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名作「うたわれるもの」がPCに帰ってきた。本日発売となる「偽りの仮面」「二人の白皇」のインプレッションを掲載
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印刷2020/01/23 15:47

プレイレポート

名作「うたわれるもの」がPCに帰ってきた。本日発売となる「偽りの仮面」「二人の白皇」のインプレッションを掲載

 アクアプラスの人気シリーズ「うたわれるもの」の2タイトル,「うたわれるもの 偽りの仮面」(以下,偽りの仮面)と「うたわれるもの 二人の白皇」(二人の白皇)のPC版が,DMM GAMESより本日(2020年1月23日)発売となる。日・英・中国語に対応し,価格はそれぞれ3980円(税込)だ。

画像集#029のサムネイル/名作「うたわれるもの」がPCに帰ってきた。本日発売となる「偽りの仮面」「二人の白皇」のインプレッションを掲載

両作は2002年4月にPCゲームとして発売され,2006年以降にコンシューマ向け(PS2 / PSP / PS4 / PS Vita)にリメイクもされた「うたわれるもの 散りゆく者への子守唄」の続編にあたるタイトルだ。「偽りの仮面」が2015年に,「二人の白皇」が2016年にPS4とPS3,PS Vitaで発売され,人気を博している。
 そんな「うたわれるもの」シリーズが,久々にPCプラットフォームに戻って来たわけで,青春時代に初作のPC版とアニメに触れた筆者として実に感慨深いものがある。

 今回はこの発売に先駆け,「偽りの仮面」および「二人の白皇」をプレイする機会を得たので,物語や世界観,気になるPCでの操作性などを中心に,インプレッションをお届けしてみたい。

「偽りの仮面」では,同じくアクアプラスの人気作品「ToHeart2」より,追加キャラクターとして向坂 環と久寿川ささらが使用できるDLCが発売となる。価格はともに612円(税込)だ。本編シナリオには絡まないものの,とくに操作キャラが少ない序盤をグンと楽にしてくれる
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Steam内「うたわれるもの 偽りの仮面」ストアページ

Steam内「うたわれるもの 二人の白皇」ストアページ



記憶喪失の青年「ハク」を中心とした群像劇


 物語は前作よりいくらかあとの時代,記憶喪失の青年が旅の薬師・クオンによって命を救われるところから始まる。彼女によってハクと名付けられた青年は,旅の縁から都で自警団を始めることになるが,やがて大國「ヤマト」を覆う動乱に巻き込まれていく。動乱の始まりまでを描く「偽りの仮面」と,激化する動乱を描く「二人の白皇」の物語は連続しており,さながらアニメの1クール目と2クール目といった関係である。

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 システム面も共通しており,両作はいずれも「アドベンチャーパート」「シミュレーションパート」という,2つのパートを繰り返しながら進行する。
 アドベンチャーパートはノベルゲーム形式で物語を追いかけていくモードだ。自警団の詰所やキャラクターの私室,ときに飲み屋といった移動先を選び,キャラクターと会話することで交流を深めていく。とくにイベントシーンでは,フルボイスによってキャラクターの心情が語られるので,立ち絵の表情や仕草などと合わせ,非常に感情移入させられること請け合いだ。

移動先を選ぶことで物語が進行していく
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「偽りの仮面」では食事や宴席のシーンが多い。ボイスも相まって,キャラクター達がなんとも楽しそうで,つられてこちらも飲みたくなってしまうほどだ
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 「偽りの仮面」の中盤までは,今となっては懐かしさすら感じるコメディタッチな日常シーンが盛りだくさんなのだが,物語が大きく転換する「偽りの仮面」後半以降は,王道ながら怒涛の展開が続き,目が離せなくなる。
 本作の大きな魅力の一つは,この戦乱の中で成長していくキャラクター達の姿にあり,変化を余儀なくされる関係性もまた,物語に花を添える。前半の平和なコメディシーンも,個人的には少々中だるみを感じなくもなかったが,やはり読み飛ばさなくて良かったと,プレイを終えた今となっては思うばかりである。

「偽りの仮面」序盤では気弱だったが,次第に芯の強さをみせるようになっていくルルティエ
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物語が進むにつれ広がっていく舞台は,地図を用いた演出でより強く印象付けられる。どこかで見たような地形が目に入るのも,本作の謎の一つだ
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第1作をプレイした人にはお馴染みのキャラも登場。かつての魅力は色あせることなく,物語を引き立てていく
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キーボード操作に対応し,改善されたUIで楽しむシミュレーションパート


