企画記事
なぜここまでファンを夢中にさせるのか? 「ツイステ」を紹介&人気の秘密を紐解く
本稿では,あらためてその世界観やゲーム内容を紹介するとともに,本作が“なぜここまで人気を集めているか”を紐解いていきたい。
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奇妙にねじれた異世界「ツイステ」の世界観とは
まずは「ツイステ」のあらすじとキャラクターについて説明しよう。
この物語が描くのは,「悪役たち(ヴィランズ)」の真の姿――
魔法の鏡に導かれ,異世界「ツイステッドワンダーランド」に召喚されてしまった主人公。辿り着いた先は名門魔法士養成学校「ナイトレイブンカレッジ」。
行く当てのない主人公は,仮面の学園長の保護を受け,元の世界へ帰る方法を探し始める。
しかし,そこで待ち受けていた生徒たちは,才能豊かだが,協調性皆無の問題児ばかりだった! はたして主人公は,彼らと協力し,元の世界へ帰ることができるのか? そして,ヴィランズの魂を持つ,生徒たちの秘密とは?
現在更新中のメインストーリーでは,主人公が「ナイトレイブンカレッジ」で起きる事件をとおしてさまざまな人物と触れ合い,学園生活を送る様子が描かれている。ストーリーはエピソードごとに各寮とそこに所属する生徒たちをフィーチャーしており,2020年6月現在ではエピソード4まで公開されている。続いては,各寮と所属する生徒,およびカレッジ関係者について紹介していく。
◆ハーツラビュル寮
○リドル・ローズハート(CV:花江夏樹)
ハーツラビュル寮の寮長。“ハートの女王”が作った不思議な法律を厳格に守っている。規則を破った者には厳しい処罰をくだすため,寮生からは恐れられている。
○エース・トラッポラ(CV:山下誠一郎)
主人公と同じ新1年生。要領が良く明るい性格だが,少し意地悪なところも。同じハーツラビュル寮1年のデュースとはライバル関係。
○デュース・スペード(CV:小林千晃)
主人公と同じ新1年生。立派な魔法士になることを目標に入学した。真面目だが要領の悪いところがある。
○トレイ・クローバー(CV:鈴木崚汰)
ハーツラビュル寮の副寮長。穏やかな性格で,みんなの保護者的存在。周囲に厳しすぎるリドルのフォローにまわることも。
○ケイト・ダイヤモンド(CV:小林竜之)
ハーツラビュル寮の3年生。空気が読めるコミュ力男子。モテ,食,はやりに詳しい。しかし,ときに無情になることも……。
◆サバナクロー寮
○レオナ・キングスカラー(CV:梅原裕一郎)
サバナクロー寮の寮長。高い魔法力を持ちながら,努力を厭い常に気だるげ。母国では第二王子という立場であり,誰に対しても横柄。
○ジャック・ハウル(CV:坂 泰斗)
主人公と同じ新1年生。序列に厳しい硬派な不良。己の力を磨くことに余念がなく,他人と慣れ合うことを嫌う。
○ラギー・ブッチ(CV:市川 蒼)
サバナクロー寮の2年生で,レオナの世話をやいている後輩。貧しい環境で育ったため,食い意地が張っている。
◆オクタヴィネル寮
○アズール・アーシェングロット(CV:田丸篤志)
オクタヴィネル寮の寮長。学内でカフェの経営などをしている。慇懃な態度だが非常に計算高く,守銭奴。
○ジェイド・リーチ(CV:駒田 航)
オクタヴィネル寮の副寮長で,アズールの補佐役。フロイドとは双子の兄弟。丁寧で物腰も柔らかいが……。
○フロイド・リーチ(CV:岡本信彦)
オクタヴィネル寮の2年生。ジェイドとは双子の兄弟だが,口調や表情は大きく異なる。かなりの気分屋で,何を考えているのか掴みづらい。
◆スカラビア寮
○カリム・アルアジーム(CV:古田一紀)
スカラビア寮の寮長。裕福な家の生まれで,おおらかで懐が広い。小さい頃から一緒に育ったジャミルのことを頼りにしている。
○ジャミル・バイパー(CV:二葉 要)
スカラビア寮の副寮長。先祖代々カリムの一族に仕えており,幼い頃から大雑把なカリムに振り回されている。
