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「アルゴナビス」ライブレポート。3つのリアルライブで彼らが魅せた“特別な時間”を,もう一度あなたへ

 ブシロードが提供する「BanG Dream!」発のボーイズバンドプロジェクト「ARGONAVIS from BanG Dream!」(以下,アルゴナビス)において,この秋,3つのリアルライブイベントが行われた。

――2021年9月23日
Fantôme Iris Concept LIVE -月光饗宴-

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――2021年9月26日
GYROAXIA LIVE 2021 -火花散ル-

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――2021年10月5日
ARGONAVIS LIVE 2021 COVER FESTIVAL

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 これらは「アルゴナビス」に登場するキャラクターのCVを務める声優らによる,リアルライブイベントだ。本プロジェクトでは2018年の発足以降,アニメ,ゲーム,コミックなどのメディアミックス展開のほか,声優によるリアルバンド活動も精力的に行われている。9月〜10月に行われた3つのライブ,そして2021年11月19日には「劇場版アルゴナビス 流星のオブリガート」の公開も控えており,この秋,「アルゴナビス」が熱い! といっても過言ではないだろう。

 本稿では,2021年9月23日に行われたFantôme Irisの単独ライブ「Fantôme Iris Concept LIVE -月光饗宴-」(Zepp Nagoya),9月26日に行われたGYROAXIAの単独ライブ「GYROAXIA LIVE 2021 -火花散ル-」(Zepp Sapporo),そして10月5日に行われた,カバー曲中心の合同ライブ「ARGONAVIS LIVE 2021 COVER FESTIVAL」(KT Zepp Yokohama)の模様をレポートする。



旅の始まりの地,名古屋に降り立った吸血鬼たち――
Fantôme Iris Concept LIVE -月光饗宴-


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 「月光饗宴」は,さまざまな“特別”が詰まったライブだった。まず設定的に,本ライブが行われた名古屋がFantôme Irisのメンバーの出身地であること。現実的な話では,リアルバンドとしてのFantôme Irisの単独ライブは,この日が初めての有観客開催だったことだ。

 無観客で行われた前回の単独ライブ(2021年5月5日の「Fantôme Iris 1st LIVE -C'est la vie!-」)は,独特なバンドの世界観を完璧に再現し,配信を見守る観客を大いに驚かせた。そして今回,彼らの単独ライブのステージを生で初体験することになった眷属(Fantôme Irisのファンの総称)は,一体どんな景色を目撃したのだろうか。

 恐ろしいほどの静寂のなか,眷属たちは祈るように手を組んで5人の登場を待つ。LIGHT(声:和田将弥)による語りが流れ,さざなみのような拍手が響いた後,ステージは「銀の百合」で幕を開けた。背景に浮かぶ一面の大きな月は,数日前の満月を思い出させる。ステージにはろうそくの灯りが揺れ,ゴシックな衣装に身を包んだメンバーが演奏している。その姿を観ていると,ここは紛れもなくライブ会場であるはずなのに,やはり彼らのライブは“夜会”という呼び方がしっくりくる。

 ダークとポップの混ざり合いが絶妙な「棺の中のセラヴィ」,ベースソロから始まる「狂気のメロディ」へ。歌い終え,ギターのLIGHTが差し出すワイングラスを手にとったFELIXは「Bonsoir,我が眷属たちよ」と語りかけ,皆と会えたことに感謝の言葉を贈る。

 「un:Mizeria」「ニルヴァーナ」と叙情的なナンバーが続くくだりでは,知らないうちに涙がこみ上げてきた。
 続いて,この日初披露されたカバー「Miss MOONLIGHT」では,視界いっぱいに映る “画ぢから”(とでも言おうか)に圧倒されてしまった。画も音も,このバンドはあまりにも完成されている……と。

 FELIXがステージ袖に捌け,楽器隊4人によるインスト曲が始まる。前回ライブでのインストは「2度と同じものは再現できない,ある意味で即興のセッション」だったと聞いて驚いたものだが,今回もそうだったのだろうか。ZACKの泣きのギターソロをはじめとして,各々の“内に秘めた熱”を音にしたような演奏は実に最高だった。

 Fantôme Irisというバンドは,あらためて“隅々まで計算しつくされた仕込み”と,“その場で生まれるとてつもない熱量”が桁外れだ。そして,ろうそくが消える瞬間のように,ふっ……とすべての音が消え,その世界は一度幕を閉じる。
 
