンツを楽しみにされている人もいて,軽々しく撤去することはできません。
 「ごまおつ」で顕著だったのは「学園編」の導入です。これは新たなヒロイン「学園乙女」たちを愛でるためのコンテンツで,キャラクターとのコミュニケーションや,チームを組んでの対戦など,より手軽に遊んでもらうためのものとして開発したのですが,「なんでシューティングと関係ないモードを作るんだ!」とお叱りをいただくこともあって。

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4Gamer:
 確かに,学園編は「ごまおつ」内に別のゲームが増えた感じでしたしね。それと挑戦的な施策となると,コラボもでしょうか。これまでもたくさんありましたが。

池田氏:
 ええ。個人的にとくに記憶に残っているのは,2016年に行ったバンダイナムコエンターテインメントさんの「カタログIPオープン化プロジェクト」(※「ギャラクシアン」「パックマン」など,同社IPのキャラクターを広く開放するもの)とのコラボですね。このときは制作陣がエスカレートして,「シューティング内に通常キャラをいっさい出さずにコラボ全開にする!」という方針を掲げて相当な力を注ぎました。
 普通の作品コラボは,キャラクターや世界観をメインに押し出します。しかし,このときは「ゲームとしてコラボできないか?」と踏み込んだので,使い魔がナムコキャラであることはもちろん,敵も「ごまおつ」のギミックや配置にふさわしいキャラを厳選し,ナムコらしさをできるだけ落とし込みました。取り扱ったタイトルが,ユーザーさんに原作をイメージしてもらいやすかったこともあって。

4Gamer:
 ナムコのオールドタイトルの長所が,コラボの方向性とうまくかみ合ったんですね。ほかにも,ロリータ服ブランド「BABY,THE STARS SHINE BRIGHT」とのコラボでは,キャラクターの衣装を販売するなどの施策が行われていましたが,こういったコラボ先の選定基準はあるのですか。

池田氏:
 ローンチ当初は「トレンドに乗ろう」「とにかくやってみないと」の発想で,広く周知されているIPや,世界観と親和性のありそうなものを中心にコラボしました。それを続けていたところ,「ごまおつ」との親和性がIPやブランドによって異なっていることに気づきました。

4Gamer:
 つまり,コラボをきっかけに人が定着してくれるものと,そうでないもの,ですか。

池田氏:
 そういうのが少なからずあります。その流れによって,「こういう年代のユーザーさんに刺さったら,本当に相性が良いコラボなんだろう」の感触が掴めてきましたから。

4Gamer:
 相性と定着を焦点に絞り込んでいったわけですね。ちなみにユーザーの中には,「ごまおつ」が初めてのSTGという人もいるのでしょうか?

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池田氏:
 “ごまおつデビュー”の若い世代は結構おられます。アーケードと比べると女性ユーザーの比率も高くて,ごまおつの全体層のうち15%は女性というデータも確認しています。

4Gamer:
 STGで女性が15%というのは,かなり高い比率ですね。

池田氏:
 リアルスコアアタック大会に出場してくれる人も多くて,中には「女性オンリーの大会を開いてください!」と熱く希望される人もおられますね。

4Gamer:
 それは頼もしいですね。

池田氏:
 我々も前向きに検討していきたいです。


さらに遊びやすくする「ver.3.0.0大型アップデート」
女性ファンに向けた「魔法男子(ごまめん)」も登場


4Gamer:
 2019年5月14日には「ver.3.0.0大型アップデート」が実装されますが,こちらの見どころを教えていただけますか。

池田氏:
 まずはホーム画面UIの改修です。これまでも数度変えてきましたが,より使いやすくしたいと思っていたので,あらためて手を入れました。またダウンロード回数が多かったので一括ダウンロードを追加し,ストレスが軽減できるようにしております。
 今後も,より遊びやすくするための改修・改善は続けていきますが,それと並行して,多くのお客様が求めているシューティング部分のさらなる追求や,「おでかけ」に新要素を追加してキャラクターを深掘りできる機能もいずれ追加する予定です。

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「ホーム画面」
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「おでかけ画面」

4Gamer:
 キャラクターの深掘りというのは? 「ごまおつ」は設定にほどよい隙間があることで,二次創作的な盛り上がりが生まれている気もするので,バランスが難しそうに思えますが。