◆ポムフィオーレ寮
○ヴィル・シェーンハイト(CV:相葉裕樹)
ポムフィオーレ寮の寮長。ひときわ目をひく美貌の持ち主。自らも自分が最も美しいと思っており,美に対しての努力を惜しまない。
○エペル・フェルミエ(CV:土屋神葉)
主人公と同じ新1年生で,儚げな魅力を持つ可憐な美少年。口数が少なく,ミステリアスな印象だが……。
○ルーク・ハント(CV:糸川耀士郎)
ポムフィオーレ寮の副寮長。美しいものを愛し,ヴィルやエペルの美しさを評価している。捉えどころのない人物。
◆イグニハイド寮
○イデア・シュラウド(CV:内山昂輝)
イグニハイド寮の寮長。内気で根暗な性格で,人と接することを好まず,寮の自室に引きこもりがち。しかし,オンライン上では様子が違うようで……。
○オルト・シュラウド(CV:蒼井翔太)
イデアの「弟」。イデアと常に行動を共にしており,兄想いの性格。兄とは対照的に明るく素直で,好奇心が旺盛。
◆ディアソムニア寮
○マレウス・ドラコニア(CV:加藤和樹)
ディアソムニア寮の寮長。妖精族の末裔で,世界でも屈指の魔法力を持つ。ナイトレイブンカレッジにおいても一目置かれる存在だが,そのオーラから他の生徒たちに距離をおかれている。
○リリア・ヴァンルージュ(CV:緑川 光)
マレウスのお目付役。ミステリアスな人物で,少年のような見た目をしているが長い年月を生きているという噂もある。
○シルバー(CV:島﨑信長)
ディアソムニア寮の2年生で騎士のようにマレウスを警護する。無口で冷静沈着だが,時折ひどく眠たそうにしていることも。
○セベク・ジグボルト(CV:石谷春貴)
ディアソムニア寮の1年生。尊敬するマレウスと同じナイトレイブンカレッジに入学できたことを非常に喜んでいる。シルバーとは意見の食い違いから喧嘩をしがち。
◆ナイトレイブンカレッジ関係者
○ディア・クロウリー(CV:宮本 充)
名門魔法士養成学校・ナイトレイブンカレッジの学園長。この世界で身寄りがない主人公に居場所を与えてくれる。
○グリム(CV:杉山紀彰)
主人公の相棒となる,魔法が使えるモンスター。ビッグマウスでお調子者。
○デイヴィス・クルーウェル(CV:伊東健人)
ナイトレイブンカレッジの教師。魔法薬学などの理系科目を担当している。ファッションのことになると周りが見えなくなる一面も。
○モーゼズ・トレイン(CV:小山力也)
ナイトレイブンカレッジの教師。魔法史などの文系科目を担当している。厳しい性格とは裏腹に,ルチウスという名前の猫を溺愛している。
○アシュトン・バルガス(CV:竹内良太)
ナイトレイブンカレッジの教師。体力育成や飛行術などの体育系科目を担当している。熱血漢でナルシストな性格。
○サム(CV:木村 昴)
学園内にある購買部「Mr.Sのミステリーショップ」の店主。きさくな人柄と,生卵から魔法石までなんでも扱う品揃えが生徒の間で評判。
「ツイステ」ゲームシステム紹介
続いてはゲームシステムに触れていこう。序盤の主な遊び方としては,「レッスン」をとおしてプレイヤーランクやエピソードレベル,キャラクターカードのレベルを上げ,メインの「ストーリー」を読み進めていく流れになっている。各メニューについては以下のとおりだ。
◆STORY/ストーリー
【メインストーリー】
主人公とグリム,ナイトレイブンカレッジに通う生徒たちの学園生活を描く本作のストーリーを楽しめる「アドベンチャーパート」と,ノーツをタップして得点を重ねる「リズミックパート」,キャラクターたちが魔法を使って戦う「バトルパート」で構成されている。なお,メインストーリーのアドベンチャーパートはフルボイスで楽しめる。
【リズミックパート】
