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ポルシェジャパンのeスポーツ大会「Porsche Esports Racing Japan Season2」レポート。「グランツーリスモSPORT」のポルシェカーで10名の精鋭が激突
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印刷2020/12/21 16:34

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ポルシェジャパンのeスポーツ大会「Porsche Esports Racing Japan Season2」レポート。「グランツーリスモSPORT」のポルシェカーで10名の精鋭が激突

 ポルシェジャパンは2020年12月20日,東京都渋谷区のポップアップストア・Taycan Popup Harajukuにて「Porsche Esports Racing Japan Season2」の決勝大会を開催した。「グランツーリスモSPORT」を用いたこの大会,会場にはオンラインおよびオフライン予選を勝ち抜いた10名が集結し,100万円の賞金を目指してしのぎを削った。

Taycan Popup Harajukuは,ポルシェ初の量産EV(電動)カーである「Taycan(タイカン)」の期間限定ショップだ。12月19日までTaycanの試乗を体験できた
画像集#001のサムネイル/ポルシェジャパンのeスポーツ大会「Porsche Esports Racing Japan Season2」レポート。「グランツーリスモSPORT」のポルシェカーで10名の精鋭が激突

「グランツーリスモSPORT」公式サイト


 「Porsche Esports Racing Japan」はポルシェジャパンが2019年に立ち上げたeスポーツ大会だ。初開催だった昨年は,同じくポルシェジャパンが開催する実車レース「ポルシェカレラカップジャパン」「ポルシェスプリントチャレンジジャパン」に出場したプロドライバーと「グランツーリスモSPORT」プレイヤーがゲーム上で激突した。
 今年は各種ポルシェカーによる5回のオンライン予選が行われ,ポイント上位の9名が決勝大会に進出。これにオフライン予選で選出された1名を加えた,合計10名が腕を競い合うこととなった。

●出場選手一覧
  • 宮園拓真選手
  • 山中智瑛選手
  • 鍋谷奏輝選手
  • 川上 奏選手
  • 國分諒汰選手
  • 加藤達彦選手
  • 清水裕生選手
  • 今里駿斗選手
  • 今井慶春選手
  • 吉田匠吾選手

写真上段左から,宮園拓真選手,山中智瑛選手,鍋谷奏輝選手。中段左から,國分諒汰選手,清水裕生選手,今井慶春選手,川上奏選手。下段左から,吉田匠吾選手,加藤達彦選手,今里駿斗選手
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 セミファイナルは首都高モチーフの「東京エクスプレスウェイ・南ルート」を舞台に,10名を2ブロックに分けて行われた。ファイナルへと進出できるのは上位2名のみという狭き門だ。開催直前まで伏せられていた使用車種は,なんと話題のEV車「Porsche Taycan Turbo S」。ポルシェ初の量産EV車であり,加速性能に優れているうえにシフトが自動で行われるという特徴を持つ。このため,いつも以上にアクセルワークが重要となる。選手達もおそらくは予想していなかったであろう車種だけに,プラクティスにもいつも以上に力が入っていた。ちなみにお値段は約2454万円で,こうした車へ気軽に乗れるのもゲームならではといったところだ。

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会場に展示されていた,「Porsche Taycan Turbo S」の実車
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 Aブロックは宮園,川上,國分,今里,今井の5選手で争われ,ほぼグリッド順で進むシビアな展開に。そんな中,3番グリッドの國分選手が2位に浮上し,宮園,國分両選手がファイナルへ。山中,鍋谷,加藤,清水,吉田選手という組み合わせのBブロックは,テイクオーバー(追い越し)もなく,山中,鍋谷両選手が順当にファイナルへ進んだ。
 一方,ルーザーズでは「Porsche 911 SR」を使い,「富士スピードウェイ」で川上,加藤,今里,清水,吉田選手が激突。こちらは抜きつ抜かれつの混戦となり,4番グリッドの清水選手が見事に復活を果たした。

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 ファイナルでは「Porsche 911 GT3 RS」に乗り,「鈴鹿サーキット」を9周走ることに。用意されたタイヤはレーシングハードおよびミディアムで,摩耗倍率が12倍であることに加え,一度はハードを使わなければならない。つまりは,タイヤの摩耗が激しい中,ハードでスタートしてそのまま走りきるか,危険を冒して交換するかを選ばなければならないわけだ。

