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「Baldur's Gate III」のライブデモがPAX East 2020で公開。ダンジョンズ&ドラゴンズの世界観をLarian Studiosらしくアレンジ
「Baldur’s Gate III」公式サイト
「Baldur’s Gate III」は,テーブルトークRPG「ダンジョンズ&ドラゴンズ」(以下,D&D)の版権を持つWizards of the Coastのライセンスを獲得した作品で,ビデオゲームとしては「Baldur's Gate II: Shadows of Amn」本編のリリースから実に20年ぶりのシリーズ最新作となる。
マインドコントロールに長けた古代の魔族イリシッドが復活してフォーゴトン・レルムへの侵攻を開始したという設定。主人公も脳内にパラサイトを植え付けられたために特殊な能力を持つようになったが,能力を使い過ぎると魔族に取り込まれ,その一方,使用を拒否し続けると廃人になってしまうという微妙なバランスの中で,世界の運命に関わっていくことになるようだ。
プレイヤーキャラクターは,名前と性別,「Criminal」や「Noble」などのバックグランド,ボディタイプに加えて,ヒューマン,ドラウ(ダークエルフ),ハーフリング,さらにティーフリングといった種族を設定することが可能で,それぞれのオリジンストーリーも調節できるという。敵となる邪悪なイリシッドはとくに入念に作り込まれている印象で,イカのような触手を動かしながら進む巨大空中空母スペースジャマ―シップの不気味な姿も公開された映像で確認できる。
PAX Eastに登壇したLarian StudiosのCEO,スヴェン・フィンケ(Swen Vincke)氏がライブデモで選択したのは,エルフの貴族ながらヴァンパイアスポーンというオリジンストーリーを持つ主人公で,テーブルトークRPGの設定とは異なり,太陽の光の下でも生存できる様子だった。イリシッドに植え付けられたパラサイトのおかげで,他人の意思をコントロールできる能力を備えており,これをどのように使って会話を進めていくのかがストーリー進行上の大きなカギになっているという。
ゲーム画面は,2017年にリリースされた「Divinity: Original Sin 2」をレベルアップしたような雰囲気で,Larian Studiosの新世代ゲームエンジン「Divinity 4.0 Engine」が使用されているとのこと。
戦闘はターンベースで,それぞれのキャラクターのアクションポイントを消費して移動やアクションを行っていく。オブジェクトの背後に隠れて敵を攻撃したり,燃えている場所のそばではヘルスが削られたりなど,Larian Studiosらしいアレンジが加えられているようだ。
そのうえで,例えば「Divinity: Original Sin 2」では平均12ポイント程度ある剣を持てば,攻撃力が「10〜14」などと表示されるが,「Baldur’s Gate III」では「2d6」(6面ダイスを2度振る,という意味)と表示されたりなど,ダンジョンズ&ドラゴンズの系譜をしっかり受け継いでいる。
「Baldur's Gate III」の発売日については今のところ発表されていないものの,StadiaとSteam向けに,2020年内にアーリーアクセス版の公開が行われるようだ。Steamのストアページの情報では日本語対応は行われていないが,会話の選択によってストーリーが展開する正統派RPGだけに,日本語化に期待している日本人ゲーマーも少なくないはずだ。続報を楽しみにしたい。
- 関連タイトル:
Baldur's Gate 3
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