池田氏:
 そのキャラクターの人となりというか,根本的な厚みですね。現状,キャラクターの多様性を好んでもらっているのは確かですが,我々としては枝先のバリエーションは広いけれど,根本的な幹が薄く細いと感じているので,今後は「樹木の幹的な部分に厚みをつける」ことを目標としています。
 今回のアップデートで追加する男性使い魔「魔法男子(ごまめん)」と女性主人公は,先にお話した女性ユーザーの皆さんからのご要望をもとに作成したものとなります(参考記事)。女性層は,4年間プレイし続けていただいているユーザーさんが結構な割合を占めているため,その方々の熱量に応える形で,今回の実装に至りました。

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4Gamer:
 ごまめんですか。男性同士の関係性に萌える腐女子,ヒロインに自身を投影する夢女子など,傾向はどうなるのでしょう。ケイブ的には「ケツイ〜絆地獄たち〜」の例もあるので(※主人公の1人,エヴァンズマンが,そういうこと),もしかすると腐女子向けに?

池田氏:
 腐女子,夢女子の定義は,個々によって異なるので,どちら向けという話ではないと捉えています。女性主人公を追加しているので,おっしゃる定義でいくと夢女子なのですが,基本は個性ある男性キャラクターの魅力を描いています。
 いったんはイベント的な扱いとなりますので,本章のメインストリームではないのですが,これをきっかけに広く新しいユーザー層にも訴求していきたく考えています。そのため,キャラクターの性能についても,スコア追及ではなく遊びやすさ,ステージクリアに特化し,より快適にキャラクターの物語を楽しめるようにと作っています。

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「ハウト」
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「デネブ」
「リギル」
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「ベクルックス」
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「カノ」

4Gamer:
 ごまめんを使えばクリアしやすいとなると,男女問わず恩恵がありそうですね。ちなみに,今後は女性向けの視野も持っていくのでしょうか。

池田氏:
 ゲームの一部としてやりたいと思っています。ただ,タイトルからして「ゴシックは魔法乙女」ですから,美少女キャラクターをメインに据えることを変えるつもりはありません。


ライブ,メディアミックス,「ごまおつ」スポーツ
「ごまおつ」の今後はどうなる?


4Gamer:
 「ごまおつ」は2018年,初のライブイベント「EDP×ゴシックは魔法乙女 ギルドライブ2018 〜さっさと爆音(だんまく)しなさい!〜」を開催しましたが,こちらの反響はいかがでしたか。

池田氏:
 あれは本当に予想以上の盛り上がりでした。まさか,来場者にあれほどまでに喜んでいただけるものとは思ってもいませんでしたね。アンケートによると,あそこで初めてライブを体験された人も多かったようなので,できればまた,ああいうイベントをやりたいです。
 まだ具体的には決まっていませんが,まずは「ごまおつ」を入り口に,ケイブ作品全体の音楽の取り組みに広げていきたいです。

4Gamer:
 それでは,アニメや舞台といったメディアミックスについてはいかがでしょう。

池田氏:
 ありがたいことに,さまざまなオファーをいただいております。まずは目前のアップデートですが,今後は書籍や舞台などもやりたいと思っているので,やれるところからどんどんできればといった意気込みです。

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4Gamer:
 シューティングゲームの舞台化って,どうなるんでしょうね。みんなで豆でも投げて弾幕を作るんですかね。

池田氏:
 それはちょっと危ないですね(笑)。ペンライトを振ったりにしましょう。

4Gamer:
 既報に関しては,2019年5月頃にユーザー同士で対戦する「ごまおつスポーツモード」(以下,ごまスポ)が実装されるというお話でしたが。

池田氏:
 すみません,そちらは遅れているわけではなく,“当初よりも規模の大きな話”になってきています。今回のアップデートでは実装できませんが,ゆくゆくは力の入った状態で提供できればと考えています。

4Gamer:
 対戦方式はどうなるのでしょう。STGにおける対戦となると,懐かしの「ハドソン全国キャラバン」のようなスコア競争,参加者がそれぞれのフィールドで間接的に邪魔する「ティンクルスタースプライツ」,より直接的な撃ち合いに特化した「チェンジエアブレード」などが挙げられますが。

池田氏:
 社内でもいろいろ議論して,今挙げられた例もすべて選択肢にありましたが,システム面の見直しから考えた結果,そのいずれでもなくなりました。

4Gamer:
 それは,新機軸を期待しますね。

池田氏:
 “STGのまま,対戦の面白さをどこまで構築できるか”を課題とし,戦略を用いて戦いながら,感覚的な面白さもありと,両者の融合を理想としています。
 リアルスコアアタック大会のような競い合いも広義の意味では対戦ですが,それだと「個人が頑張る100メートル走」に近いんです。やはり,参加者それぞれの動きが双方に影響を及ぼし,場の状況が変わらないことには,対戦としての面白さを構築できたとは言えない気がしています。

4Gamer:
 互いが影響し合うSTG対戦。しかも,直接撃ち合うようなものではない。そこまで変化を見せるとなると,ごまスポは独立したアプリになったり?