いわゆるリズムゲームパートで,ここでは手持ちのカードの種類や強さ,プレイヤーランクなどの要素は関係しない。画面の左右から出現するノーツをターゲットの中心に近いタイミングでタップ(もしくはロングタップ)するほど高いスコアを得られる。スコアを獲得するとスコアゲージがたまり,スコアの達成状況によってリズミック内のストーリーが分岐するが,獲得スコアはメインストーリーの進行には影響しない。ノーツの色によってタップ時の有効範囲が異なるので,誤タップしないよう色ごとの有効範囲を覚えておこう。
◆緑ノーツ
画面のどこをタップしてもOK。ノーツがターゲットの中心にきたら,できるだけ正確なタイミングでタップしよう。
◆赤&青ノーツ
赤いノーツは画面の右半分を,青いノーツは画面左半分がタップの有効範囲になっている。同時押しのノーツの場合は模様が変化。
◆紫ノーツ
紫色のノーツは,ターゲットが出現した箇所がタップの有効範囲となるので,ターゲットを追いつつリズムに合わせてタップしよう。
ストーリー中でプレイするリズミックパートの難度はすべて“EASY”なので,初心者でも比較的クリアしやすいだろう。クリアしたリズミックパートは,メニュー内の「リズミック」で難度を変えて繰り返し遊べる。APの消費なしに何度でもプレイでき,ごほうびの条件を満たすことで召喚などで使用する魔法石やマドル(ゲーム内通貨)などを獲得可能。
【バトル】
バトルは魔法を使って交互に攻撃するターン制になっており,自分と相手のターンを交互に繰り返して勝利条件の達成を目指す。使用する魔法にはそれぞれ属性が設定されていて,水は火に強く,木は水に強く,火は木に強いという3すくみの関係のものと,それらに影響されない無属性も合わせた4属性を使い分けて戦う。味方(キャラクターカード)も敵もそれぞれ2つの属性を持っているが,敵がどの属性かはステージ選択時に確認できるので,有利な属性のカードをデッキに加えてのぞむといいだろう。
また,デッキに入れるカードの組み合わせによっては,戦況を有利にする効果を持つ“バディボーナス”や,より強力な攻撃を放てる“デュオ魔法”が発動する場合がある。敵が強くなればなるほど,このあたりの要素も重要になってくる。
本作のストーリーには「メインストーリー」ほか,「レッスン」でカードを育てると読める「パーソナルストーリー」や,ミニトークが楽しめる「おしゃべり」,期間限定イベントで読める「イベントストーリー」も用意されている。
◆LESSON/レッスン
「レッスン」では,APを消費して手持ちのカードの育成ができ,授業をとおしてさまざまな報酬が手に入る。なお,レッスンはオートプレイに任せることも可能だ。
【魔法史】
5枚のカード(※キャラクターの重複は不可)を選び,APを消費して授業を受けるとカードLvが上昇する。魔法史の担当教師はモーゼズ・トレインで,彼のペットの猫・ルチウスも授業に同席しているらしく,生徒たちが猫についてコメントするシーンを確認できる。ちなみに,「抜き打ち」で学園長が授業を見に来ると,生徒たちの取得経験値(EXP)が上がりやすくなるようだ。
■報酬:マドル,カードEXP,開花の蜜(カードEXPを得られるアイテム)
【飛行術】
魔法使いといえば箒,というわけでフィジカル系の授業がこちら。魔法史同様にAPを消費して授業を受けられ,飛行術では各カードの「パーソナルストーリー」を読むためのエピソードLvを上げられる。授業の担当は筋肉自慢のアシュトン・バルガスで,ここでも抜き打ちで学園長が登場することがある。生徒たちの箒の乗り方もそれぞれに個性が現れ,見ていて楽しい授業だ。
■報酬:マドル,エピソードEXP,内緒のおやつ(エピソードEXPを得られるアイテム)
【錬金術】
2人1組で受ける錬金術では,バディLvを上げたり魔法強化素材を獲得したりすることができる。バディ要素と魔法Lvはゲームが進むにつれて重要になっていくので,この授業も忘れずに受けておきたい。なお,授業を受けられるキャラクターやもらえる素材は日替わりとなっている点に注意。担当教師はファッションのことになるとうるさいデイヴィス・クルーウェルである。グッボーイ!
