プレイレポート
「死印」第1章を丸ごと遊べる体験版が本日配信。エクスペリエンス初のホラーアドベンチャーのインプレッションを紹介
「剣の街の異邦人」や「デモンゲイズ」シリーズなど,これまで“ダンジョンRPGメーカー”として高い評価を得てきたエクスペリエンスが挑戦する新境地となる本作は,果たしてどのような仕上がりになっているのか。体験版を一足先に遊んでみたので,そのインプレッションを簡単に紹介しよう。
「死印」公式サイト
死の運命に抗い,闇の中に潜む怪異を撃退せよ!
本作の舞台となるのは,東京都H市。この街では最近,奇妙なウワサが広がっていた。それは「“シルシ”を持つ者は死ぬ」というものだ。シルシとは,体のどこかに突如として刻まれる,何かに噛まれたような形のあざのことで,このシルシを付けられた者は徐々に記憶を失いながら,数日以内に奇妙な死を遂げるという。
シルシを持つ者は「印人(しるしびと)」と呼ばれる。本作の主人公もまた,右手首にシルシを刻まれてしまった印人の一人だ。記憶を失い,気づいたときには九条館と呼ばれる洋館の前に立っていた主人公は,館の中で自我を持った美しい人形と出会う。そして,「メリイ」と名乗るその人形から,自分にシルシを付けた怪異を見つけ出して怨念を消し去る以外に助かる道はないと告げられ,死へのカウントダウンに恐怖しながら,運命に抗うことを決意する。
物語は章立てで進行し,上述のとおり今回の体験版では,その第1章を丸ごとプレイできる。九条館は心霊治療家である「九条サヤ」の居館として知られており,ここには章ごとに新たな印人が助けを求めて訪問してくる。主人公はその中から一人をパートナーに選んで,怪異のひそむ「怪異スポット」を探索することになる。
怪異スポットの探索では,画面左上に表示される地図を見ながら移動しつつ,怪しそうな(あるいは,怪異の手がかりになりそうな)場所を調べていく。第1章では廃校となった小学校を探索することになるが,いかにも何か出そうな荒れ果てた校内の様子と,環境音をメインとした控えめなBGMが相まって,なかなかの雰囲気だ。調べるべき場所は白く光るので見落とすことはないが,窓の外の暗がりや物陰など,無関係の場所を調べたときに不意に悪霊の姿が見えることがあり,ドキッとする。
本作で特徴的なのは,何らかの怪異に襲われた際に発生する「デッドリーチョイス」の存在だ。これは,表示された選択肢から正しいものを選ぶというもので,回答には時間制限がある。デッドリーチョイスが発生すると「霊魂」の数値が減少していき,これがゼロになると主人公は死亡してしまう。また,誤った選択肢を選ぶと,たいていの場合は即死か,良くて霊魂を大量に消費することになる。正解は探索中に得た手がかりの中に隠されていることがほとんどなので,それをよく思い出して慎重に回答したい。
そして,一通りの探索を終えると,いよいよ元凶である怪異との対決になる。怪異との対決シーンでは,主人公とパートナーがそれぞれ,それまでに手に入れたアイテムを使用できる。怪異を倒すには正しいアイテムを正しいタイミングで使う必要があり,もし間違えると,これまた即死してしまう。怪異は甘くないのだ。実はパートナーには得手不得手があるようで,探索中や怪異との対決では,同じ行動を選んでも違った結果になることがある。もし,どうしてもうまくいかない場合は,パートナーを変えて挑戦してみるといいだろう。
こうして無事,怪異を退治できれば次の章へと進めるが,これだけで安心してはいけない。各章には「キュア」と「デストロイ」の2つのルートがあり,どちらのルートでクリアしたかで,物語の最終的な結末が変化するからだ。体験版で遊べるのは第1章までだが,もしここで納得のいかない終わりを迎えてしまった場合は,別のパートナーや行動を選ぶことで,結末を変えられるかもしれない。
エクスペリエンス初のホラーアドベンチャーということで,個人的にも注目していた本作だが,実際にプレイしてみて,ホラーゲームとしてしっかり遊べる内容に仕上がっていると感じた。ホラーには付き物(?)の,ちょっぴりエロチックなシーンなどもあるので,気になる人はぜひ体験版をダウンロードして遊んでみよう。
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