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もしも第二次世界大戦が続いていたら。そんな物語を描くコンシューマ機版「World of Tanks」の大型アップデート「Mercenaries」の開発者インタビュー
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印刷2018/06/27 21:19

インタビュー

もしも第二次世界大戦が続いていたら。そんな物語を描くコンシューマ機版「World of Tanks」の大型アップデート「Mercenaries」の開発者インタビュー

 Wargaming.netが開発・運営するFree-to-Playの“戦車アクションゲーム”「World of Tanks」PS4 / Xbox One / Xbox 360)。そのコンシューマ機版において,大規模アップデート「World of Tanks: Mercenaries」が配信された(関連記事)。


 「もしも第二次世界大戦が続いていたら」という“ifの世界”で,傭兵(Mercenaries)たちが活躍する物語が描かれる。戦車の残骸から作り上げられた傭兵たちのオリジナル戦車が「傭兵国家」として登場し,シングルプレイモードの「ウォー・ストーリーズ」には各傭兵の物語が実装される。

 今回はコンシューマ機版「World of Tanks」のプロデューサー兼ゲームデザイナーを務めるWargaming.net シカゴオフィスのダロルド・ヒガ氏と,Wargaming.net ベラルーシオフィスでCISリージョナルプロダクトディレクターを務め,本アップデートで登場する傭兵“Lost Renegade”のモデルとなったアナスタシア・プリビルスカヤ氏に話を聞けたので,その内容をお届けしよう。

ダロルド・ヒガ氏(左)とアナスタシア・プリビルスカヤ氏(右)
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4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。それではまず,お2人の自己紹介からお願いします。

ダロルド・ヒガ氏(以下,ダロルド氏):
 ダロルド・ヒガです。Wargaming.netのシカゴオフィスでコンシューマ機版「World of Tanks」のプロデューサー兼シニアゲームデザイナーで,本作のストーリーなども担当しています。

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アナスタシア・プリビルスカヤ氏(プリビルスカヤ氏):
 Wargaming.netベラルーシオフィスのアナスタシア・プリビルスカヤです。CIS地区のプロダクトディレクターとして,コンシューマ機版「World of Tanks」のコミュニティマネジメント,コンテンツマネジメント,PR,CSなど,すべてのオペレーションおよび財務業績管理を行っています。
 そして,World of Tanks: Mercenariesに登場するキャラクターの1人「Lost Renegade」のモデルでもあります。

4Gamer:
 プリビルスカヤさんがモデルのキャラクターが登場するんですね。ひょっとしてMercenariesで登場する5人の傭兵は全員Wargaming.netのスタッフがモデルになんですか?

プリビルスカヤ氏:
 ええ,実はそうなんです。私も含めて5人のモデルがいて,容姿もそうですが,性格などもキャラクターに反映されています。例えば“Stubb”という軽戦車を操る“Crazy Snake”というキャラクターのモデルとなったスタッフはクレイジーですよ(笑)。
 戦車にも性格と容姿が反映されていて,私は普通くらいなので中戦車の車長です。もっとガッチリした体格だったら重戦車だったかもしれません。

右から2番めキャラクターがアナスタシア・プリビルスカヤ氏がモデルの“Lost Renegade”。当然だが似ている
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4Gamer:
 なるほど。戦車から伝わる性格というのもありそうですね。ほかのモデルになった人にも会ってみたいです(笑)。
 Mercenariesは第二次世界大戦が続いた“ifの世界”がテーマになっているとのことですが,具体的にどういった状況なのでしょうか。

ダロルド氏:
 太平洋戦争でいうと日本がミッドウェー海戦で大敗しておらず,欧州ではドイツが欧州東部に対して積極的な攻勢に出ていない世界となっています。

4Gamer:
 仮想戦記モノの小説あたりでよく題材にされるテーマですね。その後の「Mercenaries」に続くまでに何が起きたのかという細かい設定もあるんですか?

