総試用時間:3時間
R7 360 2GD5 OC
メーカー:MSI
問い合わせ先:アスク(販売代理店)サポートセンター 03-5215-5652(平日10:00〜12:00および平日13:00〜16:00)
実勢価格:1万5500〜1万7000円程度(※2015年12月24日現在)
![画像集 No.002のサムネイル画像 / HW短評:MSI「R7 360 2GD5 OC」(1)カードの外観とクーラーの冷却能力,静音性を確認](/games/300/G030066/20151223002/TN/002.jpg) |
MSIの「
R7 360 2GD5 OC」は,GPUに「
Radeon R7 360」(以下,R7 360)を採用したエントリー市場向けグラフィックスカードである。製品名に「OC」と付いていることから分かるとおり,メーカーレベルで動作クロックを引き上げたクロックアップモデルとなっており,リファレンスクロックがGPUコア最大1050MHz,メモリクロック6500MHz相当(※)のところ,GPUクロックの最大クロックが1100MHzへと50MHz高く設定されているのが特徴だ。
※AMDの製品情報ページだとR7 360のメモリバス帯域幅は「最大112GB/s」だが,4Gamerで入手したAMD公式のR7 360製品資料では104GB/sで,リファレンス仕様とされる玄人志向製R7 360カード「RD-R7-360-E2GB/G2」も104GB/sであるため,本稿ではメモリクロック6500MHz相当,メモリバス帯域幅104GB/sが公式のリファレンス仕様としている。
カード長は実測で約164mm(※突起部含まず)という短尺仕様。基板自体は157mmなので,7mmほどGPUクーラーが後方へはみ出た格好だ
![画像集 No.003のサムネイル画像 / HW短評:MSI「R7 360 2GD5 OC」(1)カードの外観とクーラーの冷却能力,静音性を確認](/games/300/G030066/20151223002/TN/003.jpg) |
カード長は実測で約164mm(※突起部含まず)で,Mini-ITXマザーボードの横幅(※170mm)に収まるサイズ。GPUクーラーは2スロット仕様で,GPUに触れるアルミ製ヒートシンクを90mm角相当のファンで冷却する構造だ。なお,今回GPUクーラーの取り外しは許可されなかったので,分解写真は掲載できないが,隙間から覗き込んで確認した限り,電源部は4+2フェーズ構成で,搭載するメモリチップはSK Hynix製GDDR5「H5GC4H24AJR-R0C」(7.0Gbps品)だった。
補助電源コネクタは6ピン×1という構成。マザーボードと垂直方向に実装されている。カード背面はシンプル
![画像集 No.004のサムネイル画像 / HW短評:MSI「R7 360 2GD5 OC」(1)カードの外観とクーラーの冷却能力,静音性を確認](/games/300/G030066/20151223002/TN/004.jpg) |
![画像集 No.005のサムネイル画像 / HW短評:MSI「R7 360 2GD5 OC」(1)カードの外観とクーラーの冷却能力,静音性を確認](/games/300/G030066/20151223002/TN/005.jpg) |
アイドル時でもファンの回転数は1500rpmまでしか下がらなかった。また,ディスプレイ出力がオフになるロングアイドルモードでもファンは停止せず。「AMD ZeroCore Power Technology」がうまく機能していない印象だ
![画像集 No.006のサムネイル画像 / HW短評:MSI「R7 360 2GD5 OC」(1)カードの外観とクーラーの冷却能力,静音性を確認](/games/300/G030066/20151223002/TN/006.jpg) |
さて,GPUクーラーの冷却性能だが,
表のテスト環境で試した限り,アイドル時は27℃,「3DMark」(Version 1.5.915)の「Fire Strike」を30分間連続実行した時点で63℃だった。アイドル時でも低いのは,ファンが停止せず,1500rpmと比較的高めの回転数で回り続けているからだろう。
アプリケーション実行時の温度は比較対象と比べると若干高いが,このクラスのGPUからすると,まったく問題のないレベルでもある。
![画像集 No.007のサムネイル画像 / HW短評:MSI「R7 360 2GD5 OC」(1)カードの外観とクーラーの冷却能力,静音性を確認](/games/300/G030066/20151223002/TN/007.gif) |
※「GeForce GTX 750」を搭載するGIGA-BYTE TECHNOLOGY製カード「GV-N75OC-1GI」はメーカーレベルのクロックアップモデルであるため,MSIのオーバークロックツール「Afterburner」(Version 4.2.0)を用い,リファレンスレベルにまで動作クロックを引き下げて利用している |
![画像集 No.008のサムネイル画像 / HW短評:MSI「R7 360 2GD5 OC」(1)カードの外観とクーラーの冷却能力,静音性を確認](/games/300/G030066/20151223002/TN/008.gif) |
テストは,無操作時にもディスプレイ出力が無効化されないよう指定したうえで,比較対象として用意しつつ行った。なお,テスト時の室温は24℃。テストシステムをPCケースに組み込まない,いわゆるバラック状態に置いてある |
最後に,GPUクーラーの静音性だが,下記に掲載したサウンドファイルを聞いてもらうのが早いだろう。回転数が高いため,アイドル時でも相応に動作音があり,また,ベンチマーク実行2分後,つまり冒頭から3分後にはファンの回転数が2000rpmに達し,その動作音は相応に大きくなる。うるさいというレベルではないものの,静音性に優れているとは言い難いので,動作音よりもカード長の短さを取る人向けのR7 360カードといえるかもしれない。
SOUND PLAYER:このブラウザは未対応です。PCをご利用ください。
※再生できない場合は,Waveファイルをダウンロードのうえ,手元のメディアプレイヤーで再生してみてください。
※HW短評に関する注意
- HW短評(ハードウェア短評)は,各執筆者が,テスト経過時点でのインプレッションをまとめたものです。最終的な評価の掲載を目的とするわけではないため,次回以降のHW短評,もしくは別途掲載されるレビュー記事などとは異なる評価が掲載されることもあります
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