ミュージック フロム ゲームワールド：Track 179 「チームソニックレーシング」「イースVIII -Lacrimosa of DANA-」

Illustration by しなぷう

　友人でもあるライターのhallyさんが執筆・監修した「ゲーム音楽ディスクガイド──Diggin' In The Discs」を，楽しみながら毎日少しずつ読んでいます。ディスクレビューカタログを読むのが個人的に好きなのもありますが，ゲームミュージックの歴史をまとめた熱量の高さは圧巻。本連載をチェックしている人には間違いなくオススメの一冊です！

　それでは今週の「ミュージック フロム ゲームワールド」は，「チームソニックレーシング」のサントラと「イースVIII」のアレンジアルバムの2枚を紹介します。

過去作のメロディを効果的に取り入れたドライブサウンド

「MAXIMUM OVERDRIVE - TEAM SONIC RACING ORIGINAL SOUNDTRACK」

タイトル	MAXIMUM OVERDRIVE - TEAM SONIC RACING ORIGINAL SOUNDTRACK	→Amazon.co.jpで購入
発売日	2019年5月29日
価格	3704円（税抜）
発売元	ウェーブマスター
コピーライト	（C）SEGA

　今週の1枚めは，セガゲームスから発売中の「チームソニックレーシング」（PC/PS4/Switch）の楽曲をCD3枚組に収録した，「MAXIMUM OVERDRIVE - TEAM SONIC RACING ORIGINAL SOUNDTRACK」を紹介します。

　DISC1の1曲めはゲームのテーマ曲「Green Light Ride Main Theme of TSR」。ハードロックバンドCrush 40の新曲で，瀬上 純が生み出す重厚なギターリフとジョニー・ジョエリのパワフルなボーカルが絡み合う，超絶ヘヴィな1曲。ちなみにDISC2と3の冒頭にも，それぞれアレンジを変えた「Green Light Ride」が収録されているので，違いを聴き比べてみてください。

　続いてはサーキットBGMへ。DISC1の4〜6曲め「Wisp Circuit」は，ファンキーなフレーズで始まる開放的なドライブチューン。サビメロに「ソニック カラーズ」の「Planet Wisp」のイントロフレーズを使用するなど，遊び心あるアレンジで楽しませてくれます。
　17〜20曲めの「Ocean View」は，ツービートで駆け抜ける疾走メロコアチューン。通常ラップは「ソニック・ザ・ヘッジホッグCD」，ファイナルラップでは「ソニックR」のメインテーマのメロディが使われています。

　DISC2の2〜5曲め「Ice Mountain」は，ローファイなロックにキラキラなシンセサウンドを乗せた曲。メロディに「ソニック ワールドアドベンチャー」からキュートな「Holoska」を選んだことで，全体的にピュアな仕上がりに。
　DISC3の2〜5曲め「Market Street」は軽く歪ませたパンキッシュなギターフレーズと，「ソニック」らしさを感じさせる音色が特徴。胸キュンなメロディラインは「ソニック ワールドアドベンチャー」の「Rooftop Run」から。
　21〜24曲めの「Turbine Loop」は16ビートで迫る，夜のドライブで聴きたい曲。「ソニック ヒーローズ」の「Final Fortress」のメロディを使いつつ，ガラッと変わったアレンジに驚かされます。

　DISC3枚，全130曲という大ボリュームで聴き応えたっぷりの本サントラ。これからの時期，ドライブのお供にいかがでしょうか。

「チームソニックレーシング」公式サイト

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ボーカル曲も多数収録した初のアレンジアルバム

「Ys VIII SUPER ULTIMATE」

タイトル	Ys VIII SUPER ULTIMATE	→Amazon.co.jpで購入
発売日	2019年5月31日
価格	2800円（税抜）
発売元	日本ファルコム
コピーライト	（C）2019 Nihon Falcom Corporation. All rights reserved.

　今週の2枚めは，ハードでドラマチックな楽曲で多くのゲームミュージックファンを虜にする「イースVIII -Lacrimosa of DANA-」（PS4/Switch/PS Vita）初のアレンジアルバム，「Ys VIII SUPER ULTIMATE」をご紹介。アレンジは「イース −フェルガナの誓い−」以降のファルコム作品に参加している神藤由東大氏と，「東亰ザナドゥ」の主題歌「Seize the day」の編曲などで知られる真我光生氏の2人が担当しています。

　1曲めは「名知らず海岸」のBGMで，「イースVIII」を代表するフィールド曲「SUNSHINE COASTLINE」。さざ波の音をバックにストリングスから入る構成で，シンセをメインにした，洗練されたアレンジに仕上がっています。中盤のギターソロも聴きどころ！

　2曲めはPS4版で追加された「HOPE ALIVE」をボーカルアレンジした「Hope To You」。ハードでクラシカルなロックナンバーを末廣優里が色気たっぷりに歌い上げます。4曲めは「YESTERDAY IN ETANIA」をアレンジした「流れ行く夜を超えて」。神秘的な雰囲気の原曲を活かした美しいバラードナンバーです。

　6曲めはED曲「EVERLASTING TRANSEUNT」をボーカルアレンジした「Everlasting Transeunt 〜永遠の旅人〜」。全編英語による歌詞はインパクト大！　9曲めの「Theos De Endrogram Trance Mix」は本アルバムにおいて異色のトランスナンバー。ダンサブルなビートと軽快なメロディで突っ走ります。

　10曲めは「SUNSHINE COASTLINE」を疾走ロックチューンに仕上げたボーカルアレンジ曲「Eternal Sunshine」。そしてラストの「永遠の旅人」は，「Everlasting Tra nseunt 〜永遠の旅人〜」の日本語詞バージョン。6曲めとは別アレンジの，しっとりとした曲調でアルバムを締めくくります。

　オリジナルBGMとはまた違った魅力が引き出された楽曲を楽しめる，このアルバム。すべての「イースVIII」ファンにオススメしたい1枚です！

「イースVIII -Lacrimosa of DANA-」公式サイト

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■■風のイオナ■■ マーベルランド産まれのフェアリーランドで育ちで現在はNEO TOKYO在住のフリーライター＆編集者。将来はモタビア星に移住して積みゲーを消化しまくるのが夢。ゲーム＆ゲーム音楽に加えて邦楽インディーロック＆サブカルアイドル追跡，自転車旅行，広島東洋カープの応援などが趣味。地下アイドルグループ，DORCA（ドルカ）のプロデュースと，同じく地下アイドルグループ，遊星ギミックのディレクターもやっています。