池田氏:
 そのあたりも含めて,今後の発表をお待ちいただければと思います。

4Gamer:
 かしこまりました。そのほか,「ごまおつ」をアーケード仕様にして,Steamやアーケード環境で展開する構想などはいかがでしょう。

池田氏:
 どちらも具体的な計画ではありませんが,アーケード版はぜひともやりたいですね! 昔からあの世界で生きてきた人間からすると,ゲームセンターに作品を出すというのはものすごくテンションが上がっちゃいます(笑)。

4Gamer:
 アーケードにするとなると,成長要素の扱いが難しそうですね。ICカード対応で成長システムを組み込む,そうしたシステムをなくしてしまうなど。

池田氏:
 実現性を度外視していいのなら,やっぱり“完全アーケード仕様の「ごまおつ」”にしたいです。ユーザーさんごとのカスタマイズ要素はあれど,成長要素はないアーケードスタイルです。私は「アーケードゲームは限りなく平等であるべきだ」と思っていますし,あそこは半ばオリンピックのようなところと見ているので,そういう戦いの場にするのが理想ですね。

4Gamer:
 スマホでSTGに触れて,アーケードでスコアラーになる,そんなストーリーも妄想できそうです。では,最後に読者に向けてメッセージをお願いします。

池田氏:
 これから5年目を迎えるにあたって,今まで開発事情,運営都合でなおざりにしていた点にあらためて向き合い直すというところを,今後のアップデート指針としています。よって,より多面的な見方や,判断も必要になってくると思います。ただ,そのときの基準になるものは常にユーザーさんへの思いでありたい。
 これまでも問い合わせの内容を集計したり,公式Twitterの運用を進めたりしてきましたが,これからはユーザーアンケートも月1程度で実施していきます。「ごまおつ」だけではなく,STGの発展のために,ぜひ「皆さんの声」という力を貸していただきたいです。変わらずに守らないといけないところ,変化していくべきところ,あわせて楽しんでいただき,一緒にSTGシーンを盛り上げていけたらな,と思います。

 「ごまおつ」は“STGの楽しさ”にたどり着きやすくしたゲームです。さまざまなタイプのキャラクターを愛でていただけるよう,シナリオやおでかけといったコンテンツも用意しています。その先には,皆が真剣に競い合うスコアアタックもあります。
 ごまめんについても,キャラクターデザインやシナリオ,ボイスなどは“好きな人が全力で作ったもの”として提供します。王道の戦略ではありますが,王道なりの良さをぜひとも楽しんでもらえれば幸いです。
 もっとも……王道とはいえ,ゲームの楽しみ方は人それぞれです。我々としては万人にはオススメしていない最高難度「Death」で,ここでしか味わえない快感にたどり着いてもらうという楽しみ方も一方ではオススメしていますので,今後ともよろしくお願いいたします!

4Gamer:
 最終的にはDeathで「死ぬがよい」と。本日はありがとうございました。

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 幅広いユーザー層を取り込む。それは古くからSTGが背負ってきた宿題だ。さらに,定期的にコンテンツを追加する,そのための体制を整えるなど,ゲームジャンルと運営モデルの課題を同時に解決するのは決して簡単ではない。「ドン☆パッチン」では学びが足りていなかった。しかし,そのときの反省は「ごまおつ」に活かされた――ということだろう。

 現代のSTGの主戦場は,海外インディーズタイトルが多く発表されているSteamと言えるかもしれない。そこでは多くの作品のリスペクト元である日本製STGも投じられ,海外ユーザーにあらためて評価される,といった流れが生まれている。
 しかし,「ごまおつ」が戦っているのは,現代のゲーム業界のメインストリームとも言えるスマートフォンだ。4年前にその先陣を切った立役者には,4年も支持され続けてきたパワーを持って,今後もさらなる飛躍を期待したい。

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