プレイレポート
見た目は可愛いが中身は本格派。Switch版リズムアクションゲーム「Muse Dash」のプレイレポートをお届け
カートゥーン調の見た目や雰囲気から「日本で作られたゲームじゃないな?」と予想はつくと思うが,本作は中国の独立系デベロッパPeroPeroGamesが制作したゲームだ。昨年の6月14日にスマホ版が配信され,プレイヤーから非常に高い評価を獲得している。
今回プレイしたSwitch版は,スマホで配信されている本編と有料DLCをセットにした買い切り版で,今後追加されるDLCも無料で使用できるお得な内容となっている。参考までにPC版では,ゲーム本体とDLCが別売りとなっているが,DLC「計画通り」を購入しておけばSwitch版同様に今後追加される楽曲パックを無料で使用できる。
最初は可愛らしくて簡単なゲームなのかな? と思っていたのだが,プレイしてみるとかなり本格派な音ゲーであることがわかった。可愛いからと侮ってはいけない。ましてや食わず嫌いはたいへんもったいない! 本作がどんなゲームなのか,Switch版のプレイをとおして紹介していこう。
ランアクション+リズムゲーム
この2つがベストマッチした新しいリズムゲーム
本作はランアクションとリズムゲームが融合した,新しいタイプのリズムゲームだ。ゲームの軸となるのは2D横スクロールタイプのリズムゲームで,判定ラインは上下の2つのみ。似たゲームを挙げるとしたら「太鼓の達人」あたりだろうか。
流れてくるノーツはモンスターだったり,敵の攻撃だったりと,大きさも形も異なっており,これを判定ラインに重なったタイミングで攻撃する。
この基本的なリズムゲームに,ユニークなランアクション要素が加わってくる。画面下にはキャラクターのHPが表示されており,キャラクターがノーツに当たってしまうとダメージが入り,HPが0になるとゲームオーバーとなる。
逆に言ってしまえば,ノーツが当たらなければHPが減らないわけで,上のラインを流れるノーツを無視したり,下に流れてくるノーツをジャンプで回避しても楽曲はクリアできるのだ。
操作できるキャラクターは3人おり,ゲームを進めることで新たな衣装を開放できる。ランアクションというだけあって,特殊なスキルやキャラクターについてきてくれる「エルフ」という助っ人も用意されている。スキルの内容は,高スコアを目指す玄人向けのものや,楽曲をクリアしやすくなるようにミスを軽減したり,HPを回復してくれるものがあるので,自分のプレイスタイルに合わせて,組み合わせを考えるのも面白いだろう。
リズムゲームパートを詳しく紹介
ボタン操作とタップ操作に対応
判定ラインは上下の2つのみだが,ノーツの種類は大きく分けると6つだ。
通常ノーツ |
上下同時押し |
長押し |
連打 |
回避(ジャンプで避ける) |
音符(触れるだけでポイントが入る) |
Switch版のチュートリアルではボタン操作が紹介されていたが,スマホ同様にタッチ操作にも対応する。個人的には,タッチ操作の方がやりやすかった。設定を個別にカスタマイズすることはできないが,設定パターンが複数個用意されているので,自分でやりやすい操作方法が見つかるだろう。
ノーツを攻撃するというだけあって,キャラクターのモーションがカッコ可愛いのも本作の魅力の1つだ。リズムゲームでここまで画面全体を遊び尽くしているのは珍しいと感じた。ただその分,判定ラインが見えにくく感じることはあり,ノーツの大きさが異なるため,目視でタイミングを測るのも若干難しい。
面白いのだが,プレイヤーにとっては嫌らしく感じるノーツもいくつか登場する。突然上方から降りて来るノーツや,判定ライン直前に姿が消えるおばけのようなノーツ,途中に出てくるボスキャラクターが突然突進してきたりすることもあって,高難度になると初見で反応しきれない譜面が多かった。
ちなみに,判定はPERFECTとGREAT,そして回避のノーツに限りPASSという判定が用意されている。ノーツより先に空振りをした際の判定は無いようで,判定は甘い部類と言えるだろう。
音ゲーらしい楽曲をしっかり押さえている
日本人コンポーザーの楽曲も多数収録
収録楽曲が音ゲーらしい曲を完璧に押さえているのも本作の魅力だ。デフォルト曲は中国語の楽曲が多い印象だが,DLCの楽曲パックにはユーロビートやテクノ,トランス,クラシカルエレクトロニック,ハッピーハードコアやPOPなど,さまざまなジャンルの楽曲が収録されている。繰り返しになるが,Switch版はDLC楽曲パックを全て無料遊ぶことが可能だ。
DLC楽曲パックには日本人コンポーザーや日本語歌詞の楽曲,他のリズムゲームに収録されている有名な楽曲も複数あり,楽曲パックの名前が「音ゲー依存症」なのも納得だ。
Brain Power / NOMA |
Halcyon / xi |
PUPA / モリモリあつし |
Brave My Soul / uma feat.ましろ |
また,譜面も簡単なものから難しいものまで用意されており,この難しいのレベルが歯ごたえがありすぎて,筆者の目ではノーツの波がとらえきれなかった。きっと新しい音ゲーに飢えている音ゲーマー諸氏には,満足いただける難度だとオススメできる。
オンラインランキングにも対応しており,ネットにつないでおけば楽曲が終了した時点で何位にランクインしたか教えてくれる。これが結構なモチベーションになり,同じ曲を何度も繰り返しプレイしたくなってくる。
ただ,高スコアを狙うなら,それに特化したスキルを使用した方がいい。本作のスキルはキャラクターとそのコスチュームに依存しているため,高スコアを狙うと推しキャラが使えないというのが,個人的には少し残念だった。
一通りプレイしてみて,よくここまでランアクションとリズムゲームをうまく融合できたなと感心しきりだった。それに,ビジュアルや楽曲のクオリティの高さは言うまでもない。ノーツの流れが2ラインと少ないこともあり,他のリズムゲームと比較すると全体的には易しめだが,キャラクターやエルフの持つスキルが遊びの幅を広げているのも興味深いポイントだった。
登場したのが昨年の6月ということもあってか,他のリズムゲームと比較するとそこまで楽曲数は多くないものの,Switch版は今後のDLCも無料で追加できるので,アップデートを楽しみに待ちたい。
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Muse Dash
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