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6月26日発売予定の「ルミネス リマスター」プレイインプレッション。水口哲也氏と石毛英一郎氏へのミニインタビューもお届け
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印刷2018/06/22 12:00

プレイレポート

6月26日発売予定の「ルミネス リマスター」プレイインプレッション。水口哲也氏と石毛英一郎氏へのミニインタビューもお届け

 エンハンスが2018年6月26日にリリースする「ルミネス リマスター」PC / PS4 / Xbox One / Nintendo Switch)は,2004年に発売されたPSPのローンチタイトルで,その後もさまざまなシリーズ作品を生んだアクションパズル「ルミネス」を,最新のプラットフォームに対応させた作品だ。

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 本稿ではNintendo Switch版のプレイインプレッションに加えて,本作を手がけたエンハンスの水口哲也氏,レゾネアの石毛英一郎氏へのミニインタビューをお届けする。



Nintendo Swtich版は,全身で振動を感じられる


 「ルミネス リマスター」のゲームルールは,(当然だが)オリジナル版と同じだ。画面上から2色で構成される2×2のブロックが落ちてくるので,それをうまく積み,同じ色で2×2以上の四角形を作って消していく。ブロックが画面上まで積み上がってしまうとゲームオーバーだ。いわゆる“落ちものパズルゲーム”の1種といっていいだろう。

 ルミネスならではの特徴は,「音と映像のシンクロ」にある。
 ブロックが消えるタイミングは,同色の2×2以上のブロックを積んだときではなく,画面を横に移動する「ライン」がその部分を通過したときとなっている。このラインは曲のテンポに合わせてスピードが変わり,ラインが一周するうちに同色のブロックを多く作るとスコアが上がる仕組みになっているので,プレイ感が曲によって変化するのだ。

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 BGMやブロックの色,背景のイラストなどは「スキン」と呼ばれるセットになっており,ゲームを進めていくと次々に切り替わるので,この手のゲームにしては珍しく,「新しい世界を覗いていくような感覚」がある。
 また,ブロックの移動や回転といった操作の効果音もBGMに合わせられているので,音楽を演奏するようにプレイできるのも面白いところだ。

 「ルミネス リマスター」のNintendo Switch版でまず目を引いたのは,グラフィックスの向上だ。筆者がかつてプレイしたオリジナル版から比べると解像度が高くなり,ブロックを消したときのエフェクトもより鮮やかになった印象を受ける。
 今回はNintendo Switch本体の液晶ディスプレイ(1280×720ピクセル)でプレイしたが,フルHDや,PC,PS4 Pro,Xbox One Xが対応する4K解像度の画面でも遊んでみたくなった。

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 もう1つ見逃せなかったのが,ゲームのアクションに合わせてコントローラが振動する「Trance Vibration」だ。これはゲームに使用しているJoy-Conはもちろん,予備のものまで含めて振動させられる(プレイに使用する2個を含めて最大8個)ので,身体のあちこちにJoy-Conを仕込み,全身で振動を感じることができるのだ。

 筆者はポケットに入れてプレイしてみたが,確かにゲームとの“一体感”とでも言いたくなる感覚がより強くなった。大型のスピーカーから伝わる重低音のビートが,轟音なしで味わえるという感じだろうか。
 Trance Vibrationはほかのプラットフォームでも楽しめるのだが,全身にコントローラを仕込めるのは,小さなJoy-Conを採用しているNintendo Switchだけではないだろうか。

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ルミネスは遊んで気持ちがいいパズルゲーム。水口哲也氏,石毛英一郎氏ミニインタビュー


4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。まずは「ルミネス」が復活に至ったきっかけを教えてください。

水口哲也氏
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水口哲也氏(以下,水口氏):
 プレイヤーのみなさんからの声に後押ししていただきましたし,Nintendo SwitchでHD振動という技術が登場しましたから,一番いい状態で「ルミネス」を次につなげたいと思ったんです。ゲームというものはハードウェアの代替わりなどで消えていくものですから。

4Gamer:
 確かに,思い出のゲームが最新のゲーム機で遊べるのは嬉しいですし,新しいファンも増えそうですね。
 Nintendo Switch版では「Trance Vibration」が楽しそうです。マルチプレイを楽しむために,何組かのJoy-Conを持っている人は多いと思いますし。

