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「UNDERTALE」「メルルのアトリエ」などを吹奏楽で演奏。「4star2019 ensuite Wind Orchestra Stage」のリハーサル現場に潜入
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印刷2019/08/09 12:00

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「UNDERTALE」「メルルのアトリエ」などを吹奏楽で演奏。「4star2019 ensuite Wind Orchestra Stage」のリハーサル現場に潜入

画像集 No.001のサムネイル画像 / 「UNDERTALE」「メルルのアトリエ」などを吹奏楽で演奏。「4star2019 ensuite Wind Orchestra Stage」のリハーサル現場に潜入
 4Gamerを運営するAetasは,4年に1度のゲーム音楽フェス「4starオーケストラ2019」を,2019年8月11日に東京・大田区の片柳アリーナで開催する。

 これまでの4starオーケストラは公演ごとにチケットが必要だったが,今回は1枚のチケットだけで昼から夜まですべての公演を楽しめる構成となった。ステージは大きく分けて,吹奏楽編成の「4star2019 ensuite Wind Orchestra Stage」,小〜中編成による演奏やトークショーなどが楽しめる「4star2019 Street Stage」,オーケストラ+バンド編成の「4star2019 Primal Orchestra Stage」の3公演が予定されている。

 今回はそのうちの一つ,「4star2019 ensuite Wind Orchestra Stage」のリハーサル現場を取材した。
 演奏を担当するのは,ゲーム音楽を愛する音大生や音大OBで構成された「洗足ゲーム音楽ブラス」を母体とする,「4star2019 ensuite Wind Orchestra」だ。
 公演当日は「UNDERTALE」「メルルのアトリエ 〜アーランドの錬金術士3〜」(以下,「メルルのアトリエ),「ショベルナイト」「ソリティ馬」「MOTHER2 ギーグの逆襲」(以下,「MOTHER2」)の楽曲が,各タイトルごとのメドレー形式で披露される。

真剣な雰囲気のリハーサル現場。外の暑さに負けないほどの熱気に包まれていた
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4starオーケストラ2019 公式サイト


 過酷な猛暑に見舞われた2019年8月2日,都内某所のスタジオに数十名を超える「4star2019 ensuite Wind Orchestra」の奏者が集まった。メンバーには音大生やそのOBが多いということもあってか,若い世代が多い印象。楽器や楽譜を準備するときにはメンバー同士が談笑していたが,リハーサルが始まると表情は一変。真剣な顔つきになった。
 最初に練習が行われたのは「ショベルナイト」のメドレー。タイトル画面の楽曲である「Main Theme」の最初の1音からアップテンポで力強いサウンドが展開され,間近で聴くとその迫力に圧倒される。その勢いに乗って,今回演奏される楽曲の練習が次々と行われていく。

指揮者の竹内健人氏
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 一つのメドレーの練習を終えるたびに,指揮を担当する竹内健人氏から,メンバーに対して細かなニュアンスなどの修正指示が入り,演奏が仕上げられていく。また,メンバーからも演奏の細部に対する質問や提案が次々となされ,そのたびに楽譜が修正されていく。
 「良い演奏を作り上げよう」という真剣な雰囲気に満ちていたが,それは決してピリピリとしたものではなく,竹内氏の柔和な口調もあってか,時折メンバーにも笑いがこぼれるなど,終始穏やかな雰囲気でリハーサルが進められていった。

 「メルルのアトリエ」メドレーの練習では,リハーサルに同席していた作曲家の柳川和樹氏(「アトリエ」シリーズの楽曲制作に携わり,今回の「メルルのアトリエ」メドレーの吹奏楽編曲も担当)が,メンバーに直接指導。「女性が主人公のゲームなので,もう少し軽めの音でお願いします」など,作品の世界観に沿った指示が出されていた。

 今回のリハーサルの演奏をすべて聴いた中で,個人的にとくに心に響いたのは,「MOTHER2」のエンディングテーマである「SMILES and TEARS(スマイルズ・アンド・ティアーズ)」だ。「MOTHER2」の楽しい旅路の思い出がよみがえってくるような,あたたかく美しい響きが涙腺を刺激する演奏となっていた。さらに仕上がっているであろう本番の演奏にも期待したい。

 また,近年大きな人気を誇る「UNDERTALE」は,約15分ほどのボリュームで多数の楽曲が演奏されていた。「UNDERTALE」はゲームで流れる原曲も名曲ぞろいだが,今回は吹奏楽ならではのアレンジが加わっており,ジャズ風なサウンドも顔を出すなど,非常に聴きごたえのあるものになっている。

 こうして,約4時間にわたって行われたリハーサルは,すべての楽曲をみっちりと練習して終了した。メンバーの皆さんの顔を見渡すと,長丁場の練習でやや疲労をにじませながらも,充実感に満ちていたのが印象的だった。


 リハーサル終了後には,「メルルのアトリエ」の柳川氏,そして指揮者の竹内氏&「MOTHER2」「UNDERTALE」(一部)の編曲に携わった三原雄一朗氏に感想を聞くことができた。その模様をご紹介しよう。

柳川和樹氏
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4Gamer:
 リハーサルお疲れさまでした。
 お聴きになっての感想はいかがでしたか。

柳川和樹氏(以下,柳川氏):
 今日,初めて「メルルのアトリエ」メドレーの音を出していただいたんですが,自分の書いた譜面が実際の音になったら,すごく感動するんですよ。ファーストインプレッションとしては,「とても良いものになりそうだ」と思えたので,皆さんにもぜひご期待いただければと思います。

4Gamer:
 「メルルのアトリエ」メドレーの練習の際には,柳川さんからメンバーの皆さんへ向けて「女性が主人公のゲームなので,もう少し軽めの音でお願いします」という指示が出ていたのが印象的でした。

柳川氏:
 そうですね,元のゲームの中でもそうなんですが,軽めの楽曲が多いので,そのへんも意識して演奏を仕上げていただければということで,メンバーの皆さんへお伝えしています。

4Gamer:
 それでは,来場者に向けたメッセージをお願いいたします。

柳川氏:
 これからさらに仕上げをしていって,より良い演奏になっていくと思いますので,皆さんも楽しみにして会場までお越しください!

