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[TGS 2018]鈴木 裕氏の新作VRゲーム「VRSUS(仮)」発表会レポート。“狭い空間で弾幕をかいくぐる”がコンセプトの対戦型VRシューティング
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印刷2018/09/21 01:45

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[TGS 2018]鈴木 裕氏の新作VRゲーム「VRSUS(仮)」発表会レポート。“狭い空間で弾幕をかいくぐる”がコンセプトの対戦型VRシューティング

 東京ゲームショウ2018が開幕した2018年9月20日,JPPVRとVRESの共同ブースにて,新作VRアーケードゲーム「VRSUS(仮)」(以下,VRSUS)の発表が行われた。

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JPPVR公式サイト


 8月に設立1周年を迎えた若い会社であるJPPVRは,VR筐体の企画・販売を手がけており,今回の東京ゲームショウでは7機種15台のVR筐体を展示している(関連記事)。一方で,VRESはJPPVRのパートナー企業として,VRとeスポーツを融合させたゲ―ム,およびプラットフォームを開発,提供することを生業としている。
 そんな2社がリリースする新作VRゲームが,この「VRSUS」である。総合プロデューサーは,YS NET代表取締役の鈴木 裕氏で,鈴木氏といえば,セガのアーケードゲーム「ハングオン」「アウトラン」といった体感ゲーム,また「バーチャファイター」シリーズ「シェンムー」など,数多くの名作ゲームを作り上げたレジェンドクリエイターでもある。

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JPPVR 専務取締役の田畑俊哉氏。かつてはセガの取締役を務めたこともあり,鈴木氏を「親しくしてる友人であり,尊敬するナンバーワンの人物」と紹介
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VRESのCPO,セラレン・キャンベル氏。アーケードにおけるVRゲームの未来について,「実際に身体を動かす,リアルなスポーツに近づけたい」と語っていた。また世界的にも著名なクリエイターである鈴木氏は,個人的にも大ファンとのことで,共にゲームを作るチャンスにワクワクしているとのこと

YS NET代表取締役 鈴木 裕氏。氏が最初に提示されたのは「VRであること」「アーケードゲームであること」という2つのキーワードだという。1980年代にアーケードゲーム開発に携わってきた鈴木氏は,プロジェクトに参加した経緯について,アーケードを盛り上げるためならと思い立ったそうだ
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 鈴木氏はこれまで多くのゲーム開発に携わってきたが,VR作品を作るのは今回が初で,制作もまだ始まったばかりとのこと。今回の発表も「まだプロトタイプですが,何らかの形で見せてコンセプトだけでもお伝えしたい」という趣旨なのだとか。そう前置きをしつつ,氏はムービーなどを挟みながら,「VRSUS」がどんなゲームなのかを語り始めた。

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 本作のゲームメカニクスは,基本的に「2人で対戦するシューティング」となっていて,弾を相手に当てれば得点となり,点数を多く獲得したほうが勝利という仕組みである。シューティングといっても銃を使うような殺伐としたものではなく,「VR空間で楽しむスポーツ」的な雰囲気を目指したとのこと。
 そのコンセプトは,「3D空間の中をたくさんのボールが飛び,狭い空間をかいくぐるような感覚を味わう」というもので,ムービーではそのとおり,画面を埋めつくさんばかりの弾幕を見ることができる。弾はただまっすぐ進むだけでなく,スピードに緩急がついていたり,上下左右から角度を変えて飛んできたりとさまざまだ。


 対戦フィールドは奥行き15メートル,幅3メートル,高さ3メートルの空間になっていて,広がりを出すためにアリーナ(観客席)が設けられている。プレイヤーはこの限られた空間の中で,相手に弾を命中させることを目指していく。
 鈴木氏よれば,これは「ゲームの面白さがどこにあるか探している状態」とのことで,その中で「いくつかこれでいいな,というのが見えてきた」と,現在の開発状況を語っていた。あくまでプロトタイプながら,可能性は感じているといったところだろうか。

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 プレイアブルデモを使った,実際に対戦している様子も披露された。ゲーム開始時のチュートリアルによれば,現段階での操作方法は4種類で,基本的な攻撃の「ノーマルショット」。弾速は遅いが,弾自体が大きく威力も高い「チャージショット」。相手の弾を防ぐための「シールド」,そしてスペシャルな攻撃である「バレットタイム」があるという。

デモプレイを披露したお二人。VRのジャンルとしてはフリースタイルというものにあたり,VR酔いも発生しにくいという
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プレイヤーが構えると,その動きをトレースしてゲーム内のキャラクターが動くのは,いかにもVRらしい。ノーマルショットは壁に当てると反射し,フィールド内の丸いオブジェクトを取ると加速する
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チャージショットは,弾速が遅いためにノーマルショットと組み合わせることで効果を発揮する。操作するボタンはノーマルショットと同じだったようなので,その名のとおり押しっぱなしで溜めてから撃つのかも
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左手に張られたシールド。サイズはあまり大きくないので,ちゃんと弾の軌道に合わせて置かないと防ぐことはできない。また何度も使うと効力が落ちるという
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バレットタイムは,ラジオ体操のように「体の前でクロスした両腕を,横に振り下ろしつつ姿勢を低くする」ことで発動する。その効果はさまざまというが,今は2種類しか用意していない,とのことだった

 なおポイントにつながる,いわゆる「当り判定」は頭のみについているとのこと。これは視界を覆うような弾幕であっても避けられるようにするため――ひいては,それだけのたくさんの弾が飛び交うようにしたいという意図で,この調整になっているそうだ。とはいえ,あくまでプロトタイプであるため,今後変更になる可能性もあるとのことだった。
 また分かりやすくするために,今回はあえて4種類の動作しか用意しなかったというが,今後は攻撃と防御ともに,もっと多くの種類を用意したいとも鈴木氏は語っていた。

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 デモプレイヤー2人による実際の対戦は,両手を振り回して壁反射ショットを多用していたため,非常にスタイリッシュに感じられた。弾幕を避けるにも,プレイヤーは同位置から動かないので,腰から下はあまり使わないようだった。体力のないゲーマーには朗報だろう。正直なところ,どうやって避けているのかはいまいち掴めなかったが,やはり当り判定の小ささが効を奏しているようである。

 まだ片鱗だけしか明らかにされなかった今回の「VRSUS」だが,「狭い空間で弾幕をかいくぐる」というコンセプトは楽しそうではあるし,さまざまなアイデアを語る鈴木氏の口ぶりからは,自信のようなものが感じられた。個人的にも,今後の動向に注目したいタイトルだ。

「VRSUS」のステージ後は,「ゲームセンターCX」でおなじみの有野課長と鈴木氏による,「スペシャルトークセッション」も行われた。JPPVRブースで出展されていた「フォトンバイク」で両者が対戦する一幕も
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