プレイレポート
Switch版「Sky 星を紡ぐ子どもたち」プレイレポート。ゆるいつながりを楽しめるアクションアドベンチャー
そんな本作がコンシューマ機へ移植されるのは,今回が初めてのこと。スマホ版とのクロスプレイに対応しており,すでにプレイ済みの人はSwitchにデータを引き継いで楽しめる。本稿では,登場から2年を経て,“スマホ以外”でも遊べるようになった本作のプレイレポートをお届けしたい。
空の王国を甦らせるため,力を失った精霊を星座に戻す「星の子」の冒険が始まる
ゲームの舞台となる「空の王国」は,星座として空で輝く精霊達の力によって,繁栄を誇っていた。しかしある時,精霊達が力を失い“落ちて”しまったことで,繁栄に陰りが見え始める。
プレイヤーは,そんな状況を打破しうる力を持つ「星の子」の一人として,この世界を冒険する。ほかの星の子と協力し,精霊達の力を取り戻しながら,この地に希望を取り戻すのだ。
本作は,ステージクリア型のアクションゲームだ。プレイヤーは,フィールドを探索して精霊を見つけ出し,彼らの持つ記憶の断片を再生してつなげていく。そうして精霊達の記憶を取り戻したら,フィールドの終点に存在する神殿に祈りを捧げることで,次のステージが開放されるといった流れだ。記憶を取り戻した精霊達は空に帰り,プレイヤーに新たなエモートなどを授けてくれる。
本作には,戦闘や経験値といった要素が存在しない。フィールドには,触るとダメージを受けるオブジェクトやモンスターが存在するものの,本作はあくまで探索と収集がメインなので,避けたりやり過ごしたりするのが基本となる。
フィールドでの主な移動手段は歩行と飛行だ。プレイヤーは,道中の光源やキャンドルの炎から「光の力」を吸収し,その力で高くジャンプしたり,空を飛んだりできる。高所にあるオブジェクトに触れたり,離れた足場に飛び移ったりと,光の力は探索や謎解きに欠かせない。
本作のフィールドは,島のように複数に分かれていることあり,そういった“島から島への長距離移動”は,光の力を消費せずに飛行できる。この時,渡り鳥のように雲の上を高速で移動する演出が入るのだが,美しい空の風景も相まって非常に印象的なシーンになっている。
フィールドを探索するときに目を光らせておきたいのは,「キャンドルの炎」と「風の翼」だ。キャンドルの炎は光の力を回復するだけでなく,一定数集めるとゲーム内通貨である「キャンドル」に変換できる。キャンドルは,助けた精霊に渡すことで,新たなエモートや見た目を変えるスキンと交換可能だ。
一方の風の翼は,光の力の上限を高めるもので,集めるほど高く飛行でき,結果的に探索が楽になる。序盤は見つけやすい場所に落ちているが,中盤以降はしっかり探索しないとたどり着けない場所に配置されることが多い。
そして,本作を語る上で忘れてはならないのが「オンライン」機能だ。本作はゲームサーバーに常時接続しており,探索中にほかのプレイヤー(自分以外の星の子)の姿を見かけることがある。ただ,相手のディスプレイネームなどは表示されず,交流をしなければ影のような形でしか確認できない。
基本的には一期一会で,簡単なエモート(感情表現)を送りあったり,一時的に助け合うだけといった関係なので,気楽に協力プレイが楽しめる。ちなみに,道中で見かけたほかのプレイヤーとエモートを通じて,フレンドになることも可能だ。
美しいグラフィックスで描かれた,“言葉で語らない”世界が特徴の一作。ほかの星の子とは,エモートメインでゆるく繋がろう
このゲームの物語は,キャラクターの動きによる演技とシチュエーションだけで進んでいく。ゲーム的な説明(操作ヘルプ)こそ十分に行われるが,空の王国の現状や精霊達に何があったのかは,その状況をみて察していく必要がある。要は,言葉では語られないので,プレイヤーの想像力に委ねられているわけだ。
そのぶん,ゲームのグラフィックスは非常に美しく,光と影の表現や雲が流れる空の描写は,目を見張るほど。「言葉ではなくビジュアルで語る」というコンセプトがうかがい知れる。
「言葉を使わない」というのは,ほかのプレイヤーとのコミュニケーションでも同じだ。いちおう特定の条件や場所でテキストを使用したチャットはできるが,基本的にはエモートでやり取りすることを想定しているように感じる。
とくに,ゲームの進行に直接影響を与える炎のやり取り(光の回復)が非常に便利。雨の降る森や後半ステージなど,光の減少が激しい場所では,ほかの星の子と助け合えるかで,難度がだいぶ変わる印象だ。
課金要素は「時短」がメインで,専用のショップでキャンドルやスキンを購入できる。キャンドルは探索で手に入るし,装飾品もあくまで見た目が変わるだけなので,課金するしないがゲームの攻略そのものに影響することはない。
「Sky 星を紡ぐ子どもたち」は,広い三次元のフィールドを好きに走ったり飛んだりするのが魅力の1つなのだが,バーチャルパッドで操作するスマホ版だと誤操作も多く,アクションのテンポに引っかかりを感じることもあった。その点,Switch版はコントローラを使って直感的に操作できるので,縦横無尽にキャラクターを動かす気持ちよさが,しっかりと味わえる。
ダウンロードさえすればすぐにプレイできるので,まだ本作を遊んだことがないという人は,Switch版が登場した今を機に始めてみてほしい。
「Sky 星を紡ぐ子どもたち」公式サイト
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