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Rez Infinite
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10月13日の発売が近づく「Rez Infinite」プレイレポート。水口哲也氏へのミニインタビューと合わせてお届け
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印刷2016/09/28 00:00

プレイレポート

10月13日の発売が近づく「Rez Infinite」プレイレポート。水口哲也氏へのミニインタビューと合わせてお届け

画像集 No.001のサムネイル画像 / 10月13日の発売が近づく「Rez Infinite」プレイレポート。水口哲也氏へのミニインタビューと合わせてお届け
 2001年にPlayStation 2およびDreamcast用ソフトとして発売された「Rez」は,音楽とシューティングを融合させた独創的なゲーム性が話題を集めた。
 そのRezをPS4向けにリマスターした「Rez Infinite」が,2016年10月13日に発売される。単なるリマスターではなく,4K解像度やPS VRにも対応しており,まさに新世代のRezとして,発売を楽しみにしている人も多いだろう。

 今回,PS VR対応ステージの「Area X」を含めた同作の試遊に加えて,開発を担当するエンハンス・ゲームズの水口哲也氏にインタビューする機会を得たので,その模様をお届けしよう。


画像集 No.002のサムネイル画像 / 10月13日の発売が近づく「Rez Infinite」プレイレポート。水口哲也氏へのミニインタビューと合わせてお届け

 今回の試遊とインタビューはエンハンス・ゲームズで行われたのだが,まず驚かされたのが試遊用のスペースだ。会議室にPS4とディスプレイが置いてある……くらいを想像していたのだが,写真でお分かりのとおり,ホールと言ったほうがしっくりくる大きさのスペースに,巨大なスクリーンが設置され,そこにRez Infiniteの映像が流れていた。
 そして,部屋の中央にある椅子に座っていたのが水口氏。「お待ちしておりました」と笑顔で迎えてくれた。

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 豪華すぎるシチュエーションに圧倒されてしまったが,さっそくRez Infiniteを体験することに。本作には,オリジナル版の「気楽にRez」「スコアアタック」といったモードがすべて収録されているが,今回は本作のコンセプトが最もよく分かるという「気楽にRez」からプレイした。
 巨大なスクリーンにも惹かれたが,本作の特徴でもあるグラフィックスの美しさを存分に味わうため,別途用意されていた4Kディスプレイでのプレイだ。

 「気楽にRez」で楽しめるのは,オリジナル版から引き継いだ全5ステージ。プレイヤーキャラクターはワイヤーフレームで描かれた電脳空間を進みながら,途中で現れるエネミー(ウイルス)を撃ち落としていく。
 基本的な操作は,コントローラの左スティックでエネミーにカーソルを合わせてロックオンし,[×]ボタンで攻撃,といった感じ。[×]ボタンを押したまま複数のエネミーにカーソルと合わせていくと,最大8体までロックオンでき,そこでボタンを放すと,一度に撃ち落とせる。

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 こう書くとただのシューティングゲームだが,本作をユニークなものにしているのが,前述した音楽の要素だ。敵を撃破したときの効果音がリズムを奏でて,うまくプレイすればするほど,BGMのノリが良くなる。自分のプレイが映像だけでなく,BGMともシンクロする感覚が気持ちよく,気分が高揚し,独特の没入感が生まれてくるのだ。
 今回のプレイでは,4Kグラフィックスのおかげもあってか,敵を撃ち落としたときやワープ時のエフェクトなどがさらに美しくなり,没入感も高まっているように感じられた。

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 敵の攻撃を受けると,プレイヤーキャラの形態が変化していき,最終形態でダメージを受けるとゲームオーバー。ゲームを進めるためには,できるだけ敵を撃ちもらさないようにしなければいけない。
 また,途中で現れるキューブを8個撃つとワープし,フィールドの景色が一変するという要素もある。

 「気楽にRez」に続いて,新コンテンツである「Area X」を,PS VRでプレイさせてもらった。
 空間を進みながら敵を撃ち落としていくという基本はそのままだが,ほかのモードがレールの上を進んでいく感じだったのに対して,「Area X」は自由に移動しながら戦えるシーンがあるのが大きな特徴となっている。


 周囲360度全方位がフィールドになっており,首を左右に振ればその方向を確認できるほか,[L1]ボタンで前進,[L2]ボタンで後退が可能。自分がゲームの世界の中に完全に入り込んで,まるで宇宙空間を漂っているような感覚になった。

 自由に移動できて周囲を見渡せるが,当然敵も前後左右のあらゆる方向からやってくるようになっており,基本的なシステムは同じながら,プレイ感は大きく変わっている。
 また,前述したRez特有の没入感は,VRとの相性が抜群だ。今回のプレイでは,PS VR同梱のイヤフォンではなく,別途用意されていたヘッドフォンを使用したが,没入感を追求するなら,ヘッドフォンにもこだわったほうがいいだろう。
 なお,ゲーム開始当初にArea Xは選択できず,Rez Infiniteを60分プレイすると開放されるとのこと。

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 それでは,水口氏へのミニインタビューの模様をお届けしよう。

