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[TGS 2018]「THE LAST REMNANT Remastered」配信イベントの模様をレポート。実機プレイが初公開された
この配信では,THE LAST REMNANT Remasteredのディレクターを務める坂本幸一郎氏,オリジナル版のディレクターである高井 浩氏,同じくアートプロデューサーの直良有祐氏が出演。お笑いコンビ・ペンギンズのノブオさんをMCに迎えて,同作のエピソードなどを語った。
オリジナル版「ラストレムナント」は2007年にPS3/Xbox 360用ソフトとして発表され,まず同年にXbox 360版が発売された。その後,2008年にPC版がリリースされるも,PS3版は発売されることなく今日に至っている。その経緯について,高井氏は「出す気はあったのだが,開発の期間や要員を捻出できないまま時が過ぎてしまった」という旨を述べた。そんな同作について坂本氏は「ファンとして移植したいと思っていた」とのことで,その思いが今回のリマスター版開発へとつながったようだ。
オリジナル版は,エグゼグティブプロデューサーの河津秋敏氏が「新しいことをやろう」と,“モラル”や“陣形”などといった独特なシステムを提示したことで,極めてユニークなタイトルとなった。ただ,それにより戦闘システムが難解になっており,高井氏は「(そのように作った)10年前の自分を説教したい」と冗談交じりに語った。
リマスター版では直良氏による新たなキービジュアルが描かれたほか,グラフィックスが全面的に明るくなっている。これはテクスチャが高解像度化されて,色使いが豊かになったことに加え,オリジナル版のUnreal Engine 3からUnreal Engine 4へとゲームエンジンを載せ替えるにあたって,光源処理が一新されたことに起因しているようだ。
そのほか,解像度は720pから1080pに改められており,PC版での追加要素の収録をはじめ,フィールドでの高速移動も可能となり,さらにダッシュのモーションも調整されるとのこと。オリジナル版のダッシュはどことなく不自然なモーションで,開発チームでも調整を重ねたが改善されず,袋小路に陥ったままリリースされたという。実は「モーションアクターが恰幅の良すぎる体型だったため,そもそも標準体型の人の走り方とは違う形になっていた」というのが真相だったそうだ。
細かいところでは,100個以上あるアイコンもすべて直良氏が描き直しているそうだ。直良氏によると,その理由は「10年前の自分を説教したい」ような出来だったからだという。
後半では,リマスター版の実機プレイが公開された。プレイヤーは,「ラストレムナント」の大ファンだという,同作のプロジェクトアシスタントである堅田愛咲美氏だ。
ビジュアルがリニューアルされた本作について,高井氏は「10年前のタイトルだから厳しいかと思っていたけど,案外イケる」とコメント。PC版から継承した倍速モードによる戦闘は,グラフィックスが向上しても処理落ちすることなく軽快。湿地帯における水面の表現は,より“水”らしく刷新されている。
ブースの前に多くの人を集め,盛況のうちにイベントを終えたTHE LAST REMNANT Remastered。この盛り上がりようを見ると,リマスター版だけでなく続編も……と思うところだが,高井氏は「(続編は)このゲームが好きだった人に作ってもらいたい」と語った。ここは堅田氏に期待,といったところだろうか。
「THE LAST REMNANT Remastered」公式サイト
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