「魔界戦記ディスガイア5」とNintendo Switchは好相性。日本一ソフトウェアの新川社長に話を聞いた

　2017年1月14，15日に開催されているNintendo Switchの体験会にて，日本一ソフトウェアの「魔界戦記ディスガイア5」がプレイアブル出展されている。PlayStation 4版からの移植となるものの，Nintendo Switchのローンチに合わせた発売が予定されており，シリーズおなじみのぶっ飛んだやりこみを楽しめそうだ。
　体験会の会場で，日本一ソフトウェアの代表取締役社長である新川宗平氏に，本作やNintendo Switchでの展開について話を聞いたので，お伝えしていこう。

日本一ソフトウェア　代表取締役社長　新川宗平氏

4Gamer：
　本日はよろしくお願いします。
　まずは今回出展された，Nintendo Switch版のディスガイア5について教えてください。こちらは，PlayStation 4版から何か変わった部分はあるのでしょうか。

新川宗平氏（以下，新川氏）：
　今回はNintendo Switchのローンチに合わせて発売することを優先したので，基本的な仕様はPlayStation 4版と一緒です。ただ，PlayStation 4版で配信された有料ダウンロードコンテンツがすべて入ったバージョンになっています。
　同時期にPlayStation 4の廉価版も発売予定なのですが，誤解がないようにお伝えしておくと，価格自体は廉価版のほうが安いのですが，こちらはダウンロードコンテンツが含まれていません。ダウンロードコンテンツを揃えた場合，Nintendo Switch版のほうがお得になるように設定しています。

4Gamer：
　となると，PlayStation 4版との違いは，ハード面での機能ということになりますね。

新川氏：
　そうですね。Nintendo Switch版で強くアピールしたいのが，「携帯ゲーム機としても遊べるディスガイア5」ということです。ディスガイアシリーズって，携帯ゲーム機で出してほしいという要望が非常に多いんですよ。

4Gamer：
　分かります。シリーズのウリであるやりこみをしようと思うと，通勤時間などを使ってレベル上げやアイテム集めをしたくなりますから。ディスガイア5は，携帯ゲーム機でこれまで出ていなかったので，いちシリーズファンとしても，がっつり遊ぶのはちょっと大変で……。

新川氏：
　ディスガイア5の場合，発表時からお話していたように，スペック的にPlayStation Vita版を出すことを諦めていました。その点，手軽にディスガイア5を携帯ゲーム機で遊んでもらえる環境として，Nintendo Switchが非常にマッチしていたので，これは出すしかないなと。ですから，いつでもどこでも遊べるというところが，Nintendo Switch版の大きなポイントですね。

4Gamer：
　会場で出展されているものを体験してみたんですが，実際，ディスガイアとNintendo Switchの相性は良いと思うんです。テレビでプレイしている状態からNintendo Switch本体を外すだけで，2秒ぐらいで画面が切り替わりますし，逆にドックに接続した場合でも，4秒ほどでテレビに画面が写ります。手軽に持ち出してやりこめるのは，非常に助かりますね。

会場の出展では，ディスガイア5はTVモードと携帯モードのどちらでもプレイ可能で，切り替えもできるようになっていた。セーブやモードの変更なしにサクっと切り替わるので，ディスガイアではかなり便利に使えそうだ

新川氏：
　任天堂さんも，そこの手触りには相当こだわっているのだと思いますが，本当に素晴らしい機能ですよね。外出するときだけでなく，家にいるとしても，お手洗いに行きたいとか寝転がりたいとか，お風呂……はちょっとオススメしませんけど，とにかくスムーズにゲームを続けられます。

4Gamer：
　持ち出す前にセーブしたり，“携帯モードに切り替え”的な操作をしたりする必要もないですしね。
　ところで，PlayStation 4用タイトルをNintendo Switchに移植するにあたっては苦労されましたか？

新川氏：
　メーカーさんの作り方によってハードルは変わると思うんですけど，ディスガイアに関しては比較的スムーズにできましたね。何かダウングレードが必要な部分もなく，携帯ゲーム機としてNintendo Switchを持ち出しても，PlayStation 4版と遜色ない体験ができるかと思います。

4Gamer：
　今回，移植とはいえローンチに間に合わせたとのことですが，日本一ソフトウェアさんって，新ハードへの進出に対して積極的ですよね。

新川氏：
　そこは，大きなメーカーはタイトルを出すのに時間が掛かるだろうと考え，早めに代表作を出しておきたいと狙った部分はあります。発売日にどれだけタイトルが揃うのかは，我々も発表会まで知らなかったんですが，やりこんで長時間遊ぶようなタイトルが何本かあるべきだとも思いますし。
　移植であるディスガイア5を遊ぶためにハードを買うという人はなかなかいらっしゃらないと思いますが，「3本目に遊ぶタイトル」ぐらいの感覚で買ってくださると嬉しいです。「Splatoon2」や「スーパーマリオ オデッセイ」が出るまでの間に，ゆっくりと遊んでください（笑）。

4Gamer：
　新川さんとしては，Nintendo Switchに対してどのような印象を持っていますか？

新川氏：
　もう発売日に買いたいです。やはり取り外してプレイ環境をスイッチできるのが，一番の魅力ですね。それと，「1-2-Switch」の“画面を見なくても遊べる”というのは，斬新な体験だと思っています。1-2-Switchで使われているさまざまな機能は，どのようなゲームでも使えるというよりは，“一発芸”的なものに近いのかもしれませんが，うまく組み込めば面白いことができるんじゃないかという可能性をすごく感じています。

4Gamer：
　IRカメラやHD振動は，これまでのゲーム機にはなかった表現ができそうですし，うまく使ってくるタイトルが楽しみですよね。
　今回はディスガイア5の移植でしたが，日本一ソフトウェアさんとしては，Nintendo Switch用の新作の開発は進めているんでしょうか。

新川氏：
　現時点で詳しくはお話できませんが，当然，ディスガイア5で終わりですということは考えていません。マルチプラットフォームでの展開も含め，積極的に検討していきます。
　海外は据え置きゲーム機の人気が高いですが，日本は携帯ゲーム機の需要も大きいので，いずれディスガイアのナンバリングを作ろうとなったときに，やはり持ち出したいという話になるでしょうし。


4Gamer：
　ぜひ持ち出したいですね。今後の展開も楽しみにしています。
　最後に，これまでディスガイアに触ったことのない人と，シリーズファンに向けて，それぞれメッセージをお願いします。

新川氏：
　では，まず触ったことのない人に向けてになりますが，我々が任天堂プラットフォームでローンチでタイトルを出すのは初めてのことになります。PlayStationプラットフォームとは違うお客様がいらっしゃるかと思いますが，そういった方々に，ディスガイアという，とんでもなく時間を食う恐ろしいゲームがあるということを体験していただきたいですね。

4Gamer：
　確かにとんでもなく時間を食いますね（笑）。

新川氏：
　シリーズファンに向けては，“スイッチ体験”をしてもらいたいです。Nintendo Switchの持ち出して遊べる機能は，本当にディスガイアと相性が良いので，ぜひお楽しみください。

4Gamer：
　ありがとうございました。

「魔界戦記ディスガイア5」公式サイト