2019年6月1日と6月2日に開催されたインディーズゲームの祭典
「BitSummit 7 Spirits」。会場のPLAYISMブースには,Grayfax Softwareが手掛けるPC向けの新作「
Orangeblood」が出展されていた。
本作は,現実の歴史とは異なる過程を辿った20世紀末の沖縄近郊にある人工島「ニュー・コザ」を舞台したRPGだ。欲望が渦巻き,血と硝煙の臭いの入り混じるこの島でフリーのトラブルバスターとして活躍する4人の少女たちの姿が描かれる。
「Orangeblood」の世界では,日本が他国に占領され,南北に分断されている。舞台となるニュー・コザは多数の国の文化が入り混じったキケンな臭いのする島だ
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主人公の少女たちはキュートな外見だが,中身はとてもタフ。公式サイトによると「プリントシール機より7.62x39mmのライフルと汚れたお金が大好き!」とのこと
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ゲームの目的は,ニュー・コザの中心にあるかつて秘密任務で使われていた
主幹構造物(メインストラクチャ)を調査し,その最深部にたどり着くことだ。本作は,ダンジョンに入るたびにアイテムやスキルが入手できる宝箱がランダム配置されるシステムになっており,プレイヤーは,繰り返しダンジョンに潜りながらキャラクターを強化していき,次の階層に挑戦していくというのが大まかな流れだ。
戦闘はシンプルなターン制のコマンド式が採用されている。AP(アモポイント)やリロードなど,ガンファイトを中心にしたシステムが特徴だ
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ゲーム画面を見ても分かる通り,本作はドット絵が非常に細かく書き込まれており,発砲で薬莢が飛ぶなどアニメーションも非常に凝って作られている。これだけクオリティの高いドット絵を作るGrayfax Softwareだが,なんと開発者の方はこれまでドット絵を描いた経験がなく,1年ほど独学で練習したのち,「Orangeblood」の制作に着手し,通算4〜5年かけて作ってきたのだというから驚きだ。Grayfax Softwareの
公式Twitterでは,本作のドット絵やアニメーションが随時公開されているので,こちらも確認してほしい。
本作は「RPGツクールMV」を使用して制作されているが,UIやテキストボックスなどもかなり凝って作られており,いわゆる“ツクールっぽさ”はほとんど感じられない
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少女たちのアニメーションは,サンプル画面やデモ版を触っただけでも「こんなにあるの!?」というぐらい用意されている。なかにはイベントのワンシーンでしか使わないものもあるそう
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「Orangeblood」は
2019年秋のリリースを目指して開発が進められているそうだ。ハードで退廃的な世界観が好きな人はもちろん,キュートなドット絵によって,銃弾が飛び交う血なまぐさい雰囲気が少し柔らいでいるので,ゴリゴリにハードは世界観は苦手という人も楽しめそうな作品だ。