 2幕目ともいえる次の展開では,何とメンバー全員が仮装をして登場した。FELIXは大きなツノを生やしたアークデーモン,LIGHTは軍服を思わせるケープ付き衣装を身に纏い,ZACKはケモ耳が印象的な狼男,HARUは大きな羽の悪魔の女王,Dはキョンシーの装いで,ゴシック調の新曲「Spooky Halloween Night」を披露。

 彼らは何層にも折り重なった世界観で眷属を魅了しつつ,一転して激しい暴れ曲「Into the Flame」「ROSIER」と畳み掛ける。HARUとLIGHT,ZACKがセンターでそれぞれのソロを聴かせると,ガイコツマイクを片手にしたFELIXが現れ,「ザクロ」を演奏する。そして今夜のシチュエーションにとてつもなくぴったりな「ヴァンパイア」を投下した。

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 スピード感極まりないドラムが痛快なカバー曲「STAND PROUD」は意外な選曲で驚いたが,言われてみればなるほどと納得できる気もする。最後にFELIXが「この美しい月夜に交わした契り,永久のものにしよう」と告げ,本編はオリジナルの新曲「ピエロ」で締めくくられた。アンコールでは「histoire」,そして「Janus」が届けられ,月夜の下の饗宴はお開きとなった。

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 冒頭で,この日のライブは設定としても現実としても“特別”が詰まっていたと書いた。Fantôme Irisは劇中でさまざまな困難に見舞われるのだが,このバンドは現実世界でも,ライブの延期をはじめとした数々の苦労を強いられている。だからこそ,アンコールでFELIXが「まだまだ困難な日々が続くだろう。迷い戸惑う日もあるだろう。それでも我々は音楽を奏で続けていくことを誓おう」と語っていた言葉が胸に沁みる。

 “完璧な世界観の再現”の背後には,苦労だけでなく,とてつもない努力があるはずだ。だが彼らは,そうしたものを一切感じさせず,あくまでも優雅かつ耽美にFantôme Irisというバンドを演じている。さらにすごいのは,ライブを重ねるごとにこちらの期待値を遥かに超えた驚きをもたらしてくれることだ。

 初の単独ライブを観たときにも,“彼らが観せてくれるのは,ライブというよりショウ”だと思ったけれど,今回もすごいものを体験しまったなと感じさせられた。それと同時に,彼らが眷属を想う心はとてつもなく深いものなのだと。

 Fantôme Irisの旅路はまだ終わらない。ならば,眷属はそれについていくまでだ。次の彼らとの逢瀬が,今から待ち遠しくてたまらない。

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Fantôme Iris Concept LIVE -月光饗宴-
◆日程/会場
2021年9月23日 (祝・木)/Zepp Nagoya

◆出演
Fantôme Iris
Vo.ランズベリー・アーサー(FELIX)
Support Member
Gt.冬真
Gt.YOUSAY
Ba.Sato
Dr.KENZO

◆セットリスト
01. 銀の百合
02. 棺の中のセラヴィ
03. 狂気のメロディ
04. un:Mizeria
05. ニルヴァーナ(Cover)
06. Miss MOONLIGHT(Cover)
07. Spooky Halloween Night
08. Into the Flame
09. ROSIER(Cover)
10. ザクロ
11. ヴァンパイア(Cover)
12. STAND PROUD(Cover)
13. ピエロ
En1. histoire
En2. Janus

https://argo-bdp.com/live/fantome_0923/





ついに“王者”が札幌に凱旋! 新たな世界を魅せた
GYROAXIA LIVE 2021 -火花散ル-


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 先のFantôme Irisに続き,“聖地”でライブを行ったのがGYROAXIAだ。北海道・札幌出身の彼らは,LRフェスで上京するまでは現地でカリスマ的な人気を誇っていたという設定だ。一方の現実世界では,彼らはプロジェクトの看板バンドであるArgonavisに次いでリアルライブを多数行ってきたバンドである。数をこなすごとに成長し続ける彼らの新たな挑戦をレポートしていこう。

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 ステージが赤い照明と暗い影の強いコントラストに彩られ,メンバーが1人ずつ登場する。すると,フードを目深にかぶったボーカルの旭 那由多が,アカペラで「REVOLUTION」を歌いはじめた。

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 爆発かと思うほどの音圧で5人の音が重なり,「帰ってきたぜ札幌!」と那由多の叫びが轟く。突き上げるようなドラムでリズムを刻む界川深幸,クールな表情でエグいギターソロを弾く里塚賢汰。曲は「EGOIST」から「BURN IT UP」へと続き,会場は冒頭3曲だけで,文字通り焼き尽くされてしまったような様相だ。

