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[CJ2019]「三國志14」はシンプルに国盗りが楽しめる。襟川陽一氏&越後谷和広氏への合同インタビューを掲載
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印刷2019/08/04 13:52

インタビュー

[CJ2019]「三國志14」はシンプルに国盗りが楽しめる。襟川陽一氏&越後谷和広氏への合同インタビューを掲載

 ChinaJoy 2019に合わせて開催されたPlayStationカンファレンスで,コーエーテクモゲームスが発表した,歴史シミュレーションシリーズ最新作「三國志14」PC/PS4)。「土地を制するものが天下を制す」をコンセプトに開発されている本作について,合同インタビューが行われた。これに参加する機会を得たので,「三國志」シリーズのゼネラルプロデューサーであり,コーエーテクモホールディングス代表取締役社長でもある襟川陽一氏と,本作のプロデューサーである越後谷和広氏が質問に答えたインタビューの模様をお届けする。

襟川陽一氏(右)と越後谷和広氏(左)
画像集 No.001のサムネイル画像 / [CJ2019]「三國志14」はシンプルに国盗りが楽しめる。襟川陽一氏&越後谷和広氏への合同インタビューを掲載

――本作は「三國志IX」「三國志XI」の流れを汲んでいるとのことですが,これは両作の人気が高いことを考慮したのでしょうか。

越後谷氏:
 はい。本作の開発にあたって,最初に開発チームでどういったものを作りたいかミーティングをしたときも,両作の名前が挙がりました。また,「三國志13」で武将プレイを作って好評を得たので,次はもう一度君主プレイに戻りたいという開発の意向もありました。

――最近,三国志を題材にした「Total War: THREE KINGDOMS」が発売され,好評を博しています。評価している部分などはありますか。

越後谷氏:
 実際にプレイして,純粋に面白く,感心したところはすごくあります。我々とは違う描き方をされていて,こういう捉え方もあるのか,こういう見方もをできるのかと感じますね。素晴らしい作品だと思っています。三国志というジャンルが盛り上がるのは喜ばしいことです。

――本作のプレイスタイルや体験において,これまでとの最大の違いはなんでしょうか。

越後谷氏:
 心がけているのは,「よりシンプルにする」ということです。初代から13まで,いろいろなシステムやバトルを作ってきましたが,ナンバリングを重ねるにつれ,より細かくディープになっている状態でした。
 しかし,本作の開発チームでディスカッションをしていて,「初代は面白かったね」という話が出てくるんです。では,初代の何が面白かったのか。それは「シンプルな国盗りの楽しさ」で,これを今の技術で表現しようというのが,本作の出発点となっています。先にお話ししているとおり,IXとXIは踏襲していますが,シンプルにできるところはシンプルにして,国盗りを楽しめるようにしています。色塗りの表現などは,まさに初代らしいところです。自分の勢力の色で大陸全土を塗りつぶすことができたら,楽しいですから。
 一方で,さらに増えた武将の数など,データはより深くなっています。

画像集 No.004のサムネイル画像 / [CJ2019]「三國志14」はシンプルに国盗りが楽しめる。襟川陽一氏&越後谷和広氏への合同インタビューを掲載

――シリーズの開発にあたって,三国志の歴史で新たな発見や認識をすることはありますか。

越後谷氏:
 前作は,武将の数が850人ぐらいだったので,今回は1000まで増やそうと考えました。そこで「誰を足そう?」と悩んだのですが,やはり三国志の人物はたくさんいるなということを,改めて認識しました。
 また,本作は武将それぞれの個性付けに力を入れていますが,人によって個性のとらえかたや印象が違っていて面白いです。

――本作の国盗りは,単純に土地を取り合うだけでない,新しい体験になると思うのですが,いかがでしょうか。

越後谷氏:
 これまでと一番変わるのは,武将の移動するルートです。1つ1つヘクスを塗っていきますから,より細かくルートを指定するようになり,プレイ感が変わるでしょう。都市という点を取るのではなく,都市を含めた防衛ラインを考えなければなりませんから,ポジション取りを気を付けてプレイすることになると思います。

――AIが強化され,さらに1000人もの武将に個性を与えるとのことですが,具体的にはどのように表現されるのでしょうか。

越後谷氏:
 例えば,武将によって進軍の仕方が違います。色塗りが得意な武将もいれば,進軍の速い武将もいて,所属している武将によって勢力ごとの攻め方も変わってきます。結果,色塗りの見た目にも,武将の個性が反映されることになります。

画像集 No.003のサムネイル画像 / [CJ2019]「三國志14」はシンプルに国盗りが楽しめる。襟川陽一氏&越後谷和広氏への合同インタビューを掲載

――本作の国盗りは,土地と人材がすべてなように聞こえます。すると,大きな勢力が有利すぎませんか? 小さな勢力でプレイすると,バランス的にはどうなるのでしょうか。

越後谷氏:
 平たく言うと不利です。弱小勢力で勝つのは,今まで以上に難しいと思います。そこで役に立つのが,人材の探索や外交,計略など,武将に頼らず守る方法です。それらを駆使しないと,序盤に生き残るのがまず難しくなります。ある意味,歴史に対してシビアになっています。逆にその中でどう工夫すれば生き延びられるのかを,考えてほしいと思います。
 また,今回は難度をいくつか用意しようと考えています。最初は簡単な設定で遊んでもらって,ハードにしていくこともできるでしょう。

――本作の方向性は,新規向けにハードルを下げるのか,昔からのファン向けに上げていくのかどちらでしょう。

越後谷氏:
 明確に新規に向けたわけではないのですが,「分かりやすくする」というのは一番大事なポイントとして認識しています。初代のころは皆さん新規で,それでも面白いと言ってくれたので,シリーズにつながっていきました。ナンバリングが進んで難しくなっていた部分をシンプルにすることで。新規にとっては分かりやすくなり,昔からのファンも楽しくなると思っています。

――初代が発売されたのは1985年のことです。それから30年以上が経ち,日本では三国志に対する印象は変わりましたか。

越後谷氏:
 個人的には,昔より興味を持たれているのではないでしょうか。当時,私は好きで三国志を読んでいましたが,今ほど当たり前のものではなく,知らない人のほうが多かったほどです。

襟川氏:
 当時,三国志はメジャーではなく,ごく一部のファンが小説や漫画,人形劇でストーリーを楽しんでいました。今はほとんどの日本人が三国志という言葉を知っていますし,劉備や曹操,孫権,関羽,諸葛亮といった名前を知っています。
 これほどポピュラーになったのは,とくにゲームの影響が大きいのではないでしょうか。中国にもたくさん三国志のゲームあると思いますが,日本にもたくさんあり,三国志への親近感はどんどん深まっていると思います。
 私の周りは,ゲームに関係する人達ばかりだから,三国志を知っているだけなのかもしれませんが(笑)。

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曹操
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劉備
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孫権

 1984年に三国志という中国の偉大な歴史,資産,文化を元にしたものと出会い,1985年にゲームを出しました。それ以来,中国,日本,欧米の方々に長年支持をいただいて,今回は三國志14を発表でき,本当に幸せに思っています。

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