プレイレポート
「シドマイヤーズ シヴィライゼーション VI」を発売前にプレイ。広がり続ける都市と,指導者の人となり。2つの面白さを堪能
ちなみに,用意されていたのは英語版で,スクリーンショットの撮影も禁止されていたので,このページにはオフィシャルフォトとオフィシャルムービーを掲載している。また,開発バージョンということで,使われている用語やシステムが製品版とは異なる可能性もあり,その点は,あらかじめご了承願いたい。
「シドマイヤーズ シヴィライゼーション VI」公式サイト
さて,「シドマイヤーズ シヴィライゼーション」シリーズは,文明の発展をテーマとしたターン制のシミュレーションゲームだ。プレイヤーは日本やアメリカ,エジプトなど18の文明から1つを選んで,そのリーダーとなり,ほかの文明と戦争や外交を行いながら,さまざまな技術を開発し,古代から中世,近代,そして未来へと自分の文明を発展させていく。
こう書くと,実際の歴史に詳しくないと遊べない「歴史ゲー」に見えてしまうかもしれないが,そんなことはない。むしろ,ゲームを通して技術の発達や文明の成り立ちを学べるシリーズといっていいだろう。例えば,「車輪」の技術があればチャリオット(古代戦車)が作れるようになり,「帆走」技術なら沿岸の魚を食糧資源として採集できるなど,技術を開発するたびにプレイヤーのできることが広がり,文明の発展を体感できる。
登場する文明のリーダーは歴史上の人物をモデルにしているが,日本は鎌倉時代の「北条時宗」,エジプトは紀元前の「クレオパトラ」,アメリカは20世紀の「セオドア・ルーズベルト」といった具合で,活躍した時代はバラバラ。時空を越えてリーダー達が大集結する中,自分の文明を作りあげていくわけだ。
今回,プレイできたのは北条時宗が率いる「日本文明」だった。日本文明は,後述する「区域」をまとめるとボーナスが得られる「明治維新」と,沿岸地域で戦うと戦闘力が上がる「神風」という固有の特殊能力を持っている。また,日本文明固有のユニットとしては「侍」があり,彼らはダメージを受けても戦闘力が下がらない世界屈指の強兵だ。そして,文明がさらに発展すると「エレクトロニクス工場」を建てられるのも特徴になる(関連記事)。とはいえ,テストプレイの時間が限られていたため,侍やエレクトロニクス工場が登場するには至らなかった。すみません。というか,時間がかかるゲームなのだ。
箱庭ゲーム的に,都市の発展を眺めて楽しむ「区域」
パッと見,従来作との大きな違いはグラフィックスに箱庭ゲーム的なエッセンスが取り入れられているところだろう。都市を発展させ,その様子を眺めることがとても楽しくなったのだ。こうした面白さを提供してくれているのが,広がりゆく都市を表現する区域システムとなる。限られた土地に施設を配置し,最大限の効果を生み出そうという趣向だ。
シヴィライゼーションシリーズでは,地形は六角形のタイルを組み合わせた地図で表現されている。従来作では都市が1マスに収められていたのだが,今回は都市の周囲のヘックスに施設を建てることになり,それぞれの施設は都市にさまざまな影響をおよぼす。その施設を建てるための用地が,システム名である“区域”というわけだ。
もちろん,土地(タイル)は有限なので,どういった区域を用意し,どんな施設を建てるかが頭の使いどころになる。経済重視なら商業施設,住民の幸福を求めるなら劇場,軍備を整えたいなら兵舎,そして科学の発展を目指すならキャンパスと,選択肢は多彩だ。
キャンパス区域が森林の近くにあるとボーナスが入るなど,周囲の地形が影響をおよぼすところも奥深い。日本文明は,上記の「明治維新」からも分かるように,コンパクトにまとめるほど効率が良くなり,これによって小さな島国らしさが表現されている。
もちろん,施設を建てるにはそれなりに文明を発展させて「技術」を手に入れる必要がある。技術はツリー状に配置され,ゲームを進めることで次々にアンロックされていく仕組みだ。片っ端からアンロックしていくのがいいのか,あるいは一定の方針に従って決め打ちしていくのがいいのか,取るべき戦略までは分からなかったものの,プレイヤーの戦略と地形次第で多彩なバリエーションが生まれそうだ。ちなみに,マップの地形はゲームを開始するたびに自動生成されるとのこと。海辺で強みを発揮する日本文明だが,場合によっては海に到達できない状況も起きうるから,油断できない。
上記のように,ゲーム画面を眺めるのは楽しい。
最初は掘っ立て小屋が建ち並ぶ集落に過ぎなかった首都「KYOTO」(シリーズ従来作と同様,都市には選んだ文明に応じた名前がランダムで付けられる)が,やがて,お城を中心に屋敷が建ち並ぶ都会に発展し,西の湖には巨大な水道橋が伸び,北の山裾には学園都市が広がり,南の平野には寺院と野外劇場がたたずむ。すべて自分が作り上げたモノであり,眺めているだけで満足感があふれてくる。ふふふ。
リーダーの人となりを表す「アジェンダ」
テストプレイでもう一つ印象的だったのが,外交における「アジェンダ」システムだ。18の文明にはそれぞれリーダーがいるのだが,彼らの信条を表すのがアジェンダとなる。このアジェンダに沿った行動をプレイヤーがとれば,そのリーダーの心証が上がり,反すると下がる。
例えばエジプトのリーダー,クレオパトラは「軍事力の強い文明」というアジェンダを持っている。筆者の日本が蛮族相手に勝ちまくっていると彼女の心証が良くなり,笑顔でメッセージを送ってくる。一方,ヘマをして負けが込んでくると,怒った表情できつい一言を投げかけてくるというアンバイだ。
よく見ると,リーダー同士の関係性を表す値も一気に下がった。これはまずいと思って真面目に蛮族掃討に取り組むと,クレオパトラのご機嫌も戻ったようで,再び笑顔に。リーダーの人となりがアジェンダシステムで表現されているというわけで,彼らがより身近に感じられるシステムであるという印象だ。
なお,リーダー達には,明示されている通常のアジェンダに加えて「隠しアジェンダ」が存在するという。こちらは諜報活動などで探り出さなければならないそうで,なかなか奥深そうだ。
100ターンという,シヴィライゼーションシリーズとしてはわずかな時間ではあったものの,Civ6の新しさと,文明発展シミュレーションという変わらない魅力は存分に堪能できた。「名前だけは知っているけれど,ハードルが高そうだ」と思っている人でも,とっつきやすいグラフィックスになった本作は始めやすい。続報を楽しみにしよう。
「シドマイヤーズ シヴィライゼーション VI」公式サイト
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