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Intel,新社長の鈴木国正氏が2018年を振り返るプレスセミナー開催。2019年以降に登場する新技術を予告
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印刷2018/12/17 20:09

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Intel,新社長の鈴木国正氏が2018年を振り返るプレスセミナー開催。2019年以降に登場する新技術を予告

インテル代表取締役社長の鈴木国正氏
画像集 No.002のサムネイル画像 / Intel,新社長の鈴木国正氏が2018年を振り返るプレスセミナー開催。2019年以降に登場する新技術を予告
 2018年12月17日,Intelの日本法人であるインテルは,東京都内にて報道関係者向けイベント「インテル・プレスセミナー Q4’18」を開催した。これは,四半期ごと,そのタイミングにおけるIntelおよびインテルの取り組みを説明するというイベントで,毎年12月に開かれる会では,1年の取り組みをまとめて振り返るという形を取ることが多い。
 今回は,2018年11月に同社代表取締役社長となった鈴木国正氏(関連記事)が登壇する初のプレスセミナーということもあり,同氏がIntelの現状と将来について,どのような見方をしているのかにも注目が集まった。そんなイベントの概要を簡単にレポートしよう。


2018年における主な活動にはeスポーツ分野への取り組みも


 代表取締役社長に就任してから6週間ほど経った鈴木氏は,その間,国内外の企業や人々,友人たちと会い,経営の課題やIntelに求められているものについてコミュニケーションを積極的に取ったという。
 そんな鈴木氏が,現状のIntelにおける短期的な課題として真っ先に取り上げたのが,CPUの供給問題である。Intel製CPUの供給が需要に追いつかなくなっており,世界的な品不足に陥っていることはよく知られた話だ。この話題を先に取り上げたのは,それだけ同社に寄せられる不満や批判が大きいことの裏返しかもしれない。
 ちなみに会見後の質疑応答で鈴木氏は,CPU供給問題解消のため,14nmプロセスによる製造を行う工場に対してIntelが年初計画よりも10億ドル多い追加投資を行ったと述べていた。

 さて,そんな供給面の課題に触れたうえで鈴木氏は,課題こそ抱えるものの,Intelが今なお半導体製造において世界最高水準の技術を有しているとあらためて強調してみせた。そして,コンピュータとネットワークから生み出される膨大なデータを顧客企業がどう使って何ができるのかを手伝うのがIntelの役目であり,創業50周年を超えた同社にとって,最大の機会が訪れていると続けている。

鈴木氏が示すIntelの強みと課題。半導体製造企業としては世界最高水準の技術を有することに変わりはなく,5GやAIといった新しい分野に対応すべく,データの移動と保存,処理に向けたソリューションを提供するデータ中心の企業への変革を加速していくという
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2018年のIntelにおける6つのトピック
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 鈴木氏は2018年のIntelを振り返り,6つのトピックについて簡単に説明したのだが,ゲーマーにも関わるトピックとしては,新世代CPUの投入とeスポーツ分野での発展を挙げている。
 まず新CPUだが,4月にはノートPC向け第8世代Coreプロセッサを,10月には第9世代Coreプロセッサを発売。ゲーマーやコンテンツクリエイター向けの製品を強調できたと,鈴木氏は振り返る。

2018年のIntelは,第8世代および第9世代Coreプロセッサを投入。供給問題が水を差したが,PC市場は順調だったようだ
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 それに加えてeスポーツ分野では,Intelが共同で開催している国際的なeスポーツイベント「Intel Extreme Masters」(以下 IEM,関連記事)の盛り上がりについて触れたうえで,国内でもPCゲーム主体のイベントを主催するなど,ゲームに関わる取り組みを強めていることを強調していた。

世界各地でIEMを開催。PCにおけるeスポーツの盛り上がりに貢献した(左)。2018年平昌冬季オリンピックにもスポンサーとして参加し,ドローンやVRを使った新しい体験をアピールしたという(右)。2020年の東京五輪では,どんな取り組みが見られるだろうか
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2019年以降のIntelプロセッサに使われる技術への言及も


技術本部 技術本部長の土岐英秋氏
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 鈴木氏に続いて登壇した技術本部 技術本部長である土岐英秋氏は,2018年におけるIntelの技術的なトピックを取り上げている。もっとも,話題の中心はデータセンター向けの技術や製品で,ゲーマーを含む一般消費者に直接関わる話は多くなかった。

土岐氏は,2019年前半に投入予定という次世代Xeonプロセッサ「Cascade Lake」(開発コードネーム)について簡単に説明した。最大48基のCPUコアを搭載するのに加えて,新たに深層学習向け機能「Intel Deep Learning Boost」を採用して,深層学習における処理能力を大幅に強化したという
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 そんな中でも,デスクトップPC向け第9世代Coreプロセッサについては,半導体ダイとヒートスプレッダをつなぐ素材として,熱伝導性に優れたはんだを使う「Solder Thermal Interface Material」(STIM)を採用することで,放熱効率を高めているといった特徴が説明された。

一般消費者やゲーマー,クリエイター向け製品における特徴を列挙したスライド。第9世代Coreプロセッサにおける改良点が話題の中心だ
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 ところで土岐氏は,去る12月12日に発表となった,Intelが将来投入する予定の技術についても,ごく簡単にだが紹介している。
 その1つ,「ロジックチップの3次元積層技術」は,NANDフラッシュメモリで使われているような半導体ダイの積層化技術を,プロセッサにも応用できるようになったという話題である。現在のプロセッサでは,CPU部分とチップセット部分を別々の半導体ダイで製造した場合,パッケージ上に個別のチップとして実装したうえで,それらをインターコネクトによって接続するのが一般的だ。あるいは,CPUとチップセットを同じプロセスで作って半導体ダイ上に統合するというSoC(System-on-a-Chip)的な手法もある。
 しかし,3次元実装技術をプロセッサに利用できるようになると,異なるプロセスで作ったCPUやチップセットの半導体ダイを,積み重ねて実装することが可能となると,土岐氏は述べる。CPUの性能面や実装面積の点で有利に働く技術だろう。

 そのほかにも,2019年以降に登場するIntel CPUの統合型グラフィックス機能では,現在よりも大幅に内部演算ユニットを増量することで,1 TFLOPSもの演算能力を実現する予定であるという話題も氏は取り上げている。
 単体GPUの演算性能が1 TFLOPSに到達したのは,2008年に登場した「Radeon HD 4850」の頃であり,PlayStation 4のGPUは1.8 TFLOPSの演算性能を有することを考えると微妙な気持ちになるのだが,CPU内蔵機能で今どきのゲームをプレイできるレベルになるのであれば,歓迎できる話ではないだろうか。

12月12日に発表となった,今後の取り組み。まだ日本には情報が来ていないので,詳しいことは分からないという話だが,ロジックチップの3次元積層技術,新CPUアーキテクチャの「Sunny Cove」,そして次世代グラフィックスといったあたりは,2019年以降のゲーマー向けPCや一般消費者向けPCにも関わってくるのではないだろうか
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 2019年における具体的なプランについての言及はなかったものの,ゲーマーにも関係するIntelのイベントや施策が増えることを期待したいところだ。

Intel 日本語公式Webサイト


  • 関連タイトル:

    第9世代Core(Coffee Lake Refresh)

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