 それにしても,こうしてあらためてライブを観ていると,歌い方やバンドの音色が,明らかに過去のそれとは異なっていると感じる。彼らの演奏は,聴くたびに“最高”を更新しているのだ。

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 賢汰によるMCをはさみ,続くはベースの曙 涼の“秘密兵器”,シンセの音色が印象的なダンサブルナンバー「GETTING HIGH」だ。かと思えば今度は,聴いたことのない早口ラップとファルセットが飛び出すオリジナルの新曲「DANCING PARANOIA」が投下される。礼音が手拍子を促し,会場が一体となって揺れたこのグルーヴィーなナンバーは,個人的に彼らの新たな境地が開かれた最高の1曲だと感じた。観客がバンドと一緒になって叫べる日がくるのが楽しみだ。

 そして,ライブならではのアレンジが施された「LIAR」の演奏を終えると,那由多がステージ袖に捌けていく。演奏隊によるライブグッズ紹介(!)のあとは,再びスイッチを入れ替えて「GET MYSELF」を演奏。次の「FAR AWAY」では一変,彼らの奏でる音が伸びやかに広がっていき,心地よい空気が広がっていく。

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 次の展開は,現地や配信を見守るファンが大いに驚くものだった。賢汰がメインボーカルとなり,「STORM」という1曲を披露したのだ。これは賢汰の心情を吐露した歌ということで,“GYROAXIAのバンド曲”とは立ち位置が異なる。いわゆるキャラクターソング的な楽曲になるが,ステージでの世界観が切り替わるの演出や,那由多の歌とはまた違う魅力的な歌唱と演奏で,異物感をまったく感じさせなかったのがさすがだ。

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 「BREAK IT DOWN」「WORLD IS MINE」,そして「SCATTER」と新旧織り交ぜたナンバーが続き,本編最後は,ライブタイトルにもなった新曲「火花散ル」が届けられた。ジャイロならではの硬質でストイックな一面がクローズアップされながら,サビが耳に残るキャッチーさもあり,ぜひまた次のライブでも聴きたいと感じられた。

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 アンコール1曲目は「MANIFESTO」。本曲は,かつてのライブではオープニングで披露されることが多く,言ってみれば“名刺代わり”の1曲だった。それがこうしてアンコールで演奏されたことに,何とも胸が熱くなる(以前のライブでよく観ていた衣装に着替えていたのもエモい)。

 そして,彼らが最後に届けてくれたのは「IGNITION」。演奏する姿にはもはや貫禄や余裕すら感じさせるほどで,この日のライブでは特にメッセージ性を強く感じた。彼らもまた,終わらない旅を続ける者たちなのだと。

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 今回のライブで心に残ったシーンは多かったが,最後に強く印象的に残ったのが那由多のMCだった。「俺たちは先に行く。GYROAXIAについてきたやつにだけ見える景色を見せてやる」という言葉――。彼自身も「話しすぎた」と漏らすほど,この日の那由多は雄弁だったと思う。

 札幌という土地がそうさせたのかは定かではないが,本ライブは“聖地”で行われたことはもちろん,最後までメンバー全員が“キャラクター”としてライブを終えたこと,すべてオリジナル曲の単独ライブだったこと,いわゆるキャラクターソングを披露したことなど,数々の挑戦が見られるものだった。ジャイロは王者たる風格を見せつつも,また一つ新たなステージに進んだということなのかもしれない。

 彼らのバンドマンとしての自信や演出などの見せ方も含め,リアルバンドのGYROAXIAが,紛うことなきロックバンドに“成った”と感じさせるライブだった。彼らが次に見せてくれる景色が実に楽しみだ。

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GYROAXIA LIVE 2021 -火花散ル-

◆日程/会場
2021年9月26日(日)/Zepp Sapporo

◆出演
GYROAXIA
Vo. 小笠原 仁(旭 那由多)
Gt. 橋本真一(里塚賢汰)
Gt. 真野拓実(美園礼音)
Ba. 秋谷啓斗(曙 涼)
Dr. 宮内告典(界川深幸)

