プレイレポート
PS5版「リビッツ!ビッグ・アドベンチャー」インプレッション。布と紙で作られた世界で,リビッツが大冒険
主人公の「リビッツ」は,PlayStationを代表するキャラクターの1人。布で作られた身体とつぶらな瞳が特徴的で,その民芸品のような可愛らしさがファンに親しまれている。PSのキャラクターが戦う「プレイステーション オールスター・バトルロイヤル」にも登場しており,PS5のローンチを飾るにふさわしい風格の持ち主といえるだろう。
ゲームを始めてすぐに目を惹くのが,画面中に広がる独特の雰囲気と可愛らしさである。リビッツが冒険する世界は「クラフトワールド」と呼ばれており,登場するステージの数々は,毛糸や布や紙といった日用的な素材で作られている。
例えば草原は,毛足の長さが異なる緑色の絨毯で表現されているのだが,美麗なグラフィックスにより素材感が際立っており,遠目からだと本当に草のように見えてしまうのだから面白い。
「リトルビッグプラネット」と同じく,リビッツはいろいろなコスチュームに着せ替えが可能だ。それだけでなく,人間の肌にあたる布(ゲーム内では“素材”と表現されている)も毛糸やサテン,ウールにキャンバス地など種類豊富で,見た目はとにかくキュート。操作していると愛着が芽生え,なんだかキャラクターグッズが欲しくなってくる。
この人形のようなリビッツが,素材感あふれるフィールドを走り回る様子は人形劇のようで,見ているだけでも面白い。ジャンルとしては“3Dアクションゲーム”であり,カメラ操作のない固定視点でゲームは進んでいく。オプションの中には「無限ライフ」という項目もあるため,アクションゲームに慣れていない人でも安心して遊べるだろう。
見た目は素朴なリビッツだが,アクションはなかなかに多彩だ。ステージをくまなく探検しようと思うなら「ジャンプ」や「パンチ」はもちろんのこと,空中から急降下する「ヘッドストンプ」や,前転で素早く移動する「ローリング」,アイテムや地形に干渉する「つかむ」といった技を使いこなす必要がある。
例えば,ぐるぐる回るスポンジのローラーに掴まれば,その勢いでより遠くへジャンプできる。壁にあるスイッチを押し込めば,扉が開いて隠しエリアに行けるし,地面に落ちている種を植木鉢まで運べば花が咲いてアイテムがもらえる……といった具合で,あちこちに仕掛けがあるので,周囲をしっかり観察していろいろと試してみるのが楽しい。
大きな謎を解けば,その証しとして「ドリーマーズオーブ」がもらえるので,やり込み好きとしてはコンプを目指したいところ。
フィールドにはビー玉のような「オーブ」が無数に転がっており,回収するとスコアがアップし,リビッツの残機が増える。ステージの目標スコアを越えれば,報酬としてコスチュームなどがもらえるので,できるだけ高得点を狙いたい。
ちなみにオーブはギミックと連動しているものもあり,回収するためにアクションを駆使するシチュエーションも出てくるので,高得点を狙い始めると意外なアクション性の高さに気づかされるだろう。
また,ゲームを進めれば「ニットナイトの試練」というコンテンツも開放される。障害物だらけのコースを走るというもので,タイムが短いほど報酬が良くなる。地形のきわどいところに,タイムを短くしてくれる時計が配置されるので,こちらもやり込みがいがありそうだ。
こうしてプレイを進めていくと,新たなコスチュームやカラーがアンロックされていく。設定できる項目は「素材」「頭」「髪」「目」「眼鏡」「鼻や口」「上半身」「下半身」「腰」「足」「アクセサリー」と多岐に渡っており,ゲームを始めてあまり時間が経っていない段階でも,いろいろとカスタマイズが楽しめた。
また,「赤ずきんちゃん」「シャーマン」「ラスベガスの歌手」「シェルパ」など,一括でコスチュームやカラーを決めてくれるテーマもいろいろと存在する。装備するとケンタウロスのようになる「ピニャータの後ろ側」なんてパーツもあるのが面白い。
編みぐるみのようなリビッツと敵キャラクターたちが,人形劇の舞台のようなフィールドで活き活きと動き回る「リビッツ!ビッグ・アドベンチャー」。次世代ゲーム機というと,フォトリアルなグラフィックスが注目されがちではあるが,そんな中で布や紙といった日用素材をフィーチャーし,ファンタジックな世界観を構築しているのが,本作の面白いところだ。
ゲームの雰囲気も温かみがあり,老若男女が楽しめるゲームという印象を受けた。目玉の1つである「オンラインマルチプレイ」は未実装だったので触れなかったが,2020年末に予定されている実装時に世界中からどんなリビッツたちが集まってくるかが楽しみである。
「リビッツ!ビッグ・アドベンチャー」公式サイト
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リビッツ!ビッグ・アドベンチャー
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(C)Sony Interactive Entertainment Europe. Developed by Sumo Digital.
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