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[JAEPO2020]「GUILTY GEAR -STRIVE-」スペシャルステージレポート。開発方針について開発スタッフとトッププレイヤーが意見を交わした
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印刷2020/02/10 19:48

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[JAEPO2020]「GUILTY GEAR -STRIVE-」スペシャルステージレポート。開発方針について開発スタッフとトッププレイヤーが意見を交わした

 アークシステムワークスは2020年2月8日,「GUILTY GEAR -STRIVE-」PS4 / AC)のスペシャルステージを,千葉・幕張メッセで開催されたアミューズメントゲームイベント「JAEPO2020」のセガ・インタラクティブブースにて行った。
 本稿では,開発スタッフとゲストプレイヤーが,プレイアブル出展されている本作について意見を交わしたトークセッションを中心に,ステージの模様をレポートする。

画像集#002のサムネイル/[JAEPO2020]「GUILTY GEAR -STRIVE-」スペシャルステージレポート。開発方針について開発スタッフとトッププレイヤーが意見を交わした

ステージの冒頭では,「GUILTY GEAR」シリーズおよび「GUILTY GEAR -STRIVE-」の概要が紹介された
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 トークセッションに登壇したのは,本作のゼネラルディレクターを務める石渡太輔氏とディレクターの片野アキラ氏,そして「GUILTY GEAR」シリーズの強豪プレイヤーとして知られるFAB選手ロイ選手あいん選手サミット選手の計6名だ。

石渡太輔氏(写真左),片野アキラ氏(写真右)
画像集#005のサムネイル/[JAEPO2020]「GUILTY GEAR -STRIVE-」スペシャルステージレポート。開発方針について開発スタッフとトッププレイヤーが意見を交わした

 トークの最初のテーマは,各々の考える「『GUILTY GEAR』らしさとは」。FAB選手は,プレイ中にテンションバランスとリスクゲージを踏まえ,空中での攻防やロマンキャンセルなどその場その場の最適解を高速に判断していくことで得られるカタルシスだと語った。
 また,ロイ選手はコンボがつなげやすく,かつキャラクターに個性があること,あいん選手は同じキャラクターを使っていてもプレイヤーによって戦い方が異なるところ,サミット選手は自由度と動きの幅の広さをそれぞれ挙げた。

左からFAB選手,ロイ選手,あいん選手,サミット選手
画像集#006のサムネイル/[JAEPO2020]「GUILTY GEAR -STRIVE-」スペシャルステージレポート。開発方針について開発スタッフとトッププレイヤーが意見を交わした

 一方,石渡氏が考える「GUILTY GEAR」らしさは「悪さ」。石渡氏が「ゲームを作っている中で,とにかく悪さを入れたい。プレイヤーがその悪さを見つけたときに楽しくなったり,突き詰めたくなったりする余地を入れたい」と説明すると,片野氏も開発チーム内で「これ悪さできる?」「悪さ足りないんじゃないの?」という会話を交わしていることを明かした。なお石渡氏によると,「GUILTY GEAR -STRIVE-」にもたくさんの悪さを詰め込んでいるとのこと。

 「GUILTY GEAR -STRIVE-」におけるキャラクターバランスの調整方針はどうなっているのかという質問には,目新しさを出すためにアップデートごとにキャラクターの性能を大きくいじる手法と,各キャラクターの強さになるべく差が出ないようにする手法のどちらを取るかで,開発チーム内でも意見が割れていると,片野氏は回答した。
 また石渡氏によると,「GUILTY GEAR」シリーズのバランス調整に関しては一貫して「マイルド調整よりワイルド調整」をキーワードにしているとのこと。「バランスの良いゲームは言わば毒のない状態であり,それよりはバランスが崩れていても毒を入れたい。その毒を非常においしいと感じてもらえるような調整を目指している」と語った。とはいえ実際のバランス調整は,現場でデータをいじるスタッフの手腕によるところが大きく,「GUILTY GEAR Xrd」シリーズは調整を重ねたことによりマイルド寄りになってしまったという。そこで「GUILTY GEAR -STRIVE-」では,多少無理があっても面白さを優先することに挑戦しているそうだ。
 加えてeスポーツとどう向き合っていくかという議論もあると,片野氏は話していた。

 「GUILTY GEAR -STRIVE-」に起き攻めが強力なキャラクターが参戦するのであればどういった形で導入されるのかという質問には,片野氏と石渡氏は「プレイヤーが想像するような起き攻めキャラを出すのであれば,バトルスタイルを変更せず,起き攻めが強力なキャラのままでないといけない」と回答。その一方で片野氏は,複雑すぎる起き攻めは減らすべきだとし,プレイヤーだけでなく試合を観戦する人にも何が起きているか分かるようにする必要があると話していた。

 試遊したプレイヤーから賛否の多かった新しい空中ダッシュの仕様について片野氏は「空中ダッシュをした時点で,攻め手側が有利な状況になっている」というベースの思想を説明する。なお,こちらの仕様が今回が初実装ということで,プレイヤーの反応を見つつ調整を重ねていくことを示唆した。
※現時点の空中ダッシュは空中で一瞬停滞した後に発生する仕様となっている。停滞した直後に攻撃ボタンを押すと落下しつつ攻撃が発生し,攻撃を押さないとまっすぐに空中ダッシュが出るため,受け手側は2種類の軌道を読み切って対応しなければならない

