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[GDC 2017]6億5000万ダウンロードを達成した「Pokémon GO」のデザインとは。今後のアップデート内容も語られたセッションをレポート
ホアン氏はこのセッションで,Pokémon GOが現在までに6億5000万ダウンロードを記録したことを発表。北米ローンチから2か月の時点で5億ダウンロードを突破したことが明らかにされているので,そこからさらに半年ほどで,1億5000万ものプレイヤーを獲得したことになる。
サービス開始当初は,予想の50倍ものプレイヤーが参加したことによるサーバー負荷への対応に追われたとのことで,コンテンツ面での大きなアップデートは,2017年2月に「ポケットモンスター 金・銀」のポケモン80種類が追加されるまで待たなければならなかった。
その間に離れてしまったプレイヤーは少なくない,と見るメディアもあったのだが,今回の6億5000万ダウンロードという発表には,まだまだプレイヤーが多いことをアピールする狙いもあるのかもしれない。
ホアン氏はGoogleにインターン時代から15年ほど在籍し,Googleのお遊びロゴ“デューデュル”を年間50ほど作っていたという。その後は「Ingress」のプロジェクトに参加し,2015年にGoogleから独立したNianticでは,ビジュアルデザイン・ディレクターという役職で,UX(ユーザーエクスペリエンス)やUI(ユーザーインタフェース)のデザイン面を担当してきた。
Ingressがローンチされた2012年は,AR(拡張現実)はおろかVR(仮想現実)を実現するハードウェアやアプリケーションもなかったが,Nianticを設立したJohn Hanke(ジョン・ハンケ)氏の「ARを体現できるハードウェア(スマートフォン)は,もう手元にある」という信念に沿って,人々が現実世界をゲーム世界に見立てて歩き回るというコンセプトが編み出された。
Ingressは秘密結社や陰謀論といった,少々人を選ぶダークなテーマを扱っているが,リリース後は多くのプレイヤーが外を歩き回って,60%のプレイヤーが減量に効果があったとレポートした。これにより,ホアン氏たちは「ARゲームが参加者の行動パターンをポジティブに変化させる」と確信したのだという。
Googleから独立して任天堂と交渉したのも,その信念をさらにマスマーケットに浸透させようという意思にほかならないわけだ。
元々ウェブデザイナーだったホアン氏が手がけただけに,Ingressはいかにもツール風のインタフェースだったが,Pokémon GOは片手でもプレイしやすい,よりタッチ操作向きのデザインになった。
ホアン氏は,より多くの人がストレスを感じないで楽しめることを意識したと語り,Ingressでは不十分だった「Cognitive Dissonance」(認知的不協和)への対策を,Pokémon GOの企画当初から練っていたことを明かした。
ARという,現実と非現実が交差するPokémon GOだけに,既存のポケモンシリーズ作品よりリアルな表現も感じられるが,これも「Cognitive Dissonance」を解消するというコンセプトで説明ができるだろう。
さて,Pokémon GOの今後については,こちらの記事で紹介した通り,ほかのプレイヤーと楽しむ協力や対戦型のゲームシステムが計画されているが,今回のセッションでは,それに加えてデザイナーとしてのホアン氏の取り組みも紹介された。
それによると,現在では「昼」と「夜」しかない時間帯の表現に「朝」や「夕方」などを加えるほか,天気予報のプログラムと連動させて,リアルタイムで天候表現をすることを計画しているという。
また,宮城県庁観光課と協力する形で行われた「ポケストップ追加企画 Explore Miyagi」(関連記事)を例に出して,今後は各国の地方自治体と協力する形でのイベントも増やしていきたいとのことだった。
ホアン氏は今回紹介したアップデート計画を“モックアップ”と称していたが,早い段階で実装されることに期待しよう。
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(C)2017 Niantic, Inc. (C)2017 Pokémon. (C)1995-2017 Nintendo/Creatures Inc. /GAME FREAK inc.
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