◆セットリスト
01. REVOLUTION
02. EGOIST
03. BURN IT UP
04. GETTING HIGH
05. DANCING PARANOIA
06. LIAR
07. GET MYSELF/
08. FAR AWAY
09. STORM(里塚賢汰 from GYROAXIA)
10. BREAK IT DOWN
11. WORLD IS MINE
12. SCATTER
13. 火花散ル
En1. MANIFESTO
En2. IGNITION

https://argo-bdp.com/live/gyro2021





夢のシャッフルバンドで名曲カバーの数々を熱唱!
ARGONAVIS LIVE 2021 COVER FESTIVAL


 ARGONAVISプロジェクトに登場する5バンドは,アプリ内やライブなどでさまざまなカバー楽曲を披露してきた。各バンドらしいアレンジで魅力を増した名曲たちは反響も多く,2021年10月にはカバー曲だけを集めたアルバムが発売されるほどの人気だ。本ライブでは,そんなカバー曲を特集したものとなっている。どのようなコラボレーションが見られるか大いに期待が高まるなか,お祭りの一夜がスタートした。

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 ライブのトップバッターを務めたのは,Fantôme IrisのFELIX率いるスペシャルバンドだ。ギターとベースは同じくFantôme IrisのLIGHTとHARU,もう1人のギターにArgonavisの五稜結人,ドラムはGYROAXIAの界川深幸だ。初っ端からすごい組み合わせのメンバーが揃った“FELIX BAND”は,「1/3の純情な感情」「the WORLD」「誘惑」を演奏した。なんという贅沢感……!

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 ゲームアプリ「アルゴナビス from BanG Dream! AAside」では,好きなメンバーを組み合わせてリズムゲームを楽しめるが,まさにそれが現実となったような様相だ。演奏は5人がとても楽しそうだったのと,MCで結人がFantôme Irisっぽく挨拶しようとしたり,LIGHTが運んできたワイン(という設定の飲み物)で喉を潤すFELIXのマイペースさが相変わらずだったりと,本物のライブならではの楽しさもあって最高だった。

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 しかしこうなると,何が飛び出してくるか分からないな……と身構えていると,次はArgonavisメンバーが歌うソロ曲が立て続けに披露された。Argonavisキーボードの桔梗凛生による「青い栞」,五稜結人の「サムライハート(Some Like It Hot!!)」,ベースの的場航海の「季節は次々死んでいく」

 Argonavisは全員がボーカルをとれる稀有なバンドだが,このように各人がステージのセンターに立ってハンドマイクで歌うのはかなり貴重な機会だ。この日のライブをとおしてずっと感じたことだが,どういう経緯で彼らがステージに上がることになったのか,裏話ドラマをぜひ見たいものである。

 歌い終えたメンバーがポジションにつくと,ボーカルの七星 蓮が登場,「スターライトパレード」を歌う。

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 続いてGYROAXIAの5人がステージに登場し,「狂乱 Hey Kids!!」「曇天」「インフェルノ」を披露した。ここまでのライブは「カバー“フェスティバル”」らしいお祭り感があったのだが,ジャイロが演奏を始めた瞬間,会場の空気はあっという間に“フェス”的な熱狂に塗り替えられた。

 ジャイロらしい熱いライブではあるのだが,照明などの演出の関係か,やはりいつものライブとは空気感が異なっているのが面白い。ステージと客席を俯瞰で見ると,これまた「アプリで見たことある!」な画と音が再現されていて,とてもワクワクした。

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 そして3曲の演奏を終えたところで突然,FELIXが優雅に現れた。「どうしても我慢ができなくてね」と語る彼の提案が承諾され(那由多の「チッ(肯定の意)」という舌打ちには笑ってしまった),FELIXと那由多のツインボーカルで「HOWLING」が届けられた。那由多といえば,これまでは蓮とのツインボーカルが印象的だったが,この2人のハーモニーも素晴らしく,もっと聴いていたくなった。欲を言えば,これを聴いた蓮の感想もぜひほしいところだ。

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 次にステージに現れたのは,風神RIZING!の神ノ島風太だ。風太はその場の空気を再びお祭り会場に上書きし,同じ風神RIZING!のドラム・五島 岬,Fantôme IrisのLIGHTとHARU,五稜結人を従えて「One Night Carnival」を歌った。音源では聴けなかった長崎弁のセリフと,おなじみの振り付けを披露する演奏隊も微笑ましい。

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 “風太バンド”はほかに「ゴールデンタイムラバー」「HOT LIMIT」を演奏。ここまでのスペシャルバンドは皆そうだが,異なるバンドのメンバー同士が絡んだり,アイコンタクトをしていると無性にうれしくなってしまったのは,筆者だけではなかっただろう。

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 Argonavisのメンバーが集うと,「READY STEADY GO」「メリッサ」が投下される。ステージに映し出されたスクリーンでは,白石万浬がドラムを叩いている。映像とはいえ,5人が揃ったことがとてもうれしい。