 また,「GUILTY GEAR」シリーズに空中ダッシュを導入した経緯を問われた石渡氏は,直感的な手触りやプレイヤーの思い描いたままを実現できるようにしたかったからと回答。しかしプレイを見ている人にはこれまた何が起きているのか分からない,初心者はどう対処していいのか分からないため,「GUILTY GEAR -STRIVE-」では少なくとも何が起きているのか理解できるような仕様を目指しているとのこと。さらに片野氏も,今までよりハイリスクハイリターンなアクションにしたいと話していた。

画像集#007のサムネイル/[JAEPO2020]「GUILTY GEAR -STRIVE-」スペシャルステージレポート。開発方針について開発スタッフとトッププレイヤーが意見を交わした

 現状,「GUILTY GEAR -STRIVE-」はかなり難度の高いゲームとなっているのではないかという意見が出ると,片野氏が簡単なゲームと難しいゲームの定義について,よく石渡氏と話し合っていることを明かした。
 また石渡氏は,昨今のゲームによく取り入れられている「ボタン連打でコンボが簡単につながるシステム」について,それがあるから簡単なゲームであるかは疑問が残るとし,むしろ「きちんとマニュアルで操作しないとうまくなれない」という意識のハードルを高めてしまうのではないかと持論を語っていた。

 そのため本作は,大前提として「何でも新しくしよう」「今まで良しとしてきたことを見直そう」という方針で開発を進めており,プレイするために覚えなければならないことに関しては,「GUILTY GEAR」シリーズ経験者もそうでない人も同じラインに立てるようなシステムを目指しているという。
 また片野氏も,従来の「GUILTY GEAR」シリーズが初心者が上達するまでに膨大な時間を費やす必要があったことを指摘し,その救済のためのシステムは導入したいが,既存のアークシステムワークスのゲームとは異なるアプローチを模索していると語った。加えて「格闘ゲームには,パッと見て自分にもできそうと思わせて,実は難しいという側面があった。今回はそういうところを目指したい」とも話していた。

 UIが従来の「GUILTY GEAR」シリーズと異なり,ポップに見えるという意見には,石渡氏と片野氏が「単純に制作途中」と回答。今後のバージョンではこれまでのシリーズにあったロックテイストを残す一方で,重苦しい雰囲気を抑え,入りやすい印象にする予定とのこと。
 また,リスクゲージやテンションゲージ,バーストの有無などが認識しづらいという意見には「リスクゲージは意図的に見づらくして,体力ゲージやテンションゲージより存在感を落としている」との回答がなされた。これはゲージがたくさんあると,これから格闘ゲームを始めようという人のハードルになってしまう恐れがあるからで,石渡氏は「リスクゲージは見て分かる人だけが認識できればいいという方向で考えている」と語った。ただ現状は,見て分かるはずの人達も認識しづらいと言っているため,改善する予定だという。

 直前ガードの仕様変更など,防御システムの方針はどうなっているのかという質問には,片野氏が「直前ガードなどの防御システムを導入すると,それができないとダメという風潮になりがち」と自身の見解を示した。一方,石渡氏は「防御システムは強いかどうかより,楽しいかどうかで考えている」とし,「今の直前ガードは,実を言うと僕自身あまり楽しくない。何とかメスを入れたい」「直前ガードに恩恵を入れると,攻撃側の設定が難しくなる。これまではゲームがマニアックになるのでいいと考えていたが,今回はそこも視点を変えて開発しようとして,今の形になっている」と説明。「最終的に攻め側も守り側も面白いと思える着地点を探し続けます」と語った。

 「GUILTY GEAR -STRIVE-」がシリーズ化するのかどうかという質問には,石渡氏が「今は今作を成功させることに注力しているので,先の展開についてはあまり考えていない」と回答。その一方で,格闘ゲームのシリーズは新作が出ると過去作のシステムが古いものと見なされがちであることを指摘し,「今作を出したあとも,過去の『GUILTY GEAR』シリーズにニーズがあるようならきちんと振り返るべき」と見解を示した。
 また片野氏は「今作をやり込んでくださった皆さんが報われるよう,すぐに終わらせるようなことはしないという意思を持って開発に臨んでいる」と話していた。

 トークの終わりには,片野氏が2020年春に「GUILTY GEAR -STRIVE-」のオンラインβテストを予定していることを明かし,「皆さんに触れていただける機会を提供し,皆さんと一緒に作っていく」と語った。また石渡氏は「今作は人の輪を広げたりつなげたりするところに持っていけたらいいなと考えて作っている。面白いだけでなく,1つのコミュニティを形成するゲームとして捉えていただけるとうれしいです」と話していた。
 最後に片野氏が,「GUILTY GEAR -STRIVE-」のコンシューマ版とアーケード版がほぼ同時期リリースを目指して開発を進めていることを明かし,ステージを締めくくった。

ゲストプレイヤー4名によるエキシビショントーナメントも行われた。優勝したのは,カイ使いの古豪あいん選手
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「GUILTY GEAR -STRIVE-」公式サイト

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