［TGS 2015］「逆転裁判6」プレイレポート。被害者の五感を可視化して新たな証拠を探しだす新システムを体験してきた

　カプコンは，千葉・幕張メッセで開催中の東京ゲームショウ2015にて，ニンテンドー3DS用ソフト「逆転裁判6」のプレイアブルバージョンを，同社のブースに出展している。本稿では，このプレイアブルバージョンで体験できる新システム「霊媒ビジョン」の概要を中心に，インプレッションをお伝えしよう。

カプコンブース内の「逆転裁判6」コーナー

　プレイアブルバージョンで描かれるストーリーの背景および概要は，「こちら」の記事が詳しいので参照してほしい。ゲームは，見習い僧侶のボクト・ツアーニが，クライン王国の秘宝「始祖の宝玉」の窃盗および警備員の殺害容疑をかけられ，姫巫女レイファ・パドマ・クラインが下す「御魂の託宣」によって有罪判決がなされる寸前の裁判パートからスタートする。

被告となったボクト・ツアーニ

「御魂の託宣」を下す姫巫女レイファ・パドマ・クライン

　プレイヤーは主人公の「なるほどくん」こと成歩堂龍一に扮し，裁判パートの前半では従来のシリーズ作品と同様に，証拠品などを使って証人の証言に潜む「ムジュン」を暴きだしていく「尋問」を行うことになる。

主人公は，シリーズおなじみの「なるほどくん」こと成歩堂龍一

　そして裁判パートの後半では，いよいよ新システム「霊媒ビジョン」が登場する。霊媒ビジョンはレイファが持つ能力で，被害者が死の直前に見たものや聞いた音，嗅いだ匂いなどの感覚を，3DS本体の上画面に文字で映し出す。

「霊媒ビジョン」の上画面。被害者の視点から見た映像が映し出され，刻々と変化していく感覚が文字として表示されていく

　一方，3DS本体の下画面には，霊媒ビジョンの映像に対するレイファの説明が表示される。この説明は，上記の証言と同様の役割を担っており，プレイヤーは文字として映し出される感覚と説明のムジュンを探していくこととなる。

「霊媒ビジョン」の下画面。上画面の映像に対する説明が，テキストで表示される

　ムジュンを探す手順は，まずレイファによる説明テキストの怪しい部分を下画面に表示させておき，それから被害者が死に至るまでの流れに沿って上画面に次々に映し出される感覚の中から，怪しい部分を選択して突きつけるというもの。上画面の映像は任意の部分でポーズでき，下画面のタッチやボタンで送ったり戻したりもできるので，ストレスなくスムーズに怪しい部分を指摘できるようになっている。今回のプレイアブルバージョンは，いくつかのムジュンを見事に指摘できればクリアとなる。

このプレイアブルバージョンには，どこかで見たような人物も登場。いろいろツッコミどころはあるが，気にしたら負けのような気もする……

　文字として映像化される被害者の感覚，そしてそれを説明テキストと照らし合わせてムジュンを指摘していくのが面白く，製品版における霊媒ビジョンのバリエーションに期待が高まるところ。
　しかし，それ以上に筆者が気になったのは，ストーリー上でのレイファの立ち位置がこれからどうなっていくのかという部分だ。このプレイアブルバージョンでは，レイファは成歩堂龍一の敵であるかのように描かれているが，事実上，彼女の能力はムジュンを暴く手段となっている。
　歴代シリーズだと，ムジュンを暴く手段を持つ人物は，まよいちゃんからココネに至るまで主人公の味方として描かれてきた。ということは……と，今後のストーリー展開に対する妄想が膨らむが，その真相は果たしてどうなっているのか，それは製品版をプレイするまでの楽しみとしておこう。

「逆転裁判6」公式サイト