■報酬:マドル,錬金メダル(ショップでアイテムと交換可能),魔法強化素材,キャラクター専用のキャンディ
◆TEST/試験
「試験」は,育てたカードを使い,BPを消費してバトルを行うモードだ。受けられる試験は属性別に2種類あり,報酬が異なる。1回の試験につき1BP消費し,消費したBPは毎日0時になると回復する仕様だ。
■報酬:試験メダル(ショップでアイテムと交換可能),魔法強化素材
「ツイステ」の魅力はどこにある? 人気のポイントを考察
「ツイステ」は2020年3月のリリース以来,まさに飛ぶ鳥を落とす勢いでファンを獲得している。女性から厚い支持を受け安定した人気を誇るタイトルは数あるが,本作はまだリリースから半年も経っていない状況にもかかわらず,そこに手が届きそうなほどの勢いがあるように筆者は感じている。
これだけ多数のタイトルが市場に溢れている昨今では,「個性豊かなイケメンキャラクター」「豪華キャスト」「面白いストーリー」というだけでは,ここまでの“爆発”を起こすことはできないように思う。では,なぜ本作はここまで多くのファンの心を掴んだのだろうか。ディズニー作品から着想を得た親しみやすいコンテンツという強みも無論あるとは思うが,以下では筆者が感じる本作の魅力をとおし,人気につながる要素について考えていきたい。
1.華やかで美しく,だが毒のあるビジュアル
女性向けに限らず,あらゆる作品において人気を獲得するには“パッと目を引く魅力的なビジュアル”は要素として大きいだろう。本作のキャラクターデザインは,漫画「黒執事」などを代表作に持つ枢 やな氏(原案とメインシナリオも担当)が手掛けており,キャラクターのイケメンっぷりとビジュアルの美しさはさすがの一言だ。さらに本作は,出てくるキャラクターはもれなく全員イケメンなのに,ヴィランズがテーマなだけあって誰も彼も実にいい……もとい,“悪い”表情をするところがいい。
本作に登場するキャラクターのほとんどが,爽やかな笑顔というより「何かをたくらんでいるような表情」や「人を見下すような顔」(“悪い顔”を好きな人は意外と多い)を見せてくれるのだ。それはスチルやカードイラストだけにとどまらず,ゲーム本編ではLive2Dアニメーションによって表情や動きが加わり,よりイキイキとした姿を見せてくれる。
ちなみに,ゲーム中のアクションはキャラクターごとに異なるものも多く,さらなる個性の演出にも一役買っている。個性といえば,全員が異なるメイクを施しているところも魅力的だ。
このほかにもSDキャラクターのかわいらしさや,細部まで凝った衣装に背景,セットの作り込みを見ているだけでワクワクさせられてしまう。この作り込みは,次で挙げる「考察したくなる」要素にもつながっている。
2.考察したくなる世界観
本作はウォルト・ディズニー・ジャパンが制作に協力しており,シナリオやキャラクター造形などにさまざまなディズニー作品のモチーフが使われている。それらの作品と「ツイステ」の世界は決してイコールではないが,世界観やキャラクターを理解していくうえで,元となった作品はとても重要な手がかりになるはずだ。
材料として“多くの人が知る,すでに完結した物語や要素”があることは,考察を狭めるようでいて,逆にさまざまな解釈ができるように感じられる。ストーリーから離れたところに“ヒント”があり,そこから自分なりの答えを想像する楽しさがあると言えるのではないだろうか。
たとえば「ツイステ」の世界には,“グレート・セブン”という伝説の存在があったという。ナイトレイブンカレッジに通う生徒たちは彼らに憧れを抱いており,7つの寮もそれぞれの作品(グレート・セブン)にインスパイアされている。公式に明言されていないためここでは言及しないが,寮のイメージだけでなくキャラクター個人にも,インスパイア元を彷彿とさせるモチーフが多く感じられる。