4Gamer:
 ありがとうございました。


(左から)三原雄一朗氏,竹内健人氏
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4Gamer:
 リハーサルを終えてみての感想をお願いします。

竹内健人氏(以下,竹内氏):
 いやあ,名曲ぞろいですね。本当に,演奏する楽曲がどれも音楽として素晴らしいです。

4Gamer:
 私も演奏を間近で聴かせていただいて,名曲が多いなとあらためて思いました。サウンドも,吹奏楽の迫力に満ちたものになっていて,圧倒されました。

竹内氏:
 ありがとうございます。吹奏楽の迫力や,吹奏楽ならではのブラスセクションの響きというものを,素晴らしい編曲者の皆さんが作ってくれたので,我々も演奏していて楽しいです。

4Gamer:
 竹内さんは,指揮棒を振っていて,とくに心が震えた楽曲はありますか?

竹内氏:
 どれも甲乙つけがたいです。どの楽曲も本番が楽しみですし,振りながら泣いてしまうかもしれません(笑)。

4Gamer:
 続いて三原さんにお聞きしたいのですが,編曲を行うにあたって心掛けたことはありますか?

三原雄一朗氏(以下,三原氏):
 原曲を完全に再現するということよりも,吹奏楽としてより良く聴こえるように,という点に気をつけて編曲しました。

4Gamer:
 吹奏楽で楽曲をより昇華させるということですね。ところでお二人は,これまでもゲーム音楽を演奏されてきた縁もあって,今回「4starオーケストラ2019」にご参加されたそうですが,もともとゲームの音楽はお好きだったのでしょうか?

三原氏:
 はい,とても。
 ……この3文字に集約されていると思います(笑)。

竹内氏:
 僕よりも,三原くんのほうがすごくゲーム音楽が好きなんですよ。僕は三原くんと一緒に活動することで,ゲーム音楽の魅力にますます引かれていったんです。

三原氏:
 僕は,小さなころから聴いていたゲーム音楽を演奏してみたいという気持ちが強かったんですよね。それが実現できて,作曲者の方がいらっしゃるような演奏会に呼んでいただけたのは本当に嬉しいです。

4Gamer:
 それでは最後に,会場にいらっしゃるお客様へメッセージをお願いいたします。

竹内氏:
 我々自身が楽しんで演奏しますので,ご来場いただくお客様には,もっともっと楽しんでいただきたい。そんな演奏会にしたいと思っています。

三原氏:
 吹奏楽やオーケストラ,バンドといった,いろんな編成の演奏を一度に聴ける演奏会はそうそうないと思うんです。「4starオーケストラ2019」は,そういう意味でいろんな刺激のあるものになると思うので,音楽は聴く専門という方だけでなく,日頃,演奏に携わっている方にもご来場いただければと思っています。

4Gamer:
 ありがとうございました。


画像集 No.006のサムネイル画像 / 「UNDERTALE」「メルルのアトリエ」などを吹奏楽で演奏。「4star2019 ensuite Wind Orchestra Stage」のリハーサル現場に潜入
 今回リハーサル現場を取材させていただいたわけだが,目の前でどんどん演奏が作り上げられていく熱気あふれる光景に,とにかく圧倒された。演奏会の開催当日に,観客の目の前で披露される生演奏の響きというものは,ほんの一瞬で会場の天井の向こう側へと消えていってしまう刹那的なものだ。「観客に対して贈られる,上質な響きを作りだすために,これほど真剣に練習を積み重ねているのだなあ……」と,感嘆させられた。

 「4star2019 ensuite Wind Orchestra Stage」で演奏される楽曲は,どれも吹奏楽という形で華やかかつ迫力のあるアレンジになっている。原作のゲームが好きな方は,演奏を聴くことでゲームの思い出がまざまざとよみがえってくることだろう。ゲームをプレイしたことがないという来場者にも,きっと一つの純粋な音楽として楽しんでもらえるはずだ。ご興味をお持ちの方は,ぜひ会場へ足を運んでみていただければと思う。

 なお,今回の「4starオーケストラ2019」では,「Playersシート」というものが用意されている。このチケットを購入した方は,「UNDERTALE」の「Hopes and Dreams / 夢と希望」と「SAVE the World」の演奏に参加できるという試みで,楽器は任意のものを持ち込み可能だ(座席のサイズを超える楽器や,電源を必要とする楽器は不可)。
 「4star2019 ensuite Wind Orchestra」のメンバーと一緒に盛り上がることができるので,楽器経験者はぜひPlayersシートで一緒に演奏してほしい。
 なお,当日券は開場時間(12:30)より会場にて販売されるとのことだ。

4starオーケストラ2019 公式サイト

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