石毛英一郎氏
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石毛英一郎氏(以下,石毛氏):
 ズボンのポケットなど,Joy-Conを何かで挟み込むようにすると,振動が分かりやすいと思います。足の裏など,敏感なところに触れさせるのもアリですね。慣れてくると,振動のないプレイが寂しく思えるくらい,うまくハマっていると思います。任天堂の方にも驚いていただけました。

4Gamer:
 これまでの振動機能とHD振動では,やはり違いがあるのでしょうか。

石毛氏:
 大きく違います。従来型の振動機能ですと,「モーターをどれ位の長さ・強さで震わせるか」といったくらいの設定しかできないんですが,HD振動は音の波形データそのままの形で細かく振動させられるので,より繊細な表現が可能です。
 そうした意味では,Nintendo Switch版が最も繊細なフィードバックを感じることができますね。振動のデータもサウンドクリエイターが作っていますし。その分作業も大変になるんですが(笑)。

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4Gamer:
 タイトルこそ“リマスター”ですが,ほぼ新作のようなものですね。

石毛氏:
 再構成に近いところはあります。PSP版より後にリリースされたシリーズ作品の「パズルモード」や「ミッション」など,おいしいところを取り入れたリマスターですから。また,新要素として,手持ちのスキンをランダムで適用する「シャッフル」という機能も入れました。毎回新鮮な気持ちで遊べると思います

4Gamer:
 「ルミネス」には,独特のプレイ感があるように思います。理詰めで考えなくてもある程度の連鎖が作れて,初心者でもそれなりに長くプレイできますし。ほかの落ちものパズルよりも,感覚的なところが大きいというか……。

石毛氏:
 そういったところから生まれるゆとりがあるから,音楽やほかのさまざまな要素に意識が向けられるのではないかと思います。ロジカルすぎると,すべてのリソースを思考に振り向けなければならず,音楽を楽しむ余裕がなくなってしまいますからね。

4Gamer:
 そうですね。BGMに合わせてブロックを回したりして,演奏している気分にもなれます。

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水口氏:
 気持ちがいいパズルゲームってなかなかないと思うんです。音楽やビジュアルとシンクロすることで「心も身体も気持ちいい」状態を作り出す。実際,寝る前にプレイされるという方も多いようです。

4Gamer:
 「ルミネス リマスター」ではオリジナル版の楽曲をすべて収録しているとのことですが,DLCなどで楽曲を追加する予定はあるでしょうか。

水口氏:
 DLCについては検討中です。もともとの「ルミネス」が1つの世界として完成されていて,プレイを通じてアルバムを聴いたり,物語を感じるような感覚があるので,まずはそこを楽しんでいただければと思います。

4Gamer:
 水口さんはこれまで手がけてきたタイトルでも振動をフィーチャーしてきましたし,「Rez Infinite」では振動素子を装着した「シナスタジアスーツ」を製作されましたよね。やはり音楽と振動は切っても切り離せないものなのでしょうか。

東京ゲームショウ2016のステージで,シナスタジアスーツを装着し「Rez Infinite」をプレイする水口氏
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水口氏:
 音楽を振動で感じるのは気持ちいいですよね。体験するまでは分からなくても,実際に体験するとハッとする。言葉にできないところだけれど,こうしたところがゲームの深さだと思っています。
 僕はアーケードゲームを作りたくてセガに入社し,キャリアをスタートさせたようなところがあるので,全身を使って体感することに凄く可能性を感じています。テクノロジーの力を使って新しい体験を作ることは,ゲームの一番の醍醐味だと思っています。
 だから,Joy-Conのような新しいものが出れば活用しますし,なければ「シナスタジアスーツ」のようなものを自分でこしらえる(笑)。映像,音楽,振動,VR,ARと,新しいテクノロジーからは常に刺激を受けていますね。僕らの仕事というのは,テクノロジーとずっと寄り添って新しい体験を作っていくことの歴史ですから。

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4Gamer:
 では,今後も新しいテクノロジーが生まれるに従って,「ルミネス」は進化していくと。

水口氏:
 そうですね。進化させ続けていきたいです。テクノロジーが進化すると,以前からあったベーシックな構造がより輝くというか,新しい体験が生まれていくと思っています。
 「ルミネス」はこれで終わりませんし,将来的にはもっと凄い「ルミネス」が生み出せると思いますが,ひとまずは「ルミネス リマスター」を遊んでいただきたいです。

4Gamer:
 ありがとうございました。

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