 彼らのライブでは何度も演奏されてきたカバー曲だが,こうしたお祭りの場面で聴くのは,また違った楽しさがある。メンバーたちが2曲を終えたところで,「ちょっと待ったあ〜!」と風太が乱入。「せっかくだけん,よかたい!」と,楽しそうだから混ぜてほしいと言う。

 蓮はうれしそうに「一緒に歌おう!」と応え,風太と蓮によるツインボーカル(と凛生のラップ)で「*〜アスタリスク〜」が歌われた。メンバーも観客も縦ノリでリズムに乗り,大いに盛り上がる。

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 歌い終えた風太が全員を呼ぼうと提案,本編最後には全メンバーにて「GO!!!」が披露された。どこもかしこも見どころ聴きどころが満載で,「たのむから全景カメラとメンバー全員分の固定カメラを……!」と思ってしまった。

 アンコールに応えて登場した一同は,舞台裏のエピソードなどを明かしたり,今日の感想などを述べたりしたのち,最後に全員で「AAside」を演奏,すべてのステージが幕となった。

画像集#001のサムネイル/「アルゴナビス」ライブレポート。3つのリアルライブで彼らが魅せた“特別な時間”を,もう一度あなたへ
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 コロナ禍という厳しい状況のなか,精力的にライブ活動を続けるARGONAVISプロジェクト。これらのライブを観ていて筆者がいつも思い出すのは,本プロジェクトの音楽統括プロデューサーである北岡氏が,2021年初頭のインタビューで語っていた言葉だ。

 「コロナ禍でエンタメ業界が大きな影響を受けていますが,とくにバンド界隈は本当に大変だと思うんですね。ライブハウスもどんどん経営が苦しくなっているはずですし……。だからこそ,個人ではなく体力のある会社が先頭に立っていろいろと動いていかないと,業界全体が悪い方向にいってしまいます。もちろん失敗は許されないので,感染者を出さないように対策はしっかりとしながらも,攻めの姿勢でやっていきたいです」2021年1月,北岡プロデューサーへのインタビュー記事より

 音楽業界と,それを支えるファンのため,ARGONAVISプロジェクトは果敢に挑戦を続けている。彼らの旅がこれからも続いていくよう,またの日にお祭りが開催されるよう,応援を続けていきたい。

画像集#054のサムネイル/「アルゴナビス」ライブレポート。3つのリアルライブで彼らが魅せた“特別な時間”を,もう一度あなたへ


ARGONAVIS LIVE 2021 COVER FESTIVAL

◆日程/会場
2021年10月5日(火)/KT Zepp Yokohama

◆出演
Argonavis
Vo. 伊藤昌弘(七星 蓮)
Gt. 日向大輔(五稜結人)
Ba. 前田誠二(的場航海)
Key. 森嶋秀太(桔梗凛生)
Dr. 橋本祥平(白石万浬)※映像出演

GYROAXIA
Vo. 小笠原 仁(旭 那由多)
Gt. 橋本真一(里塚賢汰)
Gt. 真野拓実(美園礼音)
Ba. 秋谷啓斗(曙 涼)
Dr. 宮内告典(界川深幸)

Fantôme Iris
Vo. ランズベリー・アーサー(FELIX)

風神RIZING!
Vo. 中島ヨシキ(神ノ島風太)

Support Member
Gt. 冬真
Ba. Sato
Dr. RYOTA

◆セットリスト
01. 1/3の純情な感情(Cover)/FELIX BAND
02. the WORLD(Cover)/FELIX BAND
03. 誘惑(Cover)/FELIX BAND
04. 青い栞(Cover)/桔梗凛生
05. サムライハート(Some Like It Hot!!)(Cover)/五稜結人
06. 季節は次々死んでいく(Cover)/的場航海
07. スターライトパレード(Cover)/七星 蓮,五稜結人,的場航海,桔梗凛生
08. 狂乱 Hey Kids!!(Cover)/GYROAXIA
09. 曇天(Cover)/GYROAXIA
10. インフェルノ(Cover)/GYROAXIA
11. HOWLING(Cover)/GYROAXIA with FELIX
12. One Night Carnival(Cover)/風太 BAND
13. ゴールデンタイムラバー(Cover)/風太 BAND
14. HOT LIMIT(Cover)/風太 BAND
15. READY STEADY GO(Cover)/Argonavis
16. メリッサ(Cover)/Argonavis
17. *〜アスタリスク〜(Cover)/Argonavis with 風太
18. GO!!!(Cover)/ALL CAST
En1. AAside/ALL CAST

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