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「あんスタ!!追憶セレクション『チェックメイト』」先行上映会の夜公演をレポート。「青春」の想い出を聞いたインタビューもお届け

 Happy Elementsがおくるスマホアプリ「あんさんぶるスターズ!!」のアニメプロジェクト最新作「追憶セレクション『チェックメイト』」の先行上映会が,2024年3月3日にパシフィコ横浜で開催された。

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 本イベントはYouTubeでの全話配信に先駆けて行われ,新作アニメ全話の一挙上映,出演キャストによる上映後のトークパートで構成されている。本稿では,月永レオ役の浅沼晋太郎さん,瀬名 泉役の伊藤マサミさん,朔間凛月役の山下大輝さん,朱桜 司役の土田玲央さんが登壇した夜公演のトークパート,その後行われたインタビューの模様をお伝えしよう。

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まさかの,全員スタンディングスタイルで盛り上がったトーク。それぞれに思い入れのあるシーンも披露


 本編終了後,4人のキャストが舞台上に登壇し,アナウンサー原口大輝さんのMCでトークパートが進行した。最初の挨拶では,夜の部からの参加となった浅沼さんが「すごくたくさんのお客さんですね。さっき着いたばかりなので,何も分かっていません。(昼の部にも出演していた)3人に,“おんぶにお姫様抱っこ”でいようと思います!」と宣言し,場をわかせた。

※初出時,アナウンサーのお名前に誤りがありました。正しくは原口大輝さんです。お詫びして訂正いたします(2024年3月26日21:18)

 ステージには,椅子とドリンクの乗ったミニテーブルが用意されていたものの,4人が座っていたのはほんの一瞬。基本的には立った状態で,ステージを動き回ったり派手なアクションを交えて説明をしたりと,サービス精神たっぷり,息もぴったりだ。

 挨拶のあとは,今回参加できなかった鳴上 嵐役の北村 諒さんの事前収録映像が流された。3月3日は鳴上 嵐の誕生日ということで,北村さんが「嵐ちゃーん!」,会場が「お誕生日おめでとう!」とコール&レスポンスをする温かいひと幕も。

 VTRは続き,北村さんの「追憶セレクション『チェックメイト』」に関するテーマトークも届けられた。新曲「We’ll be “Knights”」「Luminous Crown」について,対のような関係にあると語る北村さん。「Luminous Crown」がとくに好きで,ライブで歌いたいという。アフレコ時のエピソードでは,収録時に山下大輝さんと一緒になり,山下さんの自宅まで車で送ったという話を披露した。

 本作の好きなシーンについては,北村さんはたくさんあるとしながらも「昔話から現在につながる瞬間。最終回,『Knights』の5人が揃っているシーンに鳥肌が立った」と語った。VTRの最後には,モニターのなかから目に見えない何かをそそぐような手振りをし,それを受け取った壇上の4人がアドリブでリアクションしたり,北村さんがいるという大阪方面に「がんばってね!」と声をかけたりするなど,遠くにいても5人のチームワークは抜群だということを見せてくれた。

 VTR後は,壇上4人のテーマトークへ。お題は「自分だけに響いていそうな細かいおすすめシーン」だ。
 山下さんは第5話の,レオが嵐と凛月に「歌っていけ」と声をかけるシーンをチョイス。ずっと「朔間 零の弟」という目で見られていた凛月を,色眼鏡なしに見ているレオが放った何気ないひと言が人を動かす,見逃がせない部分だと語った。

 伊藤さんが選んだのは,泉が新曲「We’ll be “Knights”」の自主練で手ごたえを感じているシーン。この場面の収録時,台本にはト書きのみで歌詞が書かれていなかったため,ここでは収録音源が流れると思っていた。しかし実際にはアカペラで歌うことになり,冷や汗をかいたとのこと。

 土田さんは,「Luminous Crown」を歌っている司の“悲観的でない表情”を挙げる。また,年末特番で発表されたメインビジュアルに司がいなかったことから,出番があるのかが心配だったといった冗談を言いながら,最後に5人の「Knights」がしっかり出てきて安心したとも語った。