だがこれらはほんの入口で,本作には「ここには意味があるのでは?」と思わせる小ネタが極めて多く,キャラクターだけでなく「ツイステ」の全体像まで考察をしたくなる魅力がある。そして現在は,それぞれの寮やキャラクターたちの姿が少しずつ紐解かれ,ほどよい“ネタ振り”と“答え合わせ”が,絶妙なバランスで行われていている最中なのだ。作品を楽しむファンが各々の感想や考察などを披露しあい,それを見た人が興味を持って作品に触れ,さらなる反響を生む――。メインストーリー更新中の現在は,そのターンの真っ最中なのである。
3.全員が“悪役”? ヴィランズの魂という毒
昨今のタイトルに登場するキャラクター傾向を見るに,「元気キャラ」「真面目キャラ」「不良キャラ」といったステレオタイプのキャラクターは逆に少なく,いかに表向きと別の面をアピールしていくかがキモになっているように思う。あくまで筆者の体感だが,いわゆる主役ポジションのキャラクターではなく,“印象的なバイプレイヤー”が人気の中心にまでなることも増えてきた。
とくにキャラクター自体に“ヒール要素”があるとそれは顕著となり,100%“善”よりも“悪”,あるいは健康よりも不健康,完璧なイケメンよりも残念なイケメン……むしろ,これまでの「王道」からは外れたタイプが多くの支持を得やすい傾向にあるように思う。そして本作に登場するのは,ヴィランズの魂を持つキャラクターたちであり,この条件にピッタリ一致するのだ。
少しだけストーリーに触れてみよう。たとえばメインストーリーのエピソード1で,あるキャラクターが別のキャラクターたちに迷惑をかけてしまい,一連の騒動のあと,反省して皆に謝る場面がある。章のまとめともいえるシーンなので,「なるほどここで心温まる友情が芽生えるのだな」と思いきや,謝られた側のキャラクターは……
激おこである。気持ちは分かるが,普通ならば丸く収めてめでたしめでたしとなり次へとつなぐシーンとなるのがセオリーだが,「ツイステ」ではそうはいかない。このほかにもこうした“王道ではない”展開があったり,彼らがグレート・セブン(≒ヴィランズ)に憧れているだけあって,一見わがままで自己中心的にとれる一面を見せたり,サボりぐせがあったりと,ほぼ全員がどこかしら“毒”を感じさせる要素を持っているのだ。そしてそんな一筋縄ではいかない彼らが,共に学園生活(部活などもあったりする)を送り,キャラクター同士で交流しているわけだ。これが面白くならないはずがない。
また,主人公(=プレイヤー)の性別や見た目は明らかになっておらず,フラットにキャラクターたちとの関係性を構築していく過程を楽しめる作りが,遊ぶ人の想像に自由度を与えている。加えて,選択肢などに現れる主人公の性格は比較的サバサバしており,ときには周りのキャラクターがちょっと引くくらい「言いにくいことをズバリと言う」「毒を吐く」こともある。主人公が“ごく普通のいい子”ではないところも,プレイヤーの共感を得やすいと言えるかもしれない。
……と,こんな具合に圧倒的に設定とキャラクターの魅力がある本作だが,ストーリーを進めるうえでのゲームシステムは決して複雑ではなく,かといって簡単すぎることもなく,飽きにくい作りになっているように思う。やることは少ないわけではないが,細部まで作り込まれたUIは見た目が楽しいだけでなく遊びやすさも考慮された完成度なので,そのあたりの作りもよく考えられているなと唸らされた。とにかく,「ツイステ」は噂に違わず面白い。ぜひ多くの人に楽しんでほしい一作だ。
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