4Gamer:
 「Rez Infinite」は,オリジナル版のリリースから15年経ってのリマスター版となりますが,開発のきっかけを教えてください。

水口哲也氏(以下,水口氏):
 4K解像度やVR対応など,「現在の技術でできる最高のRezを作ろう」という思いで,開発に取り組みました。2年間の構想を経て,開発に1年半かかりましたが,非常にいいタイミングでの発売になったと思います。

4Gamer:
 単なるリマスターではなく,VRや4K対応にも対応するとなると,開発には相当手間がかかったのではと思うのですが,いかがでしょうか。

水口氏:
 オリジナル版からのステージは,テクスチャをすべて描き直しています。細かいところまで描き込まないと粗が見えてしまうので,その点は手間がかかりました。
 一方Area Xは,初めから4Kに対応できる解像度を目指して作っており,納得できる仕上がりになりました。

4Gamer:
 「Area X」は単なるPS VR対応モードではなく,プレイ感も大きく変わっていますね。

水口氏:
 現在の技術と,これまで積み重ねてきた経験を組み合わせて,まったく新しいRezをお届けしようというのがコンセプトです。
 Rezを最初に発売してから15年経ちますが,いまだに楽しんでいただいているプレイヤーが世界中にいます。対応ハードが手に入りづらくなっているので,最新のハードで遊んでいただこう,せっかく新しいハード向けに作るのであれば,新しいものも入れようと。

4Gamer:
 満を持しての新モード,といった感じですね。

水口氏:
 今まで26年間ゲーム業界に携わってきて,Rez以外にも「セガラリー」「スペースチャンネル5」「ルミネス」といったタイトルを開発してきましたが,単に面白いだけではなく,「面白くて気持ちいいもの」を追求してきました。そしてたどり着いたのが,「シナスタジア」(共感覚)という言葉です。
 そのシナスタジアを体現するのが音楽とビジュアルの融合で,Area Xでは,VRによってシナスタジアの体験をどこまで進化させられるかに挑戦しました。今までで一番ワクワクしながら作りましたし,自信を持って送り出せる作品になったと思っています。

東京ゲームショウ2016のPlayStationブースで,体の各部が音に合わせて振動する「シナスタジアスーツ」を着用しプレゼンテーションを行う水口氏(関連記事)。水口氏はゲームシステム以外の部分でも,シナスタジアを追求している
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4Gamer:
 Area Xはシナスタジアの集大成,ということでしょうか。

水口氏:
 集大成というよりも,新たな始まりと思っています。2001年にRezを作ったときから,私の中ではVR的なイメージを持っていました。ただ,当時は,いろいろなものが縦横比4:3のフレームの中に制限されてしまうので,いつかそれがなくなったときに,もっと面白いものを作ってやろうと思っていたんです。VRが実現して,やっとその時代が来たという感じです。

4Gamer:
 VRで理想に一歩近づいたということですね。これまでにない要素も加わって,苦労した点もあったかと思いますが。

水口氏:
 気持ち良くなってもらうことがテーマの作品なので,VR酔いには特に気を付けました。どうやったら酔わないか,一緒に開発したMonstarsとResonairの2社とずいぶん試行錯誤を重ねたんです。結果的には,乗り物酔いしやすい人が大丈夫だと言ってくれるものになったので,自信を持っています。

4Gamer:
 では,プレイヤーに向けてのメッセージをお願いします。

水口氏:
 Area XはやはりPS VRでプレイしていただきたいですね。4Kにも対応しているので,平面のディスプレイでも十分楽しめますが,私の感覚だと,PS VRでのプレイはその8から10倍ぐらいの新しい体験で,皆さんの期待や想像を,いい意味で裏切れると思っています。
 また,Rez Infiniteは,将来作ろうとしている作品のプロローグや予告編のようなものでもあります。

4Gamer:
 おっと,既に次回作の構想が浮かんでいるんですね。

水口氏:
 構想は次回作だけでなく,頭の中に複数あります。これまではいろいろな制限があってフラストレーションを感じていたんですが,VRによってその制限がなくなり,自分がイメージした通りのゲームを作れるようになりました。本当に楽しくて,今が自分自身で一番興奮しています。

4Gamer:
 それは素晴らしい。

水口氏:
 Rez Infiniteのアートディレクターは,高校生の時にRezをプレイしたことがきっかけで,ゲーム業界に入ってきました。そうした若い世代と一緒にゲームを作ることでも,何か新しい化学反応を起こせるのではないかと期待しています。
 エンハンス・ゲームズは,今後もVR対応タイトルを中心に,たくさんのゲームを作っていきたいと思っていますので,ぜひご期待ください。

4Gamer:
 ありがとうございました。

試遊用のスペースには,Rez Infiniteのアートワークも展示されていた。水口氏の左にいるのが,Rezのプレイをきっかけにゲーム業界へ入ったというアートディレクターの石原孝士氏
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 なお,一般のプレイヤーに向けた本作の試遊&カウントダウンイベントが,10月13日の発売日直前に開催される予定になっている。Area XをPS VRでプレイできるとのことなので,本作の魅力を感じられる絶好の機会になるはずだ。詳細が決まり次第,改めてお伝えする。

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