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ダロルド氏:
 いえ,そこまではオフィシャル設定として公開していません。ですが,私の個人的な考えをいうと,日本の空母機動艦隊が健在で,アメリカが太平洋戦争に注力せざるを得ない状況となり,結果としてアメリカの対ドイツ戦への参戦が遅れるのではないかなと。
 また,この世界でのドイツは全方位に侵略せず,堅実に足場を固めていく方針をとっており,西部戦線に戦力を集中できる状態なので,アメリカの参戦も遅れることから,第二次世界大戦が長期化すると考えました。
 戦争の結果自体に変化はないと考えていますが,戦争が長引くと参戦国は疲弊すると思います。

4Gamer:
 たしかに,その2つの“if”が起これば,そうした世界になる可能性もありますね。

ダロルド氏:
 そうです。そして,疲弊して「弱体化した各国の力関係が拮抗している」というのがMercenariesの世界観です。そうした世界では,新たな戦力として傭兵たちが脚光を浴びています。

4Gamer:
 なるほど。よくわかりました。
 では次に,ウォー・ストーリーズでフィクションの物語が描かれていましたが,Mercenariesは世界観そのものが別次元の方向に舵を切っています。なぜ“if”の方向に展開していったのでしょう。

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ダロルド氏:
 1つは「ウォー・ストーリーズ」の評判が良かったことが理由です。プレイヤーは“if”の物語でも楽しんでくれていて,それをもっと発展させてみようということになったんです。今回の「Mercenaries」では仮想の戦史だけでなく,キャラクター性も押し出しています。
 もう1つの理由は「戦車を増やすため」ですね(笑)。

4Gamer:
 戦車はもう出し尽くした感じがしてましたからね。
 各車両を組み合わせたオリジナル戦車が登場しますが,そちらについても教えてください。

ダロルド氏:
 傭兵たちが操る戦車は,激戦区で損傷した戦車のパーツなどを拾い集めて製作されているという設定です。例えばストーリー専用の“Trinity”という戦車は,ソ連のT-44の車体,アメリカのスーパーパーシングの砲塔,砲はドイツ製という具合になっています。
 この車両はシングルプレイ用に製作されたので非常に強力なのですが,マルチプレイで使用できるMercenaris車両は,これまでの戦車の統計データをもとに,バランスが取れるように設計していますよ。

4Gamer:
 傭兵の戦車を見たとき,イスラエルが生んだスーパーシャーマンを思い起こしました。

ダロルド氏:
 近いかもしれませんね(笑)。

 戦車に関してはもう1つ,今までとは違うシステムを導入しています。
 これまでは軽戦車,中戦車,重戦車という“戦車の種類”で役割が大まかに決まっていましたが,傭兵の戦車は種類に関わらず「役割」が割り振られています。今までとは違う楽しみ方ができると思いますよ。

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4Gamer:
 なるほど。極端な例えですが,軽戦車だけど攻撃役だったり,重戦車だけど偵察役だったりするわけですね。面白いですが,熟練のプレイヤーほど最初は戸惑うかもしれません(笑)。
 入手方法も既存の技術ツリーとは少し違うようですが,傭兵の戦車はどうやって手に入れるんでしょうか。

ダロルド氏:
 傭兵は“契約”することでそのキャラクターと車両を使うことができます。“契約”はミッション形式で,これまでのイベントにあったような,プレミアム車両が手に入るミッションの発展版と考えてもらえると分かりやすいかなと。
 傭兵車両は基本的に無料で手に入りますが,ゴールドで入手することも可能ですよ。“契約”ミッションいくつかの段階に分かれていて,段階を進むごとに値段も下がっていきます。

4Gamer:
 今後も傭兵車両は増えていくのでしょうか?

ダロルド氏:
 もちろん。いろいろな傭兵の戦車を考えていますし,新たなストーリーも追加していく予定です。どんな組み合わせの戦車が登場するのかは,実装されてからのお楽しみということで。

4Gamer:
 どんなユニークな戦車が登場するのか楽しみです。
 本日はありがとうございました。

自由すぎるWoTチュートリアルコンテストの開催も発表された
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配信開始に合わせて行われたセレブレーションパーティーで,クラッカーをならすダロルド氏。素敵な笑顔
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