 シミュレーションパートになると,SRPG風のターン制ストラテジーによる戦闘シーンが展開される。攻撃時に表示されるリングのエフェクトに合わせ,タイミングよくボタンを押すことで発動する「連撃」や,相手の攻撃時のリングに合わせてボタンを押すことで被ダメージを軽減できる「錬技」といったアクション要素もあって,飽きさせないつくりだ。
 戦闘の難度は「普通」と「難しい」の2通りから選べるようになっていて,これはゲーム開始後でも変更が可能だ。過去のステージを再プレイすることでパーティを強化できる「戦闘回想」や,50手までの手番の巻き戻し機能もあるので,ストラテジーが苦手な人でもテンポよく進められるのではないだろうか。

レベルが上がると覚える「必殺技」は,気力が100の状態で「連撃」を最後まで成功させると発動する。気力をすべて消費するので,使いどころが重要となる
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 なお「偽りの仮面」では,今回の移植に合わせて「二人の白皇」に準拠したゲームシステムへと手が加えられ,攻撃の「結果予測」の簡易表示が可能になり,連撃中の気力ゲージ表示や,必殺技発動時の技名表示なども,細かく改善されている。
 またマウス操作に対応するため,「戦闘開始」など一部の操作は,画面上に表示されるボタンを押すことでも可能となった。とはいえ,この「戦闘開始」のキーアサインが,「偽りの仮面」と「二人の白皇」で異なっているのはやや残念なところ。キーボードの場合,コンフィグで変更可能とはいえ,続けて遊ぶとやはり気なってしまう。
 また欲を言うなら,「二人の白皇」における装備画面でのキャラクター切り替えや,周回プレイ時のデータ引継ぎ機能は,「偽りの仮面」にも欲しかったところだ。アップデートでの対応を切に期待したい。

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 プレイ自体は逐次チュートリアルも表示されるので,操作方法を覚えること自体はそう苦ではないはず。「用語集」も完備されていて,ここから操作方法の確認もできるので,適宜活用するといい。PS4版のものではあるが,アクアプラス公式サイトにオンラインの説明書があるので,「こちら」を参考にするのもよさそうだ。

プレイ中にはチュートリアルが表示される(左)。また「用語集」内の「戦闘指南」からも操作方法が確認できる(右)
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両作はキーボードやマウスでの操作にも対応しており,とくにアドベンチャーパートは片手だけで快適にプレイできるが,シミュレーションパートとなるとそうもいかない。キーコンフィグをよく確認しながらいこう。一方,DUALSHOCKやXboxのゲームパッドなら,接続するだけで使用可能だ。元がゲームパッド操作を前提にしているだけに,こだわりがなければこちらの方が操作はしやすいかも
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名作「うたわれるもの」シリーズを,リモートプレイにも対応したPC版で


 内容面でのアップデートは最小限ながら,やはり往年のファンとしては,PCで「うたわれるもの」がプレイできるというのは嬉しいところ。また初めてシリーズに触れる人も,「偽りの仮面」からなら違和感なくプレイできるはずだ。

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 もちろん,初代である「散りゆく者への子守唄」からプレイできればそれに越したことはないので,PS4版やPS Vita版のプレイ環境があるなら,これを機に挑戦してみてほしい。また2015年に放映された「偽りの仮面」のアニメに続き,「二人の白皇」のアニメ化も発表されたこともあり,順番は前後してしまうが「二人の白皇」プレイ後に遡ってプレイするのもまた,味わい深いのではないだろうか。


 なお今作はSteamクラウドによるセーブデータの保存や,Steam Remote Playにも対応している。とくにSteam Remote Playはプレイスタイルの幅が大きく広がるので,スマートフォンやタブレット,あるいはゲーム用のメインPCとは別にノートPCなどを持っているならぜひ試してみてほしい。居間や布団で寝転がりながらプレイできるというのは,人にもよるがなかなか魅力的ではないだろうか。

スマートフォンを用いたストリーミングプレイの様子。仮想コントローラでの操作性も良好だ。筆者の環境では戦闘エフェクトに時折ノイズが入るのが気になったが,プレイ自体は至極快適だった
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Steam内「うたわれるもの 二人の白皇」ストアページ

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