 浅沼さんが選んだのは,レオが泉の言語センスを褒めるシーン。レオは泉の中身もセンスも好きで信頼しているのだということが分かるからとのこと。実は,ほかにも「We’ll be “Knights”」を歌っているシーンで剣を手に取るのを一瞬ためらう場面も候補に挙げたそうだ。

 キャスト陣の「Knights」に対する深い愛情が感じられたトークのあとは,新情報の告知コーナーへ。「追憶セレクション『チェックメイト』連動 はじめよう、『Knights』キャンペーン」外部リンク)をはじめとした各種トピックスが公開され,客席からは拍手と歓声が上がっていた。


 今回上映された「追憶セレクション『チェックメイト』」は現在,YouTube「あんスタチャンネル」にて配信中だ。現在の「Knights」が結成される前,彼らが歩んできた軌跡を,ぜひじっくりと味わってみよう。

「あんスタチャンネル」(YouTube)



トークパート登壇キャストインタビュー


 終演後は,メディア合同のキャストインタビューが行われた。

──「追憶セレクション『チェックメイト』」先行上映会トークショーのご感想をお聞かせください。

土田玲央さん(以下,土田さん):
 5人揃いはしませんでしたが,4人登壇した舞台でもワチャワチャがすごかったなと(笑)。それでも楽しんでくださる方がたくさんいらっしゃって良かったです。

伊藤マサミさん(以下,伊藤さん):
 「(アニメプロジェクト「追憶セレクション」に)いつか来るんじゃないかな」とは思っていましたが,こうして実現されてうれしいです。今日の先行上映も,これだけ大勢の前で開催できたというのがすごいことですよね。5500人もの方が会場で一緒になって。玲央も言っていましたが,久々に「Knights」のメンバーでワチャワチャできたのも楽しかったです。

山下大輝さん(以下,山下さん):
 久々に集まったのに,全然そんな気がしませんでした。ひと言喋るたびにノリを思い出して,時間が押しちゃうくらいに会話が膨らみまくって。でも,それが「Knights」っぽいかな,と。今度は(北村 諒さんも含めた)5人全員集合したいです。

浅沼晋太郎さん(以下,浅沼さん):
 今日は別の現場から駆けつけたので,夜公演のみの出演でしたが,マネージャーと一緒にタクシーのなかから入場する方の列を見て,「えー,すげぇ。なにコレ?」って言っちゃったんです(笑)。

伊藤さん:
 “コレ”が“ソレ”だよ!(笑)

浅沼さん:
 上映中に何度か,客席の様子をのぞいていたんですが,皆さん真剣に画面を食い入るように観てくださっていました。トークパートでのリアクションも温かくて,ついついそれに甘えて,偉い人に怒られるのも覚悟のうえで遊ばせていただきました(笑)。本当に,きたむー(北村 諒さん)にこの熱が届けばいいな。今度は5人で遊びたいですね。だいきっちゃん(山下さん)にこれを言うと,「肉ですね」しか言わないけど。

山下さん:
 分かりました。

浅沼さん:
 分かりました,じゃないんだよ(笑)。

4Gamer:
 「追憶セレクション『チェックメイト』」は,Knightsの誕生,英智の策略など,さまざまな人の思惑が交錯しながら物語が紡がれていきます。そこには,なかなか物事が思うようにいかず悩むアイドルたちの青春の一面も描かれているのではないかと思います。皆さんが,学生時代に「ままならない」と悩んだこと,それを解決するために行ったことをお聞きしたいです。

伊藤さん:
 学生時代ではないんですけど,昼の部のしんたさん(浅沼さん)のVTRを見ていて,僕と怖いくらいにリンクしている部分があったんですよ。ちょうど10年前くらいに,僕が主宰している劇団からごっそり人がいなくなったときがありました。そのときは僕の意見が正しいと思って,それを押し通そうとしていたんですよ。

 そこから何を変えたかというと,“ちゃんと人を見て,愛を持って接する”ことでした。「Luminous Crown」にも通じますけれど,ちゃんとやり直そうと思ったんです。そこからまた人が増えて,現在に至ります。こういうことから学んで,人は成長するのかなって。昼のしんたさんのビデオコメントを聞いて,同じだと思ったんです。

浅沼さん:
 泣いた? 泣いた? 泣いたよね? 泣きなよ。

伊藤さん:
 何で泣かせようとするんだ(笑)。間違ったことをしてしまっても,あとからいくらでも変えられる。「Luminous Crown」が待ってるよということです。

4Gamer:
 今まさに悩みを抱えている方にも,響くお話だと思います。山下さんはいかがですか。

山下さん:
 僕は,学生時代ずっとテニスをしていたんです。父親がテニスコーチをしていまして,小・中・高と,テニスをして当たり前の環境でした。だけどあるとき,あまり好きじゃないな,と気づいたんです。

4Gamer:
 好きではないながら,かなり長く続けられたんですね。

山下さん:
 テニスをする日常が普通だったし,当然だと思っていたので。でも,だんだん楽しくないな,と感じるようになりました。逆に,僕はディズニーが大好きで,ディズニーを見ていると,心がワクワクするし,揺れ動くんです。その気持ちに素直になろうと思ったのが,上京したタイミングでした。そういう,“一歩踏み出す勇気”が必要な瞬間が,過去にありました。あのとき,そうしなければ「Knights」にも出会えなかったですし。勇気を出してよかったですね。

4Gamer:
 テニスを辞めるとき,お父様との間に何かあったりとかは……。

山下さん:
 いえ全然。それから,僕には兄がいるんですが,よく兄と比べられていたのも嫌でしたね……あっ!(ハッとした顔で)

一同:
 えーっ!?

土田さん:
 まさかの,凛月とのリンク!?

浅沼さん:
 怖い…!

山下さん:
 そう,そんなこともあったんですよね。

4Gamer:
 ありがとうございます。浅沼さんのお話もお聞かせください。

浅沼さん:
 学校を卒業してからの話になるんですが……。本当は映画監督になりたかったんです。でも道がちょっとズレて舞台のほうに進み,悲しい別れも体験し,何度も挫けそうになりました。それでも“人との出会い”で自分を保ちながら現在に続いている,というところはありますね。振り返ってみると,僕は自分がなりたいと思ったものにもなれていない。だから……ええと,僕は何が言いたかったんですか……?(笑)

4Gamer:
 まだ,“ままならなさ”の渦中にいるということでしょうか。

浅沼さん:
 そうですね。自分にとって思い通りになっているものは1つもないまま,こんな感じに進んできてしまった。皆がいないと何もできない。たぶんパンツも履けない。お世話になります!

一同:
 パンツは履こう(笑)。

4Gamer:
 では,土田さんお願いいたします。

土田さん:
 実は僕の苗字「土田」は,土に点が付いている「圡」の漢字なんですよね。初期の「あんスタ!!」のクレジットでも,その漢字表記なんですが,将軍とか偉い人に仕えている武家の家系なんだそうです。そういうところは,司と似ているところかもしれないです!

伊藤さん:
 ……今,共通点を言うところじゃないからね!?

土田さん:
 えーっと,それは置いておいて(笑)。僕は,「ちゃんとしている人たち」のなかで育ったんです。父が教師で,母はPTA会長をやっていたりして。長女は勉強が,次女は運動ができたんですが,自分は“クラスのちょっと面白い人”に名前が挙がるくらいで,とくに取り柄がありませんでした。姉の影響で学生時代はバスケットボールをしていましたが,運動ができる姉と比べられて,劣等感に苛まれました。ままならないな,と思いましたね。

浅沼さん:
 でも,(トークパートのときに)俺たちがワチャワチャしているところを,ちゃんと進行してくれるとか,完全に司だったよ? お客さんたちもそう思ってたと思う。

土田さん:
 本当ですか。「僕だけでも進めなければ!」と思って(笑)。そんな感じで,いろいろありながらも,自分の好きな「声を使ったお芝居」でなんとか食べていけているので。誰にでも,どこかに「輝ける場所」があるんだなと思っております。

──ありがとうございます。では最後に読者へのメッセージをお願いいたします。

伊藤さん:
 長年「あんスタ!!」を愛してくださっている方には,一度は通った道かもしれないですけど,これから「Knights」を知る方,最近知った方は,「追憶セレクション『チェックメイト』」を観れば,彼らの過去が分かります。決して明るい話ではないんですけど,今こうやってインタビューでも話が出たように, “過去がどうであれ,いつか幸せが待っている”,“仲間を大事にすることが,その未来につながっていく”というメッセージも込められています。

 歌あり,コミカルなシーンもあり,めちゃくちゃ綺麗な絵もありで,パッケージとしても楽しめますが,何より彼らの成長と,未来への道筋が,“今を頑張っている人たち”に刺さるのではと思います。ぜひ何回も観て深読みしていただければ,と思います。

山下さん:
 テキスト上では,「追憶*モノクロのチェックメイト」を知っている方も多いと思うのですが,それがフルボイス化し,アニメーションになり,MVにもなり……。分かりやすく「Knights」の歴史が皆さんにお届けできるようになりました。

 過去の「Knights」を知らない方は,「雰囲気がピリピリしていて見ているのがきついな」と思うかもしれませんけど,ちゃんと最後には,今の「Knights」が待っています! 途中であきらめないで,絶対最後の最後まで観ていただきたいなと思います。過去の「Knights」から今の「Knights」まで,おいしく召し上がっていただけるプレートに仕上がっていますので。

浅沼さん:
 何年も前のイベントだか配信で,マサミ(伊藤さん)が,夢の1つとして「追憶*モノクロのチェックメイト」の映画化を挙げていたんです。

伊藤さん:
 言ってた? そうだったっけ,言ってみるもんだなぁ!

浅沼さん:
 今日,あんなに大きいスクリーンで……あんな人数が入る映画館もそうそうないですよ。映画館を超えているじゃないですか。

土田さん:
 ライブビューイングの方たちは,まさに映画館で観ていますしね。

浅沼さん:
 だから,僕は「夢叶うところに,立ち合っちゃった!」って思いました。ぜひ,何度も観て,「マサミ,観たよ!」って……。

伊藤さん:
 (笑)。

浅沼さん:
 まぁ無理に伝えなくてもいいんですけど(笑)。実は僕たちも,この収録で知ることが結構多くて。レオが五奇人になる可能性がゼロじゃなかったんだ,ならなかった理由は,英智がレオと友達でいたかったから,だとか。あとは,血で書いた楽譜の内容とか。「Checkmate Knights」の譜面なんですよね。

4Gamer:
 映像にしたことで,情報が浮かび上がってきたということですか。

浅沼さん:
 そうです。僕らは収録の時点ではほかの役者の演技を聞くことはなかったし,ゲームとは違った構成だったりもしますから,完成した映像から新しく発見することも多かったんです。もしかしたらそれは,いつもゲームをプレイしてくださっている転校生ちゃん,プロデューサーさんも,そうかもしれない。だからこそ,何度も愛でてほしいです!

土田さん:
 ゲームでの「追憶*モノクロのチェックメイト」はバッドエンドということになっていますけど,今回の「追憶セレクション『チェックメイト』」の映像では,最後に現在の時系列になり,しっかりと司がいて,「今の『Knights』は,こうです!」ということを見せてくれているので,バッドエンドではなく,ハッピーエンドなのです!

浅沼さん:
 まだ“エンド”じゃねえよ……!

土田さん:
 じゃあ,ハッピー,ハッピーブラウニー? ええと,「Knights」のアルバムの曲は……。

一同:
 「Wonderful Happiness」だよ!

伊藤さん:
 遠すぎでしょ!

浅沼さん:
 大喜利じゃないんだから!(笑)

土田さん:
 今幸せに続いておりますので,引き続き,応援していただけたらなと思っています(笑)。「あんさんぶるスターズ!!追憶セレクション『チェックメイト』」には今の「Knights」がいるから,安心して観てください。Checkmate!

――ありがとうございました!

「あんさんぶるスターズ!!追憶セレクション『チェックメイト』」公式サイト

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