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Ryzenの実効性能はこれからまだ上がる? AMDがRyzenの利点をアピールする説明会を開催
説明会といっても,ハイエンド市場向けのRyzen 7シリーズとミドルクラス市場向けのRyzen 5シリーズは,どちらも(※発売の遅れた一部を除いて)すでに販売中であり,4Gamerでも「Ryzen 7 1800X」と「Ryzen 5 1600X」,「Ryzen 5 1500X」のレビューを掲載済みだ。マイクロアーキテクチャの特徴もすでに公表済みなので,実際,説明会で明らかになった新情報というものはなかった。
しかし,会場には日本で販売中,あるいは今後登場予定のRyzen対応AM4マザーボード製品が展示されていたので,それらの紹介と合わせて,簡単にイベントの様子をレポートしよう。
Ryzen 5を大きくアピール。パッチで性能が向上したゲームもあり
Ryzenの紹介を担当したのは,AMDにてデスクトップPC向けCPUのマーケティングマネージャーを務めるDon Woligroski氏だ。氏のスピーチは,Ryzen 7から始まり,Ryzen 5,そしてAM4プラットフォームという順番で展開していった。
中でも,氏が大きなウェイトを置いていたのは,4月11日に第1弾製品が登場したばかりのRyzen 5シリーズだ。発売後すでに1か月が過ぎたRyzen 7については,競合となるIntel製CPUとの性能比較結果を示したスライドを示した程度で,ほとんどの時間をRyzen 5のアピールに費やしていた。
「Ryzen 7は優れた性能を有するものの,市場は大きくない。300ドル前後のCPUを使っているユーザーは,その2倍もいる」と述べたWoligroski氏は,Ryzen 5の投入によって,「破壊的な変革をその市場にもたらしたい」と意気込む。とくに,6コア12スレッドの「Ryzen 5 1600X」と「Ryzen 5 1600」は,「今まで,この性能にアクセスできなかったセグメント(ユーザー層)に,優れた性能を提供するものだ」と述べていた。
ゲームにおける性能の優秀さもアピールしている。DirectX 12ベースの「Ashes of the Singularity」(以下,AoS)では,競合の「Core i5-7600K」と比べて約15%,DirectX 11ベースの「F1 2016」では約6%性能で上回るなど,DirectX 12とDirectX 11のどちらを使うゲームでも,Ryzen 5は競合より優れていると主張していた。
4Gamerのレビューでは,Ryzen 5シリーズが,常に性能面で競合を上回れるわけではないことが明らかになっている。しかしWoligroski氏は,既存のゲームがアップデートによってRyzenシリーズに最適化したことによりフレームレートが向上した例を挙げたうえで,ゲーム開発者もRyzenの性能に注目しており,最適化済みタイトルが今後も増えるであろうことを示唆した。
Ryzenの性能を引き出せるようにPCを最適化することで,ゲームのフレームレートを向上させることも可能であると,Woligroski氏は述べる。氏が例に挙げたのは,「Counter-Strike: Global Offensive」(以下,CS:GO)で,「High Precision Event Timer」(HPET)を無効にしたり,Ryzenに最適化したWindows 10用電源プラン「AMD Ryzen Balanced」を導入したりすることで,フレームレートが向上したというスライドを示した。
もっとも,CS:GOは,最適化前でさえフレームレートが300fpsに達しているので,評価の対象として適当なゲームかどうかは疑問が残る。
現状では,Intel CPUに勝ったり負けたりといったRyzenシリーズではあるが,今後のゲームでRyzenを考慮したタイトルが増えていけば,さらに高い性能を引き出せるようになるだろう。AMDによるゲーム開発者取り込みの努力に期待したいところだ。
Ryzen対応AM4マザーボードが勢揃い
冒頭でも触れたとおり,説明会場にはPCメーカー各社のRyzen搭載PCや,マザーボードメーカーのAM4マザーボードが多数出展されていた。ほとんどが発売済みの製品ばかりであるが,4Gamerで取り上げたことのないものも多いので,簡単ではあるがまとめて紹介しよう。なお,掲載順はメーカー名のアルファベット順である。
ASRock
ASUSTeK Computer
ASUSTeK Computerは,会場に3種類のAM4マザーボードを持ち込んでいたが,ゲーマー向け製品は「ROG CROSSHAIR VI HERO」の1種類のみ。X370チップセット搭載ではあるが,エントリー市場向けに位置付けられたATXマザーボードである。実勢価格は3万8000円前後だ。
BIOSTAR MICROTECH
とくに注目は,X370チップセットを採用する発売前のMini-ITXマザーボード「RACING X370GTN」。Mini-ITX仕様でX370を搭載する製品は,おそらくこれが国内初の製品となるだろう。Ryzenを使って小型ゲームPCを作ろうと考えている人なら,見逃せない製品となりそうだ。
GIGA-BYTE TECHNOLOGY
GIGA-BYTE TECHNOLOGY(以下,GIGABYTE)は,B350チップセット搭載でATX仕様の「GA-AB350-Gaming 3」と,Micro-ATX仕様の「GA-AB350M-Gaming 3」を出展していた。
なお,GIGABYTEのRyzen対応AM4マザーボードについては,Ryzen 7発売後にラインナップを紹介済みなので(関連記事),そちらも参照してほしい。
GA-AB350-Gaming 3:実勢価格は1万5000円前後 |
GA-AB350M-Gaming 3:実勢価格は1万3000円前後 |
MSI
MSIは,X370チップセット搭載マザーボードを2製品,B350チップセット搭載マザーボード1製品を出展していた。
AMD 公式Webサイト
- 関連タイトル:
Ryzen(Zen,Zen+)
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