こちらは「Porsche 911 GT3 Cup」。ファイナルで使われた「Porsche 911 GT3 RS」のワンメイクレース用カップカー。レース用なので助手席はない
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画像集#007のサムネイル/ポルシェジャパンのeスポーツ大会「Porsche Esports Racing Japan Season2」レポート。「グランツーリスモSPORT」のポルシェカーで10名の精鋭が激突

 スターティンググリッドは宮園,山中,國分,鍋谷,清水選手の順でレース開始。國分選手が早いタイミングからバトルを仕掛け,宮園,山中選手が受けて立つという波乱の展開となった。
 レースのポイントとなったのは,やはりタイヤの摩耗と交換のタイミングだ。山中選手はハードでレースを始め,摩耗の影響を受けたと思しきスリップで順位を落とすも,6周目ラストという5人の中では最も遅いタイミングまで交換を我慢。2位で突入したラスト9周目,先行する宮園選手に対し,交換直後の有利なタイヤで勝負を仕掛け,激しい競り合いの末に勝利をもぎ取った。最終結果は以下のとおりだ。

1位:山中選手
2位:宮園選手
3位:鍋谷選手


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 見事1位となった山中選手には賞金100万円が贈られ,激闘は幕を下ろした。なお,ポルシェジャパンの執行役員 マーケティング部 部長である前田謙一郎氏によれば,「Porsche Esports Racing Japan」は来年も開催されるとのことで,今後が楽しみだ。

 大会終了後,山中,宮園,鍋谷各選手にメディア合同インタビューが行われたので,その様子をお伝えして本稿の締めくくりとしたい。

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――まずはレースお疲れ様でした。山中選手,優勝しての感想をお願いします。

山中智瑛選手(以下,山中選手):
 今年は社会情勢もあって色々な大会が中止になりましたが,そうした中で行われたこの大会に出場でき,しっかり勝てたことで,より自信を持てました。ポルシェといえば,誰もが知っていてファンが多いマニュファクチャラーですし。

――ハードタイヤでのスタートでしたが,ピットインしないままで走りきるような作戦だったのでしょうか?

山中選手:
 最初はハードでも皆について行けるかと思ったんですが,宮園選手は摩耗したところを見逃さずに僕を抜いていきましたね(笑)。

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――決勝大会は,会場に集まるという普段とは違った環境でのレースとなりましたが,苦労はありましたか?

山中選手:
 いつもとは違ったステアリングコントローラーだったので,いかにアジャストしていくかが難しかったです。

宮園拓真選手(以下,宮園選手):
 練習時間があまりなかったので,いかに環境に慣れるかに集中していました。

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鍋谷奏輝選手(以下,鍋谷選手):
 会場のモニターは,自宅で使っているものより大きいので,視点移動に違いがありましたね。

――ゲーム内で「ポルシェらしさが表現されている」と感じられたことはありますか?

山中選手:
 ありますね。ポルシェはエンジンが後部に積まれたRR(後輪駆動)なので,アクセルを踏んだときには,車体がポンと蹴り出される力を感じますし。

――皆さん,RR車は得意にされていたのでしょうか?

鍋谷選手:
 正直,あまり得意ではないですね(笑)。レース中も,リアが振り回されるので苦労していましたし。

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宮園選手:
 RRはドライバーのテクニックが出やすいので,僕は好きですね。

山中選手:
 RRはコーナリング時に振り子っぽくなってしまうんです。決勝大会では低速コーナーも多かったので,これにいかに対応するかが難しかったです。加えてファイナルではタイヤ摩耗の影響もあるので,いかにして抑え込むかを考えながら走っていました。実際,皆さんリアが流れていましたし。

――では最後に,次回大会へ向けての課題をお聞かせください。

山中選手:
 純粋に速さという点で見ると,自分は宮園選手や鍋谷選手に劣っています。なので,より速く走ることに加え,普段とは違った環境への適応力も付けていきたいです。

宮園選手:
 ファイナルの最後で山中選手とのバトルに勝てなかったので,こうした部分を強化していきたいです。また,適応力についても課題だとは思っています。

鍋谷選手:
 今回のようにレギュレーションが当日発表であっても,すぐに対応できるようにしたいです。

――ありがとうございました。

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  • 関連タイトル:

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