プレイレポート
「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった… 〜波乱を呼ぶ海賊〜」を紹介。原作のIFストーリーが楽しめる乙女ゲーム
アイディアファクトリーから2022年2月10日に発売される予定のNintendo Switch用ソフト「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった… 〜波乱を呼ぶ海賊〜」は,アニメ化もされたライトノベルが原作の乙女ゲーム作品です。女子高校生だった前世の記憶を持つカタリナ・クラエス(CV:内田真礼)が,乙女ゲーム「FORTUNE LOVER」の世界で繰り広げる破滅エンド回避ラブコメディの,IFストーリーが楽しめる本作を紹介します。
なお本稿は,原作ライトノベルおよびアニメのネタバレを含む内容となっていますのでご注意ください。
★原作キャラクター
☆ゲームオリジナルキャラクター
主人公
乙女ゲームの悪役令嬢
★カタリナ・クラエス(※名前変更不可)
CV.内田真礼
クラエス公爵の一人娘。きつめの容貌の持ち主(本人曰く「悪役顔」)。前世の記憶を取り戻し、我儘令嬢娘から野性味あふれる問題児(?)へとシフトチェンジした。単純で忘れっぽく調子に乗りやすい性格だが、まっすぐで素直な気質の持ち主。学力と魔力は平均かそれ以下くらいの実力。食べることが大好き。
攻略対象キャラクター
腹黒ドSなカタリナの婚約者
★ジオルド・スティアート
CV:蒼井翔太 / 瀬戸麻沙美(幼少期)
王国の第三王子。カタリナの婚約者。金髪碧眼の正統派王子様だが、腹黒で性格は歪みぎみ。何にも興味を持てず退屈な日々を過ごしていた幼少期に、カタリナと出会う。カタリナに執着していて、年々その愛情は増している。
色気あふれる義理の弟
★キース・クラエス
CV:柿原徹也 / 雨宮 天(幼少期)
カタリナの義理の弟。クラエス家の分家からその魔力の高さ故に引き取られた。色気のあふれる美形。孤独から歪んだ人生を歩むはずが、カタリナに出会ったことでクラエス家の人々の愛情に包まれ好青年へと順調に成長中。
俺様系なジオルドの双子の弟
★アラン・スティアート
CV:鈴木達央 / 田村睦心(幼少期)
ジオルドの双子の弟で第四王子。野性的な風貌の美形で、俺様系な王子様。出来の良すぎる双子の兄であるジオルドと比べられ育ったためにコンプレックスを持っていたが、カタリナによって克服する。音楽の神の申し子と言われるほど、素晴らしい音楽の才能を持つ。
魔性の魅力を持つ宰相の息子
★ニコル・アスカルト
CV:松岡禎丞 / M・A・O(幼少期)
国の宰相であるアスカルト伯爵の子息。人形のように整った容貌の持ち主。妹のソフィアを溺愛している。老若男女問わず惹きつけられる魔性の魅力の持ち主で、愛好会が存在する。家族の前以外では無表情気味だが、カタリナのある言葉によって、カタリナに惹かれ心を開くようになる。
親切な他国の技術者
☆ロジー・リンド
CV:鈴村健一
クイード王国の技術者。技術士として造船からヴィンクルム号に関わっていて、完成披露会の船旅にも整備スタッフとして乗船している。人当たりがよく、柔和な性格のため接しやすい。空腹のカタリナに自作のお菓子をあげたことをきっかけに友人関係になる。
白闇の悪魔
☆シルヴァ
CV:浪川大輔
ブラン海域に出没するヴァイス海賊団の船長をする青年。どこか異国めいた中性的な容貌をしており、変わった雰囲気の服装をまとう。言動は荒っぽいが、懐に入れた身内の人間に対しては世話を焼く一面も。
すべての破滅エンドを回避して迎えた春休み。カタリナは豪華客船に乗ることに
本作の主人公・カタリナは,8歳の頃に頭をぶつけたことをきっかけに,女子高校生だった前世の記憶を取り戻し,自分が乙女ゲーム「FORTUNE LOVER」に登場する悪役令嬢に転生したことを知ります。
乙女ゲームの物語では,国外追放か死亡の未来しかなかったカタリナですが,力を尽くし,破滅エンドを回避して,無事魔法学園1年目の「卒業式」を迎えることができました。この卒業式こそ,エンディングのタイミングであり,その卒業式を迎えたこと=破滅エンドを回避できたということになるのです。
ゲームは,カタリナの意識が前世の親友であるあっちゃんの中に入ってしまった夢から始まります。あっちゃんは部屋で「FORTUNE LOVER」の公式ビジュアルファンブックを読んでいるのですが,そこには収録されなかった……つまりボツネタになったカタリナの破滅エンドが書かれていたのでした。
友人であるソフィア・アスカルト(CV:水瀬いのり)の声で目を覚ましたカタリナは,学園の中庭で眠っていたようです。春休みを迎え,家に帰る生徒が多いなか,ソフィアも今日帰るということで,カタリナにわざわざ挨拶するために探してくれていたようです。うん,かわいい。
カタリナも春休み初日に帰省する予定でしたが,直前に連絡が来て予定が繰り下がりました。
理由を知らされていなかったカタリナでしたが,義弟のキースが受け取った手紙によると,クラエス家で風邪が流行っているため,カタリナに知らせてしまうと,すぐにでも帰ってきてしまいそうだから……ということでした。行動力のあるカタリナなら,確かにそうしていたでしょう。
さらに,体調がまだ完璧に戻ったわけではない家族の代わりにキースが名代として重要な社交の予定に参加することに。1人で学園の寮に取り残されるのでは,と不安になったカタリナでしたが,それは杞憂でした。
手紙はもう1枚用意されており,そこにはカタリナを1人にしてしまうと,何をしでかすのか分からないので,一緒に連れて行くようにと書かれていたのでした。いろいろな意味で心配されていますね。
翌日,カタリナとキースは馬車で港町へと向かっていました。
父がキースに頼んだのは,ライル・ヴェルダー侯爵主催の船のお披露目会。この社交の場は,カタリナたちの暮らすソルシエ王国と別の大陸にあるというクイード王国の国交に関わるものであり,親交を深めるためにカタリナも行動しなくてはなりません。分かっている,というカタリナの言葉に対し,キースは心配そうです。
カタリナは,母からの手紙に書いてあることを守りつつ,社交の場を切り抜けることができるのでしょうか。
親しい友人たちと豪華客船で1週間の旅! 新しい友人もできて……
そんなやり取りをしていると,突然カタリナの名前を呼ぶ声が。そこにいたのはカタリナの友人であるマリア・キャンベル(CV:早見沙織)でした。マリアは「FORTUNE LOVER」の主人公であり,今回は特別招待を受け,この船へとやってきたとのこと。
これは,幼少期や学園での出来事を描いたゲームオリジナルのミニエピソードで,その場で読むことができるほか,タイトルメニューの「SPECIAL」を解放後はいつでも確認可能です。
カタリナとキースが釣りの話をしていると,今度はジオルド,アラン,ニコル,ソフィア,メアリ・ハント(CV:岡咲美保)が現れます。彼らもそれぞれの事情で,船に乗っていたのです。結局,生徒会に所属するメンバーが一堂に会する形となり,いつもと同じような雰囲気の船旅となりそうです。
まず,一行は船のなかにあるプールで遊ぶことに。まだ水に入るには寒い時期ですが,魔法の力で水温や周りの気温が調整されているようで,気にせずプールで楽しめるようです。プールはクイード王国の文化であり,ソルシエ王国にはなく,みんな水着を着ることにも慣れていなくて,ちょっと恥ずかしそうです。
プールで思いっきり遊んだあと,疲れてお腹が空いたカタリナはラウンジを探しに部屋を出ます。しかし,たどり着いたのは食べ物がないギャラリーラウンジ。引き返そうとした瞬間,ふと目に止まった“琥珀色の石がはまったネックレス”が気になりました。
触れることができないそのネックレスを見ていると,見知らぬ青年が現れ,それが「魔女の瞳」と呼ばれるネックレスであることを教えてくれます。
魔女の瞳について会話していると,カタリナのお腹がなります。誤魔化そうとしましたが結局できず,そんなカタリナに青年はグミをくれます。
グミをくれたことをキッカケに親切な青年――ロジーとカタリナは友人になるのでした。
共通ルートでも個別ルートでもカタリナのひたむきな明るさは健在!
共通ルートは,お馴染みのキャラクターたちの和気あいあいとした雰囲気が楽しめるのが魅力の1つ。男性キャラクターはもちろんですが,女性キャラクターも魅力的で,なにより主人公であるカタリナの性格が明るくて元気なため,物語自体も賑やかで楽しい気持ちになります。
本作には,複数の個別ルートが用意されていますが,今回はニコルのルートを遊んでみました。
ソフィアの兄であるニコルですが,幼少期,心ない言葉を向けられていたソフィアを救ってくれたカタリナのことを,どうやら心の底から想っているようです。
しかし,カタリナはジオルドの婚約者……。叶わぬ恋だとわかりながらも,密かにその恋心を募らせているのがニコル視点で描かれていて,なんだか切ない気持ちになりました。
個別ルートでも,カタリナの明るく元気な姿がしっかり描かれています。この明るさに,なんだかほっとするんですよね。どんな困難にあっても,カタリナならなんとかなる安心感もあります……が,本作では選択肢次第で「カタリナ破滅BAD END」を迎えます。油断できない仕様です。さすが悪役令嬢。
エンディングはなんと25通りも用意されているので,ぜひコンプを目指してみてください。エンディングリストは,1つのルートをクリアしたあとに解放される「SPECIAL」から確認できます。
筆者は,原作を簡単に知っている程度で,深い知識はないのですが,それでもカタリナの明るく元気な姿,そしてその周りに集まる個性的なキャラクターたちをとても魅力的に感じ,遊んでいくうちに原作が気になってしまいました。
原作を知っていればより楽しめる作品というのは間違いないですが,明るく元気なカタリナと個性的なキャラクターたちの和気あいあいとした姿を楽しみたいという原作未読者にもおすすめできる作品です。
「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった… 〜波乱を呼ぶ